アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い   作:ゴジロット

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 この話では既存キャラはほとんど出て来ず、オリキャラ同士の会話がほとんどを締めているので、其処はご了承下さい。
 またポケモンレンジャーシリーズの要素を含んでいる為、知っている人からしたら「あ〜ハイハイそうゆう事ね理解した」って感じで理解出来ますが、作品をプレイしてない方々からしたら「お前は何を言ってるんだ?」って思うかもしれません。




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【第0話】スズラン大会敗北 オブリビアからカロスへ【NEW】

 

 

『これまで幾多の選手達のポケモンを、無類の強さで倒してきたタクト選手のダークライ!!テルキ選手は最後の1体にゴウカザルを繰り出すが、またしてもダークライの技で眠らされてしまったああぁぁぁーー!!!!』

 

「頼むゴウカザル!!!起きてくれぇーー!!!!」

 

「ウ……ギィ……ガ………」

 

 

 会場の観客の声に負けないくらいに、青年テルキの祈りと願いの叫びが響き渡る。

 しかし無情にも目の前のパートナーであるゴウカザルは、相手選手のパートナーである幻のポケモン――「ダークライ」の専用技、暗黒の世界にひきずり落として相手を眠らせる「ダークホール」によって、強制的に眠らされる。

 しかもそれに加え、ダークライの特性「ナイトメア」の効果により悪夢を見させられ、苦しみながら体力が徐々に失っていく。

 

 

「ダークライ、『ゆめくい』!!」

 

「……!!」

 

 

 ここで相手選手のダークライが仕掛け、意識が夢の中に居るポケモンに超能力を繰り出し、夢を食って大ダメージを与えた。

 

 

「ガアアアアアアァァァァァァァーーーーー!?!?」

 

「ゴウカザル!!!!」

 

 

 断末魔にも似た相棒の叫びが、トレーナーであるテルキの耳にも入ってつんざく。

 その上、今の技で他のパートナーポケモンが必死になって削った体力が回復してしまい、ダークライはほぼ全快に近い状態に戻ってしまう。

 この高確率で相手を眠らせる技と、眠った相手の体力を削る特性、そして眠っている相手から体力を奪う技のコンボの前に、青年のパートナーポケモン達は成す術無く倒れていった。

 最後の頼みの綱である最強の相棒のゴウカザルに全てを賭けたが、この悪夢のコンボに手も足も出ず相棒はバトルフィールドに伏せた。

 

 

(もう…駄目だ……何をやっても勝てない……)

 

 

 積み上げた努力も、共に過ごして生まれた相棒との友情も全て、幻のポケモンという圧倒的な力によって捻じ伏せられ、実力の差を思い知らせたテルキは視界が徐々に真っ暗になっていき、膝から崩れ落ちて絶望する。

 ――だが、審判が戦闘不能の判定をしようとしたその時、僅かながらもテルキにとっては大きな奇跡が起きた。

 

 

「ゴウカザル、戦闘不n「ゴ…ヴ…キャア…!」っ!!」

 

「ゴウカ…ザル…?」

 

「ギャヴゥ……ギャヴゥ……ヴゥ……!」

 

『た、立った!!効果抜群の技を受けながらも、テルキ選手のゴウカザルは目を覚まして立ち上がったーーー!!!!』

 

 

 テルキの声が届き、相棒のゴウカザルは――立ち上がってくれた。

 依然として絶望的な状況である事に変わりないが、ゴウカザルがテルキを心配させまいと気合いで目を覚まし、奇跡を起こして立ち上がってくれた。

 相棒が起こしたこの奇跡を決して無駄には出来ない――真っ暗になりかけたテルキの視界が一気に戻って立ち上がると、再びバトルに集中する。

 

 

(こうなったら最後の手段だ。俺達が合わせたあの力(・・・)に、全てを賭ける…!でもアレは今だに制御出来ないし、俺もゴウカザルも負担が大きすぎる……それでも!)

 

「…ゴウカザル、最後まで…最後の瞬間まで俺と一緒に戦ってくれるか?」

 

「ウキャアッ!!」

 

「…分かった。一緒にいくぞゴウカザル、限界突破だああああぁぁぁぁぁーーー!!!!」

 

ゴォウゥカアアアアアァァァァァァーーーー!!!!

