アニポケXY サトシのリザードン続投&タクトに勝ちたいゴウカザル使い   作:ゴジロット

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 ……皆様の御存知の通りと思いですが先月、皆様も行った事があるであろう場所で非常に凄惨な事件が発生して、本当に心が痛いです。
 誠に他人事で申し訳ありませんが、被害にあった方の御冥福をお祈りすると共に、スタッフ皆様の心のケア等を最優先して、そしてこのような悲劇が二度と起きないようにしてほしいです……。

 またアンケートに関して皆様の御意見を頂き、誠にありがとうございます。
 頂いたアンケート結果を参考に、これからの活動に邁進していく所存でございます。



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【第6話】ガブリアス救出作戦!サトシとピカチュウ絶体絶命のピンチ!!

 

 

 サトシはピカチュウとケロマツを連れて、そしてテルキはゴウカザルとイーブイを連れて走りながら、シトロンとユリーカの2人によって案内された場所はプリズムタワーの裏側だった。

 其処にはポケモンジムへと入る為の表口とは他に、普段は使われていないロックされた裏口が存在している事にテルキ達が気付く。

 

 

「此処です!この扉の奥に非常階段があります」

 

「……プリズムタワーの裏口?でも見た感じロックが掛かってるようだし、先ずはタワーの関係者に連絡しないと開かないんじゃないか?」

 

「ゴウカ」「ブイ」

 

「いえ、それは大丈夫です。万が一に備えて、リュック持って来て正解でした」

 

「……?シトロン、一体何をするんだ?」

 

「ピカ?」「ケロ?」

 

「ふっふっふ~ん…今こそ、サイエンスが未来を切り開く時!シトロニックギア・オン!エイパムアーム起動!!

 

 

 眼鏡を光らせたシトロンがリュックのショルダーハーネス部分にあるボタンを押すと、先端がおながポケモンの「エイパム」の尻尾のようなアームが伸びた。

 

 

「うおっ、何だ!?」

 

 

 サトシが驚く中、アームは非常用裏口のダイヤル式電子ロックに先端を当てるとそのまま回し、あっという間に電子ロックを解除した。

 

 

「よし!これで開きましたので、入れますよ」

 

「うおおおっ!!?科学の力ってスゲェー!!」

 

「どう?かっこいいでしょ!お兄ちゃんの発明なの(…大半は失敗するけど)」

 

「僕、こういうのちょっと得意なんですよ…」

 

「いずれにせよこれで中に入れるな。助かったよ」

 

 

 サトシが目を輝かせながら絶賛されて、やや照れくさく返事を返すシトロン。

 発明と機械いじりが出来るというシトロンの思いがけない得技に驚かされるも、これでプリズムタワー内部からガブリアスに近付く提案が可能となったので、サトシは裏口の扉を開ける。

 

 

「ありがとな、シトロン」

 

「いいえ。あっ――!」

 

 

 急いで非常階段を駆け上がろうとするサトシに続きテルキも中に入り、シトロンとユリーカも中に入ろうとする。

 だがその時、頭上からガブリアスの放った強力なビームが降って来た。

 

 

「ガアアアァァァァァァーーーー!!!!」

 

「っ!!!離れて!!!!」

 

「「「うわああああっ!!!!」」」

 

 

 慌てて避けるサトシ達。サトシとテルキ達は転がり込むように急いでプリズムタワーの中へと入る。

 2人のポケモン達も、テルキのゴウカザルがイーブイとピカチュウとケロマツを抱き抱えるとすぐに中へと飛び入ったので、無事に離れずに済んだ。

 しかし、シトロンとユリーカはプリズムタワーの外へ転がり難を逃れたものの、ガブリアスの「はかいこうせん」がタワーの一部を破壊した事で降ってきた瓦礫が裏口を塞いでしまい、完全に別れてしまった。

 

 

「シトロン!ユリーカ!大丈夫か!?」

 

