って、自分で書いといて何言ってんだよって突込みがきそうですが、流石に2年ぶりくらいに見てここまで酷かったとはと痛感しています。
周る回る廻る……くるくる廻る……
弾丸は、直線の軌跡を描くものの、弾丸自体はくるくると回転している……
くるくるくるりよ 直線の上で
風が吹いたら 揺れるのよ
先が当たったら 落ちるのよ
その時あなたも 揺りかごも
みんなそろって落ちるのよ
そう落ちちゃうの、地獄の底に……
「きゃぁぉおおおおおおおおおおん!!」
犬の叫び声……
私の放った弾丸は見事に猟犬の魔女の頭部に吸い込まれ、魔女の姿を爆散させる。
見事に仕留めた物の、未だに心臓はばくばくと鼓動する。
「ナイスショット!!」
「にゃはははは~、アマタちゃんの射撃の腕をなめちゃいかんぜよ♪」
内心を悟られぬように、杏子ちゃんにはテンション高めに言葉返す。
前衛である杏子ちゃんを心配や恐怖に晒させてはいけないからだ……
後衛を任されるとはそういう事である……同時に、任命すると云う事は、自分の背中とフォローと命を任せる存在として認めるという事である。
私はその期待を裏切ってはならないのだ……
「ほぉ~?その割には指が震えてたぞぉ?そんな気張ってんじゃねぇよ」
ば、バレてるぅ……
でも、杏子ちゃんの顔の表情や声色的に怒っては無いのは分かる。
寧ろ、良くやったと私に労(ねぎら)いの言葉を掛けてくれる。
「ほら、ちゃっちゃとグリーフシード回収して、ゲーセン行くぞ」
地面に転がるグリーフシードを杏子ちゃんは拾い、少々呆けている私にアンダースローで緩い放物線を 描くように投げる。
私はそれを落とさないようにと慌てつつも無事キャッチ。
「あれぇ?杏子ちゃん、ソウルジェムの穢れを回復させないの?」
「あぁ?別に良いよ、アマタが全部取りな。あれだけの魔法を連発してたら、私のを回復させた残りだと、自分のを完全に回復させる事が出来ないだろ?アタシはストックも有るから、アマタに全部やるよ」
細かいところまでも、しっかりチェックしている杏子ちゃん♪
杏子ちゃんの優しさって、マミさんとは異なる優しさだよねぇ~♪
マミさんみたいに、良い意味での優しさを前面には出す感じではなく、小さな所で気付かれないような優しさで相手を満たす。
「流石は杏子ちゃんだね♪細かいところまで全部見てるなんて♪」
「ったりまぇだ。パートナーだろ?」
ぐふぅ……今の台詞は効いたぜ……杏子ちゃんになら攻略されても良いと思ってしまったよ……
格好良い王子様に恋する乙女の気持ちがちょっと分かってしまったよぉ~。
「どうしたアマタ?顔が赤いぞ?」
「いやぁ~、戦闘をこなした事で精神が高揚しちゃった♪」
と、誤魔化す。当然、顔が赤くなったのは言わずもがな、杏子ちゃんの私に対する優しさがムズ痒く恥ずかしいからだ。
そして、彼女の事を格好良いと思い、何処か心の中で友達としてではない、別の好きと云う感情が芽生えつつあるからであろう……
「それはどうかと思うぞ……」
「うふふふ、冗談冗談♪それじゃ、ゲーセンでストレス発散と行きましょうか♪」
魔女の結界が消滅すると、直ぐに隣のゲームセンターに突入。
ゲームセンターなのに禁煙をしてる所為か、全くタバコ臭さを感じさせず、
体を動かしてストレス発散をと、杏子ちゃんはダンスダンスレボリューションの筺体に飛び乗り、何処から手に入れたか知らない100円玉を投入……
うん、今の100円に関しては、色々と突っ込むのは止めておこう……
「アマタも一緒にやらねぇか?」
「構わないよぉ♪でも、私あんまり上手くないよ♪」
そう言えばさぁ、意外に上手な人間程「いいけど、俺あんまり上手くねぇよ?」って言わない?
それで、太鼓之達人(どんどんだいこ)とかビーマニとかユビートとかで高いランク出すんだよねぇ~♪
「構わねぇよ。アタシもあんまし上手くないし、一人でやるのも寂しいからな。下手糞でも笑うなよ……」
「勿論、笑わないよぉ♪」
と、笑いかけながら私も筺体に飛び乗り、100円玉を投入する。
「曲は杏子ちゃんが先に選んでいいよ♪」
「そんじゃ、遠慮なく選ばせて貰うぜ」
嬉しそうに足元で軽快なタッピング。数多く取りそろえられた曲の名前が、スロットの様に目まぐるしい速度で廻り始めるものの、とある曲でぴったりとストップする。
選ばれたのは最難関とも言われている『ClariS』の『コネクト』と呼ばれる曲……
いや、無理ですから!?しかも、何気に難易度MAXにさせないでくれる!?
