ペルソナアフターパラレル   作:erupon

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※ペルソナ4原作後、大学生設定の二次創作です。
 息をするように主人公と花村くんがお付き合いしています。

※P4だけじゃなくP3成分も入ってきてます。
 なおこの小説を書いたときはまだP5発売されておりません。こわい


※Pixiv二掲載していたものをハーメルンに投稿するのにあたり、一部改稿しています。
※クトゥルフ神話成分がしみしみですよろしくお願いいたします。

※ちょっと痛そうな表現ありますが、タグはこれで大丈夫なはず!だめだったら言って…
※ボーイズラブタグが有効になりました。編集するのはそろそろやめようと思うので、OKな人はぜひ引き続きどうぞ。


021.赤いサロン11

(あと、2時間、か。)

 イザナギが、心のなかで呟く。

 さっきから風花が展開しているペルソナによるジャミングにより、少しずつ、スサノオを構成している魂の一部がプツリと切れては何かが繋ぎ直す、という感覚に陥っていた。

 魂の一部は繋ぎ直されるが、スサノオ自体の疲弊はなおしてはくれないようで、はあ、と1つため息を零す。

(このままじゃ、ミイラ取りがミイラになっちまうな、)

 荒垣、という男が呼ぶペルソナは思った通り、物理スキル偏重型だった。物理スキルであれば、スピードさえ維持できれば回避は容易い。だが、山岸風花、と名乗る女性が持つペルソナが問題だった。おそらく情報索敵能力の他に、ジャミング能力を有している。

 そのため、外から自分に呼びかけているはずの『声』は一切聞くことが出来なかった。

 しかし、今イザナギやヤマトタケルに話かけることは、彼らの居場所を目の前のペルソナに知られる可能性があり、スサノオはただ彼らの前に佇んでいた。

「そもそも、ペルソナが使えるようになった条件が違うというのに、どうしてお前らは自分達の枠に嵌めようとするのかが分からないな。」

 スサノオは、目の前にいる2人をあくまで冷たく光る金色の瞳で見つめ、肩を竦める。

 次の瞬間、急に周囲の風景が暗転する。

 スサノオは一瞬何が起こったのか分からなかったが、どうやら花村が自分を心のなかに戻したらしいことが分かった瞬間眉を顰めた。

(スサノオ、平気か?お前にばかり無理させて、ごめんな。)

『どうして戻した?まだパーティーまで2時間あるだろ?』

 主である花村に心配そうな心の声で労われ、スサノオの疲労が急速に回復していく。

(作戦変更だ。イザナギが、東京大丸の屋上で網を張っている。遠くはなれた所で放して、あとはこっちから事を起こしたときの波動を拾えればいいや、ということらしい。)

『誘いに乗るかな?』

(乗らざるを得ないだろ。なにせ、急にお前が消えちまったんだから。)

「来た!向こうからこっちに移動を開始してる。向こうは随分高そうな車に乗ってるなあ。」

 目を閉じて集中していた鳴上が呟いた。「そのまま外堀通りから有楽町プランタンに。あっちが外堀通りに入ったら数寄屋橋交差点を通過してソニービルへ。」

(うわあ、すっげぇピンポイントで誘導に掛かってる……。)

「向こうが数寄屋橋交差点に入ったら晴海通りをそのまま海方向へ。勝どき駅交差点に来たら左に曲がって月島にあるベスト電器の看板の上で待機。」

 鳴上は、脳内将棋を行うが如く、イザナギにピンポイントに指示を与えていく。

「先輩、そろそろ行きますよ。」

 直斗が応接室に木村と入ってきた。「タクシーは呼んであります。」

「分かった。」

 花村は、直斗と木村を見てほう、と呟く。「直斗、木村さん、かなり可愛いじゃんか。」

「えっあ、そんなことはないですっ。」

 直斗が顔を赤くしてそっぽを向いた。

 木村はレースをあしらった青いワンピース姿で、直斗は黒のホルターネックのショートドレスにオーガンジーのストールを肩から掛けている。

 鳴上は最後の指示をイザナギに与えると、3人へと振り返った。

「真実まで、あと少しだ。大丈夫。無事に解決するさ。」

 

