名探偵プリキュア!with特捜戦隊デカレンジャー   作:仮面大佐

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第12話 奇跡のプリキットミラールーペと決意のディーバズーカ!(前編)

 ニジーとクリソベリルに敗北した名探偵プリキュアとデカレンジャー。

 麦翔が玄李に怒られている中、あんな達はというと。

 

「…………うわっ⁉︎」

「ジェット先輩!」

「ポチタンが…………!」

 

 あんな達はキュアット探偵事務所へと戻っていた。

 ジェット先輩が驚く中、あんなとみくるはそんな風に言う。

 ジェット先輩は何とか二人を落ち着かせて、あんな達を着替えさせる。

 あんな達は着替えて、ポチタンにミルクをあげていた。

 

「ごくっ………ごくっ………」

「ミルクも飲んでるし、大丈夫だ」

「あっ………」

「ホッ………」

「ほら、お前達も飲みな」

 

 ポチタンがミルクを飲む中、ジェット先輩はコップを二つ持ってきていた。

 あんな達がほっとする中、ジェット先輩はコップを二つ置く。

 すると、テーブルに置かれていたプリキットを手に取る。

 

「ポチタンが光を出した時に、これも光った………か。調べる必要がありそうだな」

 

 ジェット先輩は、あんな達から話を聞いて、そのプリキットを調べる事にした。

 すると。

 

「…………ごめん」

「え?」

「みくるに渡そうとしたけど…………渡せなかったの」

「……………」

 

 あんなはそんな風に謝罪した。

 そのプリキットは、ジェット先輩からみくるにも渡して欲しいと言われていたのだが、渡せなかったのだと。

 それを聞いて、みくるは視線を逸らす。

 事務所には、重い雰囲気が立ち込めていた。

 


 

 一方、怪盗団ファントムのアジトでは。

 

「…………ニジーは、なぜ戻らない?」

「マコトジュエルを二つも手に入れたのに………」

「超あり得ないんだけど!」

「……………」

 

 ウソノワールは苛立った様にそう言う。

 ニジーはマコトジュエルを二つも手に入れたのにも関わらず、戻ってこなかったのだ。

 ゴウエモンとアゲセーヌの二人もそう言い、るるかが黙っていると。

 

「キュアアルカナ・シャドウ!ニジーを連れ戻せ!」

「……………」

「…………ライライサー!」

 

 ウソノワールは、るるかにニジーを連れ戻す様に命じる。

 それに対して、マシュタンが代わりにそう答える。

 るるかとマシュタンは、ニジーの元に向かっていった。

 


 

 一方その頃、当のニジーはというと。

 

「おい………!ギャバンまで現れるなんて、聞いてないぞ!」

「僕に言われても…………!そもそも、ギャバンとは何者だ⁉︎」

 

 ニジーはクリソベリルに詰め寄られていた。

 クリソベリルからしたら、相手はデカレンジャーだけであって、ギャバンまで現れたことは想定外だったのだ。

 それに対して、ニジーはそう言うと。

 

「知らないのか?宇宙刑事ギャバン。奴は犯罪組織マクーを壊滅に追い込んだ宇宙刑事だ!」

「何…………⁉︎」

 

 クリソベリルはニジーがギャバンの事を知らないと気づいたのか、そう説明する。

 宇宙刑事ギャバン。

 宇宙犯罪組織マクーから地球を守るために、宇宙警察から派遣された宇宙刑事だ。

 宇宙犯罪組織マクーを壊滅させた事は宇宙中に轟いており、クリソベリルもまた、ギャバンの事は知っていたのだ。

 ニジーが驚いていると。

 

『…………ギャバンか。忌々しい名だ』

「「っ⁉︎」」

 

 そんな声が聞こえてきて、ニジーとクリソベリルは声のした方を向く。

 そこには、ドローンがあり、そのドローンから立体映像が投射される。

 その立体映像は、一人の男の姿をしていた。

 

