魔法少女あまた☆マギカ   作:星屑アマタ

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二十九話眼 前夜祭だよ×眼眼眼

「ほむらちゃん達、こっちこっち♪」

 

「おせぇ~ぞ~?」

 

「やっほぉ~♪」

 

「アマタちゃん、杏子ちゃんと……えっと、誰?」

 

「それで……何で、またアマタ達は来てるのかしら?」

 

「ちょっと……これって、不法侵入じゃないの……」

 

 この冒頭のやり取りから、きっと1話から見て来てる読者の皆には現状が把握できるよね?

 じゃあ、久しぶりにクイズ行こっか♪

 

①2度ある事は3度ある。不法侵入、学食でランチタイム

②美樹家に不法侵入して、さやかちゃんの部屋でゲーム中

③鹿目家に不法侵入して、以下略

 

 答えは……

 

 ①だよ♪

 ワルプルギスの夜襲来まで後1日。

 血戦(けっせん)前くらいは、皆で御飯食べてお喋りしたいなぁと思ったから、こうして杏子ちゃんとキレイちゃんを連れて見滝原中学に侵入した次第だ。

 勿論、二度ある事は三度ある。例の保険医には眠って貰って……

 

 ないんだよなぁ~……

 相変わらずのチート能力で、見滝原中学の制服を偽造しちゃったんだよね……キレイちゃんは……

 キレイちゃんの御蔭で命(キゼツ)拾いしたわね、保健室の汚物♪

 

「大丈夫大丈夫。キュウべぇと比べたら、ちゃんと手続きして不法侵入してるから大丈夫だよ」

 

「手続き?」

 

 どこからどう見ても私には無縁な言葉に、オウム返しするほむらちゃん。

 って!? 失礼な!!

 

「そう!! それは、女子中学生のアイデンティティである制服を身に纏っている事!!」

 

 私は椅子から立ち上がり、制服のスカートの裾を軽く摘み、制服姿の自分を猛アピール。

 さぁ、他に学食で食べてる愚民男子共は、この美少女星屑アマタ様を崇拝しなさい!!

 残念ながら、どいつもこいつも私を危ない人と認識したのか、出来る限り目を合わせないようにしやがった……

 私を見る事が出来ないそんな眼球なんて、いらないよね? 有っても意味無いよね?

 

「保健室の教師を昏倒させて、略奪した制服を身に纏って手続き云々言うのはどうかと思うわよ?」

 

「って、不法侵入だけでなく、傷害罪に窃盗罪も犯してるじゃん……」

 

 ほむらちゃんの発言に呆れを通り越してしまったさやかちゃん。もう、突っ込みが弱弱しい。

 しかし、今さら懐かしい話を掘り返して来るねぇ?

 っていうか、どうしてほむらちゃんがその事を知ってるの? 確か、この事を知ってるのは私と杏子ちゃんだけの筈なのだが……

 あれぇ、どっかで話したのかなぁ? それか、過去にも同じような事をやらかしたのかな……

 

「あぁ、そんなの有ったねぇ~。いやぁ、あの時はまどかちゃんが保健室にやって来たから凄く焦ったよぉ~♪ 昏倒させた保健室の汚物を急いで隠さないとって慌てちゃったんだよ♪」

 

「えっと……それって、もしかして私が保健室で初めてアマタちゃんに会った日の事?」

 

「そうそう♪ もし見られたら、まどかちゃんの口封じをする為に、そのまま保健室のベッドでレッツパーぐふぇ!?」

 

 上履きを脱いで手に持ち、目にも止まらぬ速度で私の頬へと振り抜くほむほむ。

 

「ごめんなさい、アマタ。手が滑ったわ」

 

「滑ったじゃなくて、狙ってだよね!?」

 

「語弊だわ。偶然アマタが白昼堂々発するには問題な発言をしそうになった際に、偶然私が上履きを脱いで、偶然手が滑ってアマタを鎮圧……じゃなくて、叩いてしまっただけよ……」

 

「今、サラッと鎮圧って言ったよね!? それって、明らかに狙ってだよね!?」

 

 確か『鎮圧』の意味は……

【意味】1・ 戦乱や暴動を武力を使ってしずめること。「(例文)目の前に可愛い女の子がいたので――した」

    2・耕地をすき起こし、土を砕いて平らにならし、押さえること。「(例文)目の前の可愛い女の子の胸が、少し大きい気がしたのでサラシを巻いて――した」

 だった筈だけど、明らかに、故意じゃん!!

