魔法少女リリカルなのは~鬼札と呼ばれた魔導師~ 作:Sady
そしたらなんと・・・・・B賞のフェイトたんフィギュアが当たっちゃったんですよ!
1番くじ第2弾はいつになるんでしょうねー
アインスのフィギュア欲しいから是非商品化して貰いたい
機動六課に出向してから数日経ち、今日は捜査や勤務日についてフェイトと打ち合わせを始める所だ。本来なら部隊長と話し合い決めるものなのだが、実質一緒に仕事をするのはフェイトなので、その辺の判断は彼女の裁量に任せるみたいだ。
俺は六課に全日出向する訳でなく、並行して特務での任もこなさなければならない身の上の為最低でも週に2、3日は六課を空ける事になる。
俺が最高評議会から受けた命は六課出向と魔法生物の凶暴化の原因を探る事とラグナロクの捜索。欲を言えば特務とラグナロクとで予想される全面戦争になる前に1人2人捕まえときたいから俺としてはラグナロク捜査に力を入れたい。魔法生物の方はジェイルを追ってる六課の捜査協力をしているうちに多少の手掛かりは掴めるだろうし、いっその事ジェイルに心当たりがないか直接聞いてみるのもいいだろう。
「さて、では何から決めて行こうか」
「んー、アークが六課に出向するのは週に4日くらいなんだよね?」
「まぁ大体そんな所だな。その4日も、24時間勤務という訳にはいかないだろうが」
「はやてとも相談して決めたんだけど、私がアークの仕事を手伝うからその分勤務時間を延長するとか出向日数を増やして欲しいってことなんだけど・・・どうかな?」
俺が六課に捜査協力すれば今までとは段違いに効率も上がり成果も出るだろう。という事はその分フェイトも今までより時間が作れる。その時間で俺の仕事を手伝う。当然俺の方も2人で捜査すればその分成果も上がって時間が出来る。その生まれた時間を六課に充ててくれないか、という事か。
成程、ぱっと見良い事尽く目で事実フェイトもほぼ100%好意から提案しているんだろう。
はやてと相談して決めたと言っていたが、どうやらはやては俺を利用する気満々らしい。
単純に俺を戦力として組み入れたいというのもあるんだろうが、あいつの狙いは恐らく、いや確実にそれだけじゃない。
俺が六課の人間と接する時間が増える事自体に意味があり、特にフェイトと共にいる時間がかなり多くなる。六課のスパイという訳ではないが立場上俺は怪しまれる位置にある。簡単な話、フェイトを俺の監視役にしている。俺の事を探るなと言ってあるが捜査協力するから一緒にいる時間が長いだけだから文句をつける訳にもいかない。フェイトにしても監視という意識を持ってないだろう。
まぁ監視と言っても、俺が何かボロを出して情報が拾えれば儲けもの、と考えてる程度だろうし、この提案は実際メリットの方がはるかに大きい。そこがまた小憎たらしい。
ただ俺が深読みしてるだけという可能性もあるが、そんな希望的観測は捨てた方が良いだろう。やはり腹芸の類は俺より上手らしい。
「そうだな、その方が効率が良い。六課での勤務時間も特に問題なく増やせるだろう。どれだけ増やせるかは、フェイト次第だけどな」
「ふふっ、私はこれでも結構出来る方だと思ってるからね。任せといて」
「それじゃあ、取り敢えず俺が追ってる案件についての詳細を話しておこうか。先に言っておくが、機密に当たる部分もあるから他言無用だぞ」
端末を操作して説明に必要な資料をモニターへと表示する。
「俺が今調査してるのは2件。最初の一件は魔法生物の凶暴化の原因追及。これは現在報告されてる内容を見るに明らかに人為的な物でどこかの違法研究所が関係しているとみてる」
あらゆる次元世界に滞在してる局員からの報告を合算して被害地域の分布を現した地図へと画面を切り替える。比重としては管理外世界や無人世界の方が多いがそれでも被害は無視できないものへとなりつつある。
