名探偵プリキュア!with特捜戦隊デカレンジャー 作:仮面大佐
インテリアなどを整えて、遂にキュアット探偵事務所が稼働できる様になった。
それから、キュアット探偵事務所には、あんな達の姿があった。
だが、みくるはずっとソワソワしていた。
「ゴック…………ゴック…………」
「う〜ん……………」
「……………」
あんなはポチタンにミルクを飲ませて、麦翔は本を読む中、みくるはそんな唸り声を出しながら、ウロウロしていた。
そんなみくるに、ジェット先輩は堪忍袋の尾が切れたのか、ドライバーを机に叩きつけながら叫んだ。
「何だよ!さっきからソワソワして!」
「だって!せっかく探偵事務所を開いたのに、依頼人が来ないの!」
「それだけ平和だって事だろ?」
ジェット先輩がそう叫ぶと、みくるはそう叫ぶ。
せっかく探偵事務所を開いたのに、依頼が一向に来ない事を気にしていたのだ。
ジェット先輩がそんな風に言うと。
「そうだよ」
「それに…………その発言は看過できないな。まるで事件が起こる事を望んでいる様に聞こえるから。不謹慎だよ」
「うっ…………ごめんなさい…………」
「平和なのが一番だからね」
あんなと麦翔の2人はそう言う。
麦翔からしたら、今のみくるの発言は、まるで事件が起きる事を望むかの様な発言であり、不謹慎だと感じたのだ。
その指摘を受けて、みくるも自分の発言が失言だと思ったのか、そんな風に謝る。
それに対して、麦翔はそう言う。
すると。
「ハァ…………ハァ…………ハァ…………!」
「うん?」
「た…………助けてぇぇぇぇっ!」
そんな激しく息切れをする声が聞こえてきて、麦翔が反応する。
すると、扉が開かれて、男性が入ってくると、その男性はそんな風に叫ぶ。
男性がそう叫ぶと。
「うわぁぁぁ⁉︎依頼人だぁぁぁ!お茶…………!」
「とととと…………取り敢えず、その前に座ってもらおう!どこに⁉︎」
「どうしようぉぉぉぉぉ⁉︎」
「ポチ⁉︎ポチ〜⁉︎」
依頼人が入ってきたのを見て、みくる達は慌てながらそう言う。
三人とポチタンが騒いでいるというカオスな状況になっていた。
「ちょっと、皆、落ち着いて…………」
「おい!皆、落ち着け!」
「ポチ」
麦翔が落ち着かせようとする中、ジェット先輩がそう叫ぶと、皆は落ち着いた。
ちなみに、その際にポチタンは近くの地球儀の影に隠れた。
「お茶、どうぞ」
そう言うと、みくるはどこか誇らしげにティーカップをテーブルへ置いた。
湯気の立つ紅茶の香りがさっきまでのカオスな状況を少しだけ和らげる。
男性はおそるおそるソファに腰を下ろす中、向かい側にみくるとあんながぴたりと並んで座った。
2人は背筋を伸ばし、目を輝かせていた。
「「わああ……ふふっ……で、どうしました⁉︎」」
「凄い良い笑顔だね…………」
あんなとみくるは満面の笑みを浮かべると、そんな風に問いかける。
それを見て、麦翔が苦笑しながらそう呟くと、男性が口を開く。
「僕のバッグの中身が…………りんごとじゃがいもになっちゃった!」
「え?」
「……?」
「うん?」
「ポチ?」
その男性は、そんな風に叫ぶと、手に持っていれる紫のバッグを持ち上げて、中身を見せる。
それを見て、あんな達は首を傾げていた。
再開した早々、謎の事件が飛び込んできたのだった……………。
その頃、デカベースでは、先日確保したパーフェク星人ブレトガの取り調べが行われていた。
取調室には、ブレトガ以外には、紅矢と玄李の姿があり、取調室の外には、緑希、梅衣、紅葉の姿があった。
「……………さて、お前には聞きたい事がある」
「お前は違法薬物や禁製品を始めとする違法取引や密売を行っていた。一体、誰と取引をしていたんだ?背後にいる存在は何だ?」
紅矢がそう言うと、玄李はそう問いかける。
ブレトガが違法取引などを行っていた理由と相手を聞き出そうとしていたのだ。
すると。
「へっ!教えるとでも思ってんのか?黙秘権を主張する!それに、話す事なんてねぇよ!」
ブレトガはそんな風に言う。
