祓魔の徒、カードゲームで異世界を救った~銀髪美女になってるらしいが聖刻の力が使えるなら関係ありませーん、ってカードゲーム中は使えないのかよ!~ 作:荒咲 木綿
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:4
ライフ:7 手札:4(うち1枚は『テンピレオ』)
場:なし
―――――――――――――
場:『スプラウト』4/1
『スプリンク』2/1
ライフ:6 手札:8(うち3枚は『スプリンク』)公開1
コスト上限:4
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
■第9ターン(フロース)
フロース:手札 4 → 5
コスト上限 4 → 5
俺は先攻で、有利なハズだ。
だがどうする? どうやって、あと最低3回は回復する『スプラウト』を突破する?
無視しようにも、毎ターン《過重攻撃:2》でライフを2点削ってくる。
俺の手札は、1コスバニラの『テンピレオ』、4コスバニラの『ルピイス』、エースの『エンルピイス』が揃っている。しかし、今『エンルピイス』を出してもスプラウトは倒しきれない。
残りの2枚は『“致命攻撃”の刻印』と『偵察の翼 ウォッピルン』だ。
~~~~~~~~~~~~
『偵察の翼 ウォッピルン』
コスト:2 色:黄
種別:ピース(アルター)
パワー/ライフ:10/1
効果:
《滞空》
【勝利時】相手の手札1枚をランダムに公開する。
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相手の手札の公開……うまくいけば、『スプリンク』を公開させて回復を1回阻止できるかもしれない。
しかし、確実じゃない。
考え事をしながらウインドウを操作していたら、俺の指が誤って1枚のカードに触れる。
『対象を選択してください』そんなポップアップとともに、長老の場のピース2体が光る。
俺が触れたのは『“致命攻撃”の刻印』だった。
おいおい、相手を強化したって――。
そこで、俺は少年の説明を思い出した。
『これは、刻印コマンドカードだね。使うと無くなっちゃう代わりに、場のピース1体の効果を上書きするんだ!』
――上書き?
まさか、そんなことがあるのか?
……だが、試す価値はある。
「私は『“致命攻撃”の刻印』を『スプラウト』に発動!」
「ほほう、刻印効果による効果の上書きと来たか」
ビンゴ!
長老の『スプラウト』は《致命攻撃》しか持たない、スティグマピースになった!
「よし! 私は『偵察の翼 ウォッピルン』と『テンピレオ』を召喚、『生成』! そしてバトルだ!」
『ウォッピルン』の効果で公開されたのは、『スプリンク』だった。
オーケー。悪くないハズだ。
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:5
ライフ:7 手札:3(うち1枚は『テンピレオ』)
場:『ウォッピルン』8/1
『テンピレオ』4/1
―――――――――――――
場:なし
ライフ:6 手札:8(うち3枚は『スプリンク』)公開2
コスト上限:4
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
■第10ターン(長老)
長老:手札 8 → 8(上限枚数により捨札に)
コスト上限 4 → 5
「ふむぅ……《滞空》持ちか。参ったのお……《滞空》持ちは《滞空》持ちでしか攻撃できん。儂は『そよ風の精霊 リヒューン』でも召喚するかのお」
~~~~~~~~~~~~
『そよ風の精霊 リヒューン』
コスト:4 色:緑
種別:ピース(アルター)
パワー/ライフ:10/4
効果:
《協力攻撃》
【起動】手札の緑のイノセントピースを公開して、以下から1つ実行する。
●1枚公開:1枚ドローする。
●2枚公開:ピース1体のパワー+4、《過重攻撃》の数値+1する。
●3枚公開:対象1つのライフを1回復する。
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「そして効果を2回使うぞい。2枚公開、さらに2枚公開じゃ!」
そう言って、『スプリンク』2枚と『大樹の精霊』2枚を公開する。
長老の手札は7枚中6枚が公開され、1コスバニラと6コスバニラが3枚ずつだ。
……それ、手札事故じゃないか?
