名探偵プリキュア!with特捜戦隊デカレンジャー 作:仮面大佐
2027年1月24日。
マコトミライタウンのとある道。
「私、持つ!」
「えっ?」
「誕生日パーティー、間に合わないよ!」
「そんなに急ぐと、崩れるって!あんな!」
「分かってるって!麦翔君も早く!」
「ああ」
あんなはお母さんから箱を取ると、駆け出そうとする。
あんなのお母さんは、そんな風に話しかけると、あんなはそう答えて、麦翔にも話しかける。
麦翔がそう答える中。
「うっうっ………うぇーん…………!」
「「っ!」」
そんな泣き声が聞こえてくると、あんなと麦翔はお互いに頷き、その声がする方へと向かう。
そこには、1人の女の子が泣いていた。
「ねぇ、どうしたの?」
「ウッ、ウッ…………!」
「迷子かな…………」
あんながそう話しかけるが、その女の子は泣いているだけだった。
あんなのお母さんが困惑しながらそう言う中、麦翔とあんなは。
「…………もしかしたら。あんなちゃん、この子の事は僕に任せて」
「うん!すぐに見つけてあげる!」
「…………えっ?」
「私、嘘つかないから!それ、お願い!」
麦翔とあんなは、お互いに何かに気づいたのか、麦翔はそう言う。
あんなの言葉を聞いて、女の子が振り返ると、あんなはサムズアップしながらそう言う。
あんなは箱をお母さんに渡し、茂みの中を探す。
すると。
「あったよー!」
「わぁ…………!」
茂みから出てきたあんなは、リボンを片手に持っていた。
リボンを女の子に渡したあんなは、自宅へと戻る。
その際、麦翔も同行していた。
「あの子のリボンが風で飛ばされたってよく分かったね」
「リボンが片方だけだったから、ピンときたんだ!」
「あの髪型で、片方しかリボンをつけていないのには、違和感を感じたので」
あんなのお母さんがそう聞くと、あんなと麦翔はそう答える。
リボンを片方しか付けていないのを見て、リボンが飛ばされてしまったのだと察したのだ。
すると、あんなは箱を開ける。
箱の中身は、誕生日のお祝いのホールケーキだった。
「わぁ~………!はなまる美味しそう〜………!さぁ、わたしも準備するぞ!」
「はりきってるね」
「確かにね」
「当たり前でしょ。今日は特別な日にするんだから!コートおいてくる!」
あんなは、ケーキを見てそんな風に言う。
それを見ていたあんなのお母さんと麦翔がそう言うと、あんなはそう言って、自室に向かう。
ちなみに、パーティーは1時から行う予定だ。
すると、インターホンが鳴る。
「ごめん下さ〜い!」
「あら、料理が来たみたいね。麦翔君、悪いんだけど、対応してくれない?」
「分かりました」
そんな声が聞こえてきて、あんなのお母さんは麦翔に対応するように頼み込む。
麦翔がそう言って、ドアを開けると。
「は〜い……………って⁉︎」
「こんな所に居たのね。麦翔」
「か…………母さん⁉︎なんで…………⁉︎」
麦翔がドアを開けると、そこには1人の女性がいた。
その女性を見て、麦翔は驚いた表情を浮かべる。
その女性は、麦翔の母親だったからだ。
「何でって…………忘れたの?あんなちゃんの誕生日の料理を、私が用意するって言ってたじゃない。…………さては、地球署のデカレンジャーの皆さんに挨拶に行く事だったり、あんなちゃんへの誕生日プレゼントを考えてて、忘れてたわね?」
「うっ⁉︎それに関してはごめん…………」
「まあいいわ。素直に謝れたんだから。………やっぱり、あの人に似てるわね」
「ん?」
麦翔の反応を見て、麦翔の母親は呆れ気味にそんな風に言う。
麦翔は、地球署のデカレンジャーへの挨拶とあんなへの誕生日プレゼントの事を考えていて、失念していたのだ。
麦翔がそう謝る中、麦翔の母親はそう言う。
麦翔の母親のどこか感慨深い発言に、麦翔が首を傾げる中。
「ありがとうね。料理はテーブルに置いておいてくれない?」
「ええ。失礼しま〜す」
あんなのお母さんがそう言うと、麦翔の母親は中に入り、テーブルに料理を置く。
そんな中、あんなはコートを脱いでいると、ある物が目に入る。
それは、懐中時計だった。
それを見たあんなは口を開いた。