 えっ? 例文が可笑しいって? 気にしたら駄目よ。ちなみに、上の文章は『デジタル大辞泉』より一部引用してます。

 

「食事中は賑やかなのは良いけど、騒ぐのは駄目よアマタ」

 

「いや、確かに騒ぐのは駄目かもしれないけど、話題を変えるのも駄目だと思うよ」

 

「そうね……でも、悪いけど変えさせて貰うわ。食事中の話題ではないから」

 

 何時もの彼女とは違い、今日は多弁な所為かまどかちゃんは少々困惑気味。

 あっ、そう云えば、ほむらちゃんはまどかちゃんにも自分の正体を話したらしいね。

 その感動シーンを魂之眼球で盗み見したけど、まどかちゃんはほむらちゃんがずっと自分を守ってくれてた事を知ると、寧ろそれまで以上にほむらちゃんを意識し、色々と考えるようになったようだ。

 どうして、それだけの事でほむらちゃんが何度も何度も自分を助ける為に動いてるのか? この時間軸の自分は友達としてほむらちゃんに対して何をしてあげれるのか?

 

 そして……本当に自分は皆に守られるだけで良いのだろうかと?

 

 ほむらちゃんから全ての事実を聞いてからのまどかちゃんは、自宅のベッドの上で枕を抱き抱えて考える事が多くなった。

 けど、こんな時にさやかちゃんの存在は非常に大きいと思った。

 さやかちゃんが親身になって、まどかちゃんの相談に色々と乗ってあげている。所謂、心の支えとなってあげている。

 もしも、さやかちゃんがあのまま魔女として倒されていたら、まどかちゃんは本当にどうなっていたのだろうか?

 ほむらちゃんの言ってた通り、友人が死んだ事で心が壊れキュウべぇに食い物にされていたのかもしれない。そう、キュウべぇと契約してしまうかもしれない……

 また事実を知らされて、人間不信に陥るかもしれない。信じる事を諦めてしまうかもしれない。

 

 『感情』が欠落してしまうかもしれない……

 

「別に良いよ……何時もの事だし……ところで、まどかちゃんは気持ちの整理とか出来た?」

 

「えっと、何の事ですか?」

 

「ほむらちゃんが、まどかちゃんにとって何なのかって事だよ」

 

「どうしてその事を?」

 

「まぁ、私もALS○Cみたいに24時間まどかちゃんを見守ってるからね。まもまもまもまも守ってるだよ♪」

 

 「強い味方が守ってますからキリッ♪」と恰好つけて言ってみるが、これまたまどかちゃんには少々不評の様だ。

 

「最悪なホームセキュリティーだな……まどか、背中には気を付けろよ……アマタに何されっかわかんねぇぞ」

 

 そして、忠告をする杏子ちゃん。別に、私は無理矢理貞操をゲフンゲフン……飽く迄、人間観察。それに、もしそう云う事をするなら合意の上がモットーだよ。

 まどかちゃんに何かが有ったらいけないから、警備目的でやっているんだよ!! 別に、御風呂とか御手洗いとか色んな所に魂之眼球を配置してる訳では無くて……

 おっと、ほむほむが目をかっ開いて睨んで来始めた……これ以上はボロが出そうだから、今日は静かにしておこう。

 

「そうだ、ちょっと話を変えるけど、ほむらちゃんから聞いた話なんだけど……実は私って、もう皆に顔向けできない事を過去にやらかしまくってたらしいんだよね……」

 

 唐突な話題変更と出て来る自分の名前に、少々驚き顔のほむらちゃん。

 当然、この事はほむらちゃん自身が私に話してくれた事なので、この話の続きはほむらちゃんは理解できている。故に、何故そのような私にとってマイナスになる事を話そうとするのか疑問を隠せてないようだ。

 

「あぁ、どうせ痴漢行為だろ?」

 

 そして、私の話題変更に真っ先に言葉を返してくれたのは杏子ちゃんなのだが……

 

「アマタ、誰にいやらしい事を……はっ、まさかまどかに!?」

 

「えっ!? えっ!?」

 

 どうして、そう解釈されたし……

 そして、ほむらちゃんは顔を伏せて、こんな時だけ可笑しそうに笑わない!!