 

 4人がタクシーを降り立ったのは、新宿駅に程近いとあるホテルのエントランス前だった。

「確かに、ここなんだよなあ。」

 もちろん検索サイト等で指定された場所を検索してみたが、そのどれもがこの場所を指し示している。花村は周りを見回した。

「花村様と、木村様。その、同伴の皆様で間違いないでしょうか?」

 急に後ろから声が聞こえ、4人は同時に振り返った。

 そこには、黒いスーツに黒いネクタイ、サングラスをかけた男が立っており、恭しく頭を下げる。

「あの?どちら様、で?」

 花村が笑顔を貼り付け尋ねると、男は口角を上げた。

「パーティーの、ガード兼案内役でございます。こちらへお越しくださいませ。」

 男が唐突に歩き出す。4人は顔を見合わせ、彼の後を追った。

 男はビルとビルの間の狭い通路へどんどん入っていく。何度か道を曲がった後、何の変哲もない鉄製の扉の前で立ち止まる。

「あの、ここですか?」

 木村が聞くと、男は振り返り、ドアを開けた。

「もうすぐパーティーが始まります。どうぞ、ごゆっくりお楽しみください。」

 花村と直斗、鳴上と木村はそれぞれ腕を組んで扉の奥へ進んでいく。

 男はがちゃり、と扉を閉めると、後方へと振り返った。「困りますね。勝手に来られては。」

 そこには、桐条ホールディングス第二総務部の蒲田と有吉が銃を構えて立っていた。

「通してもらうぞ、『番人』。俺達もその中に用事があるんだ。」

「出来るのならば。」

 男は言うと、サングラスを外す。そこには、あるはずの目がなかった。

 

 花村を先頭に、暗い通路を抜け階段を降りると、鉄製の無骨な階段が似合わない豪奢な空間に出た。

 壁は何かの文様が織り込まれたタペストリーと赤いベルベット、金色のモールで飾られている。

 ウェイティングスペースになっているバーカウンターでは男装をした女性が黙々とシェーカーを振っており、他の客は気軽にドリンクをオーダーしていた。

「わ、あ……テレビで見た人たちがたくさんいる。」

 その場の雰囲気に飲まれたように木村は呟く。「お父さんやお母さんも、この中に混じって……!」

「大丈夫?」

 鳴上が心配そうに木村を覗きこんだ。

「はい、平気です。」

 木村は気丈に答え、鳴上に微笑む。

『陽介、あのバーテンが、御厨果音に小指を食わせた奴だ。』

 スサノオの言葉に、花村はげんなりした顔でバーテンをちら、と伺い見た。

「お客様。ウェルカムドリンクでございます。飲み終わったあとで他のオーダーをしたいときはあちらのバーテンか私共に申し付けください。」

 ウェイターが飲み物を4人に手渡し去って行く。

『これ、飲まないほうがいいよ?』

 ヤマトタケルが警告した。『ほんのちょっとだけど催眠誘導と幻覚作用がある薬が含まれてる。』

 4人は口をつけてないグラスを適当なテーブルに載せそそくさとその場を離れた。

「恐らく木村さんのご両親もウェルカムドリンクを毎回飲んでいたはず。幻覚作用がある覚せい剤のようなものが含まれているとすれば、その薬の効果が切れたとき、禁断症状を起こしたのでは?」