 

 

 最早普通に戦っては勝ち目が無いのは明白故、テルキは最後の賭けとして相棒と息を合わせて共に気合いを高めて吠えると、相棒は吠えて激しい烈火に包まれて姿が見えなくなる。

 火柱の中で輪郭だけが薄っすらと映り、その中でゴウカザルは潜在する力が解放され、パワーが急上昇していく。

 

 

「ぐっ…!!?くううぅぅぅぅ……!!!」

 

 

 それと同時に、テルキの体に重苦しい負荷と熱さが掛かり――そして全身から体力が削られていくような凄まじい感覚に襲われ、その場で苦しみだす。

 まるで目の前のゴウカザルと同様、烈火の柱に包まれてるような感覚だ。

 

 強くなりたい――ただひたすらそれを目指して来た中で偶然目覚めたこの力はゴウカザルに絶大な力を発揮する代わりに、指示するトレーナーのテルキにも巨大な負荷を背負う上に、戦う相棒とシンクロして受けたダメージが自身にも襲う危険な代物。

 故に使うべき力ではない事は明白だが、お互い負けず嫌いなテルキとゴウカザルはこの勝負に勝ちたいが為に、何方も同意の覚悟でその力を発動。

 

 

『これは…何が起きてるのでしょうか!?ゴウカザルは凄まじい炎に包まれ、どうゆう訳かテルキ選手が苦しそうです!!』

 

「何かくるぞ、ダークライ!」

 

「……!!」

 

「いっけええぇぇぇッ!!!『だいふんげき』!!!!」

 

「ゴウギャガアアアアアァァァァァァーーーーー!!!!」

 

 

 苦痛を気合いと根性で耐えながらテルキは戦っているゴウカザルに指示を出すと、ゴウカザルは更なる烈火の火柱に包まれながら相手選手のポケモンに突撃し、全力の限りを尽くしながら攻撃を開始。

 炎のオーラ全開の状態で相棒は相手選手のダークライに急接近すると、すかさず殴る、蹴る、殴る、蹴り飛ばす。

 凄まじき猛炎の連撃は、ダークライでさえ簡単に反撃出来ず、荒ぶる炎を纏ったゴウカザルに押されていく。

 

 

「これで最後だあああああぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」

 

「ガアアアアアァァァァァァァーーーーー!!!!」

 

 

 確実にダメージを与えていった所で、テルキとゴウカザルは共に吠えて最後の一撃を与えようと、同時に拳を振り上げる。

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

「…『ダークホール』!!そして『ゆめくい』だ!!」

 

 

 その言葉が聞こえたのを最後に、テルキとゴウカザルの意識はプツリと途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~……何時見てもひっでー試合。こんな無様な負け方をした上に全国放送されたとか、恥ずかしくてマジで実家に帰れねぇ〜……。スバルもそう思うだろ?」

 

「……あのさテルキ、当時の試合を見ていない僕に言われても困るんだけど」

 

「エモ〜ン」

 

 

 月日は流れて、場所は「オブリビア地方」に有る「ココナ村」近くの海岸にて、テルキはココナッツミルクを片手にビーチチェアで寛きながら、ポケスマホで自分の試合映像を見ていた。

 そしてその隣のビーチチェアには、渋々ながらも彼に付き合って話を聞いていたポケモンレンジャーが1人――親友の「スバル」と、その側にはパートナーの「エモンガ」が居る。

 

 

「まぁこの負けがあって当時まだ新人レンジャーだったお前に出会って、フィオレ、アルミア、そしてこのオブリビアで一緒に活動して世界救ったりと凄い事が有ったんだけどな。なあスバル」

 

「……確かにテルキと会ってから、ホントに色々と大変だったな〜。良い意味でも悪い意味でも」

 

 

 平和なオブリビアのビーチを満喫しながら、それでいて隣のレンジャーとの出会いを振り返るテルキ。

 あの大会で大敗をかまして、挫折した彼はその後バトルの疲れを取る為をフィオレ地方を訪れふらふら旅してたのだが、ひょんな事から当時新人レンジャーのスバルと出会って仲良くなり、共に活動するようになった。

 

 

「当時フィオレ地方で新人だったスバルの手助けをしたら、いつの間にか世界がヤバイ状況一歩手前になりかけてたからな」

 

「そうそう。フィオレ地方ではシンバラ教授がゴーゴー団ボスのラゴウ相手に、ありがた〜い御言葉を送っている時に――」

 

