祓魔の徒、カードゲームで異世界を救った~銀髪美女になってるらしいが聖刻の力が使えるなら関係ありませーん、ってカードゲーム中は使えないのかよ!~ 作:荒咲 木綿
「ヒャハハハ! 俺様のターン!」
野郎がドローして、手札が5枚になる。
「……ん? おかしくないか? どうして向こうは手札が5枚なんだ?」
俺は「生成」して5枚になった。なのに向こうはドローだけで5枚……1枚多い。
少年は怪訝な顔で言う。
「だって、後攻は不利でしょ? だから1枚、1コストのカードを持った状態で始めるんだよ」
「ということは、アイツは――」
「俺様は、『無垢なる勇気 アルマース』を召喚!」
~~~~~~~~~~~~
『無垢なる勇気 アルマース』
コスト:1 色:赤
種別:ピース(イノセント)
パワー/ライフ:8/1
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後攻は、必ず1コストのカードを持っている。
1ターン目から確実に行動できるというワケだ。
「そのままアンタに攻撃だ!」
「召喚酔いしないのか!?」
少年が解説する。
「本来なら、召喚したターンはプレイヤーには攻撃できない。でも、相手の場にプレイヤーを守るピースが存在しない場合、召喚したターンでもプレイヤーに攻撃できるんだ!」
俺のライフが削られる。
■フロース:ライフ 8 → 7
俺の名前がフロースになっていた。
この世界ではそう名乗れってことなのか?
「俺様はこれでターンエンドだ!」
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:1
ライフ:7 手札:5
場:なし
―――――――――――――
場:『アルマース』8/1
ライフ:8 手札:4
コスト上限:1
・野郎
~~~~~~状況~~~~~~
■第3ターン(フロース)
フロース:手札 5 → 6
コスト上限 1 → 2
「私のターン! ドロー!」
引いたカードを確認する。コスト2、使用可能なカードだ。
しかし、俺の手札にはもう1枚、コスト2のカードがあった。
片方の効果はわかりやすい。しかし、あまり状況の解決にはならなそうなカード。
もう一枚は、効果のわからないカードだった。
フォントが異なり、ハイライトされた単語だけが書いてある。
「《転生召喚:1》」
オーケー、俺は知っている。
こういうのを、キーワード効果って言うんだ。
「少年、この効果の意味はわかるか?」
「スティグマ効果だね。……でも、ごめんなさい。僕は、黄色のカードの効果憶えてないんだ」
「……そうか」
ギャンブルは嫌いじゃないが、この子のお姉ちゃんが掛かっている。
アタッカーは減らせないが、壁を並べられる方を使う。
「私は『比翼の理 アンペリチ』を召喚! 効果で、『無垢なる双翼 テンピレオ』を行動済み状態で場に生成する!」
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『比翼の理 アンペリチ』
コスト:2 色:黄
種別:ピース(アルター)
パワー/ライフ:7/1
効果:
【召喚時】『無垢なる双翼 テンピレオ』1枚を場に行動済み状態で生成する。
~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~
『無垢なる双翼 テンピレオ』
コスト:1 色:黄
種別:ピース(イノセント)
パワー/ライフ:8/1
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この瞬間、俺の手札のもう一枚の2コスカードが輝き出した。
使用可能になったということだ。
理由はわからないが、使えるなら使う。
魔術ウインドウ上でカードをドラッグ&ドロップ。
すると、場のカードを選択する必要が出てきた。
『手札に戻すピースを選択してください』だそうだ。カウントが出て「 /1」の表示。
しかし『アンペリチ』は灰色になって選択できない。実質、『テンピレオ』1択の状態だ。
構わない。選択すると、カウントが「1/1」になって処理が実行される。
俺の場の『テンピレオ』が手札に戻り、代わりに『飛来する翼天使』が召喚される。
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『飛来する翼天使』
コスト:2 色:黄
種別:ピース(アルター)
パワー/ライフ:12/1
効果:
《転生召喚:1》
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「これが……《転生召喚》?」
「うわあ、凄いや!」
対面の野郎の顔に焦りが生まれる。
頬が引き攣って、視線が左右に彷徨う。
「なっ……」
「攻撃だ! まずは『翼天使』で『アルマース』を攻撃!『アルマース』撃破!」
だが。
『翼天使』パワー:12 → 4
「パワーが減少した……?」
「そうだよ。ピース同士の戦闘では、お互いのパワーぶんのダメージを与え合って、受けたダメージだけパワーが減少する。そして、パワーがなくなるとライフを1失うんだ」
なるほどな。だからパワー/タフネスじゃなくてパワー/ライフなのか。
だとしたら、このカードは……。
俺は一枚のカードに目を落とした。
複数のライフを持つカード。
ライフの数値が2以上のカードが、存在するらしい。
いったい、どうなっちまうんだ?
「――続いて、『アンペリチ』でプレイヤーを攻撃!」
野郎:ライフ 8 → 7
「ターン終了だ」
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:2
ライフ:7 手札:5(うち2枚は『テンピレオ』)
場:『アンペリチ』7/1
『翼天使』4/1
―――――――――――――
場:なし
ライフ:7 手札:4
コスト上限:1
・野郎
~~~~~~状況~~~~~~
■第4ターン(野郎)
野郎:手札 4 → 5
コスト上限 1 → 2
「俺様のターン、ドロー! へっへっへ、いいカードを引いたぜ。俺様は『結集する勇気』を発動して『アルマース』を3枚手札に生成するぜ! ヒャハハハ! アンタは1コストで1枚生成だが、俺様は1コストで3枚生成だァ!」
野郎:手札 5 → 7
「そして残り1コストで『アルマース』を召喚し、『翼天使』を攻撃! ターンエンドォ!」
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:2
ライフ:7 手札:5(うち2枚は『テンピレオ』)
場:『アンペリチ』7/1
―――――――――――――
場:『アルマース』4/1
ライフ:7 手札:6(うち2枚は『アルマース』)
コスト上限:2
・野郎
~~~~~~状況~~~~~~
■第5ターン(フロース)
フロース:手札 5 → 6
コスト上限 2 → 3
引いたのは、見たことのない種類のカード。
「少年、これは?」
「これは、刻印コマンドカードだね。使うと無くなっちゃう代わりに、場のピース1体の効果を上書きするんだ!」
ふーん。ソーサリーってとこか。
他に使えるカードも無い。効果次第では使ってもいい。
「ちなみに、この効果は?」
「《致命攻撃》は……攻撃したら、ダメージを与える代わりにライフを1失わせる効果!」
今の局面では必要ないな……。
なら、俺がするのは。
「『生成』を2回だ!『テンピレオ』を2枚手札に!」
ここで、「生成」が使えなくなった。
「生成」は1ターンに2回まで……じゃなくて、手札上限が8枚っぽいな。
オーケー、まだ1コスト余ってる。
元々、こうするつもりだった。
「そして『テンピレオ』を召喚して――総攻撃! ターン終了だ!」
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:3
ライフ:7 手札:7(うち3枚は『テンピレオ』)
場:『アンペリチ』3/1
『テンピレオ』8/1
―――――――――――――
場:なし
ライフ:6 手札:6(うち2枚は『アルマース』)
コスト上限:2
・野郎
~~~~~~状況~~~~~~
「 /1」の空白は誤植ではありません。