無理しない範囲で書いていきます!
<<< 魔防隊 七番組寮 >>>
「……お前の親友に似ていただと?」
「はい、正確には〝魔都災害〟で行方不明になった優希君のお姉さんに似ている気がしたんです」
京香の言葉にそう返した服部。
現在服部達は寮まで戻り、クレーターにて邂逅した白髪の女性……人型の醜鬼について議論を交わしていた。
……もっと言うとお互いに一糸纏わぬ姿で面と向かって密着していた。つまりは
「それは確かなのか?見間違いという可能性もある」
「……少し前にお姉さんの顔写真を見せてもらったことがあります。ただ、その時と雰囲気がまるで違うから普通に勘違いの可能性もあるんですが、ちょっと気になって」
「お前の攻撃をマトモに受けてピンピンしていたあたり人間どころか通常の醜鬼でないのは明らかだ。恐らく変身していなければお前でも危なかっただろう」
「それは同感です。……とにかく、もう一度会って話が出来れば分かると思います」
「奴とはまた必ず会うさ。……こっちから見つけ出すくらいの気合で行く……イクッ!!」
「ウッ……京香さん、京香さん……!」
……いくら時間を無駄にできないからと言って、流石にご褒美中に会議をするべきではなかった。
後に二人はそう反省する。
しかし、今まで単調だった醜鬼が進化をはじめ人型まで現れだしたのだ。
京香の報告によってそう遠くない内に日本そのものが大きく揺れ動く事態となる。
それだけは漠然とだが二人は感じ取っていた。
<<< 後日 >>>
「(冷静に考えれば考えるほど、優希君のお姉さんに似てるんだよなぁ、あの人……)」
京香との会議の後、服部はひとり温泉で頭を洗いながら白髪の女性について考えていた。
「(あの人が本当に優希君のお姉さんだとして、なんで魔防隊の敵だなんて言ったんだろうな……?実際襲いかかってきたけど、わざわざ敵対する意味が分からない)」
服部は、白髪の女性が醜鬼などではなく人間なのではないかと思い始めていた。
「(だとするとあの姿は何なんだろうな?……元は人間だったけど後から醜鬼みたいになっちゃったとか?訳が分からん……)」
「悩んでるねーマイ奴隷♪」
「っ、朱々ちゃん!?」
考え事をしている最中に突然声をかけられ驚く服部。
声の主は駿河朱々であった。
「な、なになにいきなり!?」
「やー、主として褒めるのを忘れてたからさ。
……この前は危ないところ、フォローありがとね」
「そんな……褒められるようなことじゃないよ」
改めてお礼を言われた服部、なんだかむず痒くなってしまいぶっきらぼう気味に返してしまうが、当の朱々は満更でもなさそうな雰囲気を醸し出している。
「……お礼に背中でも流してしんぜよう!」
「えっ、いいよいいよ自分で流すから……」
これ以上からかわれるのは御免だと振り返ろうとした服部に、朱々が特大の爆弾を投下する。
「あ、振り向くんだ?……アタシ、裸だよー」
「っっっ〜〜〜〜〜!!?」
瞬間、服部は思考する。
自分をからかって玩具にしようとしているのではないか?
だが万が一裸だった場合振り向くのは危険。
「黙って背中流されてなよ!(……これがゲンチーの背中、とっても大っきい……)」ゴシゴシ
自分が振り向かない男だと理解した上でからかっている。
……という思考に持っていくのが彼女の罠、人は安全策に走りやすい生き物である。
あえて振り向き〝ほら水着じゃないか〟と指摘して出ていってもらうのが今後のためであると服部は考え―――
「その手には乗らないよ朱々ちゃ―――」
バッと立ち上がって振り返れば、そこには一糸纏わぬ朱々の姿。残念、服部は選択を誤った!
