アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い 作:ゴジロット
実は私が最初に執筆した小説の修正作業をしていまして、それが原因で8月はそっちに集中して投稿が出来ませんでした。
一応そっちはもう少しで一段落出来そうなので、此方も少しずつ並行して作業していきたいと思います。
そして今回はサトシのジム戦……ではなく、先にテルキのジム戦からやろうと思います。
理由としましては、前回までやっていたアンケート結果から物語を少しずつやっていく関係上、テルキから先にやった方が楽だからです(とは言ってもそんなに変わらないですが…)
なのでサトセレガチ勢の皆様、セレナの合流はもう少しだけ待っていて下さい……。
ビオラの手持ちポケモンはアニメと同じ2体に加えて、更にオリジナルで数体増やしています。
ゲーム視点としても、アニメ視点としても、そこそこのガチパです。
つまりテルキに対してだけ、見た感じの難易度がハードモードでございます。
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ふしぎなおくりもの
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ハクダンシティから少し離れた場所にある4番道路のポケモンセンター――そのテラス席にて、セレナはパートナーのフォッコと共に朝食を取っていた。
「はぁ……ヤヤコマに起こされる事もないし、サイホンレースの朝練もない。良いな〜、こんな朝!」
今まで自宅で過ごした日々とは違う静かな朝に、伸び伸びと優雅に過ごすセレナ。
それに釣られてポケモンフーズを食べ終えたフォッコも、彼女を真似て背筋を伸ばす。
「フフッ♪お腹いっぱいになった?」
「フォッコ♪」
「良かった。それじゃあ、そろそろ行きましょ!」
お互い食事を終えてジョーイさんにお礼を言った後、ポケモンセンターから出て旅を続ける。
目的地のハクダンシティは後少しで、其処に居るであろう少年を想いながらウキウキで脚を進める。
「いよいよハクダンシティ…!やっと……やっと会えるわ、あの子に……サトシに!」
もうすぐ会える、あの日に出会った男の子に。
とても澄んだあの瞳、勇気と希望を齎すあの声、曇りなきあの笑顔。
この時点で彼を想うだけで胸をドキドキする感覚を自覚しながらも、セレナは早足でハクダンシティを目指して行った。
その頃、テルキ達もハクダンシティに到着して、真っ先にジムに向かって走り出したサトシを追いかけていた。
厳密には昨日の時点で既に到着していたのだが、その時は既に夜だったので一先ず一同はポケモンセンターで一泊し、すっかり元気全開になって準備万端になった後サトシは、一刻も早くジム戦をしたくて全速力で向かっていた。
その後ろを、ユリーカとシトロンとテルキが同じく走って追い掛ける。
「待ってろよ…ハクダンジム!1個目のバッジ、必ずゲットだぜ!」
「ピカピーカ!!」
「はぁ、はぁ…!ま、待ってくださ〜い!!――わわっ!?」
後ろの方を走っていたシトロンが、疲れて息も切れ切れに叫んだ後に足を躓き、真正面から豪快に転んでしまいそうになる。
ガツッ!
「――っと、シトロン大丈夫?」
――が、彼は完全に転ぶ事は無く、後ろからテルキがリュック部分を掴んだ事でシトロンの転倒を防いだ。
「あ、はい。ありがとうございますテルキ」
怪我が無い事を一通り見たテルキは、転びかけたシトロンを立ち上がらせる。
そして先に進もうとするサトシに急かされるが、テルキがそれを止めてとある事を質問した。
「待ってくれサトシ!早くジム戦をしたいところ申し訳ないけど……サトシはこの町のジムが何処にあるか知ってるのか?」
「勿論知らないぜ!!」
「「「えっ…?」」」
一見場所を知ってるようにどんどん突き進むので、事前に調べていたのかと思われたが、そんな事はなかった。
自信満々の返答を聞いて、思わず3人はきょとんとした表情するが、サトシは傍の噴水に足をかける。
「走れば道は見えてくる!進めば必ず辿り着く!それが俺達だ!!」
「ピーカチュ♪」
指先まで力を入れて遠くを差すサトシとピカチュウ、その後ろでタイミング良く噴水の水が美しく噴き上がる。
まるで彼等の気合いを表しているようで、1つの芸術とも言える光景だ。
カシャッ!
