魔法少女リリカルなのは~鬼札と呼ばれた魔導師~   作:Sady

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やっとアグスタまでこぎつけましたよ(΄⊙ω⊙`)

いや筆者も関西人なんですけどはやての話し方上手い事書くの難しいですね。
実際あんな関西弁話す人って中々いないんで(´ω`)

お気に入りとか増えるとやる気も出てくるもんですねやっぱり!


6話 ホテル・アグスタ

クイントが本音をこぼしたあの夜の次の日、あんなにしおらしかったのが嘘のようにいつものクイントに戻っていて、本人はなかった事にしたいみたいだから俺も敢えてその事には触れる事もせずにそれからの日々を過ごした。

 

 

そしてついに明日は、ホテル・アグスタの警備の日だ。

 

いつもと違う変更点で言えば、今年はジェイルがちょっかい出してくるのと、数日前になって急に機動六課の警護参加が決定したことだ。

会場のロストロギアをレリックと誤認したガジェットが出現する可能性があるという事でねじ込んできた。誤認でもなんでもなくガジェットを来るのを知っている俺としては六課が来てくれるのは戦力的にも事後処理的にもありがたい。

 

警護スケジュールも人員増加に伴い組み直しがあった。

俺はこれまでと同じようにオークション会場での警護だ。まぁ例年は警護と言っても名ばかりで実際は俺もオークションを観賞しているのだが。俺がいるという事そのものが大事なんだ。

オークション会場の警備は俺だけでなく機動六課の隊長陣もいる。

正直隊長全員が会場にいても過剰戦力だと思う。が、これは今年は偶然管理局のお偉いさんがオークションに参加するらしく、自分の安全を最優先になるよう配置したという。

六課としてもこの配置に不満があったらしいが設立時に色々無茶していたこともあり、強く反対出来なかったそうだ。

 

 

副隊長とその他数名は前日である今日から警備に入って万全の体制だ。

六課は失敗が許されない部隊だから張りつめるのも仕方ない。会場警護や物品警護はともかく、人員警護というのは難しいからな。

無事に守りきっても難癖をつけてくる者もいるし。

それに対し俺は気楽なもんだ。全てが警護対象の六課と違い俺は会場にいる人物を守るだけで、襲撃の可能性があり不安を感じる客に大丈夫だと言うのが仕事みたいなもんだ。

最悪失敗しても六課のせいにしてしまえるし。

 

と、事前の情報整理もこんなもんだな。

新しいスーツも仕立てたし、準備完了だ。

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

翌日

 

「行ってらっしゃーい。スバルに会ったらよろしくねー」

 

 

と、クイントの見送りと共に俺は家を出た。

よろしくって、何をだよ向こうは俺の事知らねーよ。それにそもそも多分会わない。

 

アグスタまでは車で行くので、マンションの地下に止めてあるこないだ購入した新車に乗り込む。といってもアグスタもここも中央区画なので割と近いけど。

 

 

数十分後、無事ホテル・アグスタに到着し来賓用の駐車スペースに車を止める。ここに止まっている車はどれもグレードが高く俺の車が浮かなくて良い。

 

 

「まずは受付だな」

 

軽く見まわしてみるが例年以上の警備の固さである。これならガジェット程度がいくら来ても大丈夫だろう。

いや待て、ジェイルがイチイチお邪魔するというくらいなのだ。果たしてガジェットだけでくるだろうか・・・?

 

まぁいい、面倒事は六課に任せよう。担当はあいつらだ。

 

 

 

「アーク・リリィ執務官だ」

 

 

受付で局員のIDカードを出す。

すると驚いた顔で慌ててどこかへ電話していた。

少々お待ちくださいと言われ2、3分待ってるともう見慣れた顔ともいえる人物がやってきた。

 

 

「ようこそアーク・リリィ執務官」

 

 

その男、このホテルのオーナーのにこやかな顔で歓迎される。

 

 

「今年は、色々と大変そうですね」

「えぇ、なにやら最近よく出没するというガジェットとかいうのが出る可能性があると管理局から警備の打診がありまして」

 

 

そう苦笑いしながらオーナーは続ける。

 

 