「俺達お互いめちゃくちゃ文句言いながら、エンテイ達の暴走を止めてたよな……」

 

 

 ただその活動の中で、ポケモンを悪用する敵組織との対立に巻き込まれ、レンジャーとトレーナーのタッグでいくつもの事件を解決してきた。

 過去の回想に浸り、自分達が今まで経験した波乱万丈の日々を思い出す、2人のポケモントレーナーとポケモンレンジャー。

 最初はフィオレ地方で、盗まれたレンジャーの技術を使って伝説のポケモンを支配しようとするゴーゴー団に共に立ち向かった日々。

 

 

 

 

 

 

 

『何でそこでキャプチャしないだよ!!?今絶好のチャンスだっただろ!!!!』

 

『仕方ないだろ!!!このスタイラー1回でも途切れると、心の通じ合いがリセットされるんだよ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの出来事があってスタイラーの機能が見直されて、今じゃあの時の苦悩が嘘なくらいにキャプチャが超楽になったから、結果オーライだけとさぁ……アレは本当にきつかった……」

 

「その後アルミア地方じゃあ、アンヘルタワー頂上にある闇の結晶を無効化する為に奮闘したっけ……」

 

「……それも大変だったけど、僕的にあの頃1番切羽詰まってたのは、奴等の船が沈んでいく中でポケモン達を救出した時かな」

 

 

 次に思い出すのはアルミア地方の出来事で、闇の力を利用した機械でポケモン達を操ろうとするヤミヤミ団と、不思議な力を秘めた闇の結晶を巡る戦いの日々。

 だがスバルが1番大変だと思い浮かぶのは、沈没していく船からポケモン達を助けた事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!!こんな海のド真ん中で船がどんどん沈んでいく!!!!』

 

『落ち落ち落ちちちちち落ち着けぇっ!!!!今リーダーのバロウさんが必死で船を操縦してるから、僕達はとにかく中のポケモン達の救出だ!!!急げっ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でもさぁ……僕達が経験した中で、やっぱり一番辛かったのはアレだよな〜」

 

「俺も思った。やっぱり一番辛かったのは――」

 

「「過去の世界で光の神殿のアルセウスを止める事」」

 

 

 そして最後に、現在居るこのオブリビア地方で起きた激闘の日々。

 しかし2人の頭に思い浮かぶのは、超古代技術で世界の支配者になろうとするポケモンナッパーズやティーパーティとの戦いではなく、嘗て大昔に起きた記録に無い壮絶な戦いの歴史で、セレビィの力で過去の時代に行った際の光の神殿で出来事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ギュルルゥイイィィーーーッ!!!!』

 

『ぎゃあああっ!!!?だから四方八方にその光線を撃ちまくるのはやめろーーー!!!!』

 

『もう駄目だぁ~!!!後30秒で神殿に居られる制限時間が無くなるぅーーー!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「正直あの神殿での戦いに比べたら……ポケモンナッパーズやティーパーティなんて、ほとんど苦じゃなかったな」

 

「おのれ闇の長サーグめ……僕達にあれだけの苦労をさせた上に、過去の時代にあんな物騒な要塞を残しやがって」

 

 

 現代よりも過去の時代での戦いの方が辛かったと言うテルキと、大昔の罪人を恨めしく思うスバル。

 結局その罪人には逃げられてしまい、それに関しては過去の時代の人々に任せる事にしたのだが、それが今の時代で島が1個消滅する大惨事へと繋がるとは思いもよらなかった。

 

 そんなこんなで苛烈な戦いを共にしたせいか、テルキとスバルとはお互い親友レベルにまで親しくなり、冗談を言い合ったり、休日は一緒にはしゃいだりと非常に仲が良かった。

 

 

「テルキには感謝してもし切れないよ。おかげでゴーゴー団もヤミヤミ団もポケモンナッパーズも解散に追い込んで、元メンバーは今じゃ真っ当にボランティア活動とかしてるし、僕自身もトップレンジャーの仲間入りも出来たからな」

 

「良いって良いって。こっちは協力した御礼にユニオンから賞金いっぱい貰って、旅費が浮いたから大助かりだよ」

 

「生々しい現実を言うなよコイツwww………けどその様子だと、前より大分明るくなったな。初めて会った時はまるで魂が抜けたような感じで心配だったけど、元気になって良かった」

 