「何者だ?ベイビー」

『私の名はブライトン。君たちの味方さ』

「ブライトン様⁉︎申し訳ありません!必ず、ギャバンやデカレンジャーを倒して見せます!」

『ほう。君はデカレンジャーはともかく、ギャバンを倒せるというのかい?』

「っ⁉︎それは…………」

 

 ニジーがそう聞くと、立体映像の男は、ブライトンと名乗る。

 それを聞いて、クリソベリルが平謝りしながらそう言うと、ギャバンを倒せるのかと聞いて、クリソベリルは言葉に詰まる。

 

『だからこそ、君たちを助けようとしているのだ』

「…………それで?どう助けると言うんだい?」

『君たちにはこれを送ろう』

 

 ブライトンはそんな風に答える。

 ニジーの問いにブライトンはそう言うと、ドローンから別の光が現れる。

 その光はニジー達のそばに照射されると、そこから怪人が現れる。

 

「こいつは………⁉︎」

「こいつは、ダブルモンスターですよね⁉︎」

『その通り。私が生み出したダブルモンスター…………カマダブラーさ。こいつを使いたまえ』

「へっ!これは悪くねぇ!使わせてもらうぜ!」

「…………なら、僕も作戦を再び練るとしよう」

 

 その怪人を見たニジーとクリソベリルがそう言うと、ブライトンはそんな風に言う。

 現れたのは、宇宙犯罪組織マクーが香月博士に作らせた生体合体装置で、ベム怪獣と獣星人ダブルマンを合成させて生み出した怪物であるダブルモンスターだ。

 カマキリがモチーフとなったカマダブラーを見て、クリソベリルとニジーはそんな風に言う。

 ニジー達も動き出そうとしていた。

 


 

 一方、キュアット探偵事務所の方では、雨が止んでいた。

 

「ポチ…………」

 

 ポチタンがそんな声を出す中、あんなが心配そうに見つめていると、いつの間にか私服に着替えたみくるが口を開く。

 

「あっ………みくる………?」

「…………マコトジュエルを取り返してくる」

「っ⁉︎私も…………⁉︎」

「ポチタンに付いていてあげて!」

 

 あんながそんな風に話しかけると、みくるはそう答える。

 あんなも同行しようとしたが、みくるはそう返して、キュアット探偵事務所から出ていく。

 みくるが建物から出ようとした際、ちょうどマシンドーベルマンがやってきて、麦翔が降りてくる。

 

「うわっ⁉︎みくるちゃん、どうしたの?」

「麦翔さん………私、マコトジュエルを取り返して来ます!」

「ちょっと…………あんなちゃんは⁉︎」

「一人で大丈夫なのか⁉︎」

「あんなの事、よろしくお願いします!」

 

 みくると麦翔はぶつかりそうになり、麦翔がそう聞くと、みくるはそう答える。

 麦翔と紅矢がそう話しかける中、みくるはそう言って、駆け出していく。

 その心境は…………。

 

『さっきの君の言ってたことのおかげでどう運べば良いのか良い考えを思いついたよ』

『ツバメのように飛んでいけば簡単に運ぶことができる!』

 

 それは、ニジーの発言だった。

 実は、学校にある燕の像がハンニンダーにされたのだが、その誕生の経緯にみくるの発言が絡んでいたのだ。

 その為、みくるはニジーにマコトジュエルを運ばせるヒントを与えてしまった事を悔やみ、単独行動していた。

 行き先は、まことみらい学園だった。

 それを見ていた紅矢は。

 

「俺はみくるの方に向かう!お前はあんなの方を頼む!」

「ああ!」

 

 紅矢はそう言うと、マシンドーベルマンに乗って、みくるの後を追う。

 麦翔は意を決して、キュアット探偵事務所の中に入る。

 


 

 一方、ニジーはというと、林の中に潜伏していた。

 クリソベリルは別の場所に移動していたのか、姿がなかった。

 すると。

 

「あたしの占いに出ていた通り♪」

「ん?」

「ここに居たわね」

 

