転生博麗   作:ライダー☆

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第十六話 意外な決着

「ふふ……」

 

フランドールが、両手を広げる。小さな手を、大きく。光弾が、再び出現する。先ほど以上に、遥かに多く。空間が、紅く染まる。光弾で、埋め尽くされる。

 

「行くぞ!」

 

俺は叫んだ。魔理沙と咲夜に向かって。三人は、同時に動いた。一切の躊躇なく。

俺は地面を蹴り、フランドールに向かって突進する。霊力を足に集中させ、最高速度で。石畳が砕け、土煙が上がる。魔理沙は空中から弾幕を放つ。星型の弾幕を、何百発も。虹色の光が、空を飛ぶ。フランドールの注意を引くために、視線を分散させるために。咲夜は時間を止め、ナイフを投げる。フランドールの死角から。背後から。音もなく、気配もなく。

フランドールが、手を握る。右手を、ぎゅっと。魔理沙の弾幕が、消える。一瞬で。ナイフも、消える。何十本ものナイフが、すべて。

俺は、拳を振るう。フランドールの顔面に向かって。全力で、霊力を込めて。だが、フランドールが避ける。横に、身体を捻って。俺の拳が、空を切る。

フランドールが、反撃する。光弾を、至近距離で。数十発を、一気に。俺は霊力で防ぐ。金色の光で。爆発が起こる。俺とフランドールの間で。閃光が走り、衝撃波が広がる。二人は、吹き飛ばされる。反対方向に。

俺は地面に着地し、すぐに体勢を立て直す。足を踏ん張り、霊力を巡らせる。

フランドールも、空中で体勢を立て直す。翼を広げて。再び、距離が開く。

魔理沙が、レーザーを放つ。極太のレーザーが、フランドールに向かって。フランドールが手を握る。左手を、軽く。レーザーが、消える。破壊される。

咲夜が、時間を止める。全力で、限界まで。フランドールに近づき、ナイフで切りつける。直接、刃で。銀色の刃で。時間が動く。フランドールの腕に、傷ができる。血が、流れる。

 

「チッ……」

 

フランドールが、咲夜を見る。鋭い目で。手を握る。咲夜に向かって。咲夜が、時間を止めて移動した。瞬時に、別の場所へ。爆発が起こる。咲夜がいた場所で。空間が歪み、地面が抉れる。

俺たちは、休むことなく攻撃を続ける。一瞬の休みもなく。俺は札を投げ、拳を振るい、蹴りを放つ。魔理沙は弾幕を放ち、レーザーを撃つ。咲夜は時間を止め、ナイフを投げ、切りつける。

俺たちの連携が、フランドールを追い詰める。だんだんと、確実に。フランドールの動きが鈍くなる。傷が、増える。血が、増える。吸血鬼特有の回復力があるはずだが、三人の攻撃が回復を上回っていた。

 

「……っ!」

 

フランドールが、後退する。初めて、後退する。一歩、二歩と。余裕が、なくなっている。圧倒的な力を持つフランドールが、追い詰められている。

 

「なんで……」

 

フランドールが呟いた。息を切らしながら。

 

「なんで、私が押されてるの?私の方が、強いはずなのに」

 

俺は、答えた。

 

「お前は強い。圧倒的に、強い。でも、一人だ。俺たちは三人で、助け合っている。一人が攻撃すれば、他の二人がサポートする。一人が危険になれば、他の二人が守る」

 

魔理沙が、言った。

 

「一人じゃ、限界があるんだぜ。どれだけ強くても」

 

咲夜が、言った。

 

「どれだけ強くても、一人では戦えないこともあります。それが、集団の力です」

 

フランドールの目が、揺れる。四百九十五年間、一人だった。誰とも関わらなかった。連携も、協力も、知らない。仲間も、友達も、知らない。

 

「……そう」

 

フランドールが呟いた。そして、叫んだ。

 