「2人とも大丈夫!?待ってろ、今ゴウカザルの『きあいパンチ』で瓦礫を退かすから!」

 

「僕達は大丈夫です!!僕達に構わず、2人は早く行って下さい!」

 

「分かった!ありがとうシトロン!」

 

「2人も気を付けて!」

 

「ピカチュ、ピカ!」

 

「ケロロ、ケーロ!」

 

「ああ、先を急ぐぞ!ピカチュウ、ケロマツ!」

 

「ゴウカ、ウキャウゥ!」

 

「ブイ、ブイブイ!」

 

「ゴウカザル、イーブイ……分かった。とにかく先へ行かないと――!」

 

 

 テルキが2人の安否を心配したが、シトロンもユリーカも怪我は無く無事で、これ以上状況が悪化する前に急いでサトシ達は通路を通って、その先に有る非常階段を駆け上がる。

 

 階段を上がり、ハッチドアを開けてみると其処はプリズムタワーの中間地点であり、地上からは約数十mは離れている。

 そして辺りを見回していると目の前に、「はかいこうせん」を乱射して暴走するガブリアスの姿が在った。

 

 

「ガアァブガアアアァァァァァーーーー!!!!」

 

「ボオオオオォォォォォォーーーッ!!!」

 

「グオオオォォォォォォーーッ!!!」

 

 

 ガブリアスの周りには、先ほど指示した通りメガボーマンダとリザードンが飛び回っており、メガボーマンダは周りに球状の障壁を作る「まもる」で攻撃を防ぎ、リザードンは「かえんほうしゃ」と「エアスラッシュ」で光線を相殺させていた。

 更に他にも報道関係のヘリコプターが飛んできて、危険を承知ながらヘリに乗っているアナウンサーとカメラマンは上空からガブリアスと、ガブリアスに近付くサトシやテルキ達を映した。

 

 

『プリズムタワーに2人の少年が居ます!!リザードンやボーマンダのトレーナーでしょうか?それともガブリアスを説得する気なのでしょうか!?』

 

 

 苦しむ暴走ガブリアスに近付く2人の姿とそのポケモン達が、カロス地方のテレビに放送される。

 一歩、また一歩と、足下に気を付けながら少しずつ苦しそうにもがくガブリアスに近付き、サトシとテルキは声を掛ける。

 

 

「ガブリアス!俺達はお前を助けたいんだ!」

 

「ピーカーチュ!!」

 

「ケロー!!」

 

「ガブリアス、落ち着いてくれ…!」

 

「ゴカッ!!」

 

「ブ、ブイッ!!」

 

「ガァ、ガァブガアァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

 一瞬だけサトシ達の反応して動きが止まったが、それも僅かな時間で、首に巻かれたリングから電撃が発生すると再び苦しみだすと口から「はかいこうせん」を撃ってきた。

 この狭い場所ではサトシやテルキ、そしてポケモン達は避けるスペースが無く、このままでは強力なビームに飲まれてしまう。

 

 

「ボアァー!!!」

 

「グオオオ!!!」

 

 

 だが、寸前の所でテルキのメガボーマンダとサトシのリザードンが盾となり、メガボーマンダは「まもる」で、リザードンは「ドラゴンクロー」で強力なビームを受け止めた。

 お陰でサトシとテルキ達は辛うじて助かったが、その隙にガブリアスは再び飛び上がり、今度はプリズムタワーの頂上へ飛んで行ってしまった。

 

 

「ガブ!ガアァブウゥッ!!ガアアアァァァァァァァァーーーー!!!!」

 

「あっ、ガブリアス!!!!」

 

「今度はてっぺんまで……!くっ……ポケモンレンジャーだったら、あのスタイラーとかってやつで落ち着かせられるのに……!」

 

「早くあのリングを外してやらないと…!何処か…何処かに上へ行ける道は……あっ、彼処に梯子が――!!」

 

 