「えっ?あの時の俺ってそんな感じだった?」

 

「そうだよ。フィオレで僕が話しかけなかったら、多分何処かで廃人になってたんじゃないかってレベルで危なかった感じさ。………それで、どうなんだ?元気になったからまた何処かの地方リーグに挑戦するのか?」

 

「っ……リーグ挑戦か………」

 

 

 初対面の頃に比べて明るくなった印象なので、スバルはテルキにまた大会に挑戦するのかと聞いてみたが、テルキは口を詰まらせてしまう。

 スバルと一緒に戦った組織の連中のように、ルール無用の卑怯な相手なら問答無用で叩きのめせるくらいには調子が戻っているが、公式戦となると、スズラン大会での負けが頭によぎってしまう。

 

 

「リーグは………もうちょっと考えようかな。今バトルに復帰しても、公式戦で勝てるか怪しいし…」

 

「そうか?だって僕達ここまでの事を一緒に乗り越えたんだから、今のテルキならあのダークライ使いのタクトに勝てるんじゃないの?」

 

「……いや、それは無理だね。俺達がやったのは大人しくさせるのであって、実力で勝って戦闘不能にさせた訳じゃない。しかも6体総出で足止めがやっとだったし、1対1だとまた違ってくる……」

 

「ふ〜ん……まぁ、どうするかはテルキが決めれば良いよ。このオブリビア地方はジムもリーグも無いけど、人もポケモンも優しくて穏やかな場所だし、気が済むまでリフレッシュするのも良いさ」

 

「……悪いな、スバル」

 

 

 フィオレ、アルミア、そしてオブリビア地方は、ポケモンジムやポケモンリーグが存在しない為か、トレーナーがほとんど居ないのでポケモンバトルとはほぼ無縁な地方である。

 その代わり住んでいる住人は皆穏やかで優しく、人々とポケモン達との距離感がかなり近いので、バトルに疲れた者達がリラックスする為に訪れる事も多い地方なのだ。

 ただ前述した通り、そんな平和な地方を狙った悪党共もつい最近まで蔓延ってはいたが、それもポケモンレンジャー達の活躍があって物騒だった時の話はもう昔の事だ。

 だからこそスバルは、気持ちが切り替わるまでゆっくりすれば良いと言って、その言葉にテルキも彼に礼を言う。

 

 

ピリリリリッ!ピリリリリッ!

 

「あっ、電話だ……は〜いもしもし、何方様ですか〜?」

 

 

 すると突然、スズラン大会での自分の試合を見ていたテルキのポケスマホから着信音が鳴り響いたので、見ていた動画を停止して電話に出てみる。

 

 

『やあテルキ君、久しぶりだね』

 

「ってその声は、プラターヌ博士…!?これはお久しぶりです!以前カロスでお世話になって以来ですね。どうかしましたか?」

 

『ああ。実はテルキ君に降り言ってお願いしたい事があってね、是非とも君のボーマンダのメガシンカ……メガボーマンダを見せてもらいたくて、こうやって連絡してきたんだ』

 

「はぁ、そうですか。う〜ん………それくらいなら、俺で良ければすぐにカロス地方まで行きますよ?」

 

『ありがとう、テルキ君。……ところで一応確認したいんだけど、君は今何処に居るんだい?』

 

「俺は今、オブリビア地方のココナ村という村の近くの海岸で、親友のポケモンレンジャーとサボって駄弁ってま〜す」

 

『お、オブリビア地方…!?!?カロス地方からとんでもなく離れた場所じゃないか!!……此方から誘っておいてなんだけど、わざわざ無理して来なくても良いんだよ?』

 

「いえいえ。実はオブリビアだと買える物資が限られるから、丁度必要な物を買い揃えたいと思ってたので、良い機会だからそっちに行こうかと思います」

 

『そ、そうかい…?じゃあせめて船や飛行機とかの移動費は、僕に出させてほしい。場合によっては何回か乗り継ぎになると思うし、その分かなり高額になってしまうだろうからね』

 

「本当ですか!?ありがとうございます!じゃあカロス地方に着いたら改めて連絡しますので、もう少しだけ待っていて下さい」

 

『分かった。くれぐれも事故とか無いように気を付けてくれ。それじゃあ、またね』プツッ

 

 