「私は自由になりたかっただけだ…四百九十五年間、閉じ込められていた!誰も会いに来なかった!私は、ただ外に出たかっただけだ!空を飛びたかった!風を感じたかった!自由に、生きたかった!それだけだった!」

 

フランドールの声が、響く。庭に、空に、幻想郷全体に。

 

「お姉様は言った。危険だから、閉じ込めるって!制御できないから、封印するって!でも、それは私の意志じゃない!私は、選べなかった!力が強すぎた!それは、私のせいじゃない!なんで私が、閉じ込められなきゃいけないの?力が強いことが、罪なの?」

 

フランドールの目から、涙が流れる。止まらない涙が。

 

「私は!自由になりたかっただけだ!それが、そんなに悪いことなの?それが、そんなに許されないことなの?私は!生きたかっただけ!普通に、生きたかっただけ!」

 

フランドールの叫びが、止まる。静寂が、訪れる。重い、静寂が。

誰も、何も言えない。

フランドールは、正しかった。完全に、正しかった。生まれた時から力が強すぎた、それはフランドールのせいではない。閉じ込められた四百九十五年間も、フランドールの意志ではない。

 

「私は自由になる……」

 

フランドールが宣言した。静かに、だが強く。

 

「この世界が、私を閉じ込めた。レミリアが、私を封印した。なら、幻想郷を破壊する。すべてを、破壊する」

 

フランドールの周囲に、光弾が出現する。今までとは比較にならない数が。何万発、何十万発。空が、紅く染まる。完全に、紅く。太陽の光すら、遮られる。

 

「すべてを、破壊する。私を閉じ込めたすべてを」

「やばい!!」

 

俺は理解した。瞬時に、完全に。これは、まずい。フランドールは、本気だ。本当に、幻想郷を破壊するつもりだ。人里も、妖怪の山も、湖も、森も、すべてを。

 

「魔理沙!咲夜!止めるぞ!全力で!」

 

俺たちは、フランドールへと向かう。全速力で。光弾が、放たれる。何万発もの光弾が、一斉に。すべての方向に。無差別に。幻想郷全体に向かって。破壊が、始まった。光弾が地面に当たり爆発する。クレーターができる。館が、さらに破壊される。壁が崩れ、屋根が落ちる。木が、倒れる。燃える。炎が、広がる。

俺は札を投げる。光弾を相殺するために。魔理沙も弾幕を放つ。必死に。咲夜も時間を止めて避ける。何度も。限界まで。

フランドールは、理性を保ちながら攻撃を続ける。計算している。どの光弾が、どこに飛ぶか。俺たちを殺すためではなく、すべてを破壊するために。幻想郷を、消すために。

 

「二人とも!避けろ!」

 

俺たちは、散開する。別々の方向に。光弾が、地面を抉る。何度も、何度も。

俺はフランドールに近づこうとする。札を投げながら、霊力を放ちながら。魔理沙も、空中から攻撃する。咲夜も、時間を止めてナイフを投げ続ける。

フランドールが、手を振る。両手を、大きく。光弾が、一斉に俺たちに向かって飛ぶ。何千発も。避けられない数が。

俺は霊力で防ぐ。魔理沙も弾幕で相殺する。咲夜は時間を止めて避ける。だが、数が多すぎる。

光弾が、魔理沙に迫る。死角から、背後から。避けきれない数が。

 

「魔理沙!」

 

咲夜が叫んだ。瞬時に、状況を理解して。咲夜が、魔理沙の前に飛び出す。時間を止めて、一瞬で。光弾が、咲夜に当たる。何十発もの光弾が、同時に。爆発が起こる。閃光が走り、衝撃波が広がる。

 

「咲夜!」

 

俺と魔理沙が叫んだ。同時に。

煙が晴れる。咲夜が、倒れている。地面に。血を流して。服は破れ、身体は傷だらけだ。

 

「……魔理沙、大丈夫?」

 