「ゲ、ゲンチー……(//////////)」
「しゅ、朱々ちゃん……(//////////)」
膝をついて背中を流していた朱々の目の前に、服部のあまりにデカすぎるナニが屹立する。
「………(//////////)」
「………(//////////)」
服部の濃密な雄の臭いに当てられた朱々。……トロンとした熱い瞳でナニに唇を近づけようとした刹那。
「朱々ー?先入ってるの―――」
同じく一糸纏わぬ姿で温泉に入ってきた日万凛と目が合ってしまった服部。
これは言い訳できない。……服部はタオルを腰に巻いて颯爽と逃走を図った。
「ついにねじ切られる日が来たようねッ!組長が手を汚さなくても自分が殺るわッ!!」
腕をチェンソーに変形させた日万凛が鬼の如き形相で服部を追いかける。……完全に殺る気だ。
「待って待って!ちゃんと札かけておいたはずでしょ!女子しかいないっていう認識を改めてくれよーッ!!」
「もっと男が入ってますってハッキリした札にしておきなさいよ!!」
ちゃんとかけておいた。
間違って入ってこないよう〝男〟としっかり書かれた木札を入り口の前に提げておいたはずだ。
十中八九朱々の仕業だなと恨めしげに逃走していると、突然目の前の空間が歪み、次いで二人の女性が現れた。
「こんにちわ、七番組は元気だね」
ショートヘアの美女が柔和な表情とともに挨拶をしてきてくれた。その声色から大人の色気と友好的な雰囲気を感じ取り思わずボーッと見惚れてしまう。
「えっ、え〜っと?……どちら様ですか?」
「……魔防隊六番組よ」ボソッ
「……えっ!!?」
日万凛の耳打ちに少なからず驚く服部。……と同時に何故ほかの組の人達がここに?とつい訝しむ。
「六番組組長の出雲天花」
「副組長の東八千穂じゃ」
「(え?……東って―――)」
自己紹介をしてくれたと思ったのも束の間、天花はずいっと服部に歩み寄り、つま先立ちで観察するように顔を近付けた。
「キミが噂の大っきい奴隷クンか……ふーん」
「(ち、近すぎ!近すぎだってェ!!)」
「……ま、いいや。京ちん呼んでくれる?」
「はい!」
不謹慎ながら凄くいい匂いがした。思わず服部の息子が立ち上がりかけるが、それは流石にまずいと自制した。
すぐに服を着て二人をリビングに通した服部は、それはもう渾身のコーヒーを淹れてもてなした。
カチャ…「……うん、奴隷クンは美味しいコーヒーを淹れてくれるね」
「……本題は何だ、天花」
服部のコーヒーを絶賛する天花にここに来たワケを言えと催促する京香。……その様子から気心の知れた間柄であることが伝わってくる。
「国からお達しがあったでしょ京ちん。……人型の醜鬼が出てきた問題。魔防隊は組ごとに個性があるから基本バラバラで動いてきたけど、今後は連携を密にせよって」
「あぁ、それか」
やはり京香の報告によって事態は大きく変わろうとしているらしい。……天花の話を聞いて思案する服部の耳に別の声が割り込んでくる。
「新型の醜鬼だろうが何だろうが、滅してしまえば問題なかったはずじゃ。聞けば七番組の副組長は、人型の醜鬼と戦うことなく逃がしてしまったとか。……情けないのぅ」
「……っ」
「(え?……確かに逃がしたは逃がしたけど、どっちかと言うとそれはオレのほう―――)」
「お前は東家の名に泥を塗るばかりじゃな日万凛。……大人しゅう家に帰ってこい」
「〜〜〜っ」
それは流石に言いすぎじゃないかと八千穂に物申そうとした服部であったが、それを遮るように天花が口を開く。
「とはいえ、話を聞く限り人型の醜鬼も相当手強いよ。無理に深追いせず部下の安全を優先した京ちんの判断は正しかったね」
「……三番組も遭遇したらしいな」
