序盤からずっと利用するような施設経営者だけど強キャラに薄目にこやかで見られながら名前を呼ばれて最後に「ですよね?」で締め括られる存在になりたい   作:ブ雨堰ド

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地名・登場人物紹介6

※ここでは単位系を地球の基準に合わせています。

 

・港湾国家ゼルパパム

 四つの国はそれぞれ元の名前がそのまま地名に使われている。北の島、アパム多民族協約国から、アパム。北東の島、オルカヌヴィス平和協定島から、オルカヌヴィス。南東の島、アーヴグイン連絡島から、アーヴグイン。南西の島、首都アンガ・ダナからそのままダーナ。

 アパム以外の国が先に併合し、ゼルビア諸国を名乗ったのち、アパムが吸収され、ゼルパパムという名前になった、という経緯がある。

 それぞれの島の特徴を挙げるのならば、オルカヌヴィスにはレスベンスト村を含む農村・漁村が多数あり、アーヴグインの海洋研究所やその近辺には造船所がある。ダーナにはアウロディシアという美しい荘園──ただしここはマリト・マフィアの拠点の一つだという噂がある──があり、アパムにはロストランドへ引き込まれる魔力が起こす不思議な現象がたくさんある。

 残念ながらどの島に行っても海賊は出るが、ダーナ島周辺は比較的安全だ。もっと怖いものが近辺を根城にしているから。

 初の冒険者ギルドはアンガ・ダナにあり、そこで護衛を依頼すると良いだろう。

 

 アルジオ・レスベンスト 身長173cm 体重68kg

 最近「女性に歳を聞かない」などのマナーを覚えつつある英雄さん。肉体はほとんど完成しており、一国の軍隊を相手にしても多分単騎で勝利する。

 大剣にこだわることをやめ、目についた武器全てを使い、しかも無手でも強いとかいうスーパー特記戦力。

 パーティメンバーのほとんどが「実はこんな過去が」とか「実は自分にはこんな血が流れていて」みたいな正体を持つ中、ヴィクニ共々本気でただの一般人なので、日夜自分たちの設定を考えているらしい。

 驚異的な直感と嗅覚で悪事や騒動を解決するが、あくまで自分の価値観にあるものに従っているだけなので、意見が衝突した時には正解を出せない、ということがそれなりにある。

 

 レベッカ・ヴィスマルク 身長168cm 体重61kg

 マリト・マフィアのドンの義妹。命を狙われることも周りに迷惑がかかることもあんまり気にしなくなった彼女だけど、「よ! マリト・マフィアの影の支配者!」みたいなからかいをされると問答無用で矢を射てくる。

 カリアンとは義兄妹ながら兄妹仲は良好であるらしく、冒険隊として活動していない時は専ら家にいる。メイド・カンナと共に新兵訓練などに顔を出すらしく、二人をして剛力無双のデカい方と呼ばれている。呼び始めた奴は土に埋まった。

 他のメンバーに埋もれがちではあるけれど、「視認できて矢が届くなら絶対に外さない」とか「特注の弓と矢を使うことで2kathl(=3.5km)先の魔物の体内にある魔鉱石だけを射貫く」みたいな離れ業を当然の顔をしてやってのける。十二分に英雄である。

 紫輝歴686年、リチャード・スミス(セノ・ルンテーニ)と結婚した。

 

 ユリウス・ヴァーハウスト 身長170cm 体重66kg

 クォーター精霊の青年。アルジオ・ヴィクニの特に正体とか無い組に次いで正体が無い。大元ことメギス=ヘカトンが現れてからより特に無い組に近付いた。

 魔力量は多いけど魔法は上手く使えない、という長年の悩みがそのメギスによって多少解決し、並列は無理でも、ヴィクニ・エレオノーラ・アルカと並んで魔法火力を担当したり、アルジオ・リチャードに混ざって前衛をこなしたりと、冒険隊のバランサーとして活躍できる幅が広まったとか。

 冒険者ギルドにおける剣術はアルジオが、拳法はリチャードが師範を務める中で、槍術の師範を担当した。なお、この二年後、仙実国から現れた槍の仙人及び慈癒の担い手に道場破りをされたりなんだりするのだけど、それは別のお話。

 

 ヴィクニ・レスベンスト 身長153cm 体重47kg

 みんながメキメキ身長を伸ばしていく中、子供の頃からまーったく変わらなかったことに、「これは本格的にハーフリング族の血が混ざっているのでは?」と訝しみつつある純人族の少女。

 子供の頃からできていた三重詠唱(トリプル)並列詠唱(ダブル)だけでなく、別属性の魔力を二種同時に操るデュアル、三種同時に操るトレース、二種にディレイをかけて待機させて三種を操るクィンクェ、五つ以上を操り得るキャパシティを全て一属性・一魔法に収束した極限収束魔砲(ディエナ・カノン)など、多才な魔法を操るようになった。

 エレオノーラという火・炎属性のスペシャリスト──彼女が本当に属性魔法を使っているかは別として──、アルカという万能魔法使い、そしてカンナ(カノン)という砲撃特化魔法使いなど、「ただ英雄の卵なだけ」では霞んでしまう才能が周囲にあったことで、彼女の性格・負けず嫌いが発動し、とんでもない火力を出せるようになったらしい。彼女も一国を相手に単騎で勝利できるポテンシャルがある。

 