 サトシが周りを見渡しプリズムタワーの頂上へ行ける道を探していると、上へ続く梯子を見つけた。

 主に工事用に使われる梯子みたいで、普通にそのまま登ったら非常に危ないが、サトシは躊躇いも無く梯子に手をかける。

 

 

「よし、ここからなら上へ行ける!ピカチュウ、ケロマツ、しっかり掴まってろよ!」

 

「ピカピ!」「ケロ!」

 

「いや、これは命綱を無しに登るのは危な……って、サトシさん待って!流石に其処を登るのは危険だって!」

 

「一刻も早くガブリアスを助けたいんだ!リザードンは、先に上へ行っててくれ!」

 

「グオオオォォォーー!!!」

 

「あっ、ちょ――!」

 

 

 万が一落ちたら命の保証の無いのに、テルキの制止を振り切って、危険な場所の梯子を慣れた手つきでどんどん登っていくサトシ。

 テルキ自身も流れで此処まで来たが、それを超えるサトシの行動力に開いた口が塞がらず、テルキは10秒ほど彼の姿を見つめていた。

 

 

「サトシさんスゲェ……」

 

 

 リザードンに乗って飛べばまだ安全と思われるのに敢えてそうはせず、リザードンは先にガブリアスの所まで向かわせ、自身は自力で登っていく。

 そんな無茶とも取れるほどの勇敢なサトシの姿を見て、触発されたテルキもまた決心した。

 

 

「……俺達も行こう。ボーマンダ、リザードンと同じく先にガブリアスの所へ行ってくれ。イーブイ、しっかり掴まっていろよ。そしてゴウカザルは、俺の後ろに続いてくれ。万が一落ちそうになったら頼む!」

 

「ボオオォォォダアアァァァー!!!」

 

「イッブイッ!!」

 

「ウキャウゥッ!!」

 

 

 意を決して、テルキもまたサトシ達を追い掛けるように、梯子を登り始める。

 リュックは持ってきてないのでロープとかも無いが、そんな悠長な事をしていられない為、サトシと同じくそのまま1つ1つ確実に登っていき、その後ろにゴウカザルが続いて登る。

 

 

「俺もやらなきゃ…!俺だってあの負けから、フィオレ、アルミア、オブリビアで、何もしてこなかった訳じゃないんだ!俺も――!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガブリアスを追い掛けて2人が登っていくその様子は、ヘリからカメラで映してる報道人だけでなく、プリズムタワーの裏口付近にいるシトロン達も見ていた。

 

 

「お兄ちゃん見て、サトシだよ!テルキも一緒に登ってる!お兄ちゃん、サトシってポケモンの事になると凄いね!」

 

「…………」

 

「お兄ちゃん?」

 

(……本来なら、僕がガブリアスを何とかしなきゃいけないのに!僕は此処で何をやってるんだ…!)

 

 

 自分の立場上、本当なら一番に行動しなきゃならないのに、何もせず見ているだけの状態にシトロンは自分が悔しかった。

 今日出会ったかのトレーナーは、苦しんでいるガブリアスを助けるべく真っ先に行動してるのに対し、今此処で立ち止まっているだけの自分がとにかく許せない。

 ポケモンの為ならば危険を顧みずに助けに向かうサトシの姿に、シトロンもまた心が奮起される。

 

 

「……僕も行かなきゃ!」

 

「あっ、あたしも――!」

 

(そうだ、こんな所で足踏みしてる場合じゃない!僕だってやらなきゃ!だって僕はこの街の――!)