黙秘権を主張して、情報の提供を拒んだのだ。
それを聞いて、紅矢達は顔を見合わせた。
それから、何度も質問をしたのだが、ブレトガは取引相手を吐く事は無かった。
「何なのあいつ。やけに虚勢を張ってたけど…………」
「あいつ、何かを隠してるね」
「大方、喋ったら殺されるとかでしょうね」
「…………必ず吐かせてみせる。これ以上、犯罪を発生させない為にもな」
「そうだな。大忙しだな」
紅葉は虚勢を張っていたと見抜いたのか、そんな風に言うと、緑希と梅衣はそんな風に話す。
それに対して、玄李と紅矢はそんな風に言う。
すると。
「そういえば、今日は麦翔はどうしたの?」
「あぁ…………あいつなら、活動を再開したキュアット探偵事務所の方にいるぞ」
「ああ〜…………キュアット探偵事務所、再開するんだったわね」
「どんな依頼を受けてるのかな〜」
緑希がそう聞くと、麦翔から話を聞いていたのか、紅矢はそう言う。
それを聞いて、梅衣と紅葉がそう言うと。
「……………それで、お前はどう思ってるんだ?」
「うん?」
「キュアット探偵事務所の面々だ。プリキュアになれるとはいえ、まだ中学生だぞ。しかも、ハンニンダーとやらに苦戦している場面もある」
「……………確かにな。まあ、最後はしっかり倒してるし、あくまでプリキュアが戦うのはハンニンダーだけにすればいいさ。プリキュアだと、アリエナイザーと戦うのは難しいからな」
玄李はそう問いかける。
名探偵プリキュアをどう思っているのかを。
それに対して、紅矢はそんな風に答える。
デカレンジャー内では、名探偵プリキュアの事は庇護対象と思っている節があった。
果たして、それがどの様に影響していくのか……………。
その頃、麦翔達は事情を聞くことにしていた。
あんなとみくるは、名刺入れから名刺を取り出すと。
「探偵の明智あんなです!」
「小林みくるです!」
「あ…………はい!よろしく…………!」
あんなとみくるは目を輝かせながら、男性に名刺を手渡す。
男性が名刺を受け取っていると。
「名刺を渡した……………!探偵って感じ!」
「やったね、みくる!」
「ったく……………」
「ポチ〜!」
「あははは……………あ、申し遅れました。僕はキュアット探偵事務所に出向している宇宙警察の東野麦翔です」
「あ……………宇宙警察なんですか⁉︎」
「ええ。それで…………本日はどのようなご用件でしょうか?」
あんなとみくるはそんな風にはしゃいでいた。
ジェット先輩が呆れ、ポチタンが嬉しそうにそう言う中、麦翔は苦笑すると、SPライセンスを開いて、身分証を見せる。
男性がそう言う中、麦翔が用件を尋ねると。
「ううん!え〜…………改めまして。僕は
「なるほど……………」
「…………で、バッグがリンゴとじゃがいもって?」
「うん。気づいたら中身が変わってて…………!」
麦翔にそう問いかけられた男性は小松崎純一と名乗る。
麦翔がそう呟く中、あんながそう聞くと、純一はそう言って、バッグの中身を取り出していく。
「りんご…………じゃがいも…………玉ねぎ…………パンに…………エプロン?」
「食べ物が多いな……………。『でも、どれも新鮮ではないけど…………』」
「もともと、バッグには何が入ってたんですか?」
「漫画の原稿…………あとは着替えと…………」
純一が取り出したのは、りんご、じゃがいも、玉ねぎ、パン、エプロンだった。
あんなが首を傾げ、麦翔が考え込む中、みくるはそう聞く。
純一がそう答えると。
「漫画の原稿⁉︎漫画家さんなの⁉︎」
「ううん。目指してる最中なんだ。原稿を出版社の人に見てもらう為に来たんだよ!認められれば、漫画家になれる!…………いや!絶対になってみせる!」
「すごいな〜……………!」
「原稿がないって気づいたのはどこですか?」
「それが……………」
「うん?」
あんなは純一が漫画家であると聞いて、そんな風に食いついた。
純一は漫画家を目指しており、出版社に原稿を持ち込もうとしていたのだ。