 マシュタンの声がして、ニジーは背後を振り返る。

 そこには、話しかけたマシュタンと木の上に登って5個重ねのアイスを食べているるるかの姿があった。

 

「どうして戻ってこないわけ?」

「…………」

 

 マシュタンがそう尋ねると、ニジーは無言を貫いていた。

 すると。

 

「迷子になった?」

「んなわけないだろ!」

 

 るるかはニジーに迷子になったから帰れないのかを問う。

 ニジーはそんな事を言う彼女に対して、怒りながらそう突っ込む。 

 

「じゃあ、どうして?」

「うっ………」

 

 代わってマシュタンが理由を問うと、ニジーは言葉を詰まらせて答えるのを躊躇してしまう。

 自分が何をやろうとしているのかを自覚しているのか。

 

「ふっ………より美しい結末を求める自分がいるのさ。本当に僕は欲深い怪盗だよ」

「何する気?」

「…………プリキュアとデカレンジャーを倒す!」

 

 ニジーはそんな風に自分に酔っているかの様に発言する。

 それを聞いて、るるかが何をするのかを訊ねると、ニジーは静かにプリキュアとデカレンジャーを倒すと宣言する。

 彼はふざけられる立場ではないと分かっているのか、表情からは余裕も笑顔も消えていた。

 ツバメのハンニンダー、クリソベリル、カマダブラーが現れる中、ニジーは口を開く。

 

「ウソノワール様にそう言った手前でね。僕には後がない。華麗に決めてみせる!」

 

 ニジーはそんな風に宣言する。

 背水の陣に追い込まれていたのもあってか。

 


 

 一方その頃、麦翔はキュアット探偵事務所の中に入る。

 

「あんなちゃん…………」

「麦翔君…………その頬、どうしたの?」

「えっ?いや………なんでも無い。戦闘の時の傷に貼ってるだけさ」

「そう………なんだ」

 

 あんながみくるのコップを見つめている中、麦翔はそう話しかける。

 すると、あんなは麦翔の頬に大きめの絆創膏が貼られている事に気付いた。

 その傷に関しては、玄李に殴られた時の傷だったが、戦いの時に負った物だと誤魔化した。

 すると。

 

「…………それで、教えて欲しい。一体、みくるちゃんと何があったんだ?」

「…………それは…………うん。話すよ」

 

 麦翔はあんなにそう話しかける。

 みくるとの連携が乱れている事に気付いていたからか。

 あんなは一瞬躊躇うが、すぐに話す事にした。

 果たして、あんなとみくるの間に何があったのか。

 


 

 その頃、みくるはまことみらい学園へと赴いていた。

 証拠が残っていないのかを探す為に。

 すると。

 

「ふふふ…………!」

「っ⁉︎」

「証拠を探しに戻ってくる…………思っていた通り。待ってたよ。探偵さん?」

「ニジー…………!」

 

 そんな風な笑い声が聞こえてきて、みくるは身構える。

 すると、ニジーが木陰から現れる。

 それを見て、ジュエルキュアウォッチを握りしめると。

 

「やっぱり、現れると思ったぜ」

「「っ⁉︎」」

「お前の言動から、名探偵プリキュアと俺たちデカレンジャーを倒したいって執念を感じたからな」

「やはり、君も現れるか。デカレッド」

 

 そんな風な声が聞こえてきて、みくるとニジーは声のした方を向く。

 そこには、SPシューターを構えた紅矢の姿があった。

 紅矢がみくるのそばに近寄ると。

 

「おっと!落ち着いてよ。ベイビー達。僕はただ…………とびきり素敵なショーへ招待しに来ただけさ!」

「ショーだと…………⁉︎」

「マコトジュエル………つまりは二羽の燕をご覧に入れるよ」

「えっ………⁉︎」

「会場は…………この街が誇る美しい浜辺、虹ヶ浜!ロマンティックだろう?」

「くっ…………!」

 