「お主、手札事故……とか思っとらんか?」
「まさか」
「そのまさかじゃ。儂は1コストで『精霊巨人 ギガプリン』を召喚じゃ!」
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『精霊巨人 ギガプリン』
コスト:7 色:緑
種別:ピース(アルター)
パワー/ライフ:28/1
効果:
《過重攻撃:2》
【永続(手札)】公開しているイノセントピース1枚につき、このカードのコスト-1する。
~~~~~~~~~~~~
「バトルじゃ!《滞空》ピースを攻撃できない場合、儂はプレイヤーに攻撃できるぞい!」
『テンピレオ』が破壊され、ライフは3点減った。
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:5
ライフ:3 手札:3(うち1枚は『テンピレオ』)
場:『ウォッピルン』8/1
―――――――――――――
場:『リヒューン』10/4
『ギガプリン』28/1
ライフ:6 手札:6(うち3枚は『スプリンク』)公開6
コスト上限:5
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
これはマズい。
非常~~~にマズい状況だ。
俺の手札は『テンピレオ』『ルピイス』『エンルピイス』の3枚。
『ギガプリン』の対処だけなら、なんとかなる。次のターン、『リヒューン』が《過重攻撃:2》を得るためには4枚のカードを公開する必要があるが、6/7が公開された手札からは難しい。少なくとも、3枚の『スプリンク』を出して3枚生成……というのが関の山だろう。
ところが、その3枚の『スプリンク』で、俺のライフは尽きかねない。
もし『ギガプリン』2枚目を引かれたら……という話もある。
そうでなくても、低コストの《過重攻撃》持ちが来るだけでジ・エンドだ。
このドローで、引くべきカードはアレしかない。
「私のっ、ターン!」
■第11ターン(フロース)
フロース:手札 3 → 4
コスト上限 5 → 6
これは……!
『“滞空”の刻印』だ!
これで『ギガプリン』の処理と……『リヒューン』の効果無効ができる。
「『ルピイス』を召喚して『ギガプリン』に攻撃!」
これでパワー減少。『ルピイス』のライフは2なので生き残る。
そして『テンピレオ』を出し、2体を戻して『エンルピイス』だ。召喚時効果で『テンピレオ』も並べておく。
「『エンルピイス』で『ギガプリン』撃破!『ウォッピルン』が長老へ攻撃!『“滞空”の刻印』を『リヒューン』に使ってターン終了!」
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:6
ライフ:3 手札:1(うち1枚は『ルピイス』)
場:『ウォッピルン』8/1
『エンルピイス』16/1
『テンピレオ』8/1
―――――――――――――
場:『リヒューン』10/4(効果:《滞空》)
ライフ:5 手札:6(うち3枚は『スプリンク』)公開6
コスト上限:5
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
これで……なんとか1ターンはしのげる。
けど、その次は?
俺の手札は『ルピイス』1枚。
次のドローで、たった1枚のカードで何かできるのか?
■第12ターン(長老)
長老:手札 6 → 7
コスト上限 5 → 6
「儂は『スプリンク』を1枚『生成』後、4体召喚し、もう1枚『生成』。
バトルじゃ。3体の『スプリンク』で露を払い、残りの2体がプレイヤーを攻撃!」
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:6
ライフ:1 手札:1(うち1枚は『ルピイス』)
場:『ウォッピルン』8/1
―――――――――――――
場:『リヒューン』10/4(効果:《滞空》)
『スプリンク』8/1
ライフ:5 手札:5(うち1枚は『スプリンク』)公開3
コスト上限:6
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~
「フォッフォッフォ。……これ、儂の勝ちじゃね?『ウォッピルン』では『リヒューン』を倒せんし、他の《滞空》持ちを引いても儂は『スプリンク』を次のターンに4体は出せる」
長老の言葉は正しい。
俺の次のドローで、残り5点もあるライフを削り切ることは不可能だ。
黄色のデッキは、そういうデッキじゃない。
……『スプラウト』に1ターン手こずったのが失敗だった。
次のターンのコスト上限7で、俺が場に出せるピースはせいぜい『テンピレオ』3体がいいところだ。『翼天使』を引いても4体。あと1点足りない。
いや、けど『エンルピイス』なら?
『ルピイス』で『スプリンク』を倒して2枚「生成」、1枚召喚。殴って、戻して、出して……それでも3体か。合計4ダメ。
ダメなのか?
俺は、こんなところで終わるのか?
綺麗な棋譜を書くために、事前に組んだデータを改変する屈辱。
具体的には『ギガプリン』が大幅弱体を喰らいました。(24/2→34/1)
踏み倒しはバランス調整が難しい。ね。