お互いに顔を見合わせて微笑む、果てしなき夢を真っ直ぐ突き進む1人と1匹。
その時、不意に近くからカメラのシャッターが切る音が聞こえた。
「素敵な写真をありがとう!」
気付けば此方にカメラを構えていた女性が1人、微笑みを浮かべながら歩み寄って来る。
その女性にサトシは、心の中で何処となく以前出会ったパンジーに似た印象を受ける。
「貴方達、中々良いコンビのようね」
「はい!ピカチュウは俺の相棒です」
「ピーカチュ!」
今のを見てたのか、女性はサトシとピカチュウの2人が共に良いコンビである事を見抜いていた。
彼女の言葉に、サトシとピカチュウは何方もお互い信頼し切ってる事を伝える。
そんな中、横からテルキがその女性の方へと近付いて、声を掛けた。
「お久しぶりです、ビオラさん。以前ジム戦で会って以来ですね」
「あら?貴方は……」
「忘れました?前に貴方のジムに挑んで、俺のゴウカザルが氷のフィールドを焼き尽くしてバグバッジをゲットしたんですけど」
「……ああ!テルキ君ね。久しぶりじゃない!この町に来たって事はもしかして、また私のジムへ挑みに来たのかしら?」
「はい。長らく離れてた公式戦復帰と今期カロスリーグに向けて、もう一度バッジ集めに来たんです」
話の内容からして、どうやらテルキは目の前の女性と面識があるらしい。
もしかしたらと思ってサトシは、この人物の事をテルキに聞いてみた。
「テルキ、もしかしてこの人が…?」
「ああ、この人はビオラさん。此処ハクダンシティのジムのジムリーダーを務めている人だよ。因みに専門のタイプはむしタイプだ」
「本当!?じゃあ、貴方がパンジーさんの妹さんですか?」
「そうよ。姉さんから話は聞いているわ。貴方がカントーからやってきたサトシ君ね?随分と待たせちゃってごめんなさい。ハクダンジムならこの先を右に曲がった所だから、ついでに案内するわ」
「ありがとうございます!なっ、道は見えただろ?ジム戦燃えてきたぜ!」
思わぬ所でジムリーダーの「ビオラ」と出会い、彼女の案内でハクダンジムへと歩き出した一同。
サトシはカロス地方での最初のジム戦という事で闘志を燃やしており、テルキは久々の公式戦という事で身が引き締まる思いだった。
すると歩いてる途中、ユリーカが1つ疑問に思った事を口にした。
「……あっ!そういえばさ、サトシとテルキはどっちが先にジム戦をやるの?」
「あっ……そういえば決めてなかったな」
「では公平に、ジャンケンで決めるのはどうでしょうか。勝った方が先にジム戦を受けるって事で」
「オッケー!それじゃあテルキ、ジャンケンでジム戦をする順番を決めようぜ」
「分かった。じゃあいくよ…!」
ジム戦をする順番を決める為、ジャンケンで勝った方が先にジム戦をする事にしたサトシとテルキ。
最初はグーの後に手を引っ込めて、2人同時にそれぞれの手を素早く出す。
その結果――、
サトシ→パー 負け
テルキ→チョキ 勝ち
「ガクッ……」
「ピ〜カッチュ…」
「アハハ……ま、まぁサトシ…どんまいです……」
「ご、ごめんサトシ……そこまで楽しみにしてたのなら、俺は後の方に回るよ。ネタバレとか気にするタイプなら、今のジャンケンに気にせず先にジム戦して良いけど…?」
「……いいや、男に二言はない!!ジャンケンで決まったからには、俺は後に挑戦する!だからテルキ、絶対ジム戦に勝ってくれよ!」
先にジム戦したかった故に負けて落ち込むサトシだが、ジャンケンで公平に決めたからには順番をテルキに譲る事に異論は無かった。
それに相手はジムリーダーだから戦えるポケモンも充分用意してるだろうし、テルキが挑戦を終えた後でもサトシが試合出来る余地はきちんとある。
だからこそサトシは、先に戦うからには絶対にビオラに勝利してくれと、テルキを奮起させた。
「――!!……勿論。サトシに応援されたからには、無様に負ける訳にはいかないさ…!」