「お母さん!ありがと~!」
「えっ?何が?」
「誕生日のプレゼントだよ!」
「何言ってんだか。プレゼントはスマホを買ってあげるって話でしょ」
「麦翔く〜ん!見て見て〜!」
「ああ、今行くよ」
あんなは、その懐中時計が誕生日プレゼントなのではと思い、あんなのお母さんに向かってそう叫ぶ。
それに対して、あんなのお母さんはそう呟く。
あんなが麦翔を呼ぶと、麦翔はあんなの自室へと向かう。
それを見ていた2人の母親は。
「あの2人、本当に仲良しね」
「ええ。麦翔がファイヤースクワッドにスカウトされて離れてからも、文通をしてたみたいだしね」
あんなのお母さんがそう言うと、麦翔の母親はそう呟く。
2人は離れ離れになったが、文通のやり取りをしていたのだ。
「どう?これ!」
「うん。似合ってるよ」
「ありがとう〜!さすが14歳!大人の雰囲気~!」
あんなが懐中時計を首から下げた姿を麦翔に見せると、麦翔はそう答える。
あんながご満悦の表情を浮かべていると。
「ポチ〜………」
「ん?麦翔君、何か言った?」
「いや、僕は何も…………」
そんな声が聞こえてきて、あんながそう聞くと、麦翔はそう答える。
すると、クローゼットが開くと。
「ポッチ~!」
クローゼットから何かが出てきて、あんなの胸へと飛びつく。
それに気づいたあんなは。
「あぐっ!え?えぇー⁉︎何?犬⁉︎ねこー⁉︎」
「ポチタンだポチ!」
「ポチタン…………?」
あんなは、その生き物を見て、そんな風に困惑していた。
すると、その生き物はポチタンと名乗った。
それを聞いて、麦翔がそう呟くと。
「し………しゃべ………⁉︎」
「静かにするポチ!」
「むぐぅ⁉︎」
あんなは、ポチタンが喋ったのを見て、そんな風に大声を出そうとすると、ポチタンはあんなの口へと張り付く。
あんなは、ポチタンを何とか引き剥がす。
「なっ…………⁉︎というより、麦翔君は何で驚いてないの⁉︎」
「まあ…………ファイヤースクワッドに入隊してから、色んな宇宙人を見てきたからかな………」
あんなは、ポチタンに困惑しつつも、驚いていない麦翔に対してそう言うと、麦翔は苦笑しながらそう呟く。
実際、ファイヤースクワッドに入隊してから、色々な宇宙人を見てきたのもあってか、ポチタンを見ても驚いていなかった。
すると。
「一緒に来てほしいポチ!このペンダントで!」
「うわっ⁉︎うわぁーっ⁉︎」
「あんなちゃん⁉︎」
ポチタンはそんな風に叫ぶと、あんなを押す。
ポチタンに押されたあんなは倒れかけて、麦翔はあんなを支えようとする。
すると、あんなが首から下げていた懐中時計のカバーが開くと、光が出てくる。
長針が12時の方向を指すと、長針と短針が回転していく。
まるで、時間を遡るかの様に。
「まだ説明が終わってないポチー!」
「一体何が…………⁉︎」
ポチタンがそう叫ぶ中、麦翔は困惑した様にそう呟くと、光が強くなっていき、あんなと麦翔とポチタンを包んでいく。
そんな中、廊下では。
「あんな~。何さわいで…………あれ?いない…………?」
「麦翔〜。何を騒いで…………え?居ない………?」
2人の母親があんなの自室に入ると、そこにあんなと麦翔の姿は無かった………。
そんな中、1999年のまことみらい市と呼ばれる街。
とある建物の前に、1人の少女がいた。
「キュアット探偵事務所…………!ついにこの日が来た!絶対、テストに受かる!」
その少女は探偵の様な服装をしており、そんな風に意気込んだ。
少女は、キュアット探偵事務所の扉をノックしようとする。
「すみませ…………!うぃー⁉︎」
少女がドアをノックしようとすると、空が光り、少女は光の方へと視線を向ける。
「うん…………?」
「「うわぁぁぁぁぁ⁉︎」」
「うえぇー⁉︎ああぁぁーー⁉︎」
その少女が目を細めながらその光を見ていると、光から麦翔とあんなの2人が現れる。
少女が慌てていると。
「ポ~チ!」
「うはー⁉︎うっ⁉︎」
ポチタンはそんな風に言うと、大きく膨らんで、クッションの様になった。
その際、下にいた少女を巻き込んでいた。
「…………っと、な………何なの…………?」