 あと、会ってまだ間もないキレイちゃんも素直に頷かないで……凄い、ショックだから……

 

「全然違うよ……そもそもほむらちゃん曰く、ここの時間軸以外は、私は皆と敵対してたんだから。特にまどかちゃんとほむらちゃんに対しては本当に酷い事をしちゃったしね」

 

「えっ、私!?」

 

「うん、私はまどかちゃんや皆を何度も殺してたらしいからね♪ 特に、まどかちゃんは拷問したりしてキュウべぇと無理矢理契約させたりしたらしいし」

 

「「「「えっ……」」」」

 

 御願い……そこは意外そうな顔をしないで……

 

「私の拠り所であるマミさんが死んじゃうと、皆に凄く迷惑を掛けてたらしいの。ねぇ、まどかちゃんはこれを聞いて私の事が嫌いになった?」

 

「そんな事無い!! アマタちゃんは……エッチだけど、優しくて……さやかちゃんを助けてくれたから……それに、今のアマタちゃんは他のアマタちゃんと違うよ」

 

 折角の嬉しい言葉だけど、エッチは余計だよ!!

 しかも、何故にその単語を最初に持ってくるの!? まっさきに出て来たのがエッチなの!?

 いや、そりゃあ、アレだけ下着を覗きまくってたからエッチと思われるのは仕方ないとしても、せめてそれは最後にボソッと呟く程度にしようよ!!

 

「ふふ、ありがとう。それはまどかちゃんにも言える事だよ。別にこの時間軸のまどかちゃんはほむらちゃんが出会った時のまどかちゃんは、正直別物なんだから、今迄通り接してあげるのが良いんじゃないかな? それに、ほむらちゃんは別の時間軸のまどかちゃんの御願いを聞いて今のまどかちゃんを守ってる訳なんだから。今のまどかちゃんが出来るのは、ほむらちゃんの友達として傍に居てあげる事ではないのかな? 本人が居る前で言う事じゃないけど」

 

「えぇ、本当に本人が居る前で言う事では無いね。せめて、話すならまどかと1対1で念話で話すとかした方が良いと思うわ……でも、ありがとう……私は約束を守る為に今のまどかを守りたい。だから、貴方を守らせて」

 

「うん、ありがとう……ほむらちゃん……じゃあ、私からも御願いしても良いかな? ほむらちゃんの知っている私とは違うけど、私と友達になってくれる?」

 

「えぇ、喜んで」

 

 微笑ましい光景。ほむらちゃんを永遠の輪廻に縛っているのは鎖ではなく絆である。

 何度も繰り返す中で忘れかけていた仲間を友達を頼ると云う絆。心を繋ぐのは鎖ではなく絆である。

 人は決して一人では生きられない。何かに寄り添う事で頼る事で生きていけるのだ。

 

「羨ましいぞ、この野郎!! さやかちゃんと付き合ってるそうじゃないか? このリア充め!!」

 

「だから痛いって、中沢……」

 

 珍しくほむらちゃんがまどかちゃんに笑顔を見せ、場の雰囲気も陽だまりの様に和やかになっていたその時、私のハーレムゲフンゲフン……その場の雰囲気を変える危険性のある人間が二人ほど学食入口に出現する。

 勿論、私は当然呼んだつもりも無い。

 て言うか、さやかちゃんの彼氏である上条恭介はともかく、原作では出番が碌に貰えもしないようなマイナーキャラが何で再び出て来るのよ。

 

 ふっ、まだ他の人は気付いていない。今なら、烏で追い払える筈……

 

 男子禁制のこの女子会の終わりを危惧した私は、使い魔で中沢と上条恭介を追い払わんと画策する物の、残念ながらさやかちゃんが二人に……いや、上条恭介に気付き手を振る。

 

 そして、これが私にとっては最悪の事態の始まりであった……

 

 

 

「鹿目さん達、本当に邪魔しちゃってごめんね」

 

「席が空いてないんじゃ仕方ないよ」

 

 仕方良くないし。折角の私のハーレムをどうしてくれるのよ!!