「そしてこれが、指名手配されてる犯罪者の中でこれだけの規模の犯罪を実行出来る可能性のある奴のリストだ」
「これって・・・」
リストには6、7人の名前と資料が乗せてある。
魔法生物について研究してる者、生物兵器の研究など、危険度が高く管理局法では違法なので犯罪者となって研究し続けている者達ばかりだ。
そして、そのリストの末端にはフェイトの追っている犯罪者――ジェイル・スカリエッティの名前も載っている。
「可能性は低いんだが、ジェイル・スカリエッティはこれだけの事が出来る技術を持っている。少なからず関わってる可能性もなくはない。って程度だな」
あいつはあいつで結構好き勝手やってるからこれに関係してないと言い切れないのが困った所だ。最高評議会としてもジェイルの科学力は手放せないモノがあるから多少の行き過ぎは目を瞑る事が多い。そして尻ぬぐいをするのが俺達特務。参るわホント。
「この件に関してはジェイル・スカリエッティの捜査のついで程度で大丈夫だろう。今までの捜査方法ならいずれかち合う可能性も高い」
「そうだね、これだけの規模で事件が発生してるなら拠点となる研究所もかなりの数になりそうだし」
「そういう訳だ。そして調査してるもう一つの案件というのが、広域指名手配されてるS級犯罪者の捜索及び逮捕だ」
「アークは違法捜査が専門って聞いてるけどこれも何かそれに関係してるの?」
「いや、これは別件だな。調査を依頼されたんだ。俺の他にも調査に当たってる奴はいる」
そう言ってさっきとは違う犯罪者たちのリストをモニターに映す。
「捜査対象は一人じゃないんだ、いやそれより・・・」
モニターを見て挙げられている名前が複数であることを意外そうにしていたがそれもその名前を見ると驚いて、いや驚くよりもそれを通り越して疑問を抱いているようだ。
それはある意味当然だと思う。S級犯罪者はいずれも有名だがそれぞれ知名度が異なる。管理局員なら誰もが、いや魔法に関わる全ての人が知る程の犯罪者。フェイトの目を引いたのはやはりその犯罪者の名前だろう。
「大量殺戮者ローガン・・・」
「そう、管理局設立史上個人で最も人を殺していて、Aランク未満の魔導師なら遭遇しても人数問わず無許可での撤退が許され、投降勧告も必要もなく殺傷設定での攻撃が許可されている程の凶悪犯罪者」
推定魔導師ランクS+の泣く子も黙る殺人鬼。デッドエンカウント。血濡れの悪魔。殺戮ジャンキー。付けられた通り名は数知れない。一般人や管理局員どころか同じ立場とも言える犯罪者からも忌み嫌われている。悪い子はローガンに食べられちゃうぞ、と親が子供に言う事を聞かせる脅し文句としても広まっている。そんな事を言ってるとホントに来るかもしれないのだから笑えないと俺は思うんだが。つまり子供であっても知ってる程で最も知名度が高い犯罪者だ。
「それに思想家ホーリーに収集家ウィルヘルム、虐殺王ウォルフザーク。この中で一人でも逮捕出来たら最高武功勲章モノの大物ばかり、こんな無茶苦茶な依頼一体誰が・・・」
「クライアントについては守秘義務があるので言えないが、さっき言ったように俺以外にも同じ依頼を受けてる奴がいる。そいつが本命で俺にも一応という感じだ。分かってると思うが、俺がこいつらを追ってるって事も他言無用だ」
守秘義務や情報規制の大切さは執務官だけあって普通の局員より身に染みてるのか特に不満を上げることもなくフェイトは頷いた。まぁこれだけのメンツが挙げられているんだ。不用意に首を突っ込める問題でもないと分かってるんだろう。
思想家ホーリー、管理局設立史上個人で最も多くの人を殺したのがローガンならば、間接的に最も人を多く殺したのがこの思想家ホーリーだ。思想家と呼ばれるだけあって凡百とは違う物の見方を持っている人間だ。