「どうして外に…………?」
「ポッチ〜!」
あんなと麦翔はそう呟くと、ポチタンから降りる。
その際、開いていた懐中時計のカバーは閉じていた。
ポチタンがそう言いながら、元の姿に戻ると。
「これのせい?もう何がどうなってんの?訳がわからないんだけど〜⁉︎」
「ちょっと…………落ち着いて…………」
あんなは、首にかけていた懐中時計を外すと、ポチタンを揺さぶる。
麦翔が落ち着かせようとしていると。
「ほえ〜…………。はっ!妖精だ!」
「ポチ?」
「え?」
目を回していた女の子が、ポチタンに気づいてそう叫ぶと、あんなと麦翔はその女の子を見る。
その女の子が2人に近寄ると。
「妖精と一緒ということはキュアット探偵事務所の名探偵ですね!」
「へ?」
「キュアット探偵事務所…………?」
その女の子がそう言うと、2人は困惑していた。
すると、その女の子は自己紹介を行う。
「わたし、
「みくるか…………。僕は
「あっ、わたし、
その少女は、小林みくると名乗った。
それを聞いた麦翔とあんなも名乗ると、あんなはそう叫ぶ。
「妖精って何⁉︎部屋にいたのに、どうしてここに⁉︎」
「落ち着いて……………」
「…………もしかして、探偵テストはもう始まってる?」
あんなは困惑した様にそう叫んだ。
麦翔があんなを落ち着かせようとする中、みくるはそう呟いていた。
すると。
「もう〜!」
「お答えしましょう!かの有名な探偵シャーロック・ホームズは、靴のよごれや傷を見て、どこから来たのか言い当てます! あなた達は、ずばり!」
あんながそう叫ぶ中、みくるはそう言う。
みくるはそう叫ぶと、虫眼鏡を持って、2人の足を見る。
だが、2人は靴を履いていなかった。
「靴…………はいてな~い⁉︎」
「まあ…………さっきまで部屋に居たからね…………」
それを見て、みくるがそう叫ぶ中、麦翔は苦笑しながらそう言う。
その後、何とか落ち着いた3人は、あんなと麦翔の為に、靴屋に向かう事に。
靴屋に向かう中、麦翔は周囲を見渡していた。
『…………それにしても、何で部屋から外に移動したんだ?それに…………1月にしては、少し暖かいし……………』
麦翔はそんな風に考えていた。
部屋からいつの間にか外に移動していた事、1月にしては暖かい事を気にしていた。
すると。
「…………ん?えっ?」
麦翔は、ある物が目に入る。
それは、カレンダーだったのだが、そこの年と月の表記が、『1999年4月』となっていたのだ。
「1999年4月…………⁉︎」
「どうしたの?麦翔君?」
「あ…………ごめん!すぐ向かうよ!」
麦翔がカレンダーを見て唖然となる中、麦翔が立ち止まっている事に気づいたのか、あんながそう話しかける。
麦翔はあんなにそう答えていると、SPライセンスを取り出す。
『とにかく、地球署かファイヤースクワッドに連絡を…………!いや、待て』
麦翔はSPライセンスを取り出して、連絡をしようとするが、ある事が頭に過る。
『もし、本当に1999年に来たなら、地球署はともかく、ファイヤースクワッドには繋がらない筈……………幸い、万が一に備えて、スペースクラウドに繋がらなくても、デカバイオレットに変身できる様にしてもらったけど……………どうしたもんか…………多分、通貨も違うだろうし…………』
麦翔はそう考え込んでいた。
本当に1999年に来たなら、ファイヤースクワッドには繋がらないと。
そこから考え込んでいると。
「あれ?そういえば…………」
麦翔はそう呟くと、財布を取り出した。
すると。
「…………あれ、通貨が当時の物になってる?」
麦翔はそう呟いた。
お金が2027年準拠の物から、1999年準拠の物に変わっていたのだ。
「…………よく分かんないけど、今は助かる」
麦翔はそう呟くと、あんな達の元へと向かう。
靴屋に到着すると、とあるCMが流れていた。
「新機能満載、つながるその先へ!」
『………やっぱり、本当に1999年に来たんだな…………』
それは、携帯のCMだった。
だが、今のスマホではなく、当時のガラケーの様な物だった。