 

 

 裏口を塞いでいる重たい瓦礫をエイパムアームで退け、入れるスペースを確保すると、非常階段へ続く通路へと入るシトロンとユリーカ。

 

 

 

 

 

 

 

「ガアアアァァァァァァーーーー!!!!」

 

「グオオオォォォォォォーーッ!!!」

 

「ボオオオオォォォォォォーーーッ!!!」

 

 

 時刻は更に流れ、いよいよ太陽が地の果てに沈んで夜になっていく中、ガブリアスの注意を引きつけてリザードンとメガボーマンダが吠える。

 ガブリアスが「はかいこうせん」を撃って威嚇するが、リザードンは「かえんほうしゃ」を、メガボーマンダは「りゅうのはどう」を同時に発射して相殺させ、被害を最小限に抑える。

 その間に、先に登ったサトシ達はとうとうプリズムタワーの頂上へ辿り着いた。

 

 

「来たぜ、ガブリアス!」

 

「ピーカーチュ!!」

 

「ケロケロ!!」

 

「ガァブガアアアアァァァァァァーーーー!!!!」

 

 

 地上から300m近くも離れた高所なだけあって吹く風も強く、一歩間違えて落ちたらすぐにあの世行きになってしまうだろう。

 サトシ達の存在に気付いたのか、ガブリアスはサトシ達にも攻撃を放つ。

 サトシとピカチュウ、そしてケロマツは身を屈めて「はかいこうせん」を避ける事に成功するが、頂上は狭く手摺りも無いため攻撃を躱すのも難しい。

 

 

「ピィ~カァ~…!!」

 

 

 これ以上この場所で暴れたら何方も危ないと、多少強引にでもガブリアスを倒して大人しくさせようとピカチュウはバチバチを両頬を鳴らせ、攻撃を仕掛けようとする。

 しかし、サトシはそれを止めさせた。

 

 

「待てピカチュウ!ガブリアスに直接攻撃しちゃダメだ」

 

「ピカ!?」

 

「ガァ…アァァ……!」

 

「ガブリアス、聞こえているか…?苦しいんだよな…?辛いんだよな…?俺は大丈夫だ。ガブリアス、皆心配しているぞ…。リングを外して皆の所に帰ろう!な?ガブリアス…」

 

 

 助けたいというその一心で、恐れもせず暴走するガブリアスに近付くサトシ。

 後ずさるガブリアスだが、足場の面積が狭い頂上では後退出来る部分があまり無く、一歩踏み外せば地上に落ちてしまうかもしれない。

 

 

「ボオオォォッ!!」

 

「グオオオ!!」

 

 

 無論そういった事がないように、後ろにはメガボーマンダとリザードンが待ち構え、万が一の時は突撃してガブリアスを取り押さえる準備をしている。

 これで完全に動きを封じられたガブリアスだが、定期的にリングから流れる電撃に再び苦しみ出して、薙ぎ払うように「はかいこうせん」が飛んでくる。

 

 

「くっ…!後もうちょっとなのに……」

 

「……それなら、俺に考えが有る」

 

「えっ?」

 

 

 これ以上近付けない所で、急に後ろから声がしてきたのでサトシは振り向くと、其処には後から追って登ってきたテルキと彼に捕まっているイーブイ、そして更にゴウカザルが到着した。

 テルキはここからガブリアスに近付く為に思い付いた案を、分かりやすく手短に説明する。

 

 

「先ずイーブイの『まねっこ』でガブリアスの『はかいこうせん』を相殺させて、怯んだ隙にゴウカザルが取り押さえる。その間にリングを外すんだ!」

 

「そうか!ならケロマツ、イーブイの技の後に怯んだら、お前のケロムースでガブリアスの足下を止めるんだ!」

 

「ケロ!」

 

 

 テルキが考えた作戦にサトシは賛同して、更にはケロマツがその捕捉をする形で決定する。

 ただそうなると、この狭い場所で2つの「はかいこうせん」が激しくぶつかる事になるが、それは作戦を考えたテルキはもちろん、サトシもまたそれを承知の上だ。

 サトシとテルキが作戦に移るタイミングを見計らっていると、ガブリアスの口にエネルギーが集束していくのを確認した。

 

 

「ガアァァァァァァァァァ!!」

 