「うん、組員達が深追いした挙げ句ボコられて三番組はしばらく行動不能みたい。……しかも証言からするに、京ちんが遭遇したのとは別個体」
「人型は一体ではない……か。確かに組同士の連携が必要だな」
「京香組長の存在は頼もしいが……背中を預けるには不安な者もおるのー」
八千穂の視線の先には、遠回しに戦力外呼ばわりされプライドを傷付けられた日万凛の姿。……今の彼女は、例えるなら噴火寸前の活火山のよう。怒りという名のマグマを燃え滾らせていた。
「……現時点での互いの戦力を把握しておく必要がある」
京香からの思わぬ提案に、一同呆然となる。
「隊員同士の〝魔都交流戦〟をしないか?」
八千穂に注意しようと口を開きかけた服部の口があんぐりと開かれる。
「(魔都交流戦って何?……オレの知らない言葉を出さないでくださいよ京香さん。お、教えて―――)」
「京ちんらしいパワフルなコミュニケーションだね。
いーよ」
「上に申請しておく。数日で準備は整うだろう」
「その時には残りの面子も連れてくるよ」
「(いや、あの、だから……誰かオレに説明を―――)」
「またね、奴隷クン」
服部の疑問に答えるものはいなかった。
もしかして野球でもやるのか?なんて思いもしたが恐らく違うだろうとかぶりを振る。
その時、後ろからガシッと誰かに手を置かれる服部。
恐る恐る振り返ると、そこには非常にやる気に満ちあふれた日万凛が立っていた。
「今の流れで、アンタはこの東日万凛の奴隷になることが決定したわ!!……とりあえずラーメン作りなさい!腹ごしらえよ!」
「……うそん」
組同士の腕比べ。……今回の六、七番組の戦いは親善の意味合いが強いが、本来は意見が分かれた時に白黒つけるために行うものとのこと。
複数の種目(羅惧美偉やラグボール、リング、一騎打ち等)から組長が一つ選んで試合し、雌雄を決する。
なんだかイヤな予感のする種目が多いなぁと思いながら鶏油を入れたこってりラーメンを啜りながら説明する日万凛の話を聞く服部。
「今回はシンプルな一騎打ちを選ぶ。桃の能力を使っての真剣勝負だ。……姉に腹が立ったんだろ日万凛。交流戦を名目にぶっ飛ばしてしまえ!!」
「ぶっ飛ばすチャンスをいただきありがとうございます組長!」
「必ずぶっ飛ばせよ!!」
おまけに京香からの姉をぶっ飛ばせエールを受けて更にやる気を滾らせるものだから手が付けられない。
服部に出来ることと言えば、そんな日万凛のやる気を削がないよう大人しくパトロールについていくことだけ。
「……って、オレが君の奴隷になるっていう疑問が解けてないんだけど!?」
「体を武器にするのは自分のメイン能力じゃないの。相性いいから使ってるだけ」
「え?」
「これが本当の能力」
そういって突き付けたのは携帯端末の画面―――に映るデフォルメ化した京香の姿とステータス。
「これは……何かのゲーム画面?」
「〝
「そ、そりゃあ凄い……!」
「端末にセットしておいた人物の能力が使用できる。つまり今は組長のが使えるワケ」
「えっ、それって―――」
「出た!」
突然目の前の地面から醜鬼が飛び出すが、躊躇なく轢き逃げアタックを食らわせ絶命させる日万凛。
凄まじいドリフト走行に堪らず目を回す服部。……ようやく車を停止させたと安心したのも束の間、日万凛は手を突き出して服部に奴隷に変身するよう命令する。
「待って待って!能力の正確な把握はしてるのか!?」
「〝
「その褒美だけど―――」
「体を張る必要があるって聞いたわ。上等よ!(……あの一族をぶっ飛ばせるなら、こいつの代わりに掃除だろうが洗濯だろうがやってやるわ!)」
