やはりボクが八幡をおちょくるのは間違っていない 作:モンゴル産シーラカンス
ちなみに、作者はどれだけ異端扱いでも由比ヶ浜押しです。
例の如く、トラック転生で僕は死んだ。
痛くて辛くて命が潰える虚無感に支配されながら、非業の死を遂げた。
信号無視だったと思う。
馬鹿みたいに荷台に物を積んでいたから日本人かどうか怪しい。
そんな奴に跳ねられて無惨に死んだ。
そして、次に目が覚めると真っ白な空間に居た。
「なん、だ……ここ……?」
「──願いが叶わず未練を抱えたまま死に絶えた魂よ。汝の願いを叶えよう」
「!?」
いや、目の前に居る存在が神様であることを直感的に理解する。
それが情報を頭に叩き込まれた感覚だ。
理解のできない超常の存在との対峙。
恐怖は勿論ある。
全身の細胞が魂が畏怖に震えていた。
これは人間が近付いていい存在じゃない!
「(でも……もし、これが現実だとするなら……)」
しかし、僕にはどうしても叶えたい夢があった。
前世では絶対に叶うことのない願望。
それをどうしても叶えたい!
分不相応でも叶えて欲しいと願う、夢がある!
それが分かってしまった以上は目を背けられない。
僕はそうして神様に出会い頭に請い願った。
「現代を舞台とした学園ハーレムラブコメ原作の世界で、中性的な顔をした同人誌並みのドスケベボディーに転生して、王子様ムーブを主人公にかまして女性観をめちゃくちゃにしたいです!!」
「うわ、コイツやばぁ……」
……と。
まあ、ドン引きしてたよね。
初手土下座だし。
客観的に見て頭おかしい奴でしかなかった。
我ながら状況把握が過去最速をマークしたと自信を持って言える。
でも、意外にもそれが好感触になったらしく、『ここまで頭の螺子が何本も抜けている奴は始めてだ。面白い』と言われ、身体を自分が考える理想の中性的な顔をしたドスケベボディーにして貰えることになった。
そのため、『転生特典である他のチートは無し』であり、『転生する世界も現代を舞台にした学園ラブコメという条件以外は完全にランダム』になったが、文句なんてあるわけがない。
その場で拝み倒した。
まあ、それはそれとして、何でもここまで融通するのは僕が初めてなんだとか。
曰く、『頭のおかしい奴が他の者を巻き込んで動いている姿を見るのが一番面白い』らしい。
まあ、それについては否定はできない。
この世界の主人公君が弄り甲斐のある人物ならば、身体を重ねることも構わないとすら思っていたのだから。
ああ、ちなみにだけど別に同性愛者というわけではない。
今の今まで女性としか付き合ったことしかないし、性欲を抱く相手も常に女性だった。
しかし、TSキャラが男を手玉に取ることが性癖なのだから仕方がない。
共感しろというのが無理な話なのかもしれないが、元男だからこそ分かる男のツボを的確に押せるところとか、友情と愛情で
だからこそ、そんな存在になりたいと思うことは自然の摂理であり、当然の帰結である。
理想の存在になりたいと思うことは、誰しも抱いたことがある当たり前の思考回路なのだから。
まあ、問題があるとすれば自分が性転換をするため、当然男主人公を相手にキスやらエッチやらをしなくてはいけないということだが……。
「(うーん、まあ、我慢すればいいんじゃない?TSする方が大事だし)」
まあ、よくよく考えてみれば大したことはないんじゃないかと思う。
そこに恋愛的な好意は必要はないんだから。
あれだ、夜のお仕事をしているお姉さん的な感覚だ。
愛だの恋だのよりそのムーブをできるかの方が大事。
そのためなら、どんなことでもできるしやってみせる。
「随分と頭のおかしい奴だが、100億近くも増え続けた知的生命体ならば、このような変わり種の1つや2つは生まれるか。だからこそ観測し甲斐もあるというものよ」
性癖を別の性癖で塗り潰す。
そのために、全てを投げ捨てる奴なんて、神様であってもそう目にする機会は無いと思う。
それに、相手は主人公。
世界の中心だ。
どんな作品のキャラでも大抵は優しくてやる時はやるそんな男だろう。
そんな存在に求められるって……絶対に承認欲求エグいわ、これ。
「ぐひひひひっ」
「……なんか笑いだしたぞコイツ」
そこまで、考えて躊躇の2文字は綺麗に消え去った。
同性とかそんなのどうでもいいわ。
どんな作品の男でも情緒ぐっちゃぐちゃにして、最後には腰を振ることしか考えられないケダモノに変えてやる。
「まあ、見てて面白そうだしええか」
そんな尊い志を胸に抱いていることが分かってくれたのか、神様は僕に慈悲をくれた。
「特別サービスでお主の要望通りのイベントを転生した先で用意しよう」
「あなたの信者になります」
僕ほど転生の神様に感謝をする転生者も居ないんじゃないかな。
それほどに拝み倒した。
まあ、ここまでしてくれる神様に感謝をしない奴なんて、ミミズにでも転生した方がいいと思うよ。
無信教だった人間に、信仰というものの偉大さを理解させてくれた慈悲深い神様に、両手を合わせて滂沱の涙を流しながら感謝を何度も何度も告げ、新たな世界に転生をする直前に僕は思った。
──ああ、主人公の性癖をメチャクチャにしてぇ。
八幡逃げてー!っていう作品にします。
◇オリ主の外見◇
中性的な顔だが軽くメイクをするだけで美女に早変わり。
瞳は茶色。
髪色は紺色。
長さはショートヘアー。
身体は同人誌並み。
性癖のごった煮。