咲夜が呟いた。弱々しく。かすれた声で。

 

「咲夜!なんで!」

 

魔理沙が叫んだ。咲夜に駆け寄って。膝をつき、咲夜を抱き起こす。

 

「あなたの方が力があります。……す、すみません……もう、戦えません……」

 

咲夜が言った。目を閉じて。そのまま、意識を失った。

 

「咲夜!」

 

魔理沙が叫ぶ。咲夜の名を、何度も。

俺は、歯を食いしばった。拳を、握りしめた。咲夜が、リタイアした。魔理沙を守って、倒れた。

残るは、俺と魔理沙だけだ。

だが、その時、咲夜が倒れた光景を見て、俺はふと思った。咲夜は一度死んで、生き返った。なぜ生き返ったのかは、まだわからない。でも、ここにいる。戦っている。魔理沙を守って、倒れた。

霊夢の力を借りて戦っている俺が、咲夜を守れなかった。霊夢なら、どうしたんだろう。いや、霊夢はこの場面を知らない。俺が、俺自身の判断で動かなければならない。

 

「……行くぞ、魔理沙」

 

俺は言った。

 

「ああ」

 

その時、赤い影が動いた。素早く、音もなく。レミリアだ。レミリアが、フランドールに突撃した。不意打ち気味に。背後から。フランドールが気づかないほどの速度で。

 

「フラン!」

 

レミリアが叫んだ。妹の名を。拳が、フランドールの背中に叩き込まれる。全力で。

 

「がっ!」

 

フランドールの身体が、前に吹き飛ぶ。地面に転がる。

 

「……お姉様?」

 

フランドールが呟いた。信じられない、という顔で。目を見開いて。

レミリアは、立っている。満身創痍だが、立っている。血まみれだが、目は鋭い。意志が、宿っている。

 

「フラン、やめろ」

 

レミリアが言った。静かに、だが強く。

 

「これ以上、暴れるな。これ以上、破壊するな」

「……なんで?」

 

フランドールが訊いた。涙を流しながら。

 

「なんで、お姉様が止めるの?お姉様は、私を閉じ込めた!私から自由を奪った!私の人生を奪った!なのに、なんで!」

「私が、間違っていたからだ」

 

レミリアが答えた。はっきりと。

 

「私は、お前を閉じ込めた。四百九十五年間も。それは、間違いだった。完全に、間違っていた。取り返しのつかない、過ちだった」

 

レミリアは続ける。一歩、前に出ながら。

 

「私は、お前の姉だ。お前を守るべき存在だ。でも、私はお前を守れなかった。お前を、危険物として扱った。道具として、封印するべき脅威として。それは、私の罪だ」

 

フランドールは、黙って聞いていた。

 

「フラン。お前が幻想郷を破壊しても、何も解決しない。お前が求めているものは、手に入らない。お前の怒りも、悲しみも、わかる。お前が自由を求める気持ちも、わかる。でも、破壊は何も生まない。お前が求めているのは、自由だろう?生きることだろう?なら、生きろ。これから、生きろ。私と一緒に」

「………」

 

フランドールは、しばらく黙っていた。涙が、頬を伝っている。

そして、言った。

 

「お姉様の言葉は、偽善よ」

 

静かに、だが確かに。

 

「自分を正当化するための、言い訳。私を閉じ込めておいて、今更『一緒に生きろ』?お姉様は、今まで一度も、私のために変わろうとしなかった。今だって、そうでしょう?咲夜のことで気づいたって、それがどうしたの?私には関係ない。お姉様が変わったかどうかなんて、私には証明できない」

 

レミリアは、答えられなかった。

口を開きかけて、閉じた。

反論できなかった。フランドールの言葉が、正確だったから。

 

「……そうだ」

 

レミリアが言った。少し間を置いて。

 

「お前の言う通りだ。私は今も、偽善的かもしれない。咲夜のことで気づいて、変わろうとしている。でも、お前に向かっては、まだ何もしていない。言葉だけだ。証明できていない」