 リチャード・スミス 身長179cm 体重73kg

 本名セノ・ルンテーニ。紆余曲折あったし個人的には蟠りを持ってくれた方が心も休まるのだけど、レベッカが一切を気にしない道に入ったことで心休まらない日々が老後まで決定したハーフ魔族さん。再会した兄との認識の擦り合わせやアマナの指摘で魔族の血のことや戦い方についてが飛躍的に高まって戦闘力も高まった。

 兄、そして冒険隊の面々と共に里帰りをしてみれば、そこでようやく母親が魔族であったと判明。戦争直後だったために言い出せずにいたのだそう。さらに血筋を辿っていくと、どうやら想像以上に「やんごとなき」血筋である可能性が浮上したし、二十三代魔王が和睦条約を結んでくれたことで調べやすくなったさらに後の時間では、第二代魔王さんから連綿と続く「苦労人」の血であったことが判明するとかなんとか。先は長いし退屈もしなそうな人生である。

 なお、レベッカにはしっかり想いがあるし、レベッカ側も同じ想いのようであるが、彼女の立場を考え、そして自身の想定される寿命を考えて身を引こうとしている彼に痺れを切らし、冒険隊総出、マリト・マフィアまで協力のもと『レベッカ誘拐ドッキリ ~糸目優男の人生最大の告白を添えて~』が開催されるに至る。発案者はヴィクニとカンナ。

 紫輝歴686年、婿入りの形でレベッカと結ばれた。

 

 エレオノーラ 身長164cm 体重58kg

 生き別れの弟との再会時に名前が露見したものの、周囲はみんな彼女をエレオノーラと呼ぶので、まぁそれでも良いことにした。

 精霊王との直接対決のあと、何らかの手段により敗北した弟に辿り着いた彼女は、その凶行に手を染める。突然消えた魔王の遺体に何があったのかと騒ぐ「勇者」たちの中で、ただ一人事情を理解している『最小限』は、エレオノーラための工作に一役買ったそうだ。

 これ以降、友にも、仲間にも、出会い行くすべての人々にも嘘を吐き続ける生活が始まる。たった一人のエゴによって何もかもが台無しにされるまで、ずっと。

 

 アルカ・ダヴィドウィッチ 身長166cm 体重57kg

 親友の嘘を飲み込むことに決めた自認怪物の女性。どうして彼女がカズラたちと共に魔王討伐に赴いたかはまだ謎である。

 この頃はまだ色々吹っ切れていない彼女だけど、魔法使いとしての腕は真に怪物の域にまで到達している。

 特に創作刻印という魔法がとんでもないことである。創作ができるということは既存の古代魔族語の全てを知っているということである。それは文字の形・意味を知っているにとどまらず、用法や組み合わせた際の相乗効果、環境・術者に依存する上振れ・下振れの全てを知り尽くしたということに他ならない。

 モーガン・カルストラがその人智の及ばぬ情報収集力を以て成し遂げたそれらを、彼女はその身一つで、彼女の代だけで終わらせきった。その上で「古代魔族語にできないこと」から逆算した刻印を創作、実用にまで至っている。

 対峙していたエステルトの言う通り、それは純天体語、精霊語、羅詞源語、継詞基語、古代魔族語に次ぐ新たな言語を作ることに等しい。「どこへ行っても公用語が使われている世界」で新規言語を作ることが如何に偉業か。百年後、ぽっと出の少年にパクられはしたけど、それでも彼が使ったのは「その場で欲しい効果を抽出した、その場限りの単語」であり、言語を作ったわけではない。

 世が世なら、あるいはたとえば、災厄竜によって文明の途絶えた後とかなら、ダヴィド語として新たに登録されていておかしくないレベルの到達であったと言える。

 

 カリアン・ヴィスマルク 身長176cm 体重75kg

 できる右腕も頼れる父親もいない中、「経営者」「指導者」「統率者」など「人の上に立つ才能」を発揮しまくった自称普通の人。実際戦闘力で見れば一般人に毛が生えた程度でしかないのだが、「そもそも戦闘にならない」能力も込みで考えるならそれなりの位置に行く。その事について褒められると、決まって苦い顔をし、義妹のおかげだなんだのと言う。確かに義妹レベッカの助けはあったが、大部分は彼の功績である。

 ゼルパパムに存在する他のマフィア・ギャング・海賊団を前に今のところ無敗。無疵のヴィスマルクの名はまだ下ろしていない。

 そんな圧倒的カリスマ青年の目下の悩み。それは彼のメイド、カンナとの距離感である。

 彼女の心がローランドにあることなど十も承知であるカリアンだけど、だからなのか、あるいは「坊ちゃま」にしか見られていないからなのか、カンナからのスキンシップや何やらか近い気がしてならない。緊急時など、緊急時とはいえ年頃の女性が男の目の前で着替えるのはどうなんだ……!? とか常に思っている。

 常に共にいる女性であるから惹かれるのも当然でしょうよ、とマリト・マフィアのメンバーは言うのだけど、親友の女に手を出すようなことはしない! と固く心に誓っていたある日の夜、自室にやってきたカンナのあられもない恰好を見て固唾を飲み、それでも、と首を横に振っていたら「そろそろ面倒ですねー」からの「劫白の国でわたしたちを見ている先生を安心させてあげたいでしょー」からの「だから、そっちが勇気を出せないのなら、わたしが」まで言わせて、「待ってくれ。……その、ああ、すまない。……僕はカンナが……好きなのかもしれない」みたいに切り出したところを「じれったいので、えーい」とベッドに押し倒されて──。