それを見て、改めて、過去に来たのだと麦翔は実感していた。
麦翔は一足先に靴を選び終えて、会計は済ませていた。
あんなとみくるはというと。
「ぴったりだ…………!」
「…………」
「どっちのがいい?」
「こっち!…………じゃない!」
あんなはピンク色の靴を履いていた。
みくるが黙っていると、あんなはピンク色と茶色の靴をみくるに見せる。
みくるがピンク色の靴を選ぶと、そう叫ぶと、口を開く。
「部屋から落ちてきたなんてありえませんよ!」
「ほんとだって」
「信じられないかもだけどね…………」
「ポチポチ!」
みくるはそんな風に言う。
先ほど、部屋からいつの間にか外にいた事を聞いたみくるは、信じられないと思っていた。
あんなと麦翔がそう言う中、いつの間にかおしゃぶりを咥えたポチタンがそう言う。
「ポチポチじゃ分からないよ」
「あれ?その子、おしゃぶりなんて付けてたかな?」
「そうですね…………この子、おしゃぶりをしているし、赤ちゃんですね。だからしゃべれないのかと」
「えっ?でもさっき………」
「普通に喋ってたんだけどな…………」
ポチタンの言葉に、あんながそう言う中、麦翔はそう呟く。
みくるもポチタンを見つめながらそう言うと、あんなと麦翔はそう呟く。
部屋に居た時、普通に喋っていたのだから。
すると。
「何らかの理由で赤ちゃんになり、しゃべれなくなった。今の推理でどうでしょう!探偵テスト合格ですか?」
「探偵テスト?」
「何?その探偵テストって…………?」
みくるはそんな風に推理をする。
何らかの理由で赤ちゃんの状態になってしまい、ポチタンは喋れないのだと。
みくるがそう聞く中、2人が困惑してそう聞くと。
「その質問なら、簡単です!名探偵は、色々な事件を調べて解決し、人々を助ける!みんなのあこがれ!希望!わたしは、そんな名探偵になるために探偵テストを受けに来たんです!」
「そうなのか…………」
「名探偵ってすごいんだね!」
「よし!」
みくるはそんな風に叫ぶ。
みくるが名探偵を志す理由は、人々を助ける名探偵に憧れたからだ。
麦翔とあんながそう言うと、みくるは好印象を稼げたと思ったのか、『100点』というプラカードを持って、ガッツポーズを取る。
すると。
「ポチ!ポ~チ~!」
「え⁉︎」
「おしゃぶりが紐に…………⁉︎」
ポチタンがそう言うと、おしゃぶりが消えて、紐が生成され、あんなにくくりつく。
すると、次の瞬間。
「ポチ〜!」
「うわぁ〜⁉︎」
「ちょっと!」
「靴の代金…………!」
ポチタンはそう叫ぶと、あんなを引っ張って連れて行く。
それを見て、みくると麦翔はそう言う。
一方、ポチタンに連れられたあんなはというと。
「ポッチ〜!」
「はぁ………はぁ………ハッ⁉︎…………お金はらってない!」
ポチタンに無理矢理引っ張られ、あんなは息を切らしていた。
あんなは、靴の代金を払っていない事に気づいて、そう言う。
すると、みくると麦翔が追いついた。
「靴の代金、立てかえときました」
「ありがとう」
「それにしても、急にどうしたんだ?」
「ポチポチ!」
みくるがそう言う。
あんなが履いていた靴の代金は、みくるが立て替えたのだ。
あんながお礼を言う中、麦翔がそう呟くと、ポチタンはある場所を指差す。
「ここって…………」
「結婚式場?」
「何でこんなところに…………?」
ポチタンが指さしたのは、結婚式場だった。
それを見て、3人がそう呟き、結婚式場の中に入ると。
「ない!どこに行ったの⁉︎」
1人の女性が、ロビーにある植え込みの中を探していた。
すると。
「幸野さん。ありがとうございます」
「「花嫁さんだ〜!」」
「まあ、結婚式場なら居るよね」
そこに、幸野という女性に話しかける花嫁がいた。
あんなとみくるが目を輝かせて、麦翔がそう呟く中、花嫁は口を開く。
「もう…………あきらめます」
「「「えっ?」」」
「でも……」
「…………式に間に合いませんから」
花嫁は浮かない顔でそう言う。
あんな達がそんな風に呟く中、幸野さんがそう言うが、花嫁は時計を見つめながらそう言う。
すると。
「たちゅ………けて」
ポチタンはそんな風に呟いた。