 

レミリアは、続けた。声が、震えていた。

 

「でも、それでも言わせてくれ。私はお前を愛している。四百九十五年間、間違ったやり方でしか表せなかったが、それは本当だ。証明できなくても、言わないよりはいい」

 

フランドールの目が、揺れた。大きく、激しく。涙が、止まらない。

 

「……黙れ!!」

 

フランドールが叫んだ。突然、爆発的に。

 

「生きるために生まれた?笑うために?泣くために?ふざけないで!お姉様がそれを奪ったんでしょう?私から!すべてを!四百九十五年間、私はそれができなかった!お姉様が閉じ込めたから!今更、そんな綺麗事を言わないで!愛してるって言うなら、なんで四百九十五年も放置した!愛してたら、そんなことできない!」

 

レミリアは、また黙った。また、答えられなかった。フランドールは正しい。完全に正しい。

それでも、レミリアは前に出た。

 

「お前の言う通りだ」

 

レミリアは言った。今度は、言い訳をしなかった。

 

「私は逃げた。向き合うのが怖くて、お前に会いに来なかった。お前が泣いていても、叫んでいても、来なかった。それが現実だ。弁解しない」

 

一歩、また一歩。レミリアがフランドールに近づく。

 

「お前が許さなくていい。お前が怒っていていい。お前が憎んでいていい。でも、生きてくれ。破壊じゃなく、生きることを選んでくれ。お前が生きている限り、私は向き合い続ける。逃げずに、向き合い続ける。それだけが、今の私にできることだ」

 

フランドールは、黙っていた。しばらく、黙っていた。

 

「……みんな、敵だ!」

 

そして、叫んだ。光弾が、一斉に放たれる。レミリアに、俺に、魔理沙に。

 

「魔理沙!力を溜めろ!ありったけの力を!すべての魔力を!」

 

俺は叫んだ。魔理沙の肩を掴んで。強く、確かに。

 

「何を?」

「フランに、ぶち当てるんだ、最大の一撃を!それしかない!」

 

俺は言った。強く、はっきりと。

 

「レミリアが、フランを止めてくれる。その間に、溜めろ!」

 

魔理沙が、頷く。涙を拭って。咲夜を地面に横たえて。

 

「わかった!」

 

魔理沙は、両手を前に出す。魔力を、集中させ始める。限界まで。身体が、悲鳴を上げるほどに。身体が、光り始める。虹色に。七色の光が、魔理沙を包む。空気が、震える。

俺は、レミリアに加勢する。フランドールに向かって、走る。

 

「はぁっ!」

「ふぅっ!」

 

レミリアとフランが、ぶつかる。拳と拳が、ぶつかる。姉妹の拳が。衝撃波が、広がる。空気が、震える。地面が、割れる。レミリアが、拳を振るう。左右に、連続で。フランが、拳で受け止める。だが、その隙をレミリアが突く。レミリアの蹴りが、フランの脇腹に入る。深く、鋭く。

 

「ぐぅっ…!」

 

フランが、後退する。呼吸が、乱れる。

 

「レミリア!!」

 

俺は、拳を振るう。フランの顔面に向かって。左拳を、全力で。フランが、避ける。横に、首を傾けて。だが、完全には避けきれない。拳が、フランの頬を掠める。皮膚が、裂ける。血が、飛ぶ。

レミリアが、続けて攻撃する。右拳を、フランの腹に。フランが、両手で受け止める。だが、衝撃は防げない。

 

「ぐっ!」

 

俺とレミリアの連携が、フランを圧する。二人の息が、合っている。

俺は右から蹴りを放つ。レミリアは、左から拳を振るう。同時に、ぴったりと。フランが、後ろに跳ぶ。両方を避けて。空中に。俺とレミリアの攻撃が、空を切る。だが、止まらない。

 