ホーリーが直接自分の手で誰かを殺したという話はあまり聞かず、耳に入る内容は管理外世界で行われている国家間の戦争介入や反管理局組織のテロ行為を鎮圧してみれば実は黒幕がホーリーだった、などとスケールの大きい事件が多い。だが好き好んで犯罪を犯している訳でなく、ただ思いついた事を実行しているだけで結果的に犯罪を犯しているだけに過ぎない。逆説的に、好き勝手した結果が世界に利益を齎したりすることもあるから性質が悪い。
収集家ウィルヘルム、収集家の名の通り気に入った物を手元に置きたがる蒐集癖がある。困った事にその気に入る大抵のものがロストロギアという点だ。自分で発掘して不法所持してるだけならまだまだ可愛いモノで、管理世界の原住民の家宝、秘宝として祀られているロストロギアも強引に手に入れている。まぁこれは管理局も程度の差はあれ行う事があるのであまり人の事を言えないのだが。他にも本局への運送途中の運航船を襲ったり、管理局の保管庫にすら襲撃してくる。それでも興味のないモノには一切手に取る事がないのはある意味尊敬しても良い。
虐殺王ウォルフザーク、その名の通り王を名乗り虐殺を繰り返す犯罪者。こいつにはあまり公に出来ない事情を抱えている犯罪者でもある。その公に出来ない事情というのは機密ランクBに相当していて、このランクは将官佐官の大半、尉官の一部の者ならアクセス可能なレベルだ。ついでに言えば闇の書事件の真相もこの機密ランクBに当たる。
そしてその事情というのはこの王というのが自称ではなく、古代ベルカ時代から続く正統な王の家系であり、その王の家系から犯罪者を出しているということでベルカという言葉が出てくれば必ず口を出してくる聖王教会もこの件に関してだけは手を焼いているという。
「起こす犯罪はバラバラなんだが、こいつらには共通する事があるんだ」
「共通する事・・・全員がオーバーSランクの魔導師ってこと・・・?」
「そうだな、それもある。が、それはほぼ前提みたいなもんだ。ここからは機密ランクAに相当する。それでも聞くか?」
「機密ランクA・・・・・うん、聞くよ」
今ならまだ調査協力の提案もなかったことにして引き返せるぞ、と遠回しに聞いたがフェイトは少しだけ考える素振りをみせて、頷いた。
機密ランクAというのは最上機密ランクの特Aの次にあたるレベル。このレベルになると将官以上、管理局内で1%未満の人間しか知り得る事のない情報となる。最上ランクの特Aになるとレジアス中将や次元管理特務の幹部といった最高評議会の直属か黎明期から管理局を支え続けている伝説の3提督クラスのような人間でないと耳に出来ないレベルだ。
「共通点、それはこいつら全員がある組織に身を置いてる、ということだ」
「えっ!?」
「全員がオーバーSランクの少数精鋭の犯罪組織ラグナロク、結成は5年前。その結成時のメンバーがリストの4人とリーダーで5人。今まで組織として活動したのは3回だけだが、そのいずれもが次元世界消滅という最悪の結果で終わっている。現在の構成員は不明、だが10人を超えてるという事はないな」
機動六課は管理局においても過剰戦力と言われるほどの魔導師を抱えており地上では、いや管理局の全ての部隊の中で一番戦力を保持しているだろう。だがラグナロクはそれ以上と言っても良い。六課はリインフォースを含めてもオーバーSランク4人にニアSランク2人に対しラグナロクはオーバーSランクは最低でも5人、確認出来ていないがおそらくは7、8人といった所だろう。フォワード陣など1人を4人で掛かって数分足止め出来れば良い方だ。
個人でもそれぞれが管理局が手を焼いているのにそれが実は1つの組織などと公表できる訳がない。リーダーなど表だって指名手配することすら出来ない事情がある厄介な人間なんだ、そんな奴らがミッド襲撃を企んでるだと? 勘弁してくれ。
