祓魔の徒、カードゲームで異世界を救った~銀髪美女になってるらしいが聖刻の力が使えるなら関係ありませーん、ってカードゲーム中は使えないのかよ!~ 作:荒咲 木綿
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:5
ライフ:7 手札:3(うち1枚は『ルピイス』)
場:『エンルピイス』4/1
『テンピレオ』8/1
―――――――――――――
場:なし
ライフ:4 手札:3(うち1枚は『ノッブラ』)
コスト上限:5
・悪魔
~~~~~~状況~~~~~~
ずっと、嫌な予感はあった。
それが現実になったのが、11ターン目だった。
■第11ターン(悪魔)
悪魔:手札 3 → 4
コスト上限 5 → 6
「『精神漂白の両手 マッドリーチ』召喚。効果」
~~~~~~~~~~~~
『精神漂白の両手 マッドリーチ』
コスト:6 色:黒
種別:ピース(アルター)
パワー/ライフ:10/1
効果:
【召喚時】捨札のイノセントピース2枚までを召喚する。
~~~~~~~~~~~~
「イノセントピースの蘇生だと!?」
「召喚スルノハ――『無垢なる波動 エヴァウ』2体!」
~~~~~~~~~~~~
『無垢なる波動 エヴァウ』
コスト:7 色:青
種別:ピース(イノセント)
パワー/ライフ:18/4
~~~~~~~~~~~~
6コストで――14コストぶんのピースを蘇生しやがった。
戦闘。
俺の盤面は更地にされ、さらにライフを1失う。
――そして。
俺のデッキに、この状況を打開できるカードは無かった。
《致命攻撃》をつけてもライフを1削るだけ。
ライフ4のピースを処理するのは、どうしても時間がかかった。
壁を並べようにも、既に場に出ていた『エヴァウ』は俺に攻撃できる。
そして俺が処理をすればするだけ、悪魔はピースを追加してくる。
お互いに「生成」が使えて、先攻は向こう。
■第17ターン
俺のライフは0になった。
「ぐわああああああ!!!???」
バトルフィールドが閉じる。
契約の効果だろうか、俺の聖刻が『飛翔』の力を失う。
そして、森へと落下する。
負けた。
白の炉心とやらは、魔王の手に渡るだろう。
奇しくも、物語通りの流れになりそうだった。
だが。
それなら。
気を取り直そう。
俺にはまだチャンスがある。
オーケー。
俺は精霊を味方にはつけられるハズだ。
落下先の森には、精霊が住んでいる。
また契約魔術――カードゲームをすることになるのだろうか。
だったら、俺はいますぐやるべきことがある。
デッキ改良だ。
さっきの悪魔は、青と黒のカードを使っていた。
だったら、俺にだって複数の色のカードが使えるハズだ。
何しろ聖女はすでに、勇気を手に入れているのだから。
――しかし、やり方がさっぱりわからなかった。
オーノー!
俺は無数の枝を折り、木々をなぎ倒して森に落下した。
☆
気づいたら、精霊たちに取り囲まれていた。
「人間、人間」
「何しに来た、何しに来た」
「森を荒らすな、荒らすな」
どうやら、まだ人間との諍いは起こっていないようだ。
「魔王が戦争を起こそうとしている。私はそれを止めたい。力を貸してほしい」
こういう時は、ハート・トゥ・ハートだ。
素直に頼めば――。
「処刑、処刑」
「捕まえろ、捕まえろ」
俺はツタでぐるぐる巻きにされ、森の奥へ連れていかれた。
オーマイガー!!!
