天花さん手が早すぎィ!
今回短めです。
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「騒ぎにしちゃって申し訳ないね。しかも敵襲が重なるなんて」
卵みたいなツヤツヤお肌を強調するように、全く悪びれる様子もなく笑いながら謝罪の言葉を口にするのは、六番組組長の出雲天花。
普段から激務に追われる彼女であったが、どういうワケか今日は疲れから解放されたような晴れやかな表情を浮かべており、どう言い表すべきか女っぽさが8割も増している気がした。
「……お前、いくらなんでもいきなりすぎるだろう。そんなに肉食だったか……?」
ジト目で天花を睨みつけるのは七番組組長の羽前京香。
駿河朱々の通報を受けて天花のいる部屋まで駆け付けた京香達が目にした光景は、お互いに一糸纏わぬ姿で抱き合う天花と―――
「そこは弦太郎くんの魅力かなぁ。気配に気付かないほど盛り上がっちゃって。……弦太郎くんやるね♡」
「いや、あの、その……すみません、京香さん……」
……その天花に覆いかぶさり、あらん限りの精を注ぎ込んでいた服部の姿。
部屋の中はむせ返るほどの甘い匂いと雄の匂いで充満しており、思わず
「弦太郎くん。……頭撫でて?♡」
「えぇっと、ちょっとだけですよ?」
「ふぁ…ふぁふぅ〜♡」
服部に自分の頭を撫でさせる天花。
……知らない者が見れば、頼りがいのある彼氏に全力で甘えるワンコ系彼女の図になるかもしれない。
「………ッ」ピクッ
そんな傍から見てラブラブな関係を演出する二人を見て、何故か無性に嫌な気持ちになった京香。
「うわっ、なんかヤバそう!」
「初めてのタイプね……!」
朱々と東日万凛は各々の感想を述べた上でこちらに迫る醜鬼を見据えた。
個々の醜鬼の体をパーツごとに出鱈目に貼りつけた、さながらグロテスクアートのような異色の醜鬼であった。
「行くぞ弦太郎!」
「っ、はい!」
京香の差し出した指を舐めて融合・変身した服部。
彼女に対して申し訳ないと思う反面、
『……おい、この前プライベートまでは口出しせんと言ったが、あれは撤回だ』
「京香さん……?」
……そう、京香は許してなどいなかった。
『あまりほかの
もし実体化していれば、服部の背中に顔を
京香の心中はさながら、ほかの女に目移りしてばかりのダメな彼氏にヤキモチを焼く彼女と言ったところか。
……そして、京香のそんな気持ちをなんとなく察し、その可愛げに心を打たれた服部は―――
「は、はいッ!!」
……メチャクチャ嬉しく思っていた。
こんな自分にヤキモチを焼くほど好意を抱いてくれてたなんて、そう考えるだけで天花への未練は払拭され、全身に力が漲ってくる。
『八雷神用に開発した必殺技を試すぞ!』
「了解です!!」
服部の背中に纏わりついていた
変身解除?とその一部始終を見ていた者達は訝しんだが、直後驚かされることとなる。
切り離された背鰭が急速に人の形を成していったからだ。
「「「 ……組長? 」」」
一度は服部と融合を果たした京香が再び人の形を成して再出現した。
だがそれでは服部が戦えなくなってしまう。
……そう思っていた時期が三人にはあった。
ここで驚くべきことが二つあった。
一つは、服部の変身が解かれていないと言うこと。
背鰭を無くしたことで黒いイグアナのようにはなったが、それでも変身は解かれていなかったのだ。
そしてもう一つは、京香自身の現在の状態だ。
髪の色は当然として、肌や瞳、服や手に持つ武器に至るまで、その全てが純白に染まり光り輝いていたのだ。
『っ、シィィィィィ!!!』
白光の軌跡を描きながら京香は駆けた。
居合切りの構えを取りながら醜鬼の懐に潜り込む。
「ハァァァァァァ!!!」
京香の後に続くように服部も駆ける。
縦に高速回転しながら長大な尻尾に意識を集中させ跳躍、醜鬼の頭上を取った。
……事ここに及んでようやく敵の戦力を把握したのか、醜鬼は無数にある腕を交差させ防御体勢を取った。
勢いはそのままに、どうやら己の身を肉弾として突貫するつもりらしい。
『「 やらせん!! 」』
人馬一体、一心同体。
正規の主従関係にあるからこそ、このような精密な連携が行えるのかもしれない。
京香の横一閃が醜鬼の肉を切り裂き、服部の縦回転が醜鬼の肉を抉り断つ。
『「
白と黒の交差が織りなす一撃に、さしもの醜鬼も耐えきる暇もなく消滅させられるに至った。
「あれぇ?瞬殺だ。……改造醜鬼、いいアイデアだと思ったけど駄目か。次の実験いこ」
「あんなヤバそうな奴を一撃で!」
「凄い!!」
醜鬼を瞬殺してのけた服部と京香を迎え入れつつその戦いぶりを絶賛する日万凛達。
純白に光り輝く京香は、日万凛達のそんな言葉もそこそこに、再び体を変形させて服部の背鰭の一部となった。
そして、今度こそ変身は解除される。
そこには人間の姿に戻った服部をはじめ、いつもの姿に戻った京香も佇んでいた。
「土壇場で実践したとは思えない完成度だった。よくやったぞ弦太郎」
「……ありがとうございます」
京香のお褒めの言葉を受けて感謝を告げる服部。
……さきの分裂は、京香と密かに訓練を重ねて編み出した高度な技術であり、
難点として、平時以上に体力を消耗するため長く持続させることが出来ない点にある。
……が、ごく短時間に効果を縛ればさほど支障はない。
新技のポテンシャルの高さに満足し、そのまま寮に戻ろうとする京香。
「変身した時―――」
その後ろ姿を呼び止めたのは、やはり服部であった。
「京香さんに檄を飛ばされて、気合が入りました!そのおかげで上手く行ったんだと俺は思います!」
「……そうか」
服部の言葉を受けた京香の表情は、何とも言えない、どこか安堵に満ちた穏やかなものであった。
一方、自身の寮まで能力で戻っていた天花は、その体をフルフルと小刻みに震わせていた。
それは恐怖ゆえ?
……否、それは違う。
「(弦太郎くん……君は骨の髄まで〝
忘れたくても忘れられない、あの屈辱……。
〝男〟に正面から敗北を喫したことなど、今までの人生で一度たりともなかったと言うのに。
下腹部をさすりながら物思いに耽る。
極めつけは京香の存在だ。
あと一歩のところまで王手をかけたというのに、結局元の鞘に収まってしまったのだ。
今までの人生で、欲したものが手に入らなかったことなどなかったと言うのに。
こんなのって、こんなのって―――
「(何が何でも私の虜にしたくなったよ♡……これからプライベート、退屈しそうにないね♡)」
……ある意味、これこそが彼女の本性なのかもしれない。
背筋を電流のように伝ったあの快楽、一度嵌まったら二度と抜け出すことは叶わない刺激の
次回から、変身の幅が広がリング。