「まぁ実際は捕まえられれば言う事はないが管理局も本腰を入れて捜査に掛かってる、と牽制目的みたいなもんだからそんな怖い顔しなくても大丈夫さ」
「怖い顔なんてしてないよ!」
「気張らなくても良いってことだ」
「もうっ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
フェイトと捜査方法や捜査日程やらを相談してたらすっかり遅くなってしまった。
フェイトはまだ仕事があるらしく打ち合わせが終わると慌ただしく小走りでミーティングルームから出て行った。執務官ってやっぱり忙しいんだなぁとしみじみ思った。
隊舎を出てなんとなく周りを見回してみると、なんか怪しい奴がいた。
「ってヴァイスじゃないか。こんな所で何してるんだ?」
「あー、アークの旦那」
見つかっちゃいましたかーと頭を掻きながら返事をするヴァイス。こいつとはこの数日で話す機会が何回があったのだが気さくな奴で割とすぐ打ち解け俺の事を旦那と呼んできている。
「で、何してるって言われましたらね、あれですよ」
「あれは、ティアナか?」
指差す方を向くとここ数日で見慣れたオレンジ色のツインテールが一人特訓をしているのが見える。
「あんな焦って切羽詰まった顔してるの見るとほっとけなくてちょくちょく様子見に来てるんすよ」
「・・・ストーキング、か?」
「違いますって! 分かってて言ってるでしょ旦那」
「いやつい、な」
「昼間もなのはさんの訓練こなして書類仕事もして夜中まで特訓してって、明らかにオーバーワークでしょう? 俺もさりげなく休むように言ってんですが、俺如きの言葉じゃ聞いてくれなくて困ってるんすよ」
「確かに効率的ではないが、あの年頃の奴には珍しくもないじゃないか。強さに焦がれて無茶するのも若気の至りってやつさ。結果的に逆効果だが」
「そんな逆効果って・・・分かってるなら旦那からも言ってやって下さいよ。憧れの現役執務官様からなら少しは言う事聞くかもしれねーじゃねーですか」
「柄じゃないんだが仕方ない、か。ホントはこういうフォローも教導官の仕事なんだがな・・・」
あまり人を育てるということをした経験がない俺が言ってもどうなることやら。才能があって困る人間の相手をすることはあるが才能がないと嘆く人間の相手はもしかしたら初めてかもしれん。
「じゃあちょっと行ってくるか。丁度休憩してるみたいだしな」
「頼んますよ旦那」
返事の代わりに手をひらひらと振ってティアナの元へ足を運ぶ。
木にもたれて肩で息をして呼吸を整えているのを長い時間先程までのように体を動かしていたことが分かる。そしてその様子が分かるほど近づいていると言うのに俺の存在にまだ気づいていない程疲れていると言うのも。
「こんな時間まで、熱心なもんだな」
「アークさん・・・どうしたんですかこんな時間にこんな場所へ来て」
声を掛けて初めて俺に気付いたのか顔をあげて少しうざったそうに俺がここにいるのかを聞いてくる。
「ヴァイスさんにでも、聞いたんですか」
「いや、偶然だな。フェイトとの打ち合わせが思ったより長引いてな、ついさっき終わった所だ。それで気紛れに少し歩いてたらお前を見かけてな」
「・・・そうですか」
見つけたのは偶然だが、実際見つけたのはヴァイスで、お前の事を頼まれた。なんて言ったら面倒になりそうなことは黙っておく。
「で、なんでこんな時間まで一人で特訓なんてしてるんだ?」
「なんでって・・・強くなりたいからですよ」
「昼間に教導を受けてるじゃないか、強くなりたいならあれで十分だろう。寧ろ今の状態はオーバーワークだ」
