えっちなお兄様「ねえ、イケないことしよっか♡」 作:HE至上主義者
こんな声と顔で誘惑されて断れるわけがない。いや、こんなえっちなお兄様に迫られて正気でいられる人間いなくない?うんいない。
そんなわけで今日も誘惑に逆らえず……
「はい、あーん……ふふっ。どう?美味しい?」
「んんっ!……こ、衣がサックサクしていて中のハムもジュワッとジューシーで……美味しいです……!!」
「でしょ?しかもこのボリュームで一枚100円だなんてお得だよね。あっ、そうだ。持ち帰り用にもう何枚か買って行こうか」
「え?持ち帰り……?」
「うん、今日の夜食に使おうと思ってね。……ユリちゃんも食べたいでしょ?深夜にソースたっぷりカラシ入りのハムカツサンド♡」
「!!」(し、深夜にソースたっぷりハムカツサンド……!?)
「ふふ、その顔……大丈夫。言わなくても分かるよ。じゃあ……夜も俺と『イケナイ事』しよっか♡ねえ、ユリちゃん?」
「っ、うぐ……」
こうして話している内容は色気もへったくれもない会話なのに蠱惑的な微笑みを浮かべるお兄様に逆らう事が出来ず、今日もまた私はお兄様と一緒に『イケナイ事』に耽るのだった。
――……そしてそんな風にお兄様に誘惑されては抗えず『イケナイ事』をする日々が一ヶ月ほど続いたある日。
事件が起きた。
それが起きたのは私が通う学園で年に数回行われる式典に参加するための準備をしていた時の事。いつもの様に髪を整え、タイツを履き、式典用の制服のジャケットに袖を通そうとして……
「……ん?あれ、なんか袖がきついような……?」
そう。式典用のジャケットがキツかったのだ。半年前まではキツくなかった制服が、だ。だが、この時まだ自分の身に起きている異変に気付いていない私はクリーニングに出して縮んだのかしら……?と思いながら何故か腕周りがキツいジャケットを着て、次はスカートを履こうとして…
「うっ、ファ、ファスナーが上がらない……!?」
そう。スカートもキツかったのだ。しかも半年前は緩くてスカート用のベルトまでしていた腹回りがキツ過ぎてファスナーを閉めることが出来ないくらいに。これは流石におかしい。そう思ったが、この時になってもまだ自分の体の異変に気付いていなかった私は原因がわからず、
「あ、あれ……?スカートもクリーニングで縮んじゃった……?」
と首を傾げつつ、腹を凹ませて何とか無理矢理ファスナーを上げる事が出来た私は身体に窮屈さを感じながらリビングへと降りると、珍しくリビングにはお父様がおり、私に気付いたお父様は「む、起きるのが早いな。今日何かあるのか?」と言って読んでいた新聞から目線を上げて私を見る。……が、ここで私は自分の身に起きている異変をここ一、二週間出張で家にいなかったお父様から知らされる事となる。
「ん?ユリ……お前少し見ない間に太ったか?」