それを聞いたあんなと麦翔は。
「…………麦翔君」
「ああ」
あんなと麦翔はそんな風に言うと、お互いに頷き合い、前に出る。
「あの!困っていることがあるなら、お手伝いします!」
「話を聞かせて下さい」
「えっ⁉︎」
あんなと麦翔はそんな風に話しかける中、みくるは驚いていた。
一方、結婚式場の外では。
「…………ボス。この辺りなんだよな?」
『ああ。その結婚式場の周辺で、不審な人物が目撃されている。紅矢、その周辺の調査を頼む』
「ロジャー!」
結婚式場の近くに停まっているパトカーの中で、麦翔と同年代の人物が通信をしていた。
ボスと呼ばれた人物は、そんな風に言うと、紅矢と呼ばれたその人物はそう答える。
「…………さて。調査するか」
紅矢はそう呟くと、パトカーから降りて、調査を開始していた。
その頃、あんな達は話を聞く事にしていた。
「あらためまして。わたしは、式場のスタッフの幸野です」
「想田まりです。実は式で着けるティアラがなくなったんです」
ウェディングプランナーである幸野さちよと花嫁である想田まりはそう名乗った。
それを聞いた3人は。
「「ええっ⁉︎」」
「失礼ですが…………そちらのティアラは?」
「1時からの式に間に合うように式場が用意してくれたんです」
「まりさんのと、形と大きさも、似た物をなんとか用意しました。これが、まりさんのティアラです」
あんなとみくるがそう反応する中、麦翔は近くに金色のティアラが置いてあるのを見て、そんな風に聞く。
麦翔の質問に対して、まりとさちよはそう答えて、さちよはある写真を見せる。
その写真には、銀色と青を基調としたティアラを頭につけているまりが映っていた。
「お母さんも、結婚式でこのティアラを着けたんです。私も着けて、式をあげたかったんですが、この部屋から消えてて…………」
「突然消えるなんて…………」
「なるほど…………」
「はっ!まさか、これが本当の探偵テスト!」
まりがそう説明すると、あんなと麦翔はそう呟く。
そんな中、みくるはこの状況が探偵テストの一環であると思い込んでいた。
すると。
「絶対に…………わたしが見つけてみせます!」
「みくるちゃん?」
みくるがそんな風に意気込む中、麦翔はそう呟く。
その後、部屋に男性1人と女性1人を呼んだ。
「どうしたの?よび出したりして」
女性の1人が訝しむ様にそう言うと、みくるが口を開く。
「まりさんが最後にティアラを見てから、この部屋に出入りしたのはあなた方3人。この中に、ティアラをとった犯人がいます!」
「「「えっ?」」」
みくるはそんな風に言うと、3人を指差す。
それを聞いて、3人が困惑する中。
「まさか!ありえないですよ!」
「とりあえず…………犯人がこの中に居るのかどうかは置いておいて、それぞれの名前と、何をしていたのかを聞かせてもらえませんか?」
「で、ですよね〜…………」
まりがそんな風に言うと、麦翔は助け舟を出しているのか、そんな風に言い、みくるは気まずい表情を浮かべる。
この中に居るのは、まりとさちよ以外には、カメラマンの宇都見将太、まりの友人である藤井ともかの2人だった。
宇都見とともかの2人は口を開く。
「ボクは花嫁さんを撮りに来たんだ」
「私は、まりにお願いがあって来たの」
「お願いって?」
「ブーケを、ともかのほうに投げてほしいって」
「あっ!ブーケトス!」
「そっ!花嫁さんが投げたブーケをキャッチすると、幸せをおすそ分けしてもらえるの!ずっとあこがれだったんだ~!」
宇都見がそう言う中、ともかはそんな風に言う。
ともかは、ブーケトスの際に、自分の方に投げて欲しいと頼み込んでいたのだ。
あんながそう言うと、ともかはそう言う。
それを聞いていた宇都見と麦翔は。
「お願いって、アリなんだ…………」
「それはそれでどうなんですか?」
「まり、OKって言ってくれたよね?」
「ともかが珍しく遅刻しないで来てくれたから、つい…………」
『うん?珍しく?』
「なるほど…………」
宇都見と麦翔は、ブーケトスに関する癒着を見て、そんな風に呟く中、ともかがそう聞くと、まりはそう答える。