もうどうにも引き下がらないと言わんばかりに手を差し出す日万凛に、とうとう白旗を上げる服部。
大量に湧いてきた醜鬼も後押しし、片膝をついて手にキスをするポーズを取る。
「せめて前もって言ってほしかったよ……!」チュ…
「そしたらあんた文句言うかもで―――」
日万凛の二の句を遮るように、二人を中心に眩い光が発せられる。
日万凛をもう一人の主とした服部の奴隷形態。
その名も―――
『奴隷と一体化することは分かってたけど、組長の時と姿が違うわね……?』
「確かに……」
京香の時と比べると酷く前傾姿勢で、かつ背中に無数に張り付く
服部と日万凛が思案に耽っていると、いつの間にか一体の醜鬼が殴りかかってきた。
醜鬼の拳が当たりそうになる刹那、服部は僅かに身を捩ることでギリギリで回避を成功させる。
「この形態もしかして……」
ふと何かに気付いた服部。パンチを外して思わず姿勢を崩す醜鬼めがけて横薙ぎの尻尾攻撃を食らわせた。
目にも止まらぬ一撃によって綺麗に首を飛ばされる醜鬼。
『……えっ、いったい何をしたの……!?』
「スピードと反応速度が格段に向上してる。あと尻尾のリーチも伸びてる。……反面パワーが落ち込んでいる気がするけど急所を狙えば大丈夫そうだね」
『えっ、えっ?』
困惑する日万凛と醜鬼を置き去りに服部は畳み掛ける。
「HATTORI ロードローラ――――――!!!」
縦方向に超速スピンし、先程の日万凛よろしく醜鬼の群れに轢き逃げアタックを食らわせ、あっという間にミンチに変えてしまった。
あまりの素早さに思わず目を回す日万凛。
『(こ、こいつ、自分が思う以上に強い!……でもこれだけ強ければアイツにも絶対―――)……えっ?」
どういうことだと一瞬呆然となる日万凛。
まだその気はなかったのにいつの間にか変身は解除され、服部の背中から勢いそのままに放り出されてしまった日万凛は面白いくらいに地面の上をバウンドし顔面から着地してしまう。
「ぐへっ、あぶっ、ごふっ!」ゴロゴロゴロ…
「ひ、日万凛ちゃん!!?」
同じように変身を解除する羽目になった服部。地面に転がる日万凛の元まで駆け寄りゆっくりと抱き起こす。
鼻血は出しているようだったが、咄嗟に受け身を取ったのか軽い打撲くらいしか目立った傷はなかった。
「ごめん日万凛ちゃん!オレがスピンなんかしたばっかりに……」
「……このくらい問題の内にも入らないわ。むしろナイスよ、それだけ強いのなら自分の奴隷として交流戦でも十分やっていけるわ」
日万凛の高評価を嬉しく思う反面、ある一つの疑問が生まれた。
「気になったんだけど、ほかにも強い能力なんてたくさんあるだろうに、なんでこの能力でやろうと思ったの?」
「……いいじゃない、男なのに働ける場が増えたんだから。むしろ自分に感謝して―――」ブッチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ♡
やってきましたご褒美タイム!……今回服部にご褒美をもたらしてくれる主は、なんと東日万凛!
開幕は濃密すぎる舌を絡めた口づけである!
「―――ぷはぁ!?な、なんなのなんなの!!?」
「これが能力の代償、ご褒美だよ……」
「……体を張るってそういう!?っていうか体が勝手に動くんだけど!!?」
「えっと、ご褒美が続くってことかな?たぶん……」
「っ〜〜〜、いや、いや……!」
あれよあれよと言う間に一糸纏わぬ姿となった日万凛は、服部のズボンに手を伸ばし―――
「あぁぁぁぁぁぁ!!!♡」
……皆、仕様書はちゃんとよく読み込もう!
ゴジラのタグに暴竜、もう皆さん分かりますね?
更新遅くなり申し訳ありません。
なろうで小説書こうか悩んでおりましたので。