あんながそう言う中、みくるがそう聞くと、純一は歯切れが悪いようにそう言い、麦翔は首をかしげる。
純一の話を聞くと……………。
「「……………え?」」
「ここ⁉︎」
「ここで気づいたって事ですか?」
「はい。出版社に向かう前に、気持ちを落ち着かせようと歩いてたら、ここに居て…………そ!で、何かバッグが重いな〜って思ったら………!」
純一の話を聞いたあんな達は、キュアット探偵事務所のすぐ近くで原稿が消えた事に気づいた事に驚いていた。
純一によると、気持ちを落ち着かせる為に歩いていたら、バッグが重くなっている事に違和感を感じて確認したところ、原稿が消えていた事に気付いた。
そして、キュアット探偵事務所の看板に気づいて、駆け込んだのだと。
「バッグの中身が変わるなんて…………!」
「「う〜ん……………?」」
「うん?ところで…………バッグの紐、やけに短いですね。合ってませんよ?」
「えっ?本当だ!短くした覚え、無いのに…………⁉︎」
純一はそう話し終えて、そう言う。
あんなとみくるが首を傾げる中、麦翔はある事に気付いた。
それは、純一の持っているバッグの紐が短かった事だ。
それに気づいて、純一が困惑していると。
「……………ピンと来た!中身じゃなくて…………バッグそのものが入れ替わったんじゃ無い?」
「確かに。その可能性はあるかも。純一さん。それは本当にあなたのバッグですか?」
「まさか⁉︎間違いなく僕の……………あれ?なんか……………汚れてる?」
「どこかで落としたのでは?」
「………………あ!そういえば!駅前で…………!」
「「「うん?」」」
あんなはそんな風に言う。
原稿が消えたのではなく、別の人の似たような鞄と入れ替わったのではと。
麦翔がそう聞くと、純一は改めて、バッグを見回す。
すると、見覚えのない汚れを見て、首を傾げた。
麦翔がそう聞くと、純一はある事を思い出した。
果たして、駅前で何があったのか。
その頃、怪盗団ファントムのアジト。
そこでは、ウソノワールが、静かに
重厚なページがめくられるたび、舞台全体に低く響く音が広がり、ニジー、アゲセーヌ、るるかの頭上からスポットライトが光っていた。
やがて、
ページの上に浮かび上がる光の文字。
それは次なるマコトジュエルの在処を示していた。
「なるほど……新たなマコトジュエルの在処がわかった」
それを聞いたニジーが口を開く。
「ボクが華麗に盗って参ります!」
ニジーはそんな風に言う。
それに対して。
「いいや、アゲが行くっしょ!」
「ん?」
「アンタは引っ込めって感じ!」
「それはこっちのセリフだよ!ベイビー!」
アゲセーヌはそんな風に言う。
アゲセーヌの挑発的な言葉に対して、売り言葉に買い言葉と言わんがばかりに、ニジーはそう叫ぶ。
それを見ていたマシュタンは。
「あーあ、また始まった」
それを見ていたマシュタンは、呆れた声を出していた。
るるかはその様子を横目に、手に持っていたソフトクリームを一口食べていた。
すると、るるか達を照らしていた頭上のスポットライトがふっと消える。
代わりに、ステージ中央へ一斉に光が集まった。
「待て、待て、待てい! 熱くなるのは結構だがな! 受ける相手が違いやしないか?」
ステージにいた男が立ち上がると同時に、天井から桜吹雪が舞い落ちる。
光の中心に立っていたのは、扇子を構えた一人の男だった。
「その喧嘩、このゴウエモンが預かった!」
その男……………怪盗団ファントムの一員でたるゴウエモンはそんな風に言う。
ゴウエモンの見た目は、銀髪に大柄な体格で、顔には歌舞伎風の化粧が施されており、黒のタンクトップに裾を締めたズボン、足元は下駄、腰には桜のエンブレムがついていた。
全体的に和風テイストな服装だった。
ゴウエモンに気づいたマシュタンとるるかは。
「出た……面倒なのが……」
「……うん」
マシュタンの鬱陶しいと言わんがばかりの呟きに対して、同意するようにるるかは軽く頷く。
そんな中、ゴウエモンが跪くと。