それを聞いてテルキも、サトシに応援されたからにはこれからのジム戦は絶対に勝つと意気込んだ。
推しに応援されてもう負ける気がしないと、どんなポケモンが来ようとも勝つ事しか考えてないテルキだったが、彼等が話している間にハクダンジムの前に到着した。
「着いたわ。此処がハクダンジムよ」
「おっ!とうとう来たぞ!」
ハクダンジムは大きく綺麗な建物で、手入れやメンテナンスがきちんと行き届いてるのが分かる。
早速一同は中に入ろうとしたその時、前の自動ドアがスライドして開くと中から小さな影がサトシに飛びついてきた。
「エリ〜!!」
「うわああっ!?」
サトシは驚いて尻餅をついたが、飛びついてきた影を目にして正体が分かると、それはミアレシティで別れたパンジーのエレキテルだった。
「エリリ♪」
「えっ、エリキテル!?」
「ピカ!?」
「いらっしゃい。サトシ君、元気そうね」
エレキテルが此処に居る事に驚いたが、更にジムから出てきた人物を見て納得した。
エリキテルが声を掛けてきた人物の下に戻って、身軽な動きで肩まで登りつくその者は、間違いなく以前ミアレシティの空港で別れたパンジー本人だった。
「あっ、パンジーさん!お久しぶりです!パンジーさんも来てたんですね」
「ええ。取材も終わったし、サトシ君もそろそろ来る頃かな〜って思ってたところよ。……あら?そこの3人は新しいお友達かしら?」
「はい。パンジーさんと別れた後、ミアレシティで知り合った仲間です」
「はじめまして、ユリーカです。この子はデデンネ」
「デネデネ〜」
「それからお兄ちゃんの――」
「シトロンです。どうぞよろしく」
「どうも、シンオウ地方フタバタウンのテルキです」
サトシの様子から見て知り合いだと分かり、テルキ達は各々自己紹介して挨拶する。
そして全員が挨拶し終えた後、シトロンはどうゆう人なのかをサトシに訊いた。
「サトシ、この人とは知り合いですか?」
「ああ。ポケモンルポライターのパンジーさんで、カロス地方に来る前にミノリ島で会ったんだよ。それに、俺にカロス地方の事を教えてくれた人でもあるんだ」
「そうよ。まさか妹のビオラと一緒に来るなんてね。ビオラ、もしかしてこの町に帰ってきた時にサトシ君達と会ったの?」
「ええ。さっき噴水の所で、彼の写真を1枚撮らせてもらったの。とにかく立ち話するのもなんだし、みんな中に入って」
ビオラは微笑みながら皆を自身が運営するジムの中に案内してくれた。
中のエントランスに入ってみると、壁一面にはたくさんのむしポケモンの写真が展示されていた。
それぞれ地方ごとに分けられており、バタフリー、スピアー、モルフォン、カイロスといったカントー地方のポケモンや、各種のミノの姿をしたミノマダムにガーメイル、ビークインにメガヤンマとシンオウ地方のポケモンの写真もある。
しかもそのどれもが1番良い構図で撮影されているので、見るだけで各むしポケモンの生活環境や迫力が伝わってくる。
「おお〜!何か前ジムに来た時よりも、写真かなり増えてる気がする…!」
「でしょ?特にこの『霧の湖』で撮ったバルビートとイルミーゼの群れの写真なんて、私のトップ3に入るベストショットよ」
「凄いな…これ全部ビオラさんが撮ったんですか?」
「ええ。ここにあるのは作品全体のほんの一部だけど」
「妹は優秀なむしポケモンカメラマンでね、時々私の取材も手伝ってもらっているのよ」
「どれも良い写真ですね〜!被写体への愛情が溢れていますよ」
「ホント!むしポケモン大好きって感じだね!……うん、決めた!ビオラさん、キープ♡」
皆ビオラが撮った写真を鑑賞していると、何か思いついたユリーカが目をキラキラ輝かせると突然ビオラさんの前に片膝をつき、左手を胸に添えて、右手をビオラに向けて一杯前に出した。
そのポーズはまさに、プロポーズにも等しい。
「お願い!お兄ちゃんをシルブプレ!」
「ネネ〜!」