 まさかのプラターヌ博士から連絡が来て、メガボーマンダが見たいと言ってきたのでテルキはOKを出し、急遽カロス地方に行く事になった。

 そして電話を切り、此処からカロス地方まで行く為にどうすれば良いのか、隣のスバルに聞いてみる。

 

 

「さて…スバル、こっからカロス地方行きの便は有る?」

 

「この地方に空港が有る訳無いだろ。強いて言うならアクアリゾートの方でアルミア行きの船が有るからそれに乗って、そこからアルミアの空港でカロス行きの便を探すしかないよ」

 

「え〜、空路が無いの〜?ならお前の権限で、そっちのユニオン号を使わせてくれな〜い?」

 

「レンジャーユニオン所有の船を私用で使うな!……でも良かったのか?カロス地方ってリーグの有る所だろ?行ったらお前のトラウマが蘇ったりとか……」

 

「別にそこまで怖気づいてないって。それにさっき電話でも言ったけど、オブリビアだと買える物資が割と少ないから、丁度良い機会だし」

 

 

 冗談を混じえつつスバルはテルキの表情を覗き込むが、彼は心配ないと返事を返す。

 またオブリビア地方はポケモントレーナーがほぼ居ない故に、したがってトレーナーにとって必要な様々な物資が手に入りにくい。

 そういった必需品の確保の為にも、テルキはカロス地方に行く事を決めていた。

 

 

「…そっか、じゃあこれでお前ともお別れだな。今まで一緒だったから、ちょっと寂しくなるな〜……」

 

「スバルなら俺が居なくても大丈夫だって。あの空中要塞でドロップ島が消滅した事以外は、もうこのオブリビア地方は平和そのものじゃないか。あの島のポケモン達も皆無事で普通に野生で暮らしてるし、明日にはエリアレンジャーのタルガさんも帰ってくるんだろ?」

 

「ああ。エドワードとパープルアイが使っていた『黄金のヨロイカブト』も回収出来たし、他の後始末は僕達レンジャーに任せてくれ。………さて、そうと決まったらアクアリゾートに急ごう。僕もテルキを見送ったらパトロールの仕事に戻らないと、ナツヤ先輩とミナミ先輩に怒られそうだ」

 

 

 そうと決まれば2人は早速ソピアナ島のアクアリゾートに向かい、テルキはボーマンダに跨り、スバルは近くでキャプチャしたムクホークに乗ると大空に飛び立った。

 因みにアルミアやオブリビアに生息するムクホークは大人が乗れるほどに大型種なので、技の「そらをとぶ」を使わずともこうして人を乗せて飛ぶ事が出来る。

 

 ポケモンに乗って空を飛ぶ2人は、しばらく穏やかなオブリビアの空中散歩を楽しむ。

 強風なんてなんのその、空を飛ぶ野生のエアームドやムクバード達と並走したり、下を見おろして自然豊かなオブリビア地方と美しい海を目に写す。

 中には海に沈んだ太古の負の遺産「空中要塞」という物騒なモノも有るが、機能しなくなった今は野生ポケモン達の住処にすぎない。

 

 そしてしばらく空中散歩を楽しんだ後、2人は「ソピアナ島」の観光町である「アクアリゾート」へと降り立った。

 テルキはボーマンダをボールに戻し、スバルはムクホークをリリースすると港に移動して、アルミア地方行きの客船を見つけると、テルキはその船に乗る。

 

 

「じゃあなスバル!!エモンガも元気でな!!」

 

「テルキも元気で!また何処かで会おうな!!」

 

「エモーン!!」

 

「バイバイ………あっ、それともう1つ――!」

 

「ん?」

 

「もしお前の先輩のナツヤとミナミの仲が発展したら、俺にも随時連絡して教えてくれよ?」

 

「それは止めておく。ミナミ先輩って怒らせると、伝説のポケモンのレジギガスより怖いし」

 

「誰がレジギガスより怖いですって…?」

 

「ヴェッ!?み、ミナミ先輩…!!?これはその〜……」

 

「ヤベッ…!じゃあそうゆう事だから、またね〜!」

 

「あっ、ちょっと――!」

 

 

 最後は逃げるように客船に乗り込んで、テルキを乗せたアルミア行きの客船が出港した。

 どんどん遠くなるオブリビア地方にサヨナラバイバイしたテルキは、船内に入ってしばらく体を休める事にする。

 アルミア地方までは約数日ほど掛かると思われ、個室に入って荷物を置き、ベッドで横になったテルキは、ポケスマホを取り出してまた動画を見始める。

 