 ニジーはそんな風に言う。

 ニジーの言葉に紅矢が困惑する中、ニジーはそんな果たし状を二人に言う。

 みくるが歯軋りする中。

 

「へぇ〜…………じゃあ、俺たちもそこに行けばいいんだな?」

「おっと!そのショーに招待するのは、名探偵プリキュアだけさ!君たちの相手は…………アンリ星人クリソベリルとカマダブラーが相手をするよ!放っておくと、人々に危害を加えるかもね?」

「カマダブラー…………⁉︎」

 

 紅矢がそう言うと、ニジーはそう付け足す。

 デカレンジャーの相手は、クリソベリルとカマダブラーが務めるのだと。

 カマダブラーの名を聞いて、紅矢が困惑すると。

 

「あっ⁉︎待ちなさい!」

「お待ちしているよ!ベイビー!」

「…………そこで決着を付けるってか。上等だ。これ以上、舐められてたまるか…………!」

 

 ニジーは大きくジャンプして、みくるはそれを見送った。

 紅矢はそんな風に言葉に怒気を滲ませると、SPライセンスを取り出す。

 

「ボス!ニジー、クリソベリルは虹ヶ浜で待っているみたいだ!」

『何⁉︎ニジーとやらが現れたのか⁉︎』

「ああ!あと、カマダブラーって奴が居るみたいだが…………!」

『カマダブラーだと⁉︎』

 

 紅矢はギョクに、ニジーの伝言を伝える。

 ギョクがそう反応する中、紅矢がカマダブラーの名前を出すと、號は反応する。

 

「カマダブラーだと?」

「號さんは知ってるんですか?」

「…………ああ。かつて、親父が戦ったダブルモンスターの内の一体だ…………!」

「ダブルモンスターって…………⁉︎」

「確か………犯罪組織マクーが生み出してた怪物だよね⁉︎」

 

 玄李と緑希の二人がそう聞くと、號はそう答える。

 デカレンジャー達も、ダブルモンスターの事は噂で聞いており、紅葉と梅衣の二人がそう言うと。

 

「ギョクさん!カマダブラーに関しては、俺がどうにかする!恐らく、あの組織が絡んでいる可能性が高い…………!」

「…………分かった。これより、デカレンジャー達はクリソベリル、ギャバンはカマダブラー討伐に向かえ!」

『ロジャー!』

 

 カマダブラーの存在を聞いて、ある存在が絡んでいる事を察した號は、ギョクにそう進言する。

 それを聞いたギョクはそんな風に叫ぶと、デカレンジャーはそう答えて、號と共に動き出していく。

 


 

 その頃、キュアット探偵事務所では、ジェット先輩が虫眼鏡型のプリキットを調べていた。

 

「う〜ん…………ダメだ…………」

 

 だが、ジェット先輩でも虫眼鏡型のプリキットを調べても何も分からなかった様だ。

 ジェット先輩が事務所の方に向かう中、麦翔はあんな達に何があったのかを聞いていた。

 

「…………僕がパトロールに向かった後に、そんな事が…………⁉︎」

「…………うん」

 

 麦翔がそう呟く中、あんなはそう答える。

 麦翔がパトロールに向かった後、あんなは曇ってきたのを見て、みくるに傘を届けようとした。

 その際、ジェット先輩から虫眼鏡型のプリキットを受け取って、一緒に渡そうとした。

 だが、みくるが友達と仲良く話しているのを見て、あんなは話しかける事が出来なかった。

 その後、依頼人が来て、その依頼を引き受けたが、みくるには内緒で単独で行おうとした。

 その結果、みくるから怒られ、喧嘩となってしまった。

 そして、コンビネーションを発揮出来ずに、劣勢に追い込まれてしまったのだと。

 それを聞いた麦翔は。

 

『…………あんなちゃん…………そうだよね。お母さんと離れ離れになって、寂しいと思うのは無理もない…………そんな事に気付かなかったなんて…………!』

 