 あとは想像の余地にお任せするとしよう。

 紫輝歴687年。義妹の結婚に続き、カンナ・フォーティナインと結ばれた。

 

 カンナ・フォーティナイン 身長155cm 体重62kg

 カノンと呼んでくる人がほぼいなくなったので、偽名だったカンナにそのまま改名した。一人で艦隊を沈められる砲撃魔法と、一人で一国の人間全てを斬り殺せるレベルの隠密性・剣術が使えるけれど、それを披露することはあんまりない。

 ローレンスの事は確かに忘れていないし、心の大部分を彼に占められているけれど、自分だって辛いだろうに弱音を吐くことなくドンとしての姿を周囲に魅せ続け、カンナのことも最大限気遣ってくれる彼に、心を砕いた、とか。

 昔言われた「自分の幸せも見つけてみるといいぞ」という言葉をずっと考えてみたけれど、彼女の幸せは、カリアン・ヴィスマルクというこの青年がどこまでの大物になり、そしてどのような変革を世界に齎すのかを、その隣に立って見守ることにある、と答えを出した。

 先立ってよく恋バナなんかをしていたカリアンの義妹、レベッカがリチャードと結婚したことを受け、真面目に結婚相手のことを考えてみたのだけど、誰と結婚するにせよカリアンのそばを離れる選択肢はないな、と諦めかけ……たところに、恋バナの妖精さんことオーレリア・セントグラフフィエがフラっと立ち寄り、「メイドではなく伴侶として彼のそばにいる、というのはどうでしょう」と助言。

 しっかり咀嚼し、もう無くなってしまったローレンス診療所跡地に行って自分の気持ちを全部吐き出したあと、件の行動に出る。

 紫輝歴687年。カリアン・ヴィスマルクと結婚した。

 

 アマナ・ヘルトリーズン 身長167cm 体重66㎏

 教戒院をしっかり卒院し、言いたいことをはっきり言うようになった悪意無く悪口を言う系お姉さん。人を気遣う心を多少なりとも学んだのでポンコツ加減は減ったけど、それでも隠しきれない天然が見え隠れする。しかも悪い方向に。

 再会したアルカと、そしてカルストラ教授のことなど、彼女なりにしおらしくなる出来事やらなにやらはあったけど、それでも道は目の前にしかないんだよ、というポジティブシンキングの持ち主。

 千年前の親友、相・香丹と「必ず未来に届けられるように、災厄竜対策で洞窟の中に二人のための宝物を残す」という約束を交わしたのだけど、指定した洞窟が今の時代だと海に沈んでしまっていることが発覚したため、海洋研究の傍らそっちも探している。ちゃんと見つけ出してアマナも千年保つような何かを埋めるつもりである。

 なお、次に見つける古物に宝の地図みたいなマークがあって、それを探し出したら「アマナが埋めたもの、見つけたよ。次はここ」という内容が書いてあって、驚きながらも次に埋めるものに「この次に埋める場所」を書いて封入。その後示された場所に向かったら「意図、わかってくれたねー。やるじゃん、おばかさん」みたいな文面があって……と。

 千年を跨いだ交換日記という、天体や【マギスケイオス】らもびっくりな異時代交流をしている、という事実は……果たして明るみに出る時が来るのか。

 

 アレクサンダー・フォノン・”ルベント”・ドノヴァ 身長172cm 体重75kg

 教戒院の卒業生たちと再会をしながら各地に根を張る古物商さん。連邦での邂逅以降、思うように『院長』と会うことができないまま災厄が近付いていて嫌だなぁ、とか思っていたはずなんだけどいつのまにか災厄が無くなっていて、これ、もしかしたらあんじゃね? ってキロスの昔の自分の店に戻ってみたんだけど今のところ外れっぽくて落胆している系男子。

 今回はかなり近くに彼がいるけれど、果たして……?

 

 ドレン・マイズライト 身長174cm 体重70kg

 体質により魔王国に居られなくなったので、寂しい気持ちをおして人族の国へ向かったら、戦争に巻き込まれて手紙も出せなくなって、とりあえず稼いで魔王国に行けるようになったら行こう、という気持ちだったのだけど、中々和平が成り立たなくて、逸る気持ちを抑えられずにいたら、同僚のド天然ナチュラルボーン悪口女性が姉を連れかえってきた。

 その時に紆余曲折はあったものの、その後アルジオとの関係性は良好になったし、何より姉が楽しそうで良かった。

 ……と思っていたら兄の死後、姉が妙な態度を取り続けるようになったし、話も聞かずに「あなたは安全な所に居たらいいのです」とぴしゃりと言ってくるようになって……とやきもきしていたら、ド養殖ナチュラルボーン畜生少年が全ての事情を更地にしていった。

 世間での善悪、一般論での好悪はともかく、ドレンにとってノアの行動は「すべてが好転した」と言い切れるほどのものであり、感謝に絶えない。その彼が実力を隠したがっているのなら協力する。恋人がいるというのなら全力で応援する。そして次こそは、姉をこの手で守るのだと。

 

・ハンラム王国

 芸術大国としての名は廃れていないけれど、キロス自治領やエリスフィア帝国でもアーティストが名を上げつつあって、国政としてさらにアーティスト優遇の法律が作られたりなんだりしている。