「そこだ!!イーブイ、『まねっこ』!!!」

 

「ブイッ!ブブブブブブゥ…イッブイィィーー!!!!」

 

 

 ガブリアスの「はかいこうせん」が放たれる瞬間、テルキのイーブイも相手の技を真似る「まねっこ」でコピーし、同様に口から「はかいこうせん」を発射した。

 同じ威力の強力なビームが至近距離でぶつかり、エネルギー爆発を起こして爆風が広がる。

 そのエネルギーがぶつかったパワーに流石の暴走ガブリアスも怯んでしまい、動きが一時的に鈍る。

 その瞬間をサトシは見逃さなかった。

 

 

「今だケロマツ!お前のケロムースでガブリアスの動きを封じてくれ!」

 

「ケロ!」

 

 

 動きが鈍くなったのを見計らい、ガブリアスの両足にケロムースを投げ飛ばし動きを封じるケロマツ。

 ケロムースが足と足場に付着し、思うように歩けなくなった所で、テルキはゴウカザルとメガボーマンダに指示を送った。

 

 

「チャンスだゴウカザル、ガブリアスを捕まえろ!!!ボーマンダ、後ろからも押さえ込め!!!」

 

「ゴウキャアッ!!!」

 

「ボオオオォォォォーーッ!!!」

 

「リザードン、お前も頼む!!!」

 

「グオオオォォォォーーッ!!!」

 

 

 一斉に飛びかかるようにゴウカザルとメガボーマンダは接近し、距離を詰めるとガブリアスにしがみついて拘束する。

 更にリザードンも加わり、ガブリアスは絶えず暴れるが3体は決して離さず動きを完全に封じ込む。

 

 

「ガアァァァァァァァァァ!!!!」

 

「大丈夫だガブリアス、必ず助けるからな!ピカチュウ、リングに『アイアンテール』だ!!!」

 

「ピカ!チュウアァ〜…ピカビィッカァ!!!!」

 

 

 暴れるガブリアスに近寄ったサトシは声を掛けて落ち着かせつつ、この事態の原因にもなった首に巻かれているリングを破壊するようピカチュウに指示。

 鋼の如く鋭く硬化した尻尾で攻撃する「アイアンテール」によって、リングはようやく外された。

 それと同時に無事正気を取り戻したガブリアスだが、散々暴れまくった事や、無理な「はかいこうせん」の連続使用により体力が削られており、その場で膝を着いて倒れてしまった。

 

 

「大丈夫かガブリアス!?苦しかっただろ?直ぐに助けが来るから、もう大丈夫だぞ」

 

「ガ、ガブゥゥ……」

 

「ピカピ!」「ケロロ!」「グオォウ!」

 

 

 暴れなくなったのでリザードン達は離れて、ガブリアスを楽な姿勢にさせてあげる。

 ピカチュウとケロマツも駆け寄り、皆ガブリアスを心配していた。

 

 

 

「はぁ~……一時はどうなるかと思ったけど、これで一件落着かな」

 

「ゴウカ」「ブイ」「ボオオォォ!」

 

「ゴウカザル、イーブイ、ボーマンダ、皆お疲れさま。後はガブリアスを地上までどう運ぶか……」

 

ピリリリリッ!ピリリリリッ!

 

「あれ、電話…?何処から………ん?」

 

 

 一安心してへたり込んだところに電話の音がしたのでテルキは辺りを見回してみると、プリズムタワー頂上の壁に電話が取り付けられてるのを発見した。

 おそらく工事用に使われる物と思われ、テルキは受話器を取って電話に出ると、シトロンの声が聞こえてきた。

 

 

『もしもし、聞こえますか?』

 

「その声……シトロンか?」

 

『はい!テルキですね?今、非常階段を上がった所から、工事用電話を使って繋いでいるんです。サトシやガブリアスは大丈夫ですか!?』

 

「ああ。さっき丁度、リングが外れて正気に戻ったところだよ。もう大丈夫だ」

 