それを聞いて、麦翔が違和感を感じて、みくるがそう呟きながらメモをとっていると。
「私は式の準備で部屋に出入りしていました」
「みんな、ここに来た時も今と同じ服装でしたか?」
「ええ、ティアラを隠せるようなものは、何も……………」
「そうですか…………」
さちよは、準備の為に出入りしていた事を証言する。
あんながそう聞くと、さちよはそう答える。
そんな中、麦翔は。
『…………まりさんの話によると、ともかさんは遅刻の常習犯。友人の結婚を祝う為に、頑張って遅刻しない様にしたのなら筋は通ってる。でも、何だ?この違和感……………』
麦翔は、先ほどから感じた違和感を考えていた。
そんな中、みくるが口を開く。
「帽子………帽子の中に入れたとか?」
「はぁ?」
「たしか、このティアラ…………まりさんのとほとんど同じ大きさ。帽子…………いいですか?」
「あ、ああ」
みくるがそう言うと、宇都見は困惑の表情を浮かべる。
あんなは予備のティアラを持って、宇都見に近寄ると、そう聞く。
宇都見は被っていた帽子をあんなに渡す。
帽子の中に入れば、ティアラを持ち出せる可能性があるからだ。
だが、結果は………。
「う~ん…………。入らない。これじゃ運べないよ」
「帽子よりも、ティアラの方が大きいね」
あんながそう言うと、麦翔もそう言う。
帽子よりもティアラの方が大きく、これだとバレる可能性が高い。
「ともかさんのバッグは?」
みくるがそう聞くと、ともかはバッグを出して、見せる。
ティアラと重ねて見るが……………。
「これも入らないよ」
「幸野さんのポーチも、サイズ的にティアラを入れるのは無理そうだね」
あんなと麦翔はそう言う。
実際、2人のポーチとバッグでは、ティアラを隠すのは不可能だからだ。
すると。
「ありがとう……………。もう本当にいいんです。やっぱり…………ティアラはあきらめます」
まりは、悲しげな顔でそう言う。
それを聞いて、あんなとみくるは悲しそうな表情を浮かべる。
そんな中、麦翔は。
『…………現状から、何かにティアラを入れて持ち運ぶのは不可能。だとすると、どこかに紛れた可能性もある。もしくは、盗むまでに隠すつもりなのか……………』
麦翔はそう考えていた。
あんなとみくるが部屋を出ようとする中。
「ごめん、もう少し聞きたい事があるから、先に行ってて」
「うん」
落ち込むみくるをあんなが慰める中、麦翔はそう言う。
あんなとみくるが部屋から出る中、麦翔はまりに話しかける。
「失礼ですが……………ともかさんが遅刻をしなかった日というのは、ありますか?」
「いえ…………本当に遅刻をしなかった事があまり無くて、珍しいなって……………」
「そうですか…………。あと、それと。ブーケトスの件は、どのタイミングでされたんですか?」
「えっと…………ともかが来てすぐにです」
「……………分かりました。ありがとうございます」
麦翔はそう聞くと、まりはそう答える。
ともかは遅刻の常習犯であり、今日の結婚式に遅刻をしなかったのが珍しいと感じていたのだ。
そして、ブーケトスの件を話した。
それを聞いた麦翔はそう言うと、外に出る。
『……………間違いない。犯人はあの人だ。だけど…………問題は肝心のティアラだ。持ち出すのが不可能なら、一旦隠したと考えるべきだろうけど…………』
麦翔はこれまでの証言から、犯人が分かったのだ。
だが、肝心のティアラの場所が分からなかったのだ。
考える中。
『そういえば、みくるちゃん、かなり落ち込んでたな。心配だから、様子を見に行くか』
麦翔は、みくるがやけに落ち込んでいたのを見て、心配になって、様子を見に行く事にした。
そんな中、みくるは噴水に座って、帽子やケープを脱いで、メモを見ていた。
「ティアラを持ち出した方法が分かれば、犯人が分かるはずなのに…………。その方法が分からない……………。私って………いつも………」
みくるはそんな風に呟いていた。
ティアラを持ち出した方法が分からず、壁にぶつかっていた。
みくるが自分を責めている中。
「みくるちゃん………みくるちゃん!」
「あっ…………」