☆
最終的に。
俺は処刑回避と協力、そしてデッキ編集の仕方を教えてもらうことを賭けて、精霊たちの長老と契約戦を行うことになった。
既定路線、という感じで嫌な感じだが、ともあれやるしかない。
「「
「「レッツ・インプレッション!」」
いい加減、序盤の展開には慣れてきた。
少し省略しよう。
先攻は俺。
1ターン目、俺は「生成」をしてターンエンド。
2ターン目、長老は緑の1コス8/1、『無垢なる精霊 スプリンク』を召喚して攻撃。
3ターン目、俺は『テンピレオ』『翼天使』を展開して盤面処理と攻撃。
4ターン目、長老は『木の実の精霊』で『翼天使』処理と《召喚生成》。
まだ緑のデッキがどんなデッキかわからないが、《召喚生成》は青も持っていた。
青はイノセントピースを捨てる効果が多かったが、緑も似たようなことをしそうだ。
5ターン目、俺は『連撃の翼 ラプストン』と『テンピレオ』のコンボでライフを削る。
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:3
ライフ:7 手札:5(うち2枚は『テンピレオ』)
場:『ラプストン』14/2
―――――――――――――
場:なし
ライフ:6 手札:5(うち1枚は『スプリンク』)
コスト上限:2
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
状況が動いたのは、6ターン目だ。
■第6ターン(長老)
長老:手札 5 → 6
コスト上限 2 → 3
「儂は『芽吹きの精霊 スプラウト』を召喚するぞい」
~~~~~~~~~~~~
『芽吹きの精霊 スプラウト』
コスト:3 色:緑
種別:ピース(アルター)
パワー/ライフ:16/1
効果:
《過重攻撃:2》
【敗北時】手札のイノセントピース1枚を公開して、対象1つのライフを1回復する。
~~~~~~~~~~~~
ライフ回復の効果に、見たことのない《過重攻撃》というスティグマ効果。
さらに手札のピース公開……どうやらこれが緑のコンセプトらしいな。
「『ラプストン』に攻撃じゃ」
ホワット!?
俺の『ラプストン』は、ライフが2点あったのに破壊された。
「フォッフォッフォ。これが《過重攻撃:2》じゃ。『スプラウト』の攻撃は、一撃で2点のライフを削る。ちなみに、残りライフ1のピースに攻撃したら超過分はプレイヤーが受けるからの」
ワーオ。
強烈な効果だ。
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:3
ライフ:7 手札:5(うち2枚は『テンピレオ』)
場:なし
―――――――――――――
場:『スプラウト』2/1
ライフ:6 手札:5(うち1枚は『スプリンク』)
コスト上限:3
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
■第7ターン(フロース)
フロース:手札 5 → 6
コスト上限 3 → 4
確かに《過重攻撃》は強烈だったが、残りライフは1だ。
敗北時にライフを回復されても、俺は追撃で簡単に減らせる。
「コスト1で『テンピレオ』を召喚し、攻撃!『スプラウト』破壊!」
「フォッフォッフォ……それはどうかな? 儂は敗北時効果を発動し、手札の『スプリンク』を1枚見せ――『スプラウト』のライフを回復するぞい!」
「そんなことができるのか!?」
まいった。
予想外の効果だ。
これで場には、16/1の『スプラウト』が残った。
――けど、「生成」した『スプリンク』は使い切ったな、長老さん!
「ならば、『槍騎士の翼天使』を召喚して《致命攻撃》! 相討ちだが、『槍騎士』のライフは元々3点……2点残して生き残る!」
「では、儂はもう一度敗北時効果じゃ。手札の『大樹の精霊』を見せることで『スプラウト』を回復するぞい」
俺の予想はまたも外れた。オーマイガー!
長老が見せてきたのは、コスト6、27/2のイノセントピース『大樹の精霊』だ。
あの悪魔も、高コストのイノセントピースを使っていた。
どの色にもあるって、予想はできただろうに……。
いや、悔やんでも仕方がない。
どのみち、回復はされていたんだ。早めに知れてラッキーじゃないか。
今度こそ、回復は打ち止めだ。
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:4
ライフ:7 手札:4(うち1枚は『テンピレオ』)
場:『テンピレオ』6/1
『槍騎士』12/2
―――――――――――――
場:『スプラウト』16/1
ライフ:6 手札:5(うち1枚は『スプリンク』)公開2枚
コスト上限:3
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
■第8ターン(長老)
長老:手札 5 → 6
コスト上限 3 → 4
「回復は打ち止め……などと思っとるんじゃないかの?」
「なに?」
「儂は公開済みの『スプリンク』を召喚し、『生成』を3回行うぞい!」
手札上限まで「生成」だと!?
「そして『スプラウト』が『槍騎士』、『スプリンク』が『テンピレオ』をそれぞれ破壊じゃ!」
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:4
ライフ:7 手札:4(うち1枚は『テンピレオ』)
場:なし
―――――――――――――
場:『スプラウト』4/1
『スプリンク』2/1
ライフ:6 手札:8(うち3枚は『スプリンク』)公開1
コスト上限:4
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
……おいおい、俺はあと何回『スプラウト』を倒しゃいいんだ?
『スプラウト』が強すぎて、2回ほど棋譜を書き直しました(激怒)。