 その影響を受け、貴族らによるヘッドハンティングが加速し、その妨害も加速しているため、年若くして亡くなるアーティストが絶えない。オーレリア・セントグラフフィエが何やら事業を進めているようである。

 

 オーレリア・セントグラフフィエ 身長168cm 体重61kg

 あんまり責任の無い王族末娘の立場を利用し、各国に飛んでコネクションを作りまくっている王女様。ケレンを見つけるため、ゼンノーティ姓の秘密を探るためのそれら行為は、結果的にハンラム王国、ならびにハンラム王家にとって益になることが多く、本来であれば王国貴族や他国との政略結婚のカードになるはずの彼女には干渉しないでおこう、という取り決めになっているとか。

 彼女の上には姉が二人いるのだけど、妹の行動力には舌を巻くばかり。ただ、そのエナジーにはアテられる部分もあるようで、腰の重い国王に代わって国を動かそうとする意志が強まっているとか。

 護衛もつけずに海辺を歩くのが趣味。毎度毎度近衛隊長に怒られている。ちなみに護衛がついていないと思っているのは当人だけであり、彼女もまだまだということ。

 

・ガルズ王国

 相変わらず魔導兵器を使ってドンパチやっている国。であるため他国との国交は極端に少ないが、無いわけではない。その一つが、立地的にあんまり戦争になることのないゼルパパムとの交易である。

 昔から輸出入で互いが互いに依存していたり、亡命先に選びあったり、竜災などの後は支援しあったりと、割合仲が良い。ゼルパパムに冒険者ギルドが設立される話になった時も、真っ先にお祝いを送ったらしい。

 ちなみにギルドの紋章は他の国では簡略化されるのだけど、ガルズ王国のものだけは精緻な紋章としてあしらわれることが多い。この紋章はギルドというものを作り上げた古代の女王、ネムリ・ガルズが遺したものであり、後世に託す冒険心という名の想い、という意味があるのだとか。その想いはある魔導士によって紐解かれることとなる。

 

 メギス=ヘカトン

 魔王国との緊張が高まり、そろそろ放蕩をやめて帰ってきたらどうだ、というファウンタウンからの手紙を一蹴し、カズラと共にいることを選んだ系ほわほわ超高位精霊。

 涅月歴170年生まれという周囲にいるほとんどの生物よりも年上の存在であるが、長らくある場所に引きこもっていたので世間知らずは変わっていない。実は既婚者。ルツ、という子と結ばれていたのだけど、行方不明になってから長い時が経って、ようやく子孫を見つけた。どうやら子供が出来ていたらしい。

 存在としての格は『涅月の血属(ノクスルーナ・ブラッド)』の血を取り込んだニツァ=ハルティヤよりも上だけど、戦闘力に直結するかと言われたらそんなことはなかったりする。もし彼が本気で強さに打ち込んだ場合、『到達』の魔導士を少し通り越すくらいの強さは得られるだろう。

 

 フィノ・ルンテーニ 身長179cm 体重73kg

 定期集会に来たら生き別れの弟を見つけ、そこから色々なものが判明したハーフ魔族。

 ちなみに弟のレベッカとの結婚について、ドッキリ以外では彼からの背押しもあったとかなんとか。比喩ではなくしっかり尻を蹴り上げたらしい。蹴り技もいいかもしれません。

 

・天の至泉

 連邦の国土ではあるものの、長らく不可侵とされてきた陸繋島。『長い尾を持つ角狗(ロングホーン・ロングテール)』に沈んでいる船舶・死体は大抵この島の仕業。

 この島をこの名で呼んだのは冒険家エリオンベルグであるが、この場の性質を理解して天の至泉と呼んだのか、天の視線の隠し名としてそう呼んだのかは定かではない。

 円形の土地では外界ではまず見ないような珍妙不可思議な魔物が数多く存在し、また外界の薬が効果を為さない毒素を持つ魔物・魔植物も存在するため、冒険の際は注意が必要。

 竜の研究者ロイド・ルカスの言う通り、この島に竜はいなかったらしい。いるのは人語を音として覚えて叫びたてる、奇妙極まりない怪鳥だけだ。

 

 (ワン)溢桔(イージュ) 身長176cm 体重57kg

 長身痩躯の男性。確認できる限り、紫輝歴500年頃から現代に至るまで変わらない姿で存在している。

 ワンデラーをして高度と言わざるを得ない刻印魔法、奇妙な強化付与(エンチャント)、珍妙不可思議な薬品やキメラの数々を使役するまさにマッドサイエンティスト。

 なお、凄いと思ったものは素直に褒める性格で、リスペクトも欠かさない。身分が偉ければちゃんと敬称を付けるし、自分が悪い時にはすぐに謝る。

 名前からして仙実国の人間っぽくはあるが、顔立ちは仙実国の人間っぽくない。というかどこの国の人間とも当てはまらない顔立ちである。

 

  試作人造魔物(ルーナチャイルド)

  (ワン)溢桔(イージュ)が自身や他者の細胞を元に作り出した試作人造魔物。ちゃんとした人間をつくるのにはまだ成功していないらしい。別に涅月要素は欠片も無いのにどうして彼がこの名前にしたのかは今はまだ謎。

 