 

『こんなものだったのか、お前の力は…。何度も俺を失望させるな』

 

『ヴゥゥ……ゴウカッ!』

 

『来たか!』

 

『っ!?』

 

『ゴウカザル、シンジに強くなったお前を見せてやるんだ!!』

 

『……ガアアァァァァァーーーーーーーー!!!!!』

 

 

 視聴し始めたのは、自分が大敗をかました同じくシンオウリーグスズラン大会にて、準準決勝戦であるサトシVSシンジの試合だった。

 サトシ選手のゴウカザルとシンジ選手のエレキブル――お互い手持ちが1体のみになった状況で、何方も一歩も引かない白熱したこの戦いは、歴代ポケモンリーグ大会の中でもトップクラスの名勝負として名高く、今も尚トレーナー界隈で根強く語られる。

 テルキはこの勝負が本当に大好きで、しかもサトシは自分と同じくゴウカザルを使っているのだから、余計に彼に目が行ってしまう。

 

 

『ジュカイン、『リーフブレード』だ!!!』

 

『ジュカアアアァァァーーーーー!!!』

 

 

 その動画を見終わった後、更にテルキは別の動画を視聴し始める。

 それは先ほどの戦いで勝利したサトシが、自身も敗れたダークライ使いのトレーナーのタクト選手に準決勝で挑んだ試合。

 結果は言わずもがな、試合は圧倒的な実力差でタクトが勝利したが、サトシは大会で唯一タクト選手のダークライをジュカインで倒し、その後に出てきたラティオスをピカチュウが相討ちで倒す快挙を成し遂げた。

 テルキ自身も当時会場で観戦したが、あの瞬間を見た時はあまりに衝撃的だった。

 伝説のポケモンは無敵ではないにしろ凄まじい強さの持ち主なのは知っている故に、それを負けたとはいえ正面から2体も倒したあのサトシというトレーナーとポケモン達のポケモン活躍は、心の底から感動した。

 

 

「…タクトに勝ちたかったなぁ………」

 

 

 だからこそ、同じくタクトに負けたものの何も出来ずに負けたテルキは、自分の負け試合が心に深く深く突き刺さっていた。

 自分が弱かったから、ポケモン達のポテンシャルを発揮出来なかった。

 自分が立てた作戦がダメだったから、ポケモン達を惨敗させてしまった。

 自分がバトルを上手く立ち回れなかったから、ポケモン達に悔しい思いをさせてしまった。

 振り返れば振り返るほど、自分とタクトとの力の差を思い知らされ、気持ちが沈んだテルキはそのまま部屋のベッドに突伏す。

 

 

 

 そんなテルキの声に反応したのか、彼のパートナーであるゴウカザルの入ったモンスターボールが僅かにカタカタと揺れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後テルキ数日掛けた船旅を満喫した後に、ようやくアルミア地方に到着した。

 アルミア地方最大の都市「プエルタウン」で降りたテルキは、そのままアルミアの空港に向かうとカロス地方行きの便を探す。

 今日の分は間に合わなかったが、翌日に出発するカロス行きの便に空席が見つかり、チケットを買って翌日にその飛行機に乗り込み、テルキは飛行機でアルミア地方からカロス地方へと飛び立った。

 

 そして夕方頃に近付く時間帯、遂にテルキはカロス地方に到着した。

 

 カロス地方に降りてミアレシティに着いたテルキは、そのままプラターヌ研究所へと向かった。

 其処でプラターヌ博士と出会ったテルキは、先ずアルミアとオブリビアで買ってきたお土産を渡して、しばらく雑談を交わした後に一緒に中庭へと向かう。

 そしてボーマンダを出して、左手首にメガリングをセットすると、早速ボーマンダをメガシンカさせた。

 

 

「ボーマンダ、メガシンカ!」

 

「ボオオオォォォォォォォダアアアァァァァァァァァーーー!!!!」

 

 

 ボーマンダの持つメガストーンと、テルキの装備するメガリングが共鳴反応を起こすと、ボーマンダは光に包まれる。

 肉体の変化が完了すると、光の殻を破って中からメガボーマンダが姿を現した。

 

 

「マーベラス!!!素晴らしいよテルキ君!!君のおかげで貴重なデータが取れたし、これでメガシンカの研究が更に捗りそうだ」

 