「十分なんかじゃありませんよ! 足りないんですっ・・・皆と同じだけ訓練しても才能に劣る私とじゃ伸びしろが違う。だから私は皆より多く訓練をしないとダメなんです!」
切羽が詰まってる、とは思っているがここまでとは思わなかったな。
周りがどんどん上達していってるのに自分だけはそのままだと劣等感と共に焦燥感も抱いているらしい。
「なのはさんのやり方じゃダメなんです! 基礎が大事なのは分かりますよ、でもずっとあんな事だけしてて強くなれるとは思えません! スバルやエリオみたいに才能があるならともかく、私みたいな凡人が基礎だけを伸ばしたって限界があるんですよ!」
「確かに、俺も教導のスケジュールを見せてもらったが基礎の比率は多かった。だがあれは良く出来てる。実感は少ないだろうがあれをこなせば確実に強くなるさ」
基礎あっての応用と言うがまさにその通りだ。今すぐ強くなりたいというなら適当に技を教えて詰め込めばそこそこ強さを実感出来るように伸びるだろうが、そんな訓練をしたら頭打ちが速くなる。
将来を見据えて長い目で訓練するなら今のスケジュールが一番良い。幸い魔力量は局員の平均以上はあるみたいだしじっくり育てればAA~AAAランク位まで成長するだろう。
ティアナが速く強くなりたいのは分かるが、今すぐ強くならなくてはいけない事情がある訳でもない。最終的な伸びしろで考えると今のスケジュールの方が断然良いくらいティアナなら分かりそうなものだが。
「なんでそんなことが分かるんですか! あれがベストだなんて分からないじゃないですか・・・この前だってなのはさんの言う通りにやってきたのにあんなガジェット相手にミスショットまでして・・・」
「逆に何故分からないのかこっちが聞きたい位だ。今の訓練の方が確実に・・・いや待て、聞いてないのか?」
「・・・一体なにをですか」
「教導の意味、と言ったらいいのか分からんが最初に聞かされてないのか? なのはの教導官としての方針も、訓練に基礎が多い理由も」
「教導の意味・・・?」
首を傾げるティアナを見て確信した。
なのはは自分の教導の意味も、訓練のスケジュールを何故こういう方針で組み立ているのかの説明をしていない。
「これだから戦技教導官どもは・・・」
「・・・あの、アークさん・・・?」
戦技教導官の本来の教導期間は数日から1週間 長くても1カ月。だから多少不満が出た所で模擬戦して体に叩き込んでいる内に教導期間は終わる。短い教導期間の中でイチイチ教導の意味も方針も話す暇はない。そんな暇があれば模擬戦、模擬戦、ひたすら模擬戦だ。
そして教導が終わって初めて訓練を受けた側は自分が強くなったと自覚する。
だからなのははいつも通りのやり方で教えてるんだろう。今は地味な訓練をしてるけど強くなるにはこれが一番良いんだって。きっと皆も分かってくれてるって。
そんな訳がない。分かる筈がない。経験豊富なベテランなら言わずとも分かるだろう。しかし局員になって1年2年の新人達にそれを分かれと言うのは無茶だ。
1週間や2週間の短い期間ならともかく、1カ月も2カ月も地味な基礎訓練ばかりしてたら自分が強くなった実感など中々持てないし不満も出る。
これではティアナが焦るのも当然だ。
こういう長期に渡る教導は最初に訓練の方針や教導について話し合うのが普通だ。こういった理由があるから最初は基礎が多くて地味な訓練ばかりだと説明して、ティアナみたいな人間には、今まで教導してきた人間の統計データなどを纏めて理詰めで納得するまで説明して理解を得るべきだ。
俺はてっきり、その説明を受けた上で尚自分で特訓してなのはの教導に反抗しているのかと思ったが、どうやら違ったらしい。
「いや、ちょっと認識の齟齬があったらしい」
「それで、教導の意味ってどういうことなんですか?」
「忘れてくれ、気にしなくていい。俺の勘違いだったよ」
「そうですか」