  汪爺

  長身痩躯の老人。巨大な両手剣を杖のようにして持ち歩く。

  メインウェポンは鎖とその先端についた刃であり、剣は飾り。

  常人の三倍の速度で老いる失敗作。

  島に来る調査隊を舌先三寸で丸め込んで歓迎という名目で眠らせて殺し、それを食すことで生を繋いでいた。

  マクマリに飲み込まれ、死亡。

 

  キルャナ

  元気溌剌な少女。培養された時点で有していた手首近くの棘から毒を分泌したりそのまま刺したりして戦う。

  数年前に来た調査隊の死体から培養された個体であるが、上述の「人間とは違う特徴」を有していたために失敗作としての烙印を押され、あの洞窟に連れてこられた。

  汪が死したことで分け前が増える、なんなら他も全て殺して独り占めしてしまおうか、とか考えていたところに魔竜の抜け殻が降ってきて押しつぶされて死亡。

 

  エンリケ

  何も言わない髪の長い男性。手先が器用なのは培養元と同じだが、汪、キルャナのように言語を持たなかったため失敗作としての烙印を押された。

  汪が消えたことも、それを受けてキルャナが悪意を抱いたことも理解していたが、抵抗する意味を見出せずに圧死した。

 

  ハルピュイア

  汪の作ったキメラ魔物。一応ここに属するらしい。

  知能は有さず、聞こえた音を発声できる喉で発声しているだけ。その耳障りな鳴き声を聞いた調査隊が顔を顰めたり耳を塞いだりするとにんまりするけど、嬉しくて笑っているとかではなく「獲物に狙いを定めた」という顔がたまたまそうなっているだけ。汪が調整した、とかでもない。

 

  魔竜の抜け殻

  寄生血液、正式名称『蝎客蟲』。生物、及び生物であったもの全てに寄生し、中身を食い、中身に成り代わる。寄生を行うものの生物であるかは怪しく、また生物がいないと機能を失ってしまうため、相応しい呼称は人造ウイルスが最も近しいだろうか。

  英雄と言われるほどの人族、魔竜、魔物、魔族など、あらゆる生物──特に肉体を有する存在に寄生を成功させた実績がある。

  ハウル・ハーシェルの作った恵蓼剤と似た部分が大きい。

 

 定道 身長170cm 体重50kg

 典型的なアスミカタ人の容姿をした元お殿様。ナチュラルボーンサイコパスだし趣味の悪い部分はあるものの、人類を変革したい、ひいては救世を願っているだけの人。

 技術者や天才たちへのリスペクトに溢れる。反面、力を持つ存在に対しては「どうすればそれを我が物にできるか」「利用するにはどうしたらいいか」を思いつくばかりで、協力を要請する、という考えには至らない。

 究極自分以外の全てが道具に見えている節はあるが、前述の通り技術者のことはちゃんと認識できているので、技術者以外は全部道具、が正しいか。

 アスミカタという国の成り立ちを知っていたから外道な言葉を吐いていただけで、罪の無い人間を自ら害そう、という気は無いし、迷惑そうな神がいたら利用するだけ利用して有効活用し、害の消去と利益が両立できたら最高じゃんね! みたいなポジティブシンキングの持ち主。

 なお、何かに失敗してもそれを嘆いたりしない。残念がることはあっても執着しない。だって過去は変えられないから。

 

 ラソファヘリュミアンサイナ

 元は紫輝歴780年に生まれた女性。災厄後の貧困、及び魔物の襲撃や盗賊の襲撃によって我が子を失い、その後自身も死亡した。

 未練と嘆きからゴーストとなり、時の円環の流れから外れて彷徨っていたところで、竜の楔から外されて怨念の狂気に脅かされ苦しんでいるエコーを発見、彼女に寄り添い、その霊魂がゴーストへ墜ちぬようずっとそばに居た。

 彼女が禄・玄妙、魔王エステルトの手により安定したことを見てようやく離れようとした時、神々の守りを突破して現れる定道と汪がエコーを攫うその寸前までを見てしまい、それが円環に刻まれる前に目を閉じて、「強大な力を持つ魔法使い」を探していた。

 現『希望の心(コア・ハート)』となった彼女には竜を操る力とゴーストを操る力が備わっている。なぜこの役割を持つ者にそれが備わるのかはまだ謎。

 全てを背負うことにした彼女は、安全性のために涅月へ打ち上げられ──そこで出会ったトンチキ化身やコンストラクトたちと、第二の生を歩み始めるんだとか。

 

 エコー・ノート

 今は未だ胎児、ないしは生まれたばかりの赤子である少女。

 罪人に対して容赦のない性格は変わっていないし、それを擁護する人間もまとめて許しはしない……が、自分の胸の内を明かされ若干拗ねて、若干大人しくなったとか。

 彼女はこれから、どのような人物になっていくのだろうか。

 なお、五百年もの間竜と繋がっていたためか、ある程度竜の言葉がわかるらしい。

 

 神

 神とは、魔物をベースにその存在を昇華させることで生まれる星物(せいぶつ)である。

 同じルートを辿りつつも神とならなかったものを竜と呼び、その起源は同一である。ただし、現代の竜・魔竜と古代の神々とでは同一とは言い切れない違いがあるようだ。

 

 サラード・懈星(ダルオホス)

 雨の神。アヌラの神。中立神。

 色々言ったり言われたりするけどやっぱり善良な心を持っている巨大カエルさん。ラソファヘリュミアンサイナを蘇生するために使おうとしていた権利が余ったので、羽澤に使ってやるのも良いかな、とか考えているみたいだけど、当の本人の気持ちを聞いてからである。