「…は?」
「シルブ…プレ?」
突然小さい娘から「兄をよろしくお願いします!」と言われて、唖然となって困惑するしかないビオラ。
それはパンジーは勿論、サトシやテルキも頭に?のマークが浮かぶほどだ。
「ユリーカ!!?それはやめろと言っただろ!!!」
「だって、お兄ちゃん1人だと頼りないんだもん!!お嫁さんがいた方が安心だも〜ん♪」
「お嫁さん?」
シトロンが顔を真っ赤にして止めるが、ユリーカはそれを止めない。
何でも彼女の話から「兄が頼りないから」という理由で、勝手にシトロンを支える将来の伴侶を必要だと主張。
味方を変えれば兄思いの良い妹だが、肝心のシトロンからしたら恥ずかしい事この上ないので、彼はリュックからエイパムを起動してユリーカをつまみ上げる。
「小さな親切大きなお世話だ!」
「えへへ〜。ビオラさん、考えておいてねー!」
「……ユニークな妹さんね」
「……コホンッ!それじゃあそろそろ、ジム戦を始めましょうか!最初はテルキ君が挑んで、その次にサトシ君で良いのかしら?」
「はい。早速お願いします」
「テルキ、頑張れよ!」
「ピーカッチュ!」
「いいわ。……でも貴方は前に私に勝ってるから、もう
「えっ、別のポケモンで…?」
そう言った後、一同はエントランスの奥の扉へと移動し、ジムのバトルフィールドに案内された。
サトシとパンジー、そして戻ってきたシトロンとユリーカはフィールド外の仕切りがある位置から観戦し、どんなバトルをするのか楽しみにしていた。
テルキとビオラはフィールドに立ち、何時でもバトル出来る体勢になると、審判がルール説明を始める。
「これより、チャレンジャー・テルキ
(……さ〜て、何が来る…?ビオラさんが使うジム戦用のポケモンは知ってるけど、アメタマやビビヨンじゃないとなると……モスノウか?マルヤクデか?それともグソクムシャか…?)
「シャッターチャンスを狙うように、勝利を狙う!さぁ行くわよ、ウルガモス!」
「ヴゥゥー!!」
審判がルールを説明した後、ビオラは早速ボールを投げて最初の1体目のポケモンをフィールドに出した。
出てきたのは、むしタイプのポケモンの中でもトップクラスの強さを誇る、むしとほのおの複合タイプであるたいようポケモン「ウルガモス」だった。
「っ…、ウルガモスか……!ならこっちは……ゴウカザル、バトルゴォォーーッ!!!!」
「ゴウカッ!!」
最初から強豪ポケモンを出された事に戸惑うテルキだが、ならばと彼もボールを投げてゴウカザルを最初に出す。
むしとほのおタイプのウルガモスに対して、ほのおとかくとうタイプのゴウカザル。
何方も相性はいまいちで、タイプ一致の技では決め手に欠ける対戦カードだ。
「ウルガモス、ふわふわモフモフで可愛い〜♡ねぇねぇサトシ、ポケモン図鑑でウルガモスを見せて!」
「良いぜ。ほら」
『ウルガモス
たいようポケモン
メラルバの進化形。6枚の羽から炎の鱗粉を振りまきながら、空を飛びまわる。古代の時代では太陽の神と言われ、各地に様々な伝説を持つ』
「うわ~!太陽の神様なんて、凄いポケモン!」
「流石ジムリーダー……非常に強力なポケモンを持っていますね」
「妹はむしタイプ専門だから、他にも色々なむしポケモン達を持っているけど、最初からウルガモスを出すだなんて……ビオラったら本気のようね」
「先行はチャレンジャーから!それでは、バトル開始!」
こうしてテルキ
審判が試合開始を宣言したすぐ、テルキは早速パートナーのゴウカザルに指示する。
「いくぞゴウカザル、『かえんほうしゃ』だ!!!」
「ゴウカッ!!ヴゥゥ…ゴウカアァーー!!!!」
「ウルガモス、『サイコキネシス』!!!」
「ヴゥゥールッ!!!」
ゴウカザルが口から放った猛烈な「かえんほうしゃ」を、ウルガモスは「サイコキネシス」の念動力で軌道をずらして、火炎はあらぬ方向に飛んで着弾する。