 直斗の呟きに、3人は頷く。「だから、『悪夢を見た』。そして、悪夢と現実の境が曖昧になった時、悲劇が起きてしまった。」

「そういうこと、だったんですね。」

 木村が目を伏せる。「2人も、とても楽しそうだったのに……。」

 不意に、ウェイティングスペースの奥の扉が開かれる。奥には広いボールルームと舞台が設えてあり、舞台の上には1人の美女が優雅に腰掛けていた。

「今宵はCLUB緋色のダンスパーティーにお越し下さりありがとうございます。皆様、素敵な夜をお過ごしくださいませ。」

 美女がにこやかに言うと、ぞろぞろと客がボールルームへと移動していく。

「悠、奥にいる赤いドレスの女が、俺の職場に来た女だ。」

 花村が鳴上に耳打ちした。

「やっぱり。……じゃあ、アイツがラスボス、か。」

 鳴上は銀灰色の瞳で美女を見ると、美女もまた鳴上を見つめていた。

「直斗、木村さんを頼むぞ。ここから、作戦スタートだ。」

 花村は言うと、スサノオを呼び出す。

『ここは魔王の城の王の間かい?随分豪勢ではしたない飾り付けだな?』

 スサノオはニヤと嗤うと赤いドレスを来た女を金色の瞳で見た。

「ほう、やはりお前は心の鎧を使う者か。私の魅了が聞かぬ者、早く私の取り巻きにしたいものだ。」

 女はニヤリと嗤う。

「貴崎緋色、……いや、『赤の女王』。ここからはガチで喧嘩させてもらうぜ。」

 花村は口角を上げた。

『ガルーラ』

 次の瞬間、貴崎を中心に翡翠色の竜巻が巻き起こる。周りの客が風に煽られ悲鳴を上げた。

「お客様、そのような『手荒な真似』をされては困りますわ。『お客様が危ない』じゃないですか。」

 貴崎がパチン、と指を鳴らすと客が貴崎の前に集まる。

「別にその人達俺は関係ないし?」

 花村はその顔に笑みを浮かべたまま客のど真ん中にマハガルーラを打ち込んだ。

 客が風で立っていられなくなり数メートル飛ばされ動かなくなる。

「あはは!いいわねぇ、貴方。普通の人にも容赦ないなんて、本当に素敵。今すぐ私のものにしたいわ?」 

 貴崎はニタリと嗤うと、メキメキという音とともにその背中からコウモリのような翼を生やした。美しい髪は蛇へと姿を変え、形の良い口からは牙が姿を現し、華奢な手先には鋭い鉤爪が伸びた。赤いドレスは血の色の分厚いローブに変わる。

 客が貴崎の変貌に悲鳴を上げ、我先にと出口へと向かい始める。

 その時、花村の後方で悲鳴が上がった。

「緋色様、本気を出すの早すぎでは?」

 後ろから、女の声が聞こえる。「お陰でこちらも『ゴミ処理』が大変です。」

 幾つか、何かが落ちる音がした。「ま、全員殺れば問題ありませんが。」

 鉄にも似た、むせるような血の匂いがする。

「貴方だって殺りたくて仕方がなかった癖に。お好きにやりなさいな、滝川。」

 貴崎が手を伸ばせば、そこには死神が持つ大鎌が現れた。

「畏まりました。」

 

「ヤマトタケル、こちらもやりますよ。」

『うん!』

 直斗の言葉に応じ、ヤマトタケルが姿を現した。『お姉さんと遭うのは、2回目だよねっ?』

「あの時は想定外だったが、今度はこっちの場所だ。そう簡単にかかりはしない。」

 滝川は3人を串刺しにした左手にべっとり付いた血のりを無造作に払うと、頬に掛かった返り血を長い舌でぺろりと舐めとる。

『コンセントレイト』

 直斗は呟きながら、ドレスの裾をぱっと跳ね上げホルスターから銃を抜いた。

 ヤマトタケルの体が白と黒の光に包まれる。

 滝川はヤマトタケルに向け右腕を一気に伸ばした。

 ヤマトタケルはそれを飛んで避けるも、その後ろからもう一本の触肢がヤマトタケルの左足を捉えて床に引きずり落とす。よく見れば、滝川の左腕が消え、胸の中央から触肢を伸ばしていた。

「舐めるんじゃないよ、クソガキが。」

「が、はっ」

 直斗は全身を何かに打ち付けたような痛みを感じ、うめき声を漏らしながら銃を取り落とす。「……まだ、です。」

 ヤマトタケルを掴んだ触肢は一気にズルズルとヤマトタケルを滝川へと引きずった。ヤマトタケルは脱出しようともがくも、がっちり掴んだ触肢はヤマトタケルの足に噛み付く。「ぐ、う、……。」