 滄淵(あおふち)という天体の性格がフレームワークとして使われている。元の魔物としての尊大且つ大らかな思考にこれほどまでの善性が含まれているのは、滄淵(あおふち)が善性だった、ということに大きく起因する。

 神としては現存する中で最古の世代である。

 

 トライギル・括石(ククルイシ)

 沼沢地の神。ブランコイデアの神。守り神。

 基本は魔族を守る気概だけど、人族とて子供ならば守りたいと考える巨大サンショウウオさん。思想が邪かそうでないかで物事を判断するきらいがあり、それでは純粋悪を見抜けないと散々周りから言われているのだけど、純粋悪ならばそれは神として干渉すべきではないだろう、としている派閥。

 赭地(アロクトン)紫輝(トゥバン)の作り上げた神の中では最新の世代になる。

 

 ボガース・転空(コルカラ)

 潟湖の神。リサンフィビアの神。守り神。

 魔族の守り神であり、人族には明確な敵意を見せる巨大トカゲさん。勝気な口調は「いつまでも古いままだと新しい時代と衝突する」という考えから取り入れている流行であるため、時代によって微妙に変わる。

 特にアウノルド村での悲劇から人族を嫌っているが、自分から人族をどうこうしてやろう、みたいな考えはない。そういうルールというか「神としての暗黙の了解」はちゃんと守る。

 トライギルと同じく最新の世代の神であり、若い頃(数千万年前)はサラードに懐いていた。

 

 スモーキー・蔕紅杭(ヘダクレグイ)

 川の神。スタイロマトフォラの神。冥津神。

 時間を超えた大望にどんな転落劇が見られるのかと意気揚々と赴いたら人間よりも同期の神が転落していった巨大カタツムリさん。

 ゴーストの裁定神であり、死者には優しい。が、自身の趣味にかまけていて、ほとんどの仕事はサラードがやっていた。赭地(アロクトン)に窘められてからはちゃんと仕事をするようになった。

 なお、こういう由来であるから、冥津神、という言葉に疫病神のようなニュアンスは含まれていない。

 中間の世代の神。彼も若い頃はサラードに懐いていたのだが、それを指摘されると拗ねる。

 

 ディナティ・桟明厘(サンメイリン)

 海の神。アポストリコプスの神。天風神。

 時間を超えた大望を背押ししてやったのだからどれほど愚かな結末が見られるかと意気揚々と赴いたら激痛と屈辱を味わった挙句途方もない罰を受けた巨大ナマコさん。

 劫白の国へ向かう霊魂のための案内役であるが、役目は完全に放棄していたため、今までサラードがやっていた。これからはスモーキーが引き継ぐ。

 なお、こういう由来であるから、天風神、という言葉に守り神や主神のようなニュアンスは含まれていない。

 スモーキーと同じく中間世代の神。サラードに懐いていたスモーキーやボガードを気味の悪いものを見る目で見ていたし、毛嫌いしていた。

 

・宇宙

 漆黒の海。宙海。黒き深淵の世界。

 国ではないし説明するものでもないのだが、天体のいる場所として記述する。

 

 皓庚(しろがね)

 混沌(魔力)の飛来する前の世界におけるこの周辺系の中心恒星。主星。

 たおやかでメリハリのある性格をしていたらしい。女性人格だが──これはどの星にも言えることだが──別に固定の性別は存在しない。

 

 滄淵(あおふち)

 混沌(魔力)の飛来する前の世界における皓庚系第三惑星。

 潤沢な水と多様な生命に恵まれた、宇宙でも珍しい青い惑星。表面の七割が海で覆われており、その時点から生き物は無数にいた。

 若干気弱な感じの、けれど寛容でおおらかで、包容力のある男性、のような人格だった。

 

 紫輝(むらさき)

 かつては皓庚(しろがね)を主星とする伴星だった。

 気の遠くなるような日々を皓庚(しろがね)と共に過ごし、彼女が自らの惑星系を持つことに決めた時は、それらを邪魔しない距離で留まり、見守るつもりだった。

 先に滄淵(あおふち)が混沌によって狂気に陥り、赭地(あかつち)へ代替した。同じく、やがて混沌に侵され機能を停止していく皓庚(しろがね)に、紫輝は力及ばぬながらも皓庚(しろがね)の代替となることを決意し、今に至る。

 本来は明るさや大きさ、発生させる歪み、生物に与える恩恵など何もかもが皓庚(しろがね)に劣る、あるいは全く違う存在だが、混沌を用いて自己を変革し、どうにか皓庚(しろがね)の代替足れるようになっている。

 

 赭地(あかつち)

 かつては滄淵(あおふち)の内側にあるものだった。

 滄淵(あおふち)が生命を擁する前、炎の海としての姿しか持たなかった時代の滄淵(あおふち)とも言える存在。やがて海が形成され、彼女は滄淵(あおふち)の過去、あるいは影として埋没するはずだった。

 しかし混沌が滄淵(あおふち)を蝕み、狂気に落とされて行く中で、彼の決意を聞き、代替を行う。

 その身の原初は熱。星の核。そうであるがゆえに滄淵(あおふち)よりも包容力を有しているけれど、善性はそこまででもない。

 視座が巨大になっていってしまう天体特有の症例が出ており、もし此度引き戻されていなければ、誰の声も聞こえない存在になっていたかもしれない。

 