そのままウルガモスはサイコパワーを送りゴウカザルに攻撃しようとするが、テルキは素早く次の指示を出す。
「念動力に捕まるな!!スピードで翻弄するんだ!!!」
「ウキャアァッ!!!」
サイコパワーの念波に捕まる前にゴウカザルは持ち前の素早さで回避し、ウルガモスの周りを瞬間的に移動して翻弄。
ウルガモスはそのスピードについて行けてないが、ビオラは焦らず素早さを逆転させる一手を指示。
「無駄よ!!ウルガモス、『おいかぜ』!!!」
「ヴゥゥ〜〜ルガッ!!!」
ビオラはウルガモスに、暫くの間だけ風の力で相手の素早さを半減し、逆に自身や仲間のポケモンの素早さを2倍にする「おいかぜ」を繰り出させる。
これにより翻弄するゴウカザルのスピードが向かい風で大きく下がり、同時にウルガモスの方がスピードで上回る事態になった。
「っ…!!ゴウカザル、『ステルスロック』!!!」
「ウキャアァガ!!!」
状況が芳しくないと察したテルキはスピードで翻弄するのを止め、戦術を変えてゴウカザルに次の指示を送る。
向かい風が吹く中、ゴウカザルの力で出現した無数の尖った岩をフィールド全体に浮かべて配置し、交代で出てきた相手のポケモンにダメージを与える「ステルスロック」を発動。
その後お互い睨み合って様子見をする沈黙の時間が続くが、ここでテルキはゴウカザルのボールを出した。
「此方の状況が悪い……仕方ない、作戦変更だ。戻れゴウカザル、交代だ」
「ゴウッキャウゥ…」
次の一手はどんな技が来るのかと思いきや、テルキはそのままゴウカザルで戦闘続行せず交代の選択を選んだ。
ゴウカザルは名残り惜しそうにしつつも、テルキに従ってボールへと戻っていった。
「あら?てっきりこのまま続けるのかと思ったけど、選手交代なの?」
「他2体が分からない状況であのまま戦うのは、あまり良くないと判断したまでです。それに戦いたいのは、ゴウカザルだけじゃない!いくぞダイケンキ、バトルゴォォーーッ!!!!」
「ダアァァァァイッ!!!」
ゴウカザルに代わってテルキが出した2体目は、みずとあくタイプのヒスイダイケンキだった。
みずタイプはほのおタイプに対して効果抜群であり、むしタイプはあくタイプに対して効果抜群な為、何方も相性的には互角である。
いや寧ろ「おいかぜ」の効果でウルガモスのスピードが上がっている分、ヒスイダイケンキの方が不利だろうか。
「あのダイケンキ……もしかして『リージョンフォーム』かしら?」
「リージョンフォーム…?パンジーさん、あの黒い姿のダイケンキの事を知っているんですか?」
「アローラやガラルといった別の地方には、分類上は同じでも見た目やタイプ、そして特性や技が違うポケモンが居るのを知っているわ。そういったポケモンの事を『リージョンフォーム』って言うのよ」
「なるほど。僕達が知っているダイケンキと見た目が違うのは、あれがリージョンフォームだからなんですね」
「不思議だよね〜!」
「でもあの姿のダイケンキは見たことないわね……一体何処の地方の姿なのかしら?」
「う〜ん……俺の持っているポケモン図鑑だと、翳しても普通のダイケンキしか出ないんだよな…」
『ダイケンキ
かんろくポケモン
フタチマルの進化形。前脚の鎧に仕込まれたアシガタナという大太刀の一振りで、相手を倒す。群れを統率するリーダーであり、 決まりを守らないものは容赦なく叩きのめす、厳格な性質』
パンジーからテルキの持つダイケンキがリージョンフォームだという事が分かったサトシ達だが、当然カロス図鑑ではテルキのダイケンキは出てこない。
気になるところだが、そうこうしているうちにバトルは続行され、テルキはヒスイダイケンキに攻撃の一手を指示。
「ダイケンキ、『ひけん・ちえなみ』!!!」
「ダイッ!!!」
「ウルガモス、『サイコキネシス』!!!」
「ヴゥゥールッ!!!」
