祓魔の徒、カードゲームで異世界を救った~銀髪美女になってるらしいが聖刻の力が使えるなら関係ありませーん、ってカードゲーム中は使えないのかよ!~   作:荒咲 木綿

8 / 9
■第12ターン終了時
~~~~~~状況~~~~~~
・フロース
コスト上限:6
ライフ:1  手札:1(うち1枚は『ルピイス』)

場:『ウォッピルン』8/1
―――――――――――――
場:『リヒューン』10/4(効果:《滞空》)
『スプリンク』8/1

ライフ:5  手札:5(うち1枚は『スプリンク』)公開3
コスト上限:6
・精霊
~~~~~~状況~~~~~~


第8話 契約魔術回路――架橋

 ほとんど負け確定の状況。

 

 俺が負けたら、俺は精霊たちに処刑されるらしい。

 きっと聖刻も使えないだろう。

 

 この世界の戦争は止められず、聖女がいないから魔王も倒せない。

 

 

 

 アンビリーバボー!

 こんな暗くなるなんて俺らしくもないぜ!

 

 この世界が本当に異典の通り進んでいるなら、俺が負けるハズないだろ?

 それに、向こうの世界で俺を待っている人たちがたくさんいるんじゃないのか?

 

 オーケー。

 燃えてきた。

 この程度の逆境、祓魔業では日常茶飯事だ。

 

 俺は勝てる。

 その前提で考えろ。

 方法を見つけたら、後は実行するだけだ。

 デッキは必ず応えてくれる。カードゲームはそういうもんだろ?

 

 息を吸って……。

 吐いて……。

 

 一枚のドローで、ライフを5点減らす方法。

 

 たった一枚のカードで――。

 

 いや?

 

 別に、一枚のカードじゃなくてもいいのか。

 俺には「生成」がある。

 カードと、「生成」を組み合わせて、どうにかライフを5点削る方法があれば……。

 

 ……わかんねえ!

 でも、引けば思いつくだろ!

 

 

「私のターン!」

 

「おや? まだ諦めんのか」

 

 

 よくわからないが、胸の奥が熱く燃える。

 

 

■第13ターン(フロース)

フロース:手札 1 → 2

コスト上限 6 → 7

 

 

「ドロー!!!!!!」

 

 

 胸が熱い。

 燃える。

 赤く。

 

 

~~~~~~~~~~~~

『果敢な指揮官 ダイレーク』

コスト:3  色:赤

種別:ピース(アルター)

パワー/ライフ:10/3

 

効果:

【永続】手札の赤のイノセントピースのコスト-1する。

~~~~~~~~~~~~

 

 

 ――赤?

 

 

「私は、カードを4枚『生成』する!」

 

 

 俺の胸の中心から、赤い光が迸る。

 そこから「生成」されるカードはもちろん――。

 

 

「『無垢なる勇気 アルマース』を4枚手札に!」

 

「ほう?」

 

「そして『果敢な指揮官 ダイレーク』を召喚! その効果で、手札の『アルマース』たちはすべてコストがなくなる!」

 

 

 これで――5体。

 

 

「『アルマース』たちを召喚してバトルだ!『ダイレーク』で『スプリンク』を倒し、残りの5体全員で長老に攻撃! これで終わりだ!!!!!!」

 

「なんとおおおおおお!!!???」

 

 

 ――決着。

 

 

   ☆

 

 

「どうやら、勇気の使い方はわかったようじゃな」

 

「ありがとう長老。おぼろげだが理解した」

 

「では、儂らの力も使うといい」

 

 

 精霊たちは緑の光となって、俺の中に流れ込んでくる。

 

 

「次が、最後の決戦じゃろう」

 

 

   ☆

 

 

 俺たちは、運命に導かれるように荒野に立っていた。

 

 目の前には、魔王。……と言うには、あどけなさを残す高校生くらいの少年。

 

 

「この世界では、君が立ちはだかるのか。名前は? 記憶喪失じゃないよね?」

 

 

 この世界? 奇妙な言い回しだ。

 まるで、他の世界でも魔王をしていたみたいじゃないか。

 

 

「名はフロース。記憶喪失の聖女だ」

 

「またかよ。……まあいいや。始めようか」

 

「「契約魔術回路(コントラクト・ブリッジ)――架橋(オープン)

 

  レッツ・インプレッション!」」

 

 

■先攻 → 魔王

 

 

■第1ターン(魔王)

魔王:手札 3 → 4

コスト上限   → 1

 

 

「さて……僕は『魔術の探求』で手札のイノセントピースを捨てて、3枚ドローする」

 

 

■魔王:手札 4 → 5

 

 

 そう言って魔王が捨てたのは、白、コスト9、54/2のカード。

 青、白が見えたが、きっと黒も入っているだろう。

 3枚もドローできるカードがあるなら、コスト上限が6になるころには、あのカードを引き込んでいる。捨札のイノセントピースを2枚蘇生するあのカードを。それをされたら、ほぼ勝ち目はなくないか?