「主な警護は機動六課が担当してくれるようなので執務官様にはいつも通り会場にいてくれるだけで結構ですよ。お手を煩わせることもないでしょう」

「まぁそうかもしれませんが一応六課とは打ち合わせの一つでもしようと思ってたんですが、まだご到着ではないかな?」

「昨日から警備に参加してくれている方々はいらっしゃるのですが、会場内の警備を担当する部隊長の方はまだのようです」

「そうですか、ならご到着なさったら部隊長殿にアーク・リリィが打ち合わせをしたいとの旨を伝えてもらっていいかな?」

「畏まりました。打ち合わせ用に一室用意いたしましょうか?」

「いえ、私の待機してる部屋に直接通して貰っても構いませんよ」

 

 

外での接待モードとでもいうような丁寧な口調でオーナーとのやり取りを終え、割り当てられている待機室へと向かう。

 

八神はやて、六課の部隊長であり最後の夜天の主。データや噂では色々見聞きするが直接会話する事になるのは今回が初めてだ。まぁ意図して接触しないようにしていたのも少しあるが。

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

「こんにちは、機動六課です」

 

 

受付に管理局員IDカードを見せ警備にきた機動六課であるということを証明する。

 

今日の警備でなのはちゃんとフェイトちゃんと私の3人は会場内の警備や。ホンマは会場内の警備は私だけにして隊長2人は外に回したかったんやけど、今日はお偉いさんが来てはるということで警備を厚くしろっていう命令がきたんや。会場内には何やら他の執務官も警備に参加しててもう十分過ぎる程やっちゅうのに。

六課は設立時に色々無理してるからこういう時に強く反対出来ひん。アインスも基本は事務員としてのメンバーに入れてるから今日は連れてこれんかったし。

 

 

「機動六課の八神部隊長でございますかな?」

「あ、はい!」

 

 

ホテル側の警備責任者に今からどないしようか聞きに行こう思ってたら、髪の毛をビシっときめてて高そうなスーツを着こなした気品のある中年の男性に声を掛けられた。

 

 

「ホテル・アグスタのオーナー、マルスと申します」

「機動六課部隊長の八神はやてです」

「先に到着しておられるアーク・リリィ執務官が会場内警備について部隊長である八神様と打ち合わせがしたいと伝えてくれと仰せつかっております」

「はい、すぐに向かいます。その、執務官さんはどちらにおられますか?」

「早めに到着なさっていたので個室で待機しております。ご案内致しましょうか?」

「いえ、場所さえ教えてくだされば結構です。お忙しいでしょうし」

 

 

それでは、とオーナーは部屋の場所を私に伝えて準備へと戻っていった。

 

 

「っていうことらしいからなのはちゃん、フェイトちゃん、私はちょおっとその執務官さんとこに行ってくるわ」

「うん!私達は非常時の避難経路とか見て回ってるね」

「頑張ってね、はやて」

 

 

 

言われた場所に向かう廊下の途中で先に待ってるという人物の情報を頭の中で整理する。

アーク・リリィ執務官、補佐官も連れずに一人単独で事件を追う人らしくて魔導師ランクはAAA。違法研究についての捜査が主で、多くの功績を挙げている。部隊に入るならフェイトちゃんよりも上の階級である三佐相当の扱いになり、それは執務官としての実績と捜査能力はフェイトちゃん以上ということになる。

 

と、昨日の今日で調べた情報では真面目で優秀な執務官、ということしか分からなかった。

アーク・リリィという名前をなんか随分昔に聞いた覚えがあるけど、結局それもいつどこで聞いた話なのかも思い出せなかった。

 

 

「まぁ後は話してみるしかないな」

 

 

言われた部屋番の前に着き一度深呼吸してからドアをノックする

 

 

「機動六課部隊長の八神です」

「どうぞ」

「失礼します」

 

 

ドアを開けて部屋の中に入るとこれまた高そうなスーツを着ている赤毛の男性がいた。

お座りください、とソファの方へ手を向け、それに従い向かい合う形でそこに座る。

 

 

そして向かい合ってその燃えるような鮮やかな緋色の眼をみた瞬間、思い出した。

 

――10年前の闇の書事件

12月24日の最終決戦の時に本局からの増援としてきた人で、暴走が始まる前のリインフォースを一人で抑えこんでいた人、流石にあの状態のリインフォースを一人で相手するのは無茶だったらしく撃墜されたらしいが、この人がいたお陰でなのはちゃんとフェイトちゃんも魔力を温存出来て時間も稼いで貰えたって聞いた。

私はその時はまだ夢の中やったけど、戦っていたリインフォースを通してこの燃え盛るような眼だけは覚えていた。

夢から抜け出した時にはもういなくなってて、いつかお礼をしようと思っていた人やった。あの時協力してくれた皆がいたからこそ誰一人犠牲になることなく、ハッピーエンドで事件は解決出来たと思うから。