 麦翔はそんな風に思っていた。

 あんなの寂しさを理解していながらも、寄り添う事が出来なかった自分に恥じたのか。

 麦翔が拳を握りしめる中。

 

「いくら調べても、何も分からない…………ん?麦翔、来てたのか。みくるは?」

「みくるちゃんなら、マコトジュエルを取り返すって言って、飛び出して行ったよ」

「ったく…………あんなとポチタンを残して………」

「…………私が………私が悪いの。みくるに声をかけられなかったから…………」

「あんなちゃん…………」

「あんな?」

 

 そこに、ジェット先輩が入ってくる。

 ジェット先輩の問いに麦翔がそう答えると、ジェット先輩は呆れた様にそう言う。

 すると、あんなはそう呟いた。

 二人がそう反応すると。

 

「…………っ!笑ってたんだ。友達と………見たことない、知らないみくるで………。だから、私の知らないみくるの世界があるんだって………。出会ったばかりだから知らなくて当然だよね?邪魔しちゃいけないって思って…………一人で時間を調査したら、言い合いになって………」

「……………」

 

 あんなはそんな風に涙を溢しながら本心を語る。

 麦翔は、あんなのその苦しみを感じていた。

 麦翔がいるとはいえ、他に知り合いがいない1999年に飛ばされ、孤独になったあんな。

 そんなあんなにとって、みくると麦翔の存在は大きかった。

 だが、みくるは学校に、麦翔はデカレンジャーの仕事に向かってしまい、自分が孤独であると認識してしまった。

 その結果、邪魔してはいけないと思い、結果、みくると言い合いになってしまったのだと。

 そして、ポチタンを傷つけてしまったのだと。

 あんなは自分を責めており、麦翔はあんなを心配そうに見つめていた。

 すると、ジェット先輩は頭を掻きむしりながら口を開く。

 

「………っ!あべこべだなぁ………」

「えっ?」

「あべこべ?」

「あんなとみくるがだよ。まるで逆になったみたいだ………。みくるのこと、色々考えたから動けなくなったんだろ?みくるみたいじゃないか」

「あっ…………」

 

 ジェット先輩がそう呟くと、あんなと麦翔はジェット先輩を見つめる。

 ジェット先輩がそう言うと、あんなはハッとする。

 色々考えすぎて動けなくなっているというのは、みくると同じだったのだ。

 

「みくるは1人で飛び出して行っちゃうし………。それじゃあまるであんなだ!」

「2人はそれぞれ影響してるって言いたいのかい?」

「まあな。出会ったばかりなのにも関わらず………本当、びっくりするぐらい影響されてるよ………。僕は見たものしか信じないって言っただろ?短い間だけど………お前達を見てきた僕には分かる。お前達は運命の………いや奇跡の2人だ」

「ジェット先輩…………」

 

 ジェット先輩は今のみくるをそう評価する。

 それを聞いて、麦翔がそう聞くと、ジェット先輩はそう答える。

 あんながそう言う中、ジェット先輩は照れ隠しなのか、キャンディを食べる。

 すると。

 

「…………あんなちゃん、ごめん」

「えっ?」

「君の孤独を分かっていたつもりだった。みくるちゃんも居るから大丈夫だろうって、心のどこかで思ってたんだ。でも…………本当は辛いよね。この時代に来て、家族や友人が誰も居なくて………」

「麦翔君…………」

 

 麦翔はそう謝る。

 あんなの孤独を理解していながらも、何もしなかった自分を責めたのか。

 あんなが呆気に取られると。

 

「僕も一緒にいる。それに、僕だけじゃなくて、みくるちゃんもいる。だから………君は一人じゃないから」

「麦翔君…………」

「ポチ…………」

「ポチタン…………」

 

 麦翔はそんな風に言う。

 一緒に居るのだと。

 あんながそう呟く中、ポチタンもあんなにそう話しかける。

 まるで、『元気を出して』と言う様に。

 すると、麦翔のSPライセンスに通信が入る。

 