 

「えっと……星屑さんも、ごめんね……」

 

 私が咋(あからさま)に不機嫌そうな顔をしてた所為か、私単体で詫びを入れて来る。

 気を利かしてのつもりかもしれないが、逆にこの現状でそれをやられると、私が悪いように皆に思われるので、この天然野郎は余計に私のフラストレーションを貯め込ませてくれる。

 

「いやぁ、別に良いよ。席が空いてないんじゃ仕方ないよねぇ~♪」/『さやかちゃん以外の女の子に手ぇ出したら、隣の中沢含めて生きて日の光を拝めると思わないでね♪ コンコンするからね♪』

 

 取り敢えず、念話では脅しを叩きこむ。

 勿論、上条以外にも魔力の高いほむらちゃんには聞こえてたっぽく……

 

「あはははは……」

 

 上条は空笑い、ほむらちゃんはまたかよと呆れ顔。

 あっ、コンコンってのは狐とか咳とかじゃなくて、コンクリートのコンね♪

 要約すると、『調子こいてっとコンクリに詰めて埋めるぞ』って意味だよ♪

 あと、最近新しい究極選択を考えてみたの。

 『どのダルマさんが良い?』って内容なんだけど、『両手両足もいで血達磨』と『ガソリン掛けて着火して火達磨』と『子供にも大人気雪達磨』の三択だよ♪

 

「なぁ、尋ねたいことがあるんだけど良いか?」

 

「どうした中沢?」

 

「まどかちゃんとさやかちゃんとほむらちゃんは分かるんだが……後の三人は誰だ? 俺の対面の子はこの間上条を連れだした子だよな? 後の二人とは初対面なんだが紹介してくれないか?」

 

『えっと……星屑さん、悪いけど自己紹介頼めるかな?』

 

 まだ、上条との念話が繋がっていた為、紹介を御願いして来る。

 つうか、アンタに御願いしてんだからアンタがしなさいよね?

 

『ちっ、面倒くさいわねぇ……なんで、アンタの友人に自己紹介しないといけないのよ。ていうか、アンタ含めて中沢はどうしてこの場に居るの?』

 

『今日は弁当を忘れて偶然……というか、なんで星屑さん達が学校に居るんですか!? 絵意さんに至っては年齢的に中学生じゃないですよね!?』

 

 くっ、突っ込みの返し刀にそこを切って来たか……

 本当にこいつを相手にしていると調子が狂うわね……

 

『うるさいわねぇ。細かい事を気にしてたら禿げるわよ? 貸し一だから、覚えておきなさいよ』

 

「私は星屑アマタ。宜しくね♪」

 

「中沢です」

 

「それは、知ってる。で、名前はなんなの?」

 

「中沢は中沢。それ以外の何者でもないんだよ」

 

 うざ……脇役風情が恰好つけるのはどうかと思うよ?

 

「恰好付けるのは良いけど、私は女の子以外は興味無いから」

 

「アレ、でも前に恭介に告白してなかったっけ?」

 

 私が上条に告白?

 あぁ~……そういえば、さやかちゃんの事件の時に、屋上に呼び出した理由は告白されたとかでも言いなさいって言ったんだっけ?

 ちょっと、早まったかなぁ……私の黒歴史にまた一ページだよ……

 

「えっ!? ちょっと、アマタ!? どういう事よ!!」

 

「安心してさやかちゃん♪ 告白って言っても、恋の告白じゃないから♪ ちなみに、呼び出したのは上条がさやかちゃんに告白した日だよ♪」

 

「あっ……あぁ、そ~いう事ねぇ。いやぁ~、アタシとした事が早とちりしちゃったよ」

 

 私の遠回しな言葉でも十分に意味が理解できたさやかちゃんは、わざとらしい誤魔化しモードに突入する。

 中沢の前で、さやかちゃんが魔女化したからその為に以下略なんて話せる訳無いからね。

 

「うん? どういう事だ?」

 

「いやぁ、あのね♪ さやかちゃんが上条がどんな女の子が好きか聞いて欲しいって言われてね。でも、それで思い出したけど……本当にあの事件でさやかちゃんが無事で良かった……」

 

「そう云えばまだ犯人捕まって無いんだよな……早く捕まえてくれないと怖いよな……」

 

「えぇ、本当に怖いわ……」/「うんうん。無防備な女の子を狙うなんて言語道断だよ」

 