「二人がかりなんて……ふざけるんじゃないわよ!」

 

俺は、空中で札を投げる。フランに向かって。何十枚も。

レミリアは、光弾を放つ。紅い光弾を。何百発も。

フランが、手を振る。両手を、大きく。俺の札が、消える。レミリアの光弾も、消える。だが、その隙に俺が突進する。フランに向かって。一直線に。拳を、振り抜く。フランの顔面に向かって。フランが、避ける。横に、身体を捻って。

だが、レミリアが反対側から蹴りを放つ。計算通りに。フランの逃げ道を、塞ぐように。フランが、咄嗟に両手で受け止める。

その瞬間、俺が反転する。空中で、素早く。肘打ちを放つ。フランの背中に。

 

「がっ!」

 

フランの身体が、前に吹き飛ぶ。地面に向かって。地面に激突する。ドガンという音。

フランが、立ち上がる。ゆっくりと、だが確実に。傷が、増えている。だんだんと、フランが押される。徐々に、だが確実に。

 

「……っ!」

 

フランが、後退する。さらに。呼吸が、荒い。

魔理沙の魔力が、膨れ上がる。どんどんと、大きくなる。周囲の空気が歪むほどに。空気が、震える。地面が、震える。光が、集まる。もうすぐだ。あと、少し。

俺とレミリアは、フランを圧し続ける。攻撃を、止めない。

俺は、拳を振るう。蹴りを放つ。札を投げる。霊力を放つ。

レミリアは、拳を振るう。蹴りを放つ。光弾を撃つ。

フランが、傷だらけになる。全身が、血まみれになる。吸血鬼の回復力が、追いつかない。レミリアも、傷だらけだ。俺も、傷だらけだ。息が、荒い。だが、止まらない。誰も、止まらない。

 

「ハァ………ハァ………」

 

フランが、後退する。一歩、また一歩と。俺が、突進する。レミリアも、突進する。二人同時に、フランに向かって。左右から、挟み撃ちに。フランが、両手を広げる。光弾を出そうと。だが、俺の拳が先に届く。フランの腹に。深く。

 

「ぐっ!」

 

フランの身体が、曲がる。レミリアの拳も届く。フランの背中に。全力で。

 

「がっ!」

 

フランが、空中に倒れる。膝をつき、血を吐く。

 

「っこの光……魔理沙!」

「今だ!」

 

魔理沙が叫んだ。限界まで溜めた声で。

魔理沙の両手から、極太の光線が放たれる。魔理沙のすべてを込めた、一撃が。虹色の光線が、フランに向かって飛ぶ。空間を焼きながら。大気を震わせながら。避けられない速度で。避けられない範囲で。

フランが、目を見開く。驚愕の表情で。

光線が、フランに迫る。あと、数メートル。

 

あと一瞬。

 

次の瞬間、空間がゆがんだ。視界が歪む。世界が歪む。何かが介入した。次元を超えた何かが。

光線が、消えた。跡形もなく。音もなく。熱もなく。まるで、何事もなかったかのように。

 

「……え?なんだ?」

 

魔理沙が呟いた。信じられない、という声で。

フランは、気絶していた。倒れている。地面に。傷だらけで。どこからともなく現れた者の、小脇に抱えられて。優しく、丁寧に。大切なものを扱うように。

 

「全く、これ以上幻想郷を破壊する行為は、見過ごせません」

 

声が、した。

女性の声が。落ち着いた、静かな声が。だが、その声には圧倒的な重みがあった。何百年、何千年を生きてきた者の重みが。

 

九尾の妖怪。

金色の髪を持つ、女性。肩に届く、美しい髪。陽光を浴びたかのように輝く髪。

九本の尾を持つ、妖怪。金色の尾が、ゆらゆらと揺れている。優雅に、美しく。

和服を着た、美しい女性。高貴な雰囲気を纏った女性。

名もわからぬ存在が、そこにふわふわと浮いていたのである。

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