えっちなお兄様「ねえ、イケないことしよっか♡」 作:HE至上主義者
「でも……良かったよ!ユリちゃんに嫌われてないってわかってさ!」
「お、お兄様……」
「ああ、安心したらお腹空いちゃったな。ねえ、ユリちゃんこれからコンビニに寄らない?勿論、俺の奢りーーって、ユリちゃん?」
「……う、ううっ……ひぐっ、うわあああああん!!」
「!? ユ、ユリちゃん!?ど、どうして泣いて…俺なんか変な事言っちゃった!?」
「わっ、わたし自分のごどばかり……っ!うわあああーっん!!お兄様ごめんなざいいいいい!!」
「え、ちょ!?わ、分かった!分かったから落ち着いて!ほら、人目もあるし…!」
「いやでず!だって私、大好きなお兄様を傷つけで……!」
「ユリちゃん……」
お兄様の困惑したような戸惑ったような声が聞こえるが、私はもう自分の感情を抑える事が出来なかった。だって『でも……良かったよ!』と微笑んだ時のお兄様の顔が、まるで痛みを押し殺したような笑顔だったから。
(私、最低だ……!自分のことばっか考えて!お兄様の心を……こんなに傷付けて……!!)
そう後悔と自責の念で顔をぐしゃぐしゃにして泣く私。……だったが、次の瞬間――お兄様の口から放たれた言葉は私が想像もしてなかったものだった。
「……やべっ、可愛い」
「え?」
今、なんて……?
お兄様らしからぬ声に思わずお兄様の方を見て、私はヒュッと息を呑んだ。だ、だってお兄様の顔が……まるで……まるで……
「……ははっ」
な、なんだろう……!いつもの妖艶な笑みとは違う……そう!例えるならいつもの妖艶な笑みがカラッとした妖艶さなら今のお兄様の笑みは危ない男が見せる湿度が籠った妖艶な笑みで……!正と邪なら邪の方で!セクシーとキュートならセクシーに近い方で……!
自分でも何言ってるのか分からなくなるが、と、とにかくいつもと様子が違うお兄様にただならぬ何かを感じた私はお兄様から距離を取ろうと半歩後ろに下がろうとした。だが、逃げようとした瞬間、掴まれた腕をぐっと引かれ、そして、私はーー……
「ピッッッ!!?!?」
(おぎゃああああああ!?お、お兄さまの顔ちかあああああああ!)
……お兄様に抱き締められていたのだ。異性に、いやそもそもお父様にさえこんな風に抱き締められたことがないのに兄弟とは言え、血の繋がりがない年上のしかもイケメンなお兄様に抱き締められている事実に私はかつてないほど動揺し心臓はドキドキと早鐘のごとく激しく脈打つ。しかし、そんな心拍数の急上昇で今にも倒れてしまいそうな私にお兄様はさらに追い討ちと言わんばかりに耳元で囁いた。
「あ゛――……もう無理……こんな可愛いことされて我慢出来るわけないじゃん……」