 

 

「八神部隊長?」

「あっすいません」

 

 

あかんあかん、今は仕事や。言いたいことも山ほどあるけどそれは仕事が終わってからでいい。

 

 

 

 

 

「基本的にガジェットが出現した時は六課の人達に丸投げの形になるってことだけど大丈夫かな? 加わっても上手く連携は取れないと思うし、恐らく俺は客を落ち着かせるので手一杯になるだろうから」

「はい。客を落ち着かせるのも私達みたいなのが言うよりも毎年警備して信頼もある顔見知りのリリィ執務官の方が良いと思います」

 

 

この人は自分が何も出来ないみたいな言い方をしてるけど、客達がパニックになるのを防いでくれるのはホンマにありがたい。守る対象が混乱してると守れるもんも守れなくなってまうからな。

 

 

「ガジェットが出現した場合の対応は副隊長とフォワード陣か、彼女達の事を侮ってる訳じゃないがもし戦力が足らないと判断したら、会場内の警備は俺に任せて君達は出撃してくれていい。フォワード陣はまだ若いと聞くし、心配だろう? 中にいるという管理局のお偉いさんのことも気にしなくていい。俺が宥めておこう」

 

 

この配置も六課設立時の事で強く出れなかったんだろう?と、付け足される。

 

 

 

ええ人や・・・この人めっちゃええ人やん!

執務官だけあって六課の情報もある程度は把握してくれてるみたいやし私達が動きやすいように合わせてくれてる。階級も私の方が上とはいえそう変わらず年も上やのに小娘扱いせず丁寧に話してくれるし、闇の書事件のこともそうやけど、これはまたちゃんとお礼言っとかなあかんな。

 

 

「はい!ありがとうございますリリィ執務官!」

「いや、このくらいならなんてことないよ。それと、俺のことはアークでいい」

「えっ、そんな、いいんですか?」

「リリィと呼ばれるのが好きじゃなくてね。ほら、女性みたいな名前だろう?」

 

 

そう言って少し照れくさそうに笑う。

 

 

「分かりました。でしたら私のこともはやて、って呼んでください」

「そうだね、君の方が階級が上だから仕事中は無理だけど、もし仕事以外で会う事があればそう呼ばせてもらうことにするよ」

「はい!では失礼しますアーク執務官!」

 

 

 

 

さて、ええ感じで打ち合わせも済んだし、私もなのはちゃん達のいる会場に行かなな。

 

 

 

 

 

「どうだった? はやてちゃん」

「ええ人やったよ。ホンマに危ない時は会場は任せて私達も出撃して良いって言ってくれたし」

「そうなんだ。私が知ってる執務官ってクロノ君とフェイトちゃんくらいしかいないけど、その人も良い人そうでよかったね」

「その人の事で他にもちょっと話したいこともあるんやけど、まずはちゃんとお仕事終わらせてからやな!」

「そうだね!がんばろ!」

 

 

 

戦力も十分やし私達が自由に動けんのだけが心配やったけどそれも大丈夫そうやし、ガジェットが現れても今日は問題なくお仕事出来そうや。

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「ふぅ~」

 

 

八神はやてが出て行ったのを見送って一息つく。

あの様子だと中々好印象を与えられたみたいだ。10年前の闇の書事件に俺がいたことを覚えていたら多少は怪しまれるかもしれないと思っていたが、何やら良い方向で覚えていてくれたらしい。これなら六課に入る事になっても少しはスムーズに受け入れられるかもしれんな。

ま、なんにせよこれで俺が今日戦闘行為を行う可能性はほぼゼロになったと思っていいだろ。

 

 

さて、俺もそろそろ会場に向かうとするか。

 

 

 

 

 

 

 

「やあアーク執務官!今年は何やら物騒なことになっているが君がいれば私達は安心だよ!」

「えぇ、俺が会場にいる以上あなた方は何一つ不安に思う事はありません。存分にオークションを楽しんでください」

「ははっ、頼もしい限りだ!」

 

 

会場につくと煌びやかな服を着た初老の男性が俺の元にやってきた。

この男は財界でちょっとした地位にありこのオークションに毎年来ている常連でもある。

財界とのコネ作りの為にこの男の護衛任務についた事が以前あるのだが、その時に魔導師に襲われたのを撃退したのが印象に残ったのかそれ以来随分気に入られている。

 

まぁ、確実に気に入られる為に情報をリークして魔導師を襲わせたのは俺だが。

 

 