「紅矢?」

『麦翔か?虹ヶ浜にニジー、クリソベリルが現れる!あんなを連れてすぐに来てくれ!』

「ロジャー」

 

 麦翔が応答すると、紅矢からそんな通信が入る。

 麦翔がそう答えると。

 

「ポチタンは任せろ。行けよ。みくるのところに。お前達は二人で名探偵プリキュア………だろ?それに、頼んだぞ、デカレンジャー」

「ジェット先輩…………」

「ポチ………」

「行こう。あんなちゃん」

「うん…………!行ってくる!」

 

 ジェット先輩がそう言うと、ポチタンもそう言う。

 麦翔がそう言うと、あんなはそう答える。

 今のあんなの表情に迷いはなかった。

 その後、あんなは私服に着替えると。

 

「オープン!プリキットボイスメモ!」

 

 あんなはプリキットボイスメモを取り出す。

 少し躊躇っていると。

 

「大丈夫だよ」

「…………うん!」

 

 麦翔は優しく肩に手を乗せて、背中を押した。

 あんなは意を決して、みくるに連絡を入れる。

 すると。

 

『あんな⁉︎』

「みくる、どこにいるの?」

『浜辺に向かってる!ニジーが来いって!紅矢さんも一緒!』

『麦翔か⁉︎すぐに虹ヶ浜に来てくれ!クリソベリルを止めるぞ!』

「ああ!あんなちゃんも一緒に連れてくる!」

 

 みくるはすぐに応答する。

 みくるのそばにいた紅矢がそう言う中、麦翔はそう言う。

 現在、みくるは紅矢の運転するマシンドーベルマンに乗っていた。

 それを聞いたみくるは。

 

『ポチタンは⁉︎』

「ジェット先輩が見てるから大丈夫!」

「すぐに向かう!」

 

 みくるがそう聞くと、あんなと麦翔はそう答えながら、虹ヶ浜に向かって行った。

 


 

 一方その頃、虹ヶ浜にはニジーの姿があった。

 まるで、覚悟を決めたかのように無言で座り込んでいた。

 ニジーが砂浜に座りながら、薔薇の香りを嗅いでいると。

 

「どうしてここに呼び出したの?」

「海か…………なるほど」

『僕の策に気づいたと言うのか?』

「どういう事?」

「…………」

 

 ニジーの背後に、るるかとマシュタンの姿があった。

 マシュタンがそう聞く中、るるかはニジーの思惑を見抜いたのか、そんな風に言う。

 それを聞いて、ニジーがそう思う中、マシュタンはそう聞くが、るるかは無言を貫いていた。

 すると。

 

「…………ふっ。ちなみに今回はウソノワール様にはご覧頂かない。シークレットライブとする」

「……………」

「プリキュアとデカレンジャーを倒し、マコトジュエルを2つ持ち帰って…………サプラーイズ!」

 

 ニジーはそんな風に言う。

 ウソノワールには観戦させずに、プリキュアとデカレンジャーを倒し、マコトジュエルを二つ持ち帰るのだと。

 それを聞いたるるかは。

 

「『…………ニジーやアンリ星人に負ける様な人じゃないとは思うけど、気をつけて』…………好きにして。さっさと終わらせて」

 

 るるかはそんな風に思うと、そう言って姿を消す。

 それに対して、ニジーは。

 

「…………言われなくても、そのつもりさ」

 

 ニジーはそんな風に呟いた。

 すると。

 

「…………ふっ。待っていたよ。プリキュアにデカレンジャー」

「ニジー…………!」

 

 ニジーは足音に気づいて、立ち上がる。

 視線の先には、みくると紅矢の姿があった。

 すると。

 

「みくる!紅矢さん!」

「あんな⁉︎麦翔さん⁉︎」

「来たか。…………どうやら、大丈夫そうだな」

「ああ!」

 

 そこに、あんなと麦翔の二人も到着する。

 みくると紅矢がそう言う中。

 