 

 メガシンカした時の数値を、スキャナーで測定していたプラターヌ博士は少し興奮気味にメガボーマンダを観察する。

 見た目の変化もそうだが、算出された数値の上昇率も通常の進化とは桁違いで、メガシンカしたポケモンの強大さを科学的に証明されていた。

 そんなプラターヌ博士と、助手のソフィーとコゼットが算出された数値に真剣に話し合っていると、旅の疲れからかテルキが欠伸をする。

 

 

「ふぁ〜……」

 

「おや?お疲れかな、テルキ君」

 

「あっ、すいません…。何せオブリビアからカロスまで結構な移動距離でしたから、正直今日はもうミアレのポケモンセンターで爆睡したいです」

 

「やはり此処まで来るのは大変だっただろう?そこまで疲れてるなら今日は、もう早めに休んだ方が良いよ。う〜む……そうとなると研究の続きは明日になるか……」

 

「……何でしたら、1日ボーマンダをこっちの研究所に預けても良いですよ。それなら研究の続きも出来ますし、俺もポケモンセンターで休めますから」

 

「良いのかい?」

 

「はい。あっ、でも…俺から離れてしばらくしたら、メガシンカの状態からいずれ元に戻ってしまいますので、ずっとこの姿は維持出来ないですけど…」

 

「問題ないよ。それはそれで貴重なデータになるからね。君のボーマンダは、僕達が責任持って預かるよ」

 

「分かりました。じゃあボーマンダ、お前は今日は此処の研究所でお泊りしてくれ。明日の午後辺りになったら迎えに行くから、博士達に迷惑しちゃダメだぞ?」

 

「ボオオォォォーーー!!」

 

 

 研究所にボーマンダを預ける事にしたテルキは、一旦博士達を別れて研究所を出ると、眠気に耐えながらポケモンセンターへと向かった。

 ポケモンセンターに着くと、其処でテルキはすぐさまジョーイに宿泊をお願いして、用意された部屋に荷物を置きシャワーを浴びて少し遅めの夕飯を食べた後、消灯と共に深い眠りに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、疲れがある程度は取れたテルキは朝食を食べた後、せっかくカロスに来たのでポケモンセンターから出てミアレシティを観光していた。

 またこの時、ゴウカザルとイーブイをボールから出して連れ歩き、一緒に買い物をして荷物を持ったりと手伝ってもらっている。

 

 

「よし、これで必要な物は概ね買えたかな?」

 

「ゴウカ」

 

「ブッブイ」

 

 

 色々と店舗を回って、旅する分には必要は物を買えたテルキは、自身のポケモン達と一緒に街の歩道を歩く。

 相変わらずカロス地方の服の値段が高いが、その分お洒落でどれも非常に質が良く、トレーナー界隈から「お洒落をするならカロス地方の服」と言われるだけはある。

 そしてゴウカザルとイーブイを連れたテルキは、一度ポケモンセンターに戻る前に少しプリズムタワーへと立ち寄る。

 

 

「あれ…?プリズムタワーの中に、新しくポケモンジムが出来たんだ。以前カロスを旅した時は無かったな…」

 

「ウキャウ」

 

「ブイ?」

 

 

 テルキの言葉に返事をするゴウカザルと、当時はまだゲットしていなかったイーブイは首を傾げる。

 以前カロス地方を旅していた時は、プリズムタワーの内部にポケモンのジムは無く、久しぶりにミアレに訪れたテルキはそのジムに興味を引かれた。

 別にポケモンリーグに出場する目的ではなくとも、ジムチャレンジ事態は誰でも受けられるので、興味本位でバトルしようかと一瞬そんな考えをしたが、中に入ろうとした途中でテルキの歩みは止まった。

 

 

「……いや、止めておこう」

 

「ウキャ…」

 

「ブイ…」

 

 

 そう言うとテルキは、プリズムタワーに背を向けてポケモンセンターの方へと戻り始め、ゴウカザルとイーブイは少し悲しそうな表情でテルキを見ながら、彼の後をついていく。

 ただの野良試合ならともかく、公式戦となるとテルキはどうしてもあの負け試合が頭によぎってしまう。

 どうせ勝てない、頑張っても無理だと、オブリビア地方等で癒えて明るくなった筈のテルキだが、あれを思い出すだけで再び気持ちが沈んでいく。

 