 直斗は左足に何かが刺さる痛みを感じがくん、と左膝をついた。じわりと痛みによる冷や汗が体中から吹き出るが、その表情は何故か笑みを浮かべている。

(もう、少し。)

「こいつから食ってやろう、さぞ甘美な声で啼くのだろうな?」

 滝川がニタニタと嗤う。触肢はやがて短くなり滝川の胸が大きく開き、ヤマトタケルを飲み込んだ。

『メギドラオン』

 全身の痛みに震えながら、直斗はスキル名を呟いた。

 次の瞬間、ヤマトタケルから4つの属性の奔流が取り巻き閃光と共に爆発を起こす。

「なっ?!」

 滝川は体の中で起こった魔法力の爆発に対応出来ず、その体を爆発の圧力で一気に体を変形させながら大きく風船のように膨らむ。「貴様ァ!!」

「まさか、ダメージが、たりない?」

 体を痛みで震わせながら、直斗が呟く。

 次の瞬間、直斗の後ろから万物属性の光の矢が滝川を射抜いた。

「ぎゃ、」

 滝川は体の内部から細胞を破壊され、パチン、とはじけた。

 ボトボトと肉片が落ちる真ん中に、ドロドロに溶けたゼリー状の何かにまみれたヤマトタケルが立っていた。

『とんでもないね、このお姉さん。コンセントレイトかけてたのに足りない、とか。』

 ヤマトタケルは、直斗の後ろにいる、銃を構えた荒垣と風花を見た。

「だ、大丈夫ですか?」

 風花が直斗に駆け寄る。「酷い怪我、」

「お気になさらず。」

 直斗は言い、周りを見回した。倒れている木村を見つけて左足を引きずるように歩み寄ると、木村の様子を確認する。「……大丈夫、気絶してるだけ、だ。良かった。」

『直斗!』

 ヤマトタケルが直斗と風花と荒垣の間に割って入った。『僕達のことは、放っておいてよ!』

 直斗はヤマトタケルを後ろから抱きしめると、ヤマトタケルは俯きふわ、と直斗の中に戻る。

「まだ、終わっていませんから。」

 直斗の言葉に、荒垣と風花は奥のボールルームを見た。

 花村と鳴上と、異形の者が見える。

「加勢に行かないのか?」

 荒垣の問いに、直斗は肩を竦めた。

「先輩方は僕よりも強いんです。それに、現状怪我をしている僕が行ったら奴に標的にされることは目に見えている。味方の足を引っ張るだけですよ。」

「冷静、なんですね。」

 風花の言葉に、直斗は苦笑いを零す。

「それが、僕に与えられた役割なので。」

 

「滝川も脆かったな、あの程度で死んでしまうとは。」

 貴崎は牙をむき出しにして嘲笑った。「また作れば良い話だ。」

「作る、だと……!」

 鳴上が、貴崎を睨んだ。

 鳴上と花村のシャツはところどころが何かに斬られてボロボロになっている。

 貴崎の攻撃は鉤爪と大鎌の2回攻撃で、ただ避けるだけならそんなに問題はないのだが周りに倒れている人間もお構いなしに殺しにかかるため、威力の強い攻撃を受け続けることになった。