ヒスイダイケンキが両前脚に仕込まれた鋭い棘々のアシガタナを手に持ち、波のような黒いオーラを纏わせながら切り裂く「ひけん・ちえなみ」を繰り出す。
対してウルガモスは再びサイコパワーを発動して念動力を送るが、攻撃の念波が無効化されてヒスイダイケンキの剣撃を受けてしまった。
しかも一撃で終わらず、「ひけん・ちえなみ」の名の通り幾重重なりあってよせる千重波の如く、ヒスイダイケンキは連続で斬撃を与えていく。
攻撃が一旦止むと、斬撃を与えた際に散らばった尖った貝殻の破片が彼方此方に落ちている。
「ウルガモス!!」
「ヴゥゥー……ヴゥゥール…!」
「ビオラさん。このヒスイダイケンキはみずとあくタイプの複合で、エスパー技は通用しません」
「!……なるほど、リージョンフォーム特有の別タイプが入ってるって訳ね。確かにほのおタイプ複合のウルガモス相手に、みずタイプは効果抜群………でもあくタイプだと、私の得意なむしタイプには絶好のシャッターチャンスだって事、忘れないでよね!ウルガモス、『シグナルビーム』!!!」
「ヴゥゥールガァァーー!!!!」
「ダイケンキ、『シェルブレード』!!!」
「ダァァァイィィィケン!!!」
エネルギーを集束して撃ち出された「シグナルビーム」を、ダイケンキは水の力を纏った刃「シェルブレード」の二刀流で対抗。
接近しながら右前脚に持ったアシガタナでビームを縦に切り裂き、間合いを詰めた所で左前脚に逆手で持ったアシガタナで、すれ違いざまに一閃。
無駄の無い動きから繰り出された剣撃にウルガモスはふらつくが、まだまだ戦える力は残されている。
「ウルガモス、『ねっぷう』!!!」
「ヴゥゥール!!!!」
ウルガモスは高熱を纏わせながら、3対6枚の羽を力強く羽ばたかせる。
火の粉混じりの高熱の
効果はいまひとつだが、元よりウルガモスの強さからして威力は高く、「おいかぜ」に乗ってより強い火の風が襲い掛かった。
「ダアァァァァッ!!!?」
「っ!?ダイケンキ!!」
更に不運が重なり、「ねっぷう」の追加効果でヒスイダイケンキは火傷状態になってしまい、炎に襲われ追加ダメージが入った。
やけど状態は炎で徐々に体力を削られる上に、攻撃力が半減されるので、ヒスイダイケンキは本来のポテンシャルを発揮出来なくなってしまった。
「ダイケンキ、『サイコカッター』を投げろ!!!」
「ダイッ!ダァァァイィィィケン!!!」
火傷のダメージや後の戦闘を考えれば長期戦になるほど不利と判断したテルキは、一気に勝負に持ち込む。
ヒスイダイケンキはサイコパワーを発動して、2本のアシガタナをウルガモスに向けて投げる。
この個体特有の刃を投げる戦法は、遠慮からでも相手を攻撃出来るが外せば得物が無くなってしまう方法でもあり、「おいかぜ」の効果で素早さが上がっているウルガモスは優雅に避ける。
「面白い攻撃ね。でも得物が無くなった今、シャッターチャンスよ!ウルガモス、『シグナルビーム』!!!」
「ヴゥゥールガァァーー!!!!」
ヒスイダイケンキからの攻撃を避けたウルガモスは再び『シグナルビーム』を発射し、得物を失ったヒスイダイケンキを狙い撃ちしてきた。
アシガタナが手元に無い以上ビームを防ぐ手段が無いが、テルキは焦らずヒスイダイケンキの切り札を切った。
「ダイケンキ!!今こそ、3本目の剣を使う時だ!!頭の角で『シェルブレード』!!!」
「ッ!!ダアァァァァイッ!!!!」
ここでテルキはヒスイダイケンキに、2本のアシガタナとは違う
アシガタナの無いヒスイダイケンキは、頭部の角にエネルギーを集中すると水の力が纏って、なんと角で「シェルブレード」を発動。
角を水の剣にしたダイケンキは、そのままウルガモスの「シグナルビーム」を受け止めた。
「ダアァァァァッ…!!」
「ヴゥゥールゥゥ…!!!」
火傷のダメージに耐えながらビームを受け止めるヒスイダイケンキと、ビームの出力を上げて押し切ろうとするウルガモス。