 それならば最初から挑戦なんてしない――そうやって何処か無理矢理自分に言い聞かせるように歩きながら考える。

 しかしその時――、

 

 

 

「あだっ!?」「うわっ!?」

 

 

 考えながら橋を渡っていると、前を見てなかった故に目の前の人間とぶつかり、テルキは尻餅ついて倒れてしまった。

 そのせいで紙袋に入れていた買った物が散乱し、周りに落ちて転がってしまう。

 

 

「あっ、すみません!余所見していました」

 

「いやこちらこそ…俺も前を見てなかったから……」

 

 

 先に謝ってきた相手に対し、テルキもまた同じく謝罪して相手を見る。

  その相手は肩にピカチュウを乗せて連れた、何処かで見たことある顔をした少年だった。

 

 

 こうしてテルキは、彼等と出会った。

 

 

 

《TO BE CONTINUED》

 

 ここまでの冒険を、ポケモンレポートにしっかり書き残した!▼

 





●試合最後に起きたゴウカザルの変化

 これはアレです。XY&Zにおいて注目された、あの現象と同じです。
 ただしあの2人とは少し違って、テルキとゴウカザルの場合はシンクロして受けたダメージが自身にも襲うだけではなく、何処ぞの超サイヤ人3の如くテルキに凄まじい体力消耗と重たい負担にも襲われる超危険なモノ(※しかも熱い)
 無論この状態では不完全で、テルキもゴウカザルもまだ全然扱え切れていないが、それでも一時的にパワーアップする事は出来る(それでもタクトのダークライに勝てません)

 因みに何でこの設定を加えたのか………それは単純に作者である私のお気に入りであるゴウカザルに、公式が全く強化要素を加えないから、我慢出来ずに独自に作ったんです(割とガチで特性「あまのじゃく」のメガゴウカザルとか出てほしい……)。
 尚、完全に制御出来るようになった時のイメージは既に出来ております。



●オリジナルポケモンレンジャー隊員
名前:スバル
職業:トップレンジャー
年齢:15歳くらい
身長:167cm
髪型:ミディアムショート
髪色:青髪
瞳の色:緑色
顔立ち:中性的で整ったイケメン顔
出身:アルミア地方チコレ村(生まれはイッシュ地方)
特技:約1秒未満の超高速キャプチャ

レンジャーとしての実力:光の軌跡の過去ミッション、「そして光とアルセウス」をクリア出来るくらい高い。

服装↓
第1作目、第2作目のレンジャー隊員とほぼ同じ服装(ただし、下半身は長ズボンタイプ)

スタイラー↓
キャプチャ・スタイラー(光の軌跡Ver.)原作同様にレンジャーサインも可能。

パートナーポケモン
エモンガ

経歴
アルミア地方のレンジャースクールを卒業後、フィオレ地方に配属される。この時にテルキと出会い、彼と共にゴーゴー団に立ち向かって解散に追い込む事に貢献。

その後フィオレでの活躍が認められ、アルミア地方のレンジャーユニオンに配属が決定(ついでにテルキもついてきた)

アルミア地方でテルキと一緒に、ヤミヤミ団との戦いに参加して、こちらも最終計画阻止に貢献する。

その後テルキと一時的に別れて、少しの間アルミア地方のエリアレンジャーとして活動(テルキはオブリビア地方に観光)。

ポケモンナッパーズの活動がオブリビア地方で確認され、現地に向かうと観光中だったテルキと再び合流を果たす。

オブリビアのセレビィの力で過去と現代を行き来して、ポケモンナッパーズ、ティーパーティー、そして過去の神殿での戦いを協力して潜り抜ける。

ポケモンナッパーズとティーパーティー壊滅後、黄金のヨロイカブト回収した後に今までの活躍が賞賛されて、遂にトップレンジャー入りを果たす。






 因みにポケモンレンジャー光の軌跡をプレイした方々の中で、あの光の神殿のアルセウスを単独でクリアした人はいますか?
 私はどうにか1人でクリアしたんですが、あまりにもこの邪神の攻撃パターンが鬼畜すぎて超絶苦戦しまして、アシストレベルを最大まで上げたエルレイドがアシストする前に何度もやられたりしました。
 それに私はレベル90以上で頑張っても評価Sになった事が無く、もしあのミッションをSでクリアした人がいれば是非アドバイスがほしいです。
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