えっちなお兄様「ねえ、イケないことしよっか♡」 作:HE至上主義者
お父様が再婚し、私に新しいお母様とお兄様が出来た。しかし、私はこの新しく出来たお母様とお兄様が苦手だった。と、言うのも新しいお母様は真面目なお父様に似つかわしくないブランド物が好きな派手な金髪の女性で、その連れ子であるお兄様もまた母親が元々『夜の蝶』をしていたというのも納得のその年齢に似つかわしくない妖艶な雰囲気を漂わせる青年であり、その蠱惑的な笑みと耳通りの良い声で私を誘惑して……ああ、今日もまた……
「ねえ、ユリちゃん。今日もイケナイことしよっか♡」
「っ、お兄様……い、いけません……こんなこと……」
「どうして?昨日だって『シタ』じゃないか。ユリちゃんだってあんなに喜んで……」
「そ、それは……そうですけど……!」
「ふふふ、我慢しなくてもいいんだよ?俺、ユリちゃんが何が欲しいか一番分かっているから♡」
「で、でも……こんなの許されるわけが……こ、こんな……学校帰りに制服のまま買い食いなんて『イケナイ事』……!!」
「あっ、すみません。ハムカツ二つ下さい」
「はいよ~」
「ちょっとお兄様私の話聞いていました!?」
――そう。この新しく出来たお兄様は、事あるごとに私を『イケナイ事』に誘惑してくるのだ。今日みたいに下校途中の私を捕まえて禁止されている『買い食い』したり、夜は夜で水を飲みに台所に来た私を捕まえて禁止されている『夜食』を振る舞ってきたり、土曜日の昼なんかもう酷くて禁止されている『ポテチ』を摘みながらこれまた禁止されている銃弾が飛び交い建物や車が大爆発するようなお兄様おすすめの『刺激的な映画』を観ようと誘ってきて……もう、ありとあらゆる手段で私を誘惑してくるのだ!!
しかも一番
「はい、ユリちゃんの分のハムカツ。ふふ、揚げたてだから気を付けて食べてね♡」
「だ、だから『買い食い』はイケナイ事だと……!」
「ふふ、遠慮しなくていいんだよ?兄妹なんだからさ。ほら、俺が冷ましてあげる♡フゥ、フゥー……はい、あーんして♡」
「ひ、ひぃ……」(ひいいいい!!刺激的すぎる!!)
初めて会ったのが三カ月前、一緒に暮らし始めたのはつい一か月前にも関わらず、まるで生まれた時から一緒に暮らしていた兄妹かのように……世間一般にイケメンと称される目鼻立ちがハッキリとした顔をふにゃりと柔らかく緩ませ、砂糖をトロトロに煮詰めたような甘い声を血が一切繋がらない義理の妹である私に惜しみなく向けてくるのだ。