「よっしゃぁ、やるか!!」
「いや、やるかじゃないでしょ!?何をさり気無く最難関な曲を選択してるのよ!!」
「えっ?始まるぞ?」
軽快な音楽が流れると同時に、筺体の画面に出現する大量の矢印。
↑↓←→(じょうげさゆう)の大量の矢印が画面を埋め尽くす……
この矢印に合わせて、足元に有る矢印のプレートを踏むのだが……
無理ポ(´∀`)p♪
流石に動きを止めると、真面目にやってる杏子ちゃんには失礼なので、足だけは動かす。
ていうか、杏子ちゃんこれ程難しい譜面を現状パーフェクトって何なの!?
「よぉ、今度は何さ?」
そして、後ろに幽霊の如く出現したほむらちゃんの存在に気付き、話しかける余裕は何なの!?
私なんか、目の前の矢印を認識して足を動かすだけで、せぇ~一杯なのに!!
「この街を貴方に預けたい……」
「ど~いう風の吹き回しよ?」
「魔法少女には貴方みたいな子が相応しいわ。美樹さやかでは務まらない」
そりゃまぁ、あの程度のレベルの魔法少女じゃあ無理だろうねぇ~♪
さっき出て来た猟犬の魔女が相手だったら、間違いなく猟犬の牙の餌食になっていただろう。
もしくは、羊の群れに巻き込まれて、夢の中で羊を数える羽目になるね♪
「元よりそのつもりだけどさ、そのさやかって奴どうする?ほっときゃ、またつっかかってくるよ?」
「なるべく穏便に済ませたい。貴方達は手を出さないで、私が対処する」
曲の間奏に入り、矢印が出現しなくなったので、漸く私はほむらちゃんの顔を拝見する事に成功。
うんうん、相変わらずの無表情♪結構結構♪
「まだ、肝心なところを聞いてない。アンタ何者だい?」
曲の間奏終了で、再び矢印の嵐。
もう、これ以降の参加は諦め、画面の方は一切向かず、ほむらちゃんの方を笑顔で向いたまま♪
正確にはこれ以上は無理(足の疲れ的な意味)と判断したので諦めました……
「一体何が狙いなのさぁ?」
「2週間後この街にワルプルギスの夜が来る」
ワルプルギスの夜?
超弩級と名高い、最強の魔女だった筈……
色々な街を渡り歩き、そこをテリトリーにする魔法少女を完膚なきまで打ちのめし続ける魔女。
別名は『魔法少女殺し』や『終焉の時を刻む者』……私自身は出くわした事は無いので、噂程度の認識とみなしていたのだが、ほむらちゃんが言うならその存在を認めねばなるまい……この街に襲い来る暴虐の存在を……
っていうか、こいつに未来で鹿目まどかは殺されたんじゃないの?意外にあり得そうで怖い……
「何故分かる?」
うん、それは確実に彼女が未来から来たからであろう。まぁ、彼女は未来から来た事は言わないようにしてるみたいだし、本当に未来から来たと云う確証は無いので、ここは御口にチャック♪
だって、未来に関係するような発言は禁則事項でしょ?
「それは秘密。ともかく、そいつさえ倒せたら、私はこの街を出ていく。後は貴方の好きにすればいい」
「ふぅ~ん?ワルプルギスの夜ねぇ、確かに一人じゃ手強いが、3人がかりなら勝てるだろうな」
「にゃはぁ~、その3人目は私かい?それとも美樹さやかかい?」
現時点でこの街に居る魔法少女は4人なので、ちょっと疑問に思い聞いてみる。
というか、完全に無関係な私をワルプルギスの夜との戦いに巻き込む気かい!?
「何言ってんだ?アマタに決まってるだろ?」
「何を言ってるの?美樹さやかじゃ勤まらないわ」
ですよねぇ~♪
ワルプルギスの夜倒すのって、絶対にソウルジェムに関しては、赤字な気がするんだけど……
それ以前に、赤字どころか命を掛けるのはちょっと嫌なんだけど……
「っていうか、何故に私も参加なのかい?」
「おい、食うかい?」
私の突っ込みは無視してROCKY(スクリーンの向こうで言うPOCKY)をほむらちゃんに見せて尋ねる。
っていうか、杏子ちゃんはあれだけ話したりしてたのにスコア2513940っのAAA評価!?そして、私のスコアがなんか444440のC評価って云う不吉な数値に!!
「頂くわ。丁度、甘い物が欲しかったの」
素直にROCKYの箱より2本引っこ抜き、静かにもそもそと食べ始める。
こちらも、当然私の突っ込みは無視。
「あのぉ~、私の問いかけは無視ですかい?」
「アマタは私のパートナーだろ?」/「貴方は屋上で、協力して欲しい事が有ったら言えと言ったわ」
私達が何とかしなければ、確実に見滝原市は崩壊するのです。んふっ困ったものですね♪
とか、格好良く決めてみるようかと考える物の、発言すれば無視を決め込まれるのは目に見えるので、今回も素直に……
「分かったよ、私には利益がないけど、参加してあげるよ♪」
同意する羽目になった……