「最初俺はお前に訓練を止めて休めと言おうと思ってたんだが」
「アークさんまでそんなこと言うんですか。私が間違ってるって」
「最後まで聞け、思ってたんだが、気が変わったんだ。効率的でない以上俺は正しいとは思わんが、間違ってるとも思わん。今のまま続ければいい」
「え?」
否定されると思っていたのだろう意外な声を上げるティアナ。
まぁヴァイスに一度言われてるみたいだからな。
ティアナが今こうまでして特訓しているのはアグスタでのミスショットが大本の原因かもしれない。確かにミスショットしたのはティアナ本人の責任であると言えるが、今こうして無茶な特訓をしてるのは誰のせいかと言うと、俺はなのはであると思う。
これは、教導官のミスだ。
なのはには悪いが、これを機会に学べば良い。
ただ戦い方を教えるだけが教導官の仕事ではないと。
「こうして訓練をするのは止めないが、翌日に疲れを残し様な真似はするなよ」
「分かってますよ」
「今日は無理だが、機会があればアドバイスくらいはしてやろう。じゃあ、俺はこれで帰るとするか」
「さようなら、ほんの少しだけですけど気が楽になりました」
気が楽になったのは、少なくとも間違ってないと言ったからだろうか。
別に止めてないだけで推奨はしていないことは理解していて欲しい。
「旦那、どうでした?」
「なんだ、まだいたのか」
「まだいたのかって、そりゃ酷いっすね。気になるに決まってるじゃないですか」
「どうにもこうにも、俺としては別の問題の方が気になるがな」
「別の問題って、なんかあったんですかい?」
「六課にベテランがいないって事だよ。いたらそもそもこんな問題すら起きなかった事が分かったな」
「確かに、嬢ちゃんの悩みなんか相談出来る人がこの六課にはいませんからねぇ」
「そういう事だ。ティアナについてはどうなるかはなのは次第ってとこだ」
「やっぱそうなりますかねぇ。じゃあ旦那、俺はティアナに差し入れでもしてきますんで、ありがとうございました。あ、これどうぞ」
そう言ってヴァイスは俺がティアナと話してる間に用意でもしてきたのか飲み物を1本投げ渡してきた。
「礼のつもりか? 全く」
まぁ貰った以上ありがたく飲むけど。
「青春だなーアーク! あっはっはっは!」
その場を離れようとした時に、突然陽気な声が響き、笑い声と共に目隠しをした男が現れた。
「コウヨウか・・・」
「おう! 六課での勤務はどうだ? ってまだ出向して数日でなんもしてねーか!」
「ふん、で、なんの用だ?」
「ツレないなおい」
やれやれと言った感じで肩を竦ませるコウヨウだが、真面目な用事なのかすぐに真剣な表情に切り替わる。
「シェリーが帰ってきた。で、今から下で報告会だから呼びに来たのさ」
「そうか。あいつ帰って来たのか」
「お前が手綱握ってねーと危なっかしくて仕方ねーからな」
特務の問題児、あの女を制御出来るのが俺しかおらず半ば俺の私兵扱いになっている。
爆弾みたいな奴なので長期任務にあてがっていたのだが何か収穫があったのか、それとも飽きて戻ってきたのか。
どうやらもうひと頑張りしないといけないみたいだ。
今回は敵対組織の人間の名前やらが出てきましたね。
StSとか原作みててプレシアとかスカリエッティみたいな犯罪者じゃなくて、こういう犯罪者も登場してないだけでいるんだろうなーと思って設定やらを考えてみました。
個人的には結構良いキャラになりそうですけど、登場はいつになることか(´Д`;)
そして名前だけ登場した主人公側のオリキャラのシェリーさん。次回で登場ですね。
彼女の存在だけは番外編でちょろっと出てます。
しかしなんか最高評議会の部下っていう設定生かしきれてない感が・・・((((;゚Д゚))))これからはもっと精進して頑張ろうと思います。