「…………おや?ベイビー妖精に他のデカレンジャーがいない様だが?」

「誰が居ないって?」

「っ!」

 

 ニジーはポチタンが不在な事に気付いたのか、そんな風に言う。

 すると、そんな風に声が聞こえてくる。

 声のした方を向くと。

 

「現れたわね!ニジー!」

「今日こそ…………絶対捕まえるんだから!」

「大人しくしろ!」

「ほう…………残りのデカレンジャーにギャバンも来たか。まあいい。好都合という物!ハンニンダー!クリソベリルも出番だ!」

 

 そこには、玄李、緑希、梅衣、紅葉の姿があり、紅矢達の元に向かう。

 それを見たニジーはそう言いながら薔薇を放り投げる。

 すると、ツバメのハンニンダー、クリソベリルが現れる。

 

「「ハンニンダー!」」

「デカレンジャーに………!お前らを倒して、あのお方に褒めていただく!」

 

 ハンニンダーにクリソベリルはそんな風に言う。

 それに対して、麦翔達は。

 

「どうやら、大丈夫そうだね」

「良かった…………!」

「玄さんも、これなら大丈夫でしょ?」

「そんな呼び方するな。…………精々足を引っ張るなよ?」

「ええ。もう大丈夫です!」

「よし、行くぞ!」

「うん!」

「はい!」

 

 麦翔とあんなの様子を見た緑希達がそう言う中、玄李はまだ素直になれないのか、そんな風に素っ気なく言う。

 麦翔がそう答える中、紅矢の呼びかけに、あんな、みくるも答える。

 そして、それぞれの変身を開始する。

 

 髪を下ろしたあんなとみくるは光のドレス姿になると。

 

「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!」」

 

 2人がそう叫んで、懐中時計を投げると、懐中時計はペンダントのサイズから大きくなり、ジュエルキュアウォッチに変化する。

 2人は、マコトジュエルをジュエルキュアウォッチに装填する。

 

「「プリキュア、ウェイクアップタイム!3!」」

「見つける!」

 

 2人はそう叫ぶと、ジュエルキュアウォッチの長針を3の部分に持っていく。

 すると、あんなの髪はオレンジ寄りの明るい茶髪がお団子型になりつつ、色がピンクのグラデーションがかかった紫色に変化する。

 みくるの髪も、小豆色のロングヘアーから紫のグラデーションが入ったピンク色に変化して、三つ編みとなった。

 目の色も、あんなは澄んだ青緑、みくるは神秘的な紫へと変化した。

 

「「6!」」

「向き合う!」

 

 2人がそう言って、ジュエルキュアウォッチの長針を6の部分に持っていく。

 長針が頂点に戻ると、2人の服装が変わっていく。

 みくるはノースリーブワンピースが包み、スカートが生成され、腰の部分に水色のリボンが付く。

 あんなは、チューブトップタイプのワンピースに身を包むと、みくると同様に、スカートが生成され、腰に黄色のリボンが付く。

 

「「9!奇跡の2人!」」

 

 2人はそう言うと、ジュエルキュアウォッチの長針を9の部分に持っていく。

 長針が頂点に戻ると、ブーツとニーハイソックスが生成され、オープンフィンガーグローブがつき、あんなは紫の、みくるはピンクのネイルが入った。

 

「くるっと回して………!」

「キュートに決めるよ!」

 

 2人はそう言うと、ジュエルキュアウォッチの長針を11の部分に持っていく。

 長針が頂点に戻ると、髪飾りとピアスが生成され、胸元に蝶ネクタイとネクタイが合わさった様な装飾が生成されると、ケープも生成される。

 ジュエルキュアウォッチが腰のキャリーに収まると。

 

「どんな謎でもはなまる解決!名探偵、キュアアンサー!」

「重ねた推理で笑顔でジャンプ!名探偵、キュアミスティック!」

「「名探偵プリキュア!」」

「私の答え、見せてあげる!」

 