「ウソノワール様、おまかせください!」
「結局、キミが行きたいだけだろ」
「マジチョベリバ~!」
ゴウエモンは、ウソノワールに対してそんな風に言う。
それに対して、ニジーとアゲセーヌはそんな風に言う。
騒がしく、熱血よりの性格のゴウエモンは、ニジーとアゲセーヌからは快く思われていなかった。
ニジーとアゲセーヌの言葉に対して、ゴウエモンは口を開く。
「違う! 新人のためだ! 連れていって、怪盗のいろはを教えてぇんだよ!オレの背中を見て学ぶと良い!」
ゴウエモンはそう言うと、扇子をるるかに向ける。
るるかは、ファントムに入ってから日が浅く、新人といえるのだ。
つまり、ゴウエモンは先輩風を吹かせようとしていた。
「余計なお世話なんだけど!」
「……………うん」
るるかがソフトクリームを口にしたまま黙っている中、マシュタンが小声で毒づく。
マシュタンも、ゴウエモンの事はあまり快く思ってはいない様であり、るるかも頷いていた。
すると。
「行け!ゴウエモン、キュアアルカナ・シャドウ!」
ウソノワールの声が劇場を震わせた。
今回は、ゴウエモンとるるかの2人が出撃する事になった。
るるかと言う名前ではなく、キュアアルカナ・シャドウという名前で呼んでいた。
「ライライサー!」
「「「「ライライサー!!」」」」
ウソノワールがそう言うと、ゴウエモン達もそう返して、唱和が響き渡る。
怪盗団ファントムが動き出そうとしていた。
その頃、麦翔達は、まことみらい市の駅に向かっていた。
純一の行動を振り返る為に。
近くでは、ベンチにペンキを塗っている作業員の姿があった。
すると。
「そうだ!ここだよ!ここで向こうから走ってきた人とぶつかって、バッグを落としたんだ!」
純一は思い出したのか、そんな風に言う。
それを聞いたあんなは。
「それってもしかして!」
「「「ん?」」」
「純一さんとその人がぶつかった時に、偶然バッグが入れ替わって、そのまま持ち帰っちゃったとか?」
「なるほど!それありえるかも!」
「その線で調べてみよう。ぶつかった人の特徴は分かりますか?」
あんなはそんな風に推理をする。
お互いにぶつかった際に、バッグが偶然入れ替わってしまい、そのまま気づかずにお互い違うバッグを持っていってしまったのだと。
みくるがそう言う中、麦翔がそう聞くと。
「うーん、覚えてないなぁ………」
「そうですか…………」
「「うぅ…………」」
純一は、覚えていないと返答した。
それを聞いて、麦翔達がそんな風に反応すると。
「うん?そのバッグ、さっき同じのを持ってる人が来たよ」
「「「ん?」」」
「間違えて持っていったお兄さんを探してた」
「あんなの推理、当たってた!」
「うん!」
「それで、その人はどこに行きましたか?」
近くで作業をしていた作業員は、そのバッグに似たバッグを探している人がいたと伝える。
あんなとみくるが喜ぶ中、麦翔がそう聞くと。
「さあ………あっちの方へ行ったけど……」
「まだ絞り切れないな…………」
「どんな人でした?」
その作業員は、ある方向を指差す。
それだけでは、見つかるはずもなく、麦翔がそう言う中、みくるはプリキットブックを手にそう聞く。
「えっと……若い女の人で、こんな眼鏡で……髪型はこんな感じで……」
作業員は、身振り手振りを交えながら説明していく。
それをもとに、みくるはプリキットブックに特徴を書いていく。
「できた!ズバリ……この人ですね!」
「「この人?」」
「あははは……………」
みくるはそう言うと、ドヤ顔でその特徴を書いた絵を見せる。
それを見て、あんなと純一はなんとも言えない表情を浮かべて、麦翔は苦笑をする。
なぜなら、みくるが描いた絵は、お世辞にも良い絵とは言えず、子供の落書きの様な絵だった。
それを見た作業員は。
「おお!彼女だ!」
「「えええええ⁉︎」」
「伝わってる⁉︎」
「流石……!」
作業員はそんな風に言う。
それを聞いて、あんなと純一は驚いていた。
すると。
「探しに行きましょう!」