「大丈夫かい?」
あんなと麦翔がそんな風に話しかける。
思い詰めた表情をしていたのもあって、2人は心配していた。
「分からないんです…………。これじゃ、まりさんを笑顔にできない。名探偵にだって………」
みくるはそんな風に呟いていた。
すると、あんなと麦翔が口を開く。
「どうして、名探偵になりたいの?」
「何か理由があるのかい?」
「私も助けられたから…………」
「助けられた?」
「うん。今度は、私が名探偵になって、皆を助けたい!」
あんなと麦翔がそう聞くと、みくるはそう答える。
かつて、みくるも名探偵に助けられ、そこから名探偵を志す様になったのだと。
それを聞いたあんなは。
「…………やっぱり、すごいんだね」
「えっ?」
「名探偵なら、ティアラを見つけてまりさんを笑顔にできるんでしょ?」
「ええ………きっと」
「だったらなろうよ、名探偵に!」
「でも…………」
あんなはそう呟いた。
みくるがそう反応する中、あんなはそう話しかける。
名探偵になろうというあんなの言葉に、みくるが戸惑う中。
「…………きっとなれるさ」
「えっ?」
「それだけ悩んでいるのは、本気でまりさんを助けたいって思っているからなんだろ?」
「っ!」
麦翔はそう呟く。
みくるが反応する中、麦翔はそう言う。
みくるが壁にぶつかっているのも、本気でまりさんを助けたいという気持ちがあるのだと、麦翔は感じていたのだ。
すると、あんなが口を開く。
「悩んでるだけじゃ、始まらないよ!一歩踏み出せば、答えはついてくる!『一歩の勇気が、答えになる』………だよ!」
「ポチ〜!」
あんなはそう言うと、みくるの手を取る。
ポチタンがそう答える中、あんなは口を開く。
「みくるちゃん、行こう!もう一度全部調べよう!」
「…………っ!はい!」
「…………大丈夫そうだね」
あんなはみくるにそう話しかける。
みくるは、憑き物が取れた様な笑顔を浮かべて、麦翔はそう呟く。
すると、風が吹いて、みくるの髪を結んでいた片方のリボンが宙を舞う。
そして、花壇の方に流されて、落ちる。
それを見たあんなは。
「今日、二回目だ」
「二回目?」
「うん。さっきもね、みくるちゃんに会う前に、植え込みの中に落ちた女の子のリボンを探すの、手伝ってたんだ」
「そうだったね。植え込みの中に落ちると、なかなか見つからないからね」
あんなはそう呟きながら、みくるのリボンを回収する。
麦翔も先程の出来事を思い出して、そんな風に呟く。
すると。
「……植え込みの……中……」
「……花……?」
「なかなか見つからない…………」
3人はそんな風に呟いて、考えていた。
すると、3人の中で、点と点がつながった。
「「あっ………!見えた!これが……答えだ‼︎」」
「犯人は………!」
「あの人だ!」
「これなら…………ティアラを隠す事が出来る!」
3人はそう叫ぶ。
犯人と、ティアラを隠した場所が分かったのだ。
3人は頷くと、すぐに控え室の方に向かう。
果たして、ティアラを盗んだ犯人とは…………。
今回はここまでです。
今回は、第一話の前半部分です。
長すぎるので、前半と後半部分で分けて投稿します。
1999年へとタイムスリップしたあんなと麦翔。
みくると出会い、ポチタンに連れられて、結婚式場へと向かう。
そんな中、1人の青年があんな達がいる結婚式場の周辺のパトロールを開始する。
果たして、犯人は誰なのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ちなみに、地球署の設立の時点で、ドギー、スワン、ギョク、宝児、ジャスミン、センちゃんが居ますが、この小説では諸事情があって、ドギー、スワン、宝児、ジャスミン、センちゃんは別の場所にいる設定です。
その為、メカニック陣営もオリキャラが対応して、デカマシンも本家デカレンジャーとは異なります。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告から受け付けています。
ちなみに、ヒロインについては、麦翔はあんな、先代デカレッドである紅矢はるるかの予定です。