 2人はそう名乗り、あんなはそう叫んだ。

 

「チェンジスタンバイ!」

『ロジャー!』

 

 紅矢がSPライセンスを取り出しながらそう言うと、他のメンツもそう答えて、SPライセンスを取り出す。

 

『エマージェンシー!デカレンジャー!』

 

 麦翔達はそう叫ぶと、SPライセンスの左横のスライドを一番上に持っていき、上のボタンを押すと、カバーが展開する。

 コールを受けたデカベースから、形状記憶宇宙金属であるデカメタルが粒子状に分解・転送され、持ち主の身体の表面で定着し、デカスーツとなるのだ。

 

『フェイスオン!』

 

 紅矢達がそう叫ぶと、ヘルメットが形成され装着する。

 変身を完了すると。

 

「一つ!非道な悪事を憎み!」

「二つ!不思議な事件を追って!」

「三つ!未来の科学で捜査!」

「四つ!良からぬ宇宙の悪を!」

「五つ!一気にスピード退治!」

『S.P.D!』

 

 紅矢達はそんな風に叫び声を上げる。

 五人でそう叫ぶと。

 

「デカレッド!」

「デカブルー!」

「デカグリーン!」

「デカイエロー!」

「デカピンク!」

特捜戦隊!デカレンジャー!

 

 五人はそんな風に名乗りを上げながら、ポーズを取る。

 そして、そんな風に五人で叫びなら、SPライセンスを突き出すと、背後で爆発が起こる。

 一方、麦翔は。

 

「悪を憎み、正義を愛する!デカバイオレット!」

 

 麦翔もまた、単独でそんな風に名乗りをあげる。

 これが、麦翔の本当の意味での名乗りだった。

 名探偵プリキュアとデカレンジャーは、ニジーとクリソベリルと対峙する。

 一方、號はというと。

 

「……来たな。ギャバン」

「こんな所に呼び出すとはな……戦力の分断か?行くぜ!」

 

 號だけは別の場所へと向かっていた。

 理由は、カマダブラーが別の場所で現れたからだ。

 そして。

 

「蒸着!はっ!はぁぁぁ!はっ!」

 

 號がそう叫ぶと、光の粒子が號に集まり、コンバットスーツとなる。

 宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、わずか0.05秒に過ぎない。

 では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!

 

「蒸着!はっ!はぁぁぁ!はっ!」

 

 號がそう叫んで、右手を天に突き上げる。

 すると。

 

『了解。コンバットスーツを転送します』

 

 號の蒸着コマンドを受けて、號の母艦である超次元高速機ギランからコンバットスーツが転送される。

 そして、號の体につく事で、蒸着を完了する!

 

「宇宙刑事…………!ギャバン!」

 

 號はそう名乗りを上げる。

 それぞれが戦う相手と対峙し、戦いの幕が開けようとしていた。




今回はここまでです。
今回は、たんプリの第6話の前半部分です。
ニジーとクリソベリルのもとに、ブライトンと呼ばれる存在が接触する。
ダブルモンスターを与えて、ニジー達は名探偵プリキュアとデカレンジャーとギャバンを倒す作戦に出る。
そんな中、麦翔はあんなの孤独を理解する。
そして、名探偵プリキュア、デカレンジャー、ギャバン。
三つのヒーローが集結する。
果たして、それぞれの相手を倒すことができるのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
エクレールの変身者が、帆羽くれあだと判明しましたね。
果たして、くれあはどの様に活躍するのか。
たんプリも映画が楽しみですね。
あと、11月にデカレンジャーの小説である『フルブラスト・ラビリンス』が発売される様で。
楽しみです。
新たなデカマシンも登場するみたいですので。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告から承っております。
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総合評価:476/評価:8.06/連載:27話/更新日時:2026年06月16日(火) 20:00 小説情報

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総合評価:351/評価:8.9/連載:40話/更新日時:2026年07月30日(木) 08:08 小説情報

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