その男が来たのを切っ掛けにオークションの常連達が俺の元へ来て色々声を掛けてくる。俺はその全てに接待モードで丁寧に受け答えし、対応していく。

彼らもそこそこの階級と実績のある執務官の俺と個人的な知り合いになりたい人もいて名刺を渡してきたり、さりげなくだが連れてきている娘を紹介してくる奴もいた。

 

 

その対応も終わり一段落ついたと思ったら端末に匿名での着信があった。

このタイミングで掛けてくるやつは一人しかいない訳だが。

 

 

『やあ元気かねリリィ君』

「こんな場所で通信してくんな」

『まぁまぁ、端末に記録は残らないようにしてあるし大丈夫だよ』

 

 

相変わらず無駄に手を打ってあるな。流石に通信もSOUND ONLYだし。

 

 

『しかし、ホントに警備が固いね。流石にあんなおもちゃだけではどうにも出来なそうだよ』

「で?」

『冷たいなぁ。フフッ、まぁともかくそれでルーテシアに手伝ってもらうことにしたんだが、君も少し手伝ってくれないかい?』

「お前もイイ根性してるよ」

 

 

それだけ言って一方的に通信を切る。

あいつも欲しい物の詳細データを送ってくるあたりちゃっかりしてる。

一応今回出品される骨董品リストと照合してみたが該当するものはなく、密輸品であることが確定した。

 

ルーテシアが手伝うというなら俺がイチイチ何をする必要もないだろうが、さっさと持ってって貰った方が騒ぎもすぐに収まるだろうと思い俺も少しばかり手伝ってやることにする。

と言っても俺は会場から抜け出してってのはアレだから、密輸品のある場所の細かいデータをルーテシアのデバイスに転送してやる程度で十分だろう。あの子は優秀だし、正確な座標が分かればこっそりガリューでも使って騒ぎになる事なく持っていってくれる。

 

 

 

データの転送も終わりあとはオークションが始まるまでここで待機しくおくだけだ。

と思ったらホテルのボーイが俺の元にきて、どうやら外で戦闘が始まったようでオークションの開始を少し伸ばして様子を見るとの事だった。

 

そんなホテル側の対応や警備の人達を見て、客達も少し様子がおかしいのに気づいたのか僅かながらざわつき始めた。

 

これは、俺も一仕事するべきかね。

 

 

 

主催者側の元へ行き壇上に上げてもらえるように言う。

それもすぐにOKが出たので、移動して壇上のマイクを握る。

 

 

『いきなりで失礼しますが、私は時空管理局執務官のアーク・リリィという者です。皆さんもお気付きになってるかもしれませんが現在ホテルの外でオークションの物品を狙った敵との交戦中になっております』

 

 

ホテルが襲われているという事実に会場の人達のざわめきは大きくなる。

しかし俺はそれを落ち着かせるように続きの言葉を発する。

 

 

『不安になるお気持ちは分かります。しかしながら外にいる者たちは皆優秀で直に事態は収拾するでしょう。たとえ万が一の事態になっても私がいる限りこの会場の皆さまには指一本触れさせません。ですからどうか、安心してオークションをお待ちください』

 

 

あらかじめすぐに事態が終息するのが分かっている俺だからこそ自信を持ってこの言葉が言えて、その自信を感じ取ったのか会場の人達は落ち着きを取り戻し、その様子を確認した俺は壇上を降りる。

 

 

「ありがとうございます。これでオークション開始までは持ちそうですよ」

「なに、これくらいどうって事ないですよ」

 

 

その壇上から降りる際にオーナーから礼を言われるが、このくらいは外で戦ってる人間に比べればホントにどうってことないもんだ。

 

 

 

 

 

そのまま暫く待つこと十数分、ようやく外の戦闘も終わったのかやっとオークションの開始が告げられた。

客達も待ちに待ったオークションの開始に興奮を隠せず、拍手の音も心なしか随分会場に響き渡った気もする。

 

 

後はもう例年通り、俺は観客気分でオークションを楽しむことにした。

 




今回はちょっと長めの他人視点を行ってみましたがどうでしょう。

そしてあれ?はやてさんがチョロい・・・?
いやいや、ちゃんとこれからたぬきっぷりを発揮してくれると信じてる。うん

しかし他の小説でアグスタっていうとティアナのミスショットとかの話なのにこの小説では一切戦闘描写なかったですね。ティアナという単語すら出てこなかった。

割と見切り発車な所あるから矛盾とか死に設定出てきそうで怖い
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