「…………まあ、みくるの絵に関しては、探偵としては悪くないとは思う。……………探偵としては」
みくるがそう言って駆け出す中、麦翔はそう呟く。
実際、探偵や刑事といった職業の人が目的の人物の似顔絵を描く際、『似顔絵は上手く描くな』と指導される事が多いのだ。
何故なら、うまく描き過ぎた場合、元の人物像のイメージがその絵と上書きされてしまい、捜査が難航する可能性があるのだ。
事実、1999年よりも前に起こった三億円事件では、指名手配を行ったものの、手配写真書によってイメージが固着されてしまった結果、容疑者を捕まえる事ができずに時効を迎えてしまい、迷宮入りとなったのだ。
その為、みくるは探偵としては上出来といえる画力を持っていた。
とはいえ、普通の人からしたら、落書きにしか見えないのは事実なのだが。
麦翔達は移動を開始する。
そんな中、ゴウエモンはるるかとマシュタンと共に、とあるビルの屋上に立っていた。
「
ゴウエモンはそう呟いていた。
そんな中、アイスクリームを食べていたるるかは、ある物に気づいた。
「……………バッグ」
「ん?」
るるかは、純一が持つバッグに気づいていた。
ゴウエモンが反応する中。
「絵画教室です!生徒募集中です!お願いしま〜す!」
「ありがとうございます」
麦翔達は絵画教室の近くを通っており、あんながチラシを一枚受け取っていた。
「絵画教室かぁ…………私も似顔絵描ける様になりたいなぁ…………」
「…………僕も少しはやっておいた方がいいかも。SPライセンスに頼り切りになるんじゃなくて」
「じゃあ、僕が教えてあげようか?」
それを受け取ったあんなと麦翔はそんな風に言う。
あんながチラシをポケットの中に入れる中、純一がそう言う中。
「お!あれは…………」
ゴウエモンも、純一の持っているバッグの存在に気づいていた。
そんな中、麦翔達は書き込みを行っていた。
「う〜ん…………見た事ないなぁ…………」
「そうですか……………」
「悪いね」
1人に聞き込みを行っていたが、その人は見た事がないと返答した。
その男性が謝りながら去る中。
「情報なしだね…………」
「まあ、そう簡単にはいかないさ」
「はぁ…………もう無理なのかなぁ…………」
「大丈夫!絶対見つけて見せますから!」
「ええ!」
「もう少し、信じて下さい」
みくると麦翔はそう話す。
なかなか見つからないのだと。
純一がそう呟く中、あんな達はそんな風に言う。
すると、誰かが麦翔達のそばに降り立つ。
「見つけたぜ、紫の包み!」
「「「「っ!」」」」
降り立った存在はそんな風に言うと、あんな達は背後を振り返る。
そこには、ゴウエモンの姿があった。
「そのバッグ、いや…………マコトジュエルを置いていってもらおうか!」
「マコトジュエルって…………!」
「怪盗団ファントム⁉︎」
「か………か………怪盗団⁉︎」
「まさか、こんな白昼堂々と現れるとは…………!怪盗というより、強盗だね………」
ゴウエモンはそんな風に言う。
純一が困惑する中、マコトジュエルという単語を聞いて、あんなとみくるは目の前の男が怪盗団ファントムの一員だと察した。
麦翔は白昼堂々と現れたゴウエモンに対して、怪盗というよりは強盗だと評価していた。
「漫画の原稿が入ったバッグを見つけるの!」
「だから絶対渡さない!」
「お前達には絶対に!」
あんな達は純一を守る様に立ちはだかり、麦翔は変身前のデカレンジャーの武器であるSPシューターを構えて、ゴウエモンに向ける。
それに対して、ゴウエモンは。
「熱いね~! 熱くて茹で上がっちまいそうだ!…………だが、相手が悪かったな!」
ゴウエモンはそう叫ぶと、扇子を一振りする。
次の瞬間、激しい桜吹雪が巻き起こった。
「「「「ううっ⁉︎」」」」
激しい桜吹雪を受けて、4人が怯むと。
「ああ⁉︎」
「頂いていくぜ!」
「待て!」
純一は、自分の手にバッグがない事に気づいた。
バッグは、麦翔達が怯んでいる隙に、ゴウエモンがバッグの紐を扇子に引っ掛けていたのだ。