 はい、本当に怖いです。平然と嘘を吐く私とそれに顔色一つ変えずに相槌を打ってくれる杏子ちゃんとほむらちゃんとキレイちゃんが……

 ちなみにまどかちゃんだが、次々と嘘を吐き続ける私と、それに顔色一つ変えずに反応する三人に驚きを隠せず動揺し「こ、怖いよねぇ」と遅れて相槌を入れる。

 

「大丈夫だよ、まどかちゃん。もしも帰り道が怖いなら、この中沢。御供しましょう!!」

 

「結構よ。私がまどかを送ってあげるから」

 

 そう言って、隣の席に座っているまどかちゃんを自分の方に引きよせて抱き付く。

 べ、別に羨ましくなんかないんだからね……でも、恰好良い騎士様と可愛い御姫様で本当に絵になるなぁ~♪

 『まど×ほむ』、『杏×さや』は最高の組み合わせだと思うんだけど♪

 あっ、ちなみに私は『あま×マミ』ね♪

 何処かの恋愛ゲームのタイトルに近い名称だけど気にしない気にしない♪

 

「じゃあ、ほむらちゃんもついでに……」

 

「夜道には気をつけなさい……次の日の一面記事になりたくなければ……」

 

 おぉ、何かほむほむが怖いぞ♪

 

「スミマセン……」

 

 蛇に睨まれた蛙のように、ほむらちゃんの威圧に堪え切れず即座に謝罪を入れる中沢。

 ちょっと可哀想な気がして来たので、何時か君に春が来る事を祈ってあげよう……

 ただし、春は春でも買う春は駄目だからね?

 

「えっと、じゃあ次はそこの二人に自己紹介御願いしても良いかな?」

 

「うん、良いよ♪ 絵意キレイ9……14歳だよ♪」

 

 む、無理がある……30歳の叔母さんが「私20歳きゃっぴぴぴぴ~ん♪」って鯖読んでギャルッ娘ぶるなみに無理があるよ……

 あっ、でも最近は大人の様な小学生や小学生の様な高校生が居るみたいだから無理じゃないかも……

 

「今9歳って言いかけなかった?」

 

「気の所為だ、中沢。次は佐倉さん御願いできますか?」

 

 当然の如く無理が有った為、正確にはキレイちゃんが発言ミスした為だが、指摘が入りそうになり、上条がこれ以上話が進まないように話を無理やりちょん切る。

 今日初めてのグッジョブだよ、上条恭介。

 

「佐倉杏子だ」

 

「杏子ちゃん、凄い食欲ですね……」

 

「そうか? 食わないと体が動かないだろ?」

 

「いえ、そう云う問題じゃ……」

 

 中沢は自分のお盆の上の狐うどんと、杏子ちゃんのお盆の上の漫画に出て来るような大盛り御飯、豚カツ3枚とコロッケ4個、御味噌汁、サラダを何度も見比べる。

 ちなみに、私は豚骨ラーメンと餃子、キレイちゃんはワカメ蕎麦。まどかちゃんとほむらちゃんとさやかちゃんの三名は弁当である。

 

「つうか、御前こそ全然食べてないじゃないか?」

 

「いや、これが普通の量だと思うけど……」

 

「ちっ、そんなんで体を動かそうってのが無理なんだよ。コロッケ一つ食うかい?」

 

「結構です……」

 

「じゃあ、杏子ちゃん♪ 私にあ~んってやってコロッケを食べらせてぇ♪」

 

「ほれ」

 

 そう言って、私の餃子が乗っている皿の隅にコロッケを置いてくれる……

 

「皿に置いたら意味がないんだよ!! はっ、でもこれはこれで杏子ちゃんの唾液が付いた箸で摘まんだ物だから、ある意味口移し!!」

 

「ぶわはぁ!?」

 

 何を想像したのか顔を真っ赤にして鼻血を吹いて倒れる中沢と、顔を真っ赤にして今にもオーバーヒートしそうなまどかちゃん。

 とどめに、ワナワナと震えて顔を真っ赤にしてる杏子ちゃんとほむらちゃん……

 

 あぁ、こりゃあ今回も折檻コースかな?

 ふっ、困ったものですね♪

 

 こうして、私達のワルプルギスの夜が来る前日は、私の悲鳴と共に過ぎ去るのであった……

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