『そうですか!はぁ~、良かった……』

 

「……それでシトロン。悪いんだけどプラターヌ博士に連絡して、ガブリアスのモンスターボールとか有れば持って来るように頼めるかな?このまま地上まで降ろすのは危ないし、もし有ればそっちにボーマンダを向かわせるから、来たら渡してもらうように伝えてほしいんだ」

 

『分かりました。プラターヌ博士には僕が連絡しますので、もう少し待って下さい』

 

「ありがとう、シトロン」

 

 

 最後にガブリアスをどう運ぶかが懸念点だったが、それはシトロン経由でプラターヌ博士に連絡してくれる為、ガブリアスをモンスターボールに戻せば簡単に持ち運べるだろう。

 その間にテルキはガブリアスが怪我をしてないか、軽く見ておこうと思い近付いて確認する。

 彼のリュックは研究所に置いてきたので治療道具等は無いが、せめて体調だけでも把握して後で適切な治療をする為にも必要になる。

 しかし、一同が事件解決して安心しきったその時、何かが崩れる音がした。

 

 

「ピカ!?」

 

「っ!?ピカチュウ!!!」

 

 

 ガブリアスの「はかいこうせん」の影響で、ボロボロになった足場が一部崩れてピカチュウがタワーから落ちてしまった。

 真っ逆様に落ちるピカチュウ。この高さだと人間よりも頑丈なポケモンでも助かる可能性は低い。

 

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!」

 

「なっ、何を――!?」

 

 

 そんなタワーから落ちていくピカチュウを助けようと、無我夢中になったサトシは迷わず追いかけてプリズムタワーから飛び降りた。

 その行動にテルキはもちろんの事、シトロンとユリーカ、地上から一部始終を見ていた人々、そして生放送でテレビを見ていた視聴者達と全員が驚いた。

 

 飛び降りたサトシは空中でピカチュウをキャッチするが、その間にも落下速度はぐんぐん加速して硬い地面が迫ってきており、このままだと助からないと瞬時に悟る。

 だからせめて大切なパートナーだけでも絶対に助かってほしいと、ピカチュウを抱き締めた腕に力が込まれ、身体を丸めたサトシはギュッと目を瞑って最後の瞬間を覚悟をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、サトシとピカチュウは地上に落ちて悲劇な最後を迎える事はなかった。

 何故なら彼等には、頼もしい炎の翼を持ったエースの存在が居るからだ。

 

 

 

 

 

 

 

「……?」

 

「グルゥオォウ!」

 

「わぁ……リザードン!助かったぜ」

 

「ピカピカ!」

 

 

 温かい体温を感じ、大きな力で抱き抱えてサトシ達を助けたのはリザードンだった。

 相変わらずポケモンの為に無茶をする自分の主人に呆れつつ、リザードンは嘗て結晶塔での戦いの時と同じく最大スピードで空を飛び、サトシとピカチュウを助けたのだ。

 リザードンの腕の中に包まれたサトシは、こうして見ると改めてあの時よりも更に逞しく、そして強くなった事を実感させられた。

 

 その後サトシとピカチュウはリザードンに抱えられたまま地上へと丁寧に降ろされて、無事に地に足を着ける事が出来ると、プラターヌ博士が急ぎ足で駆けて来た。

 

 

「サトシ君!!2人とも怪我は無いかい!?」

 

「はい!リザードンが助けてくれたんで、ピカチュウも俺も無事です。ありがとな、リザードン!」

 

「ピカ!」

 

「グルゥ!」

 

「それとプラターヌ博士、あのリングは外れてガブリアスも元に戻りましたよ」

 

「ありがとう!丁度シトロン君を経由してテルキ君から連絡が有ってね、これから彼のボーマンダにガブリアスのモンスターボールを渡して、此処まで連れてきてもらいにいく所なんだ」

 

「そうですか。それなら良かった」

 