ゴウエモンが走り去る中、麦翔達は追いかけようとする。
あんなはプリキットの一つを手に取る。
「オープン!プリキットライト!」
「お…………おっきくなった⁉︎」
あんなが取りだしたのは、プリキットライトと呼ばれるプリキットだった。
ペンダント並みのサイズだったのが大きくなったのを見て、純一がそう驚いていると。
「うん!ジェット先輩の発明品!」
「こうやって…………好きなものを光で描くと…………!形になる!」
あんながそんな風に言う中、みくるは自分のプリキットライトで空中に何かを描く。
すると、光は丸いクッションの様な見た目になる。
それを見た純一は。
「おお……………ピーナッツ?」
「ううん!トランポリン!」
「そっか!」
「そうは見えないけど……………バッグを取り返してきます!純一さんはここで待ってて下さい!」
現れた光を見て、純一はそう首を傾げて、みくるはそう言う。
現れた光は、トランポリンというよりは、ピーナッツに見えなくもないのだ。
あんながみくるの答えに納得する中、麦翔は苦笑しながらそう言いつつ、純一さんにもそう言う。
そうして、三人はゴウエモンの追跡を開始する。
その頃、とある路地裏をるるかが歩いていると。
「よっと!どうだ?これが怪盗の仕事よ!」
「で、マコトジュエルは?」
「よっこらせっと…………」
るるかとマシュタンの目の前に、ゴウエモンが現れ、ドヤ顔でそんな風に言う。
マシュタンの問いに対して、ゴウエモンはバッグを開き、るるかとマシュタンも覗き込む。
「えっと…………丸いもんばっかりだ……お、四角い!こいつか!」
「……ただの食パン」
「ハズレね……」
中身を見て、ゴウエモンはそんな風に言う。
事実、四角い物は食パンしかなく、その食パンも、マコトジュエルが宿っていなかった。
るるかとマシュタンがそう言うと。
「…………ああ。あ、そういや奴ら、漫画の原稿が入ったバッグを見つけるとかって………」
「………………」
ゴウエモンはそんな風に思い返す。
そんな中、るるかはバッグの中からエプロンを取り出して見つめる。
それを見て、何かに気付いたのか、バッグにエプロンを戻すと、マシュタンと共にその場から立ち去る。
「な、おい!どこ行くんだよ⁉︎……近頃の新人は……ん?」
「「うわぁぁぁぁぁ⁉︎」」
「うわぁっ⁉︎」
るるかが立ち去るのを見て、ゴウエモンはそう呟く。
すると、上空から悲鳴が聞こえてくる。
ゴウエモンが上を向くと、そこにはあんな達の姿があった。
それを見て、ゴウエモンも驚く中、あんな達はプリキットライトによって、クッションを生み出す。
「か、返して! 漫画の原稿を探すんだから!」
「窃盗の現行犯で逮捕する!」
あんながそんな風に言う中、麦翔はディーワッパーを取り出して、そんな風に言う。
実際、ゴウエモンは窃盗の現行犯である為だ。
そんな中、ゴウエモンは口を開く。
「ははーん? 分かったぞ、なるほどな!」
「あ!」
「どういうつもりだ?」
ゴウエモンはそう言うと、手に持っていたバッグをあんなに投げ渡す。
あんながバッグをキャッチする中、麦翔はゴウエモンの行動に対して、そんな風に聞く。
すると。
「おそらくマコトジュエルは、その漫画の原稿に宿っている!」
「「え!」」
『…………漫画の原稿に…………!そういえば、怪盗団ファントムは、どうやってマコトジュエルのありかを探してるんだ?』
ゴウエモンはそんな風に言う。
自分たちよりも先に、マコトジュエルのありかをゴウエモンが突き止めている事にあんなとみくるが驚く中、麦翔はそう考える。
怪盗団ファントムは、どの様にして、マコトジュエルの在処を探しているのかと。
すると。
「どっちが先に見つけるか…………勝負だ!名探偵!デカレンジャー!」
ゴウエモンはそう言ってジャンプすると、桜の花びらを撒き散らす。
桜の花びらが消えると、ゴウエモンの姿は無かった。
『…………怪盗団ファントム。やはり、得体の知れない存在だな…………』