依然としてウルガモスの方が有利で、このままヒスイダイケンキを飲み込もうとする。
だがその時、「シグナルビーム」を撃っていたウルガモスの背中に、突如として衝撃が走った。
「ヴルゥッ!!?」
「ウルガモス!?」
突然の事に理解が追いつかないウルガモスとビオラだが、すぐに状況を理解した。
それは先ほどヒスイダイケンキが投げた2本のアシガタナの「サイコカッター」で、サイコパワーでブーメランのように旋回してウルガモスの背後に直撃し、ダメージを与えて「シグナルビーム」を中断させた。
これによりウルガモスに大きな隙が生まれ、そこを突いてテルキはヒスイダイケンキに素早く指示した。
「今だダイケンキ!!突撃しろ!!!」
「ダアァァーーイィッ!!!!」
この隙を逃すまいと、ヒスイダイケンキはウルガモスに突撃して、水の力が纏った頭の角で一突き。
これが決定打となり、ウルガモスは後方に吹っ飛ばされフィールドに倒れると、そのまま地に伏せて目がぐるぐるになる。
「ヴゥ〜……」
「ウルガモス戦闘不能!ダイケンキの勝ち!」
「よっし!!」
「ダ、ダイッ…!!」
「「「やったあぁーー!!」」」
先ず1体目を倒す事に成功し、テルキは勿論ヒスイダイケンキも、そして観戦しているサトシ達3人も喜ぶ。
火傷状態になって追い詰められた時はどうなるかと思ったが、保ち直して逆転出来たのは大きい。
肝心となる1勝を掴み、このままの調子で勝ち進めていきたいところ、ウルガモスをボールに戻したビオラが口を開く。
「流石、前に私に勝利しただけあるわね………でも次はどうかしら?出てきて、ハッサム!!」
「ハッサム!!!」
ビオラが次に出したポケモンを見て、テルキは簡単に勝たせてくれないと理解した。
どうやら彼女は、全力を持ってテルキと戦う気らしい。
はたしてテルキは、公式戦復帰という彼にとっても大事なこの試合にて、無事に勝利してジムバッジを手にする事が出来るのか。
ここまでの冒険を、ポケモンレポートにしっかり書き残した!▼
●ビオラ「特にこの『霧の湖』で撮ったバルビートとイルミーゼの群れの写真なんて、私のトップ3に入るベストショットよ」
ポケダン時闇空をプレイした人なら分かる、あのダンジョンと同じ名前の湖。
あっ、勿論グラードンは居ませんよ?
●ビオラのポケモンについて
むしタイプ専門のジムリーダーなので、この小説ではアニメで使ったアメタマとビビヨン以外にも持っていると解釈しています。
またテルキは前に1度カロス地方も旅した経験がある設定なので、当然ながら氷のスタジオも攻略してるから同じ手は通用しないとし、アニメでは使っていない他のポケモンを選出させました。
ただ私がまだ未熟なのもあってアニメのような戦い方を描けず、ほとんどゲームと変わらない感じになってしまいそうですが…。
因みにビオラの残りの3体目は、レジェンズにも出ているポケモンにしてます。
それと、何時もこの小説を読んでいる読者の皆様、高評価やお気に入り登録、そして感想コメントをしてくださり本当にありがとうございます。
おかげで執筆活動のモチベーションが維持できるので、これからも感想とかしてくださると嬉しいです。
サトシがゲットしたヤヤコマは原作アニメだと通常特性「はとむね→ほのおのからだ」ですが、リザードンとの差別化の為に隠れ特性「はやてのつばさ」に改変しても良いですか?(締切は2026年7月31日)
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はやてのつばさ(第6世代仕様)にする
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はやてのつばさ(第7世代以降)にする
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改変せず通常特性のまま