 緑月(ろくつき)

 紫輝と赭地の内部にある混沌を調整するために生み出された、謂わば星造の月。

 しかし彼女は己の役割を果たさず、赭地で生まれた生命を弄んだり、混沌をかき混ぜて面白がるばかりだった。

 それを見かねた紫輝が彼女を墜とし、彼女の影だった涅月を調整役に抜擢する。紫輝への反抗と自身に無いものを求める羨望からマヨヒガを作ったが、すぐに意味の無いものだと判断し、骨組みだけを赭地に廃棄した。

 怨恨と狂気の月は、未だ鏡面にて輝けり。

 

 涅月(くろつき)

 かつては緑月が赭地に落とす影だった。そこから緑月の位置にまで代替された幼き天体。

 純粋無垢で学習意欲が高く、何事にも興味津々。

 時折芯を食うような発言をするが、それが本星の言葉なのか、フレームワークになった皓庚(しろがね)の言葉なのかは判別つかない。

 なお、皓庚(しろがね)の霊魂は古くに行方不明となっていて、その向かった先は、やはり。

 

 彼方より飛来した混沌

 宙海の彼方、漆黒の大海の遥か向こうから飛来する、「全てを破壊し、変えていくもの」。

 これに当たったものは混沌を帯びるようになり、適合できれば新たな力を得るし、できなければ狂うか壊れるかしかない。

 代替を意味する言葉である魔にこれを当てはめ、魔力と呼称される。そのため、魔族を本来の呼称にするのならば、「混沌の一族」になるかもしれない。

 

・現代

 ここには年代に左右されないものたちを記述する。

 

 ナタリー・"オーラ"・ゼンノーティ 身長150cm 体重50kg

 顔を変え魔力の質を変え、様々な時代で様々な役割になりながら生き続けている超古代人。現在の名前はナタリア・アークライト。身長175cm、体重69kg。過去の名前は、ナターリアだったりネイトアリスだったり、あるいは全然別の名前だったこともあった。

 その起源はなんと赭地の代替前にまで遡る。古の時代にてなんらかの契約を交わし、時の円環上の「次の自分」に自身を食わせ続けて「何かの意思」を繋いできた存在。ただし、いつの頃からか「次の自分」も食べるようになった。これは彼女の意思ではなく、せざるを得なかった、が正しい。

 肉体は『涅月の血属(ノクスルーナ・ブラッド)』であるため、涅月に含まれる古の恒星の意思が少しだけ流れてくることがあったりなかったり。

 魔法使いとしても戦士としてもハイエンドであり、魔力銃のような己のスペックが十全に活かされない武器でも使わなければ、学生らと肩を並べる、なんてことはできない。

 ゼンノーティ村に居心地の良さを覚え、今回からゼンノーティ姓も加わった。ちなみに初対面の時は『院長』のことを本気で子孫だと思っていたらしい。自分が何か変わったことをすれば、それが未来と過去に影響が出ることを知っているから。

 本来一つの場所に長く留まりすぎると狂気を生んでしまう特異体質を持っているのだが、なぜかノアと一緒にいるとそれが抑えられているらしい。

 

 トラッド・ユニト 身長171cm 体重72kg

 未だ謎の多き賢者。その行動があまりに多くの悲劇を生み出すことから、『悪意ある大賢者(オブスキュラ)』などと呼ばれることもあるはにかみ青年。紫輝歴680年時点で4500兆ストレイルの懸賞金首。国際指名手配犯であるため、懸賞金は各国が協力して出す。

 一応本人としては「己のできる範囲で最大限の善いことを」のつもりであり、アスミカタの竜の楔も悪意があったとかそういうことは一切無い。100%善意。

 実際、楔が抜かれなければ竜災という悲劇のどれほどが消えただろうか。竜が罪人の国の処刑道具に成り下がっていれば、あるいは。

 ちなみに懸賞金4500兆ストレイルの内1000兆くらいは「国宝を投げて壊しちゃった罪」らしい。

 

 セイラ・ミルクトウォッチ 身長139cm 体重32kg

 ハーフリング族の女性。『竜殺し』の異名を取るほどに竜と遭遇しているし、討伐している。メインウェポンは槍と徒手空拳。

 相方ソーマ・ルートボックスとはS級冒険者パーティ『ウェルベリーミルクルートパフェ』を組んでいる。こちらの名前は長すぎるし覚え難いので、自分たちですら専ら『セイソラーマ』という呼称しか使わない。ちなみにウェルベリーミルクパフェはセイラの大好物。

 幼い頃に母親を亡くし、父親と二人で世界を回って旅をしていたところで戦争孤児のソーマを拾い、彼の心を開こうとしていた。そのすぐあと、近衛騎士崩れの盗賊と戦いになり、父親が死亡。放心する彼女をソーマがなんとか連れ出して逃げ、追っ手を撒くためにセプウルクルム洋に出て遭難し、教戒院へ流れ着いた。

 ソーマとは恋人……というか式を挙げていないだけでほとんど夫婦である。

 

 ソーマ・ルートボックス 身長141cm 体重41kg

 ハーフリング族の男性。『竜の天敵』の異名を取るほどに竜と遭遇しているし、対処が上手。メインウェポンは槍と徒手空拳。

 相方セイラ・ミルクトウォッチを父親の代わりに守る、という使命感だけで一緒にいたつもりだったけど、次第に彼女に惹かれていって、次第に恋人になった。どっちが告白したとかは無い。