麦翔は、そんな風に思っていた。
その後、麦翔達は純一の元へと戻った。
そして、事情を話した。
「怪盗がなんで僕の原稿を⁉︎」
「お気持ちは分かります」
「原稿は渡しません!」
「私たちが先に見つけます!」
それを聞いた純一は、そんな風に言う。
何しろ、怪盗に自分の私物を狙われているのだから。
麦翔がそんな風に話しかける中、あんなとみくるはそう言う。
すると。
「もう……いいよ……」
「「え……」」
「純一さん?」
純一は力無くそんな風に言葉を漏らした。
あんな達がそう反応する中、純一は口を開く。
「僕は、みんなを笑顔にしたくて漫画を書いてるんだ。なのに………僕の漫画のせいで探偵さんが危ない目に遭うなんて嫌だよ!」
純一はそんな風に言う。
皆を笑顔にしたくて漫画を描いたのに、自分の漫画のせいで、自分よりも年下のあんな達を危険に晒してしまう事に罪悪感を抱いていたのだ。
すると。
「私たちも同じだよ!」
「探偵も、困った人を笑顔にしたいの!」
「それは、宇宙警察も同じです。目の前で起ころうとしている犯罪は見過ごせません」
「だから、受けた依頼は必ず、はなまるに解決します!私たち名探偵に任せてください!」
「探偵さん……!」
あんな達はそんな風に言う。
困った人を笑顔にしたい探偵。
目の前で起ころうとしている犯罪は見過ごせない宇宙警察。
理由は違えど、麦翔達は諦めていなかった。
あんながそんな風に話しかけると。
「とにかく、純一さんは事務所で待っていて下さい」
「……………あ、純一さんの漫画、後で読ませてくださいね!」
「うん!」
麦翔がそう言うと、あんな達と共に駆け出していく。
すると、あんなは思い出した様にそう言うと、純一はそう答える。
そうして、捜査を開始していく。
「その女の人はどこにいるの?こっちに来たんだよね」
「先ほどの人の発言だと、そうなるね」
麦翔達は現在、作業員が示した方向へと歩いていた。
あんなと麦翔がそう話す中。
「ところで、バッグの中身はりんご、じゃがいも、玉ねぎ、パン。それにエプロンだよね?」
「うん。つまり、レストランとか食べ物屋さんの人かな?」
「だとしたら…………お店がたくさんありすぎる…………」
みくるがそんな風に言うと、あんなはそう言う。
食べ物が多い為、レストランや食べ物屋さんだと予想した。
だが、周りにはとんかつ屋、パン屋、たこ焼き屋、ラーメン屋と、食べ物屋が集中していた。
あんなとみくるが辺りを見渡していると。
「あっ!カレーだよ!りんごを入れると味がまろやかになるんだって!」
「それあるかも!」
「ちょっと待って」
あんなとみくるはそんな風に言う。
すると、麦翔はカレー屋に向かおうとする2人に待ったをかけた。
「どうしたの?」
「2人とも、バッグの中に入ってる食材を見て、何か思わないかい?」
「何か…………?」
「じゃがいもと玉ねぎは芽が出てて、りんごも新鮮じゃない。それに…………カレー屋で食パンなんてあまり出ないからね。レストランとかで新鮮じゃない食材は使わない筈だよ」
「「あっ…………!」」
「そういえば、そうかも…………」
「そんな…………⁉︎」
あんなとみくるが首を傾げる中、麦翔はそう指摘する。
実際、玉ねぎとじゃがいもは芽が出ており、りんごも艶が無く、新鮮ではなかった。
実際、じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンと呼ばれる天然の毒素が含まれているのだ。
その為、仮に芽が出たじゃがいもを使う場合は、目を取り除かなければならないのだ。
あんなが納得する中、みくるはそう言う。
その頃、ゴウエモンはというと。
「うーん、どこだどこだ~?原稿の入ったバッグはどこだ~?」
ゴウエモンはそんな風に言いながら、純一のバッグを捜索していた。
……………ビルの屋上から。
ゴウエモンが探す中、るるかは猫の様な形のアイスキャンディーを食べていた。
すると。
「キュアアルカナ・シャドウ!探せよ!」