 物理無効のペルソナにシフトした鳴上でも貴崎の苛烈な攻撃に、肩から息をしている。

「別にいいではないか、この地球上に人なんて掃いて捨てるほどいるのだから。」

 貴崎は翼を広げてはためかせながら飛び上がる。「しかし貴様ら、この私の姿を見てもなお向かってくるとはな?滝川の代わりをお前らにすれば更に強いペットになりそうだ。」

『ペット……。』

 スサノオが露骨に嫌な顔をした。

「お前の目的は、何だ?」

 鳴上の吠えるような問いに、貴崎はうっとりと顔を綻ばせる。

「この世に混沌と破壊をもたらすこと。こいつらにつかの間の夢を見せて政治や経済の中枢に食い込ませてから操れば、楽しいことになりそうだろう?」

「大方そんなこったろうと思ったぜ。スサノオ、行くぞ。」

 花村がスサノオを纏い、体から翡翠色の光を放った。「人が本気になったらどれだけ怖いか、見せてやる。」

『マハスクカジャ』

 花村がスキルを唱えると、花村と鳴上が青い光を帯びた。

「それでも私のスピードについて来れると思うな!」

 貴崎が爪と大鎌で鳴上に襲いかかった。1度の攻撃で4撃。

「く、」

 まともに受けた鳴上は数メートル後ろへ下がるも、そこで踏みとどまる。「4撃、だと?!」

 花村がふわ、と浮かぶと貴崎を猛スピードで追い始めた。

『ペルソナチェンジ、call Lucifer』

 鳴上が声高に宣言すると、イザナギの背に3対の輝く翼が、頭には純白の角が2本生える。

『主、』

 イザナギの言葉に、鳴上は1つ頷いた。

 花村は徐々に貴崎との距離を詰めているのを見て、貴崎は不機嫌そうに眉を顰める。

「貴様、我よりスピードが早いというのか!」

 貴崎が叫ぶのと、花村が貴崎の真上でスキル名を叫ぶのと同時だった。

『ブレイブザッパー』

 貴崎の真上で背中に向け放たれたその一撃で、貴崎は床にたたきつけられる。

「ぐうっ」

 そこへ向かってイザナギが手を差し伸べた。

『明けの明星』

 鳴上の詠唱と共に、万物属性の光の渦が貴崎を包み込む。 

「クソ、人間の、分際で、……」

 光の渦が消えた時、そこは何かで抉ったような大きなクレーターとなっていた。

 貴崎の姿は何処にも見えず、巻き上がったローブの欠片が黒い光となって消え失せる。

「イザナギ、奴は?」

 鳴上が聞けば、イザナギは1言呟いた。

『赤の女王は消し飛んだ。……ニャルラトホテプはいくつでも現身を持つ存在だから、その1つを潰したに過ぎないが。』

 鳴上の隣に花村がとん、と降り立つとスサノオを現出させる。

「終わったっつーことでいいのかな?」

 花村の問いに、鳴上は頷いた。

「先輩、よかった、」

 2人が後ろを振り返ると、風花に肩を借りる直斗と、気を失った木村を抱えようとしている荒垣が見え、花村が慌てて直斗へ駆け寄る。

「直斗、ひどい怪我じゃないか。」

 鳴上はイザナギを見上げ、手を差し伸べた。

『メシアライザー』

 部屋全体に慈愛の光が満ち溢れ、気を失っていた人々が目を覚ましはじめる。

 鳴上や花村、直斗の体の傷はもちろん、切れた服まで修復された。

「きゃっ」

 荒垣に抱えられた木村が目を覚まし、混乱して暴れる。

 荒垣が木村を地面にそっと下ろすと、木村は鳴上と花村と直斗を見上げた。

「大丈夫、ですか?」

 直斗がホルスターに銃をしまいつつ木村に手を伸ばすと、木村は手を差し伸べ立ち上がる。

「まるで、悪い夢でも見ていたような、」

「なら、悪い夢だったんですよ。」

 直斗は言い、肩を竦めた。「悪夢はもう、見ません。大丈夫です。」

 花村が肩を軽く回して筋肉を解すと、大きく伸びをする。

「帰るかぁ。疲れたよ。」

「そうだな。」

「はい、そうですね。」

「私もゆっくり寝たいです。」

 鳴上と花村はペルソナを自分の中に戻した。

「じゃ、後は頼んだ。」

 花村は荒垣と風花に手を振りながら言い、4人は階段を上がっていく。

 風花は荒垣と顔を見合わせ、ぷっ、と吹き出した。

「さて、この状況、美鶴にどう説明したもんかな。」

 荒垣は頭を掻きながらため息をつき、ボロボロになった部屋を見回した。

 

 




事件はここで収束!あとはお約束の後日談やったら終わりや!

また次回よろしくお願いいたします。
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