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教主の部屋にて──
『エスピーの仮面の中ってどうなってるの?』
私はエスピーと会話をしていた。ふと気になった事を聞いてしまう。
「…なんでいきなりそんな事を?」
『いやそりゃあ…普段から仮面を着けてて顔が見えないんだし、気にならないほうがおかしいよね』
「うーん…しょうがないなぁ、特別に仮面を外してあげる。」
『本当?!やった!!』
エスピーの素顔が見れる…?!
エスピーは仮面に手をつけ、パッと外した。そこにあったのは…
また別の仮面だった。
『…え!?仮面の下に仮面が!?』
「アハハハ!私がそんな簡単に素顔を見せると思ったら大間違いよ。」
『ぐっ…なんで外してくれないんだ…!こうなったら!』
私は銃を取り出し、エスピーに向けて放つ。…だが、直接狙っても撃てないのでギリギリ当たらないくらいの位置に。
「わっ?!」
エスピーが怯んだその隙に、全力で彼女の仮面を外しにいく。
…取った!
『私の勝ちだ!エスピー!』
「うー…」
さてさて、エスピーの素顔はいったいどんな感じかな…
そこにあるのは、宇宙だった。
量子が波打ち、星が輝き、果てしない無限の彼方が広がっていた。
そこにあるのは、全てだった。
森羅万象、有象無象、魑魅魍魎、月下美人、焼肉定食…この世の何もかもがそこにはあった。
そこにあるのは、芸術だった。
私のような一般人には当然真似できないような、言葉を失うほどの美がそこにはあった。
そこにあるのは、そこにあるのは、そこにあるのは…
あまりの情報量に、私の脳はオーバーフローし、存在しない記憶を作り出す。
エスピーは私の娘だ。
たしかに私の記憶には、エスピーが幼稚園を卒園したときのあのいまにも泣き出しそうな顔がある。
エスピーは私の妹だ。
たしかに私の記憶には、エスピーと共に家で親の帰りを待つあの時間、私の膝に座ってじっと待っていたエスピーの幸せそうな顔がある。
エスピーは私の孫だ。
たしかに私の記憶には、息子の帰省の時に着いてきたエスピーの、お年玉を貰って喜ぶあの顔がある。
エスピーは、エスピーは、エスピーは…この煩悩まみれの脳みそは、いくつものエスピーを想像する。それが自分自身にとって良いものかどうなのかはわからない。しかし確実なのは、エスピーの素顔を見たことでこれからの人生がより良いものになるということだ。私はエスピーの素顔を見るという、これからも今までも体験することがないであろうほどに素晴らしくも罪深くもある経験をした。今世界ではどれだけの争いが起きているのかは分からないが、このエスピーの素顔を見せるだけで終わる争いが確実にあるはずだ。こんなにも素晴らしいものを創造してくれた世界樹に改めて感謝し、今後からさらに信仰心を強めて行こうと誓う。
「あ、あの…教主…様…仮面を、返してほしいのですが…」
『心配要らないよ。今日から君は私の養子だ』
「えっ」
もっといろんな人トリッカル二次創作小説書いて♡