何もしていない様に見えるるるかに対して、痺れを切らしたのか、ゴウエモンはそう叫ぶ。
それに対して、るるかは。
「必要ない」
「そうよ!この子はもうどこにあるのかわかってるの。ね!」
「うん」
「な……な、なんだと⁉︎」
るるかはそう言う。
すると、マシュタンはそんな風に言う。
その姿は、まるで自分の娘を自慢する母親の様だった。
それを聞いて、ゴウエモンは驚いていた。
るるかは、純一のバッグがある場所に見当が付いていたのだ。
そんな中、るるかは。
『あの2人がいるって事は、デカレンジャーもいずれ現れる筈…………』
るるかはそんな風に考えていた。
デカレンジャーの動向を考えていたのだ。
その頃、麦翔達は駅の方へと戻っていた。
「行き詰まったら始めから考える。これ、探偵の鉄則」
「うん。純一さんはここでぶつかってバッグを落とした」
「だとすると…………ここで汚れた筈だけど…………少し違うかも」
「「ん?」」
みくるがそう言う中、あんなと麦翔はそんな風に言う。
麦翔の言葉に2人が首を傾げる中、あんなはある事に気づいた。
「……ん?落として汚れたのかと思ったけど、アスファルトだよ?」
「本当だ!」
「だとすると、その汚れはここでついた物じゃない可能性があるね」
あんなはそう言う。
周りはアスファルトで、泥も水たまりもなく、ここ最近は雨も降っていない。
そんな中、ポチタンはベンチに近づいて、ベンチを触った。
すると。
「ポチいぃぃぃ………!」
「あ、ポチタン!ペンキ塗り立てだって!」
「大丈夫かい?」
ポチタンはそう騒ぐ。
実際、そこは作業員がペンキを塗る作業をしていたベンチであり、近くには『ペンキ塗りたて!』と書かれた紙がついたカラーコーンが置かれていた。
「ポチ!ポチぃぃ……」
「ポチタン!」
「もう……ちゃんと落ちるかな……」
ポチタンが泣きそうな声を出す中、あんなはポケットからハンカチを出そうとする。
すると、ポケットから紙が落ちる。
「あんなちゃん、何か落ちたよ」
「あ…………」
ポケットから紙が落ちて、麦翔が紙を広げて、みくるが覗き込む。
麦翔が拾ったのは、先ほどの絵画教室のチラシだった。
それを見て、点と点が繋がった。
「「見えた!これが、答えだ!」」
「バッグはきっと……」
「あそこだ!」
「急ごう。ファントムよりも先に」
あんなとみくるはそんな風に言う。
それに対して、麦翔はそう言う。
果たして、純一の原稿が入ったバッグの所在はどこにあるのか。
今回はここまでです。
今回は、たんプリの第4話に相当する話の前半部分です。
今回の麦翔は、キュアット探偵事務所の一員として動きました。
一方、デカレンジャーの方では、ブレトガの取り調べが行われていたが、情報は得られず。
デカレンジャーは、たんプリの事は庇護対象と考えていた。
それがどんな風に影響するのか。
次回は解決編です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
次回はまさかの、名探偵コナンとコラボするとは。
しかも、名探偵コナンの方にもあんなが登場する様で。
あんなが麻酔銃の餌食になりそうですね。
この小説ではどうするのかは、考えます。
デカレンジャーが居るので、麻酔銃を使っているところを見られたら終わりですし。
あと、以前に迷宮の十字路と100万ドルの五稜星に相当する話をやると言いましたが、それはたんプリの開始前の時系列…………るるかがまことみらい市のキュアット探偵事務所に来てから、何者かが巨大なマコトジュエルを破壊するまでのどこかのタイミングでやる予定です。
あとは、本家たんプリの展開次第ですが、るるかとエクレールが仲間になった際に、紺碧の棺に相当する話をやろうかなと考えています。
蘭と園子の動向に関しては、あんなとみくるが担当する予定です。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告から承っております。