 

 サトシは無事でガブリアスも正気に戻ったと知り、プラターヌ博士は心配が消えて胸を撫で下ろす。

 すると、カメラマンを引き連れた1人の女性アナウンサーがサトシの所までやって来た。

 

 

「失礼します!私はテレビアナウンサーのパキラと申しますが、少しだけインタビューをよろしいでしょうか?」

 

「えっ、インタビュー?」

 

 

 気が付けば周りがガヤガヤと騒めいており、振り向くと自分達の姿がばっちりとカメラに映ってる事を実感したサトシ。

 その姿はもちろん全国放送され、カロス地方のみならず、後日故郷のカントー地方に居る最初の旅仲間(カスミやタケシ)にも知れ渡り、めちゃくちゃ心配させたのだった。

 尚、この時インタビューしてきたアナウンサーが、カロス地方四天王の1人である「パキラ」だと知った時のサトシは、今日一番驚いたのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ……どうやら、俺達が出る必要は無さそうだな」

 

「バッシャ」

 

 

 サトシがテレビインタビューの受けている時、近くの建物の屋上に月光に照らされた2つの人影が静かに呟いていた。

 1つはサトシがカロス地方に降り立った際に出会った「バシャーモに似たポケモン」だが、瞬間的に光を纏うと瞬く間に通常のバシャーモに戻った。

 そしてもう1つは、マントを着てバシャーモに似た仮面を被った男だった。

 落ちたピカチュウを追い掛けてサトシも飛び降りたのを目撃し、慌てて相棒のバシャーモで彼等を助け出そうとしたのだが、その前にサトシのリザードンが助けたので出る必要が無くなった。

 

 

「リザードンを連れたトレーナーか………彼がいずれ俺の息子と相対した時、息子にどんな刺激を与えるか……楽しみだな」

 

 

 いつか訪れるであろう未来の出来事に期待を膨らませつつ、バシャーモとバシャーモの仮面を被った男はその場から飛び去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜、良かった〜……」

 

「ガブリアスも無事保護されたみたいね」

 

 

 またアサメタウンでも、ガブリアス暴走事件をテレビで見ていたセレナとサキ。

 サトシが飛び降りた部分も放送されたので2人とも心臓が止まる思いをしたが、リザードンが彼を助けた映像を見て一安心した。

 そして画面が切り替わり、サトシが映されると……。

 

 

「――えっ!?あの子、もしかして……」

 

「へぇ~。あの赤い帽子の男の子、結構イケメンでカッコいい子じゃない。セレナと同い年らしいけど、貴方と違って凄い度胸だわ〜」

 

「…………」

 

 

 何時もなら一言余計な母の言葉に文句を言ってただろうが、今回はそんな事どうでもよかった。

 何故ならこの時のセレナは、テレビに映るサトシに釘付けになっており、他の事が見えていなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

《TO BE CONTINUED》

 

 ここまでの冒険を、ポケモンレポートにしっかり書き残した!▼

 




●メガバシャーモの代わりにリザードンがサトシを救出

 バシャーモ仮面の登場はハリマロンの回でも出来るので、プリズムタワーから落ちたサトシ達を助けるシーンはリザードンに変更しました。
 やっぱりエンテイの劇場版で、リザードンが駆け付けてサトシ達を助けるシーンが超カッコいいから、あの時のオマージュとしてリザードンが助けさせました。



 次回に関してですが、これまで導入しやすいように基本サトシ寄りの視点で描いておりましたが、次回からはテルキ寄りの視点で描く予定です。
 またあのシンオウリーグスズラン大会にて、テルキが如何にあの選手に敗れたのかも簡潔に描き、そしてサトシと共に旅する流れを書こうと思います。

 何時も更新が超絶遅い上に、中身がきちんと定まってないからブレブレな内容ですが、これからも作者である私の趣味全開で突っ走る作品を楽しめて頂けたら幸いです。
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