 

 オーケー、赤、黄、緑の速攻を見せる時だ。

 

 

「ふふふ……今日の僕はツイてるな。手札の『炉心器 ハイ=ボクス』に『無垢なる虹彩 カレイド』を融合し――《融合召喚》!」

 

 

~~~~~~~~~~~~

『炉心器 ハイ=ボクス』

コスト:4  色:白

種別:ピース(アルター)

パワー/ライフ:12/1

 

効果:

《融合召喚:2》

【起動①】1枚ドローする。

~~~~~~~~~~~~

 

 

『無垢なる虹彩 カレイド』は虹色=すべての色を持つコスト2、8/2のカードだ。

 それを――融合?

 

 

「起動効果でドローし、攻撃。ターンエンド」

 

 

~~~~~~状況~~~~~~

・フロース

コスト上限:

ライフ:7  手札:4(うち1枚は『アルマース』)

 

場:なし

―――――――――――――

場:『ハイ=ボクス』12/1

 

ライフ:8  手札:4

コスト上限:1

・魔王

~~~~~~状況~~~~~~

 

 

■第2ターン(フロース)

フロース:手札 4 → 5

コスト上限   → 1

 

 

《融合召喚》は、最低でも2枚の手札を消費する代わりに――ノーコストで召喚できる召喚方法らしい。

 強すぎるだろ!

 しかも、ドロー効果も毎ターン使えるって何だよ!?

 

 けど、対処できなくは……ない。

 

 

「私は『無垢なる勇気 アルマース』を召喚し、手札に戻して『翼天使』を《転生召喚》!『ハイ=ボクス』と相討ちだ!」

 

「へえ。倒されたか」

 

 

~~~~~~状況~~~~~~

・フロース

コスト上限:1

ライフ:7  手札:4(うち1枚は『アルマース』)

 

場:なし

―――――――――――――

場:なし

 

ライフ:8  手札:4

コスト上限:1

・魔王

~~~~~~状況~~~~~~

 

 

■第3ターン(魔王)

魔王:手札 4 → 5

コスト上限 1 → 2

 

 

「僕は『無垢なる炉心 ハイ=ライン』を『生成』し『魔術の探求』!」

 

 

■魔王:手札 5 → 6

 

 

「もう一度『ハイ=ボクス』を《融合召喚》! 効果でドローし、攻撃してエンド」

 

 

~~~~~~状況~~~~~~

・フロース

コスト上限:1

ライフ:6  手札:4(うち1枚は『アルマース』)

 

場:なし

―――――――――――――

場:『ハイ=ボクス』12/1

 

ライフ:8  手札:5

コスト上限:2

・魔王

~~~~~~状況~~~~~~

 

 

■第4ターン(フロース)

フロース:手札 4 → 5

コスト上限 1 → 2

 

 

 俺の手札には、コンボパーツが揃ってる。

 次のターンには大量展開ができる。

 なら……ここは準備に費やすべきか?

 

 いきなり6点は削られない……と信じたい。

 

 

「私は『結集する勇気』を使用し、『アルマース』3枚生成! さらに『生まれし双翼』で『テンピレオ』2体場に生成して、ターンエンド!」

 

 

~~~~~~状況~~~~~~

・フロース

コスト上限:2

ライフ:6  手札:6(うち4枚は『アルマース』)

 

場:『テンピレオ』8/1 ×2

―――――――――――――

場:『ハイ=ボクス』12/1

 

ライフ:8  手札:5

コスト上限:2

・魔王

~~~~~~状況~~~~~~

 

 

■第5ターン(魔王)

魔王:手札 5 → 6

コスト上限 2 → 3

 

 

「雑魚ばかりだな! 赤も、黄色も! 僕は1コストで『炉心の恩恵』を発動して、2枚ドロー! さらに2コストで『魔導召喚士』を出して《召喚生成》。これで加わった『無垢なる炉心 ハイ=ライン』と『無垢なる空虚 ホロ』を『炉心機 バト=ライン』に融合! 合計コスト4!」

 

 

~~~~~~~~~~~~

『炉心機 バト=ライン』

コスト:6  色:白

種別:ピース(アルター)

パワー/ライフ:15/1

 

効果:

《融合召喚:4》

【召喚時】1枚ドローする。融合召喚なら、さらに1枚ドローする。

~~~~~~~~~~~~

 

 

「これで2枚ドローして手札は6枚!『ハイ=ボクス』のドローで、7枚だ!」

 

 

 魔王は高笑いをする。

 手札が減らねえ……。

 相手の残りデッキは18枚。

 デッキ切れを待つ余裕はなさそうだ……。

 

 

「バトルといこう。『ハイ=ボクス』はプレイヤー、残りは雑魚を攻撃だ」

 

 

~~~~~~状況~~~~~~

・フロース

コスト上限:2

ライフ:5  手札:6(うち4枚は『アルマース』)

 

場:『テンピレオ』2/1

―――――――――――――

場:『ハイ=ボクス』12/1

『魔導召喚士』6/1

『バト=ライン』7/1

 

ライフ:8  手札:7

コスト上限:3

・魔王

~~~~~~状況~~~~~~

 

 

 ライフを取りに来たおかげで、『テンピレオ』が残ったか……。

 なら、ここで引きたいカードはアレだな!




いよいよ混色同士が暴れ出します。
魔王の妄言はあまり気にしないでください。
なお、次話で終わりです。
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