 戦争孤児であるが、定住地を持たないハーフリング族が戦争に巻き込まれることは珍しく、不運だったと言わざるを得ない。とはいえ元々ハーフリング族自体が家族で動くことが少ないことを踏まえると、早めのひとり立ちだった、という可能性もあるが、それでも目の前で親を亡くす悲しみは不要なものだっただろう。

 自分だってつらいはずなのに、根気強くセイラを励まし続けたし、慰め続けたし、彼女のそばにいると証明し続けた。

 彼が自己評価の低い発言をするたびに、セイラは彼を叱るのだ。自身が惚れた男はそんな奴じゃない、と。

 

 ライゼン 身長167cm 体重64kg

 今回の文明では三代目『別界(パラレッラ)』な青年。他の【マギスケイオス】と違って『別界』だけは固定であり、世襲制である。(とはいえ【マギスケイオス】自体が全滅による解散と発足を繰り返しているため、毎度第一代目はフラニー老が探しているようだが)

 伐開の魔族をゆうに超えるほどの結界のスペシャリスト。既存の結界の構造設定を内側から変えたり、時間を操る結界を設置したり、空間を捻じ曲げたりとなんでもござれ。

 普段は家から出ない。位相空間で育てた野菜をコンストラクトに採取させて調理させて、時折食べさせてもらうまでやっている。スーパー怠惰人間。

 重度のビブリオフィリアであり、彼の家は本で埋め尽くされている。引きこもりではあるが、欲しい本が秘境にしかないのなら行く。這ってでも行く。

 世界でたった十二人の魔導士に与えられる称号【マギスケイオス】の第十二位、『別界(パラレッラ)』。その魔法は即ち、"否定された""安全"を行使する者の諱でもある。

 

 

・越竜学園の学生

 

 ニコラス・アバークロンビー 身長155cm 体重63kg

 ノアの見立て通り、元は暗殺者として育てられた少年である。それもヘンリー・エカスベアを殺すために差し向けられた刺客だった。……が、とんでもない範囲を感知できる天才により暗殺組織自体が一瞬にして解体され、ニコラスは越竜学園に引き取られた。

 天才的なセンスで配合される毒はヘンリーやアルカをして舌を巻くレベルのものなのだけど、完全に感覚でやっているのでレシピとか無い。だから学園側はまずそれを解析することから始めたそうな。

 結果的に魔竜を十秒ほど硬直させることのできる弛緩毒が開発され、越竜学園の生徒以外が行う魔竜戦闘における犠牲者がかなり減ったとかなんとか。

 

 ヨナス・リンドベリー 身長161cm 体重66kg

 属性魔法の大家リンドベリー家の当代当主。『末葉(まつよう)(から)』という称号は世界の真相に近しきものの名を示す……が、今は形骸化している。

 彼の扱う『指令魔法(オーダーマギア)』は精霊がやっている「魔力に直接命令を叩き込んで巨大事象を起こす」というのを人族の身で成し遂げるために開発された戦闘手段であり、遍く幅広い存在が使うことのできるようなフレームワークになっているのだが、ヨナスが使った方が威力の伸びが段違いであるため、彼が主砲で他はバフ、という形を取っている。

 

 穂波

 780年入学組の少女。ミュテスのファンであり、自身の竜災経験で彼らに救われた過去を持つ。

 越竜学園入学後の初の対竜戦闘にて現実を思い知り、心がほとんど折れかけていたけれど、あの歌声と共に湧いてきた戦意によってその恐怖を克服した。

 二重歌唱(デュアルスコア)や刻印魔法を修めているため、いつかあの背中に追いつくために頑張っているとか。

 

 

付録


 

 ワンデラー 身長174cm 体重0.2kg

 エルフに擬態するために全身の魔力依存率を上昇させる煙草を常に吸っている人物。魔力には重みが無いため、依存率を上げれば上げるほど体重は減っていく。リュディ・ミーリィも同原理。

 非常に口が悪いのだが、これは『永遠の子供時代(エルヴァホイ)』の中の『永遠の子供時代(エルヴァホイ)』に取り込まれた『博士の博士』と同じく、「一側面を強調する結界」の作用を受けているだけ。

 その証拠に、オールトヴァルトにいた時より天の至泉にいた時の方が明らかに優しかった。

 目にした技術を解析してすぐさま自己アレンジしてくる厄介な人。エルフなら良いだろ、という謎理論で多少の怪我を一切気にせず、魔力によって全身がどうなったとしてもやっぱり気にしない。エルフの事なんだと思ってるの? とは銀・結糸談。

 意地の悪い性格が強調されてはいるが、根本的な部分は変わっていないので、「生きる」をやってみるために試行錯誤する銀・結糸の背を押したり、亡霊の背を押したりと、なんだかんだやっていることはいつもと同じである。

 

付録2


マギスケイオス変遷史

階位過去近代現代

1『不死』『不死』『不死』

2『絶対』『全開』『全開』

3『解放』『財宝』『財宝』

4『天眼』『先見』『観察者』

5『業運』『業運』『業運』

6『到達』『到達』『到達』

7『解体』『骸体』『解体』

8『義賊』『擬毒』『四毒』

9『無欠』『最小限』『最小限』

10『完全』『騒然』『蓋然』

11『自明』『薄明』『薄明』

12『別界』『別界』『別界』

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