序盤からずっと利用するような施設経営者だけど強キャラに薄目にこやかで見られながら名前を呼ばれて最後に「ですよね?」で締め括られる存在になりたい 作:ブ雨堰ド
紫輝歴100年深紫の月。
元ヴァグス公国北部、アルンガル村付近にて。
「よい、しょ……っと。……ふぃー。草だらけ樹だらけ。探せども探せども村の痕跡なんてどこにもないっていうか……」
「母さんたちはこの辺だって言ってただぁよ」
「提案。一度ルダロさんのところへ戻り、方角やルートを再確認すべきです」
「……そうしよっか。このままだと迷いそう」
鬱蒼と茂る森の中を行くのは三人の少年少女。
真っ赤な髪の少女、ジゼル。ふくよかで高身長な少年、ギウス。フードを被っていて性別も人種もわからない子供、アライバルズ。
彼女らはB級冒険者パーティ『巨凰の羽』として活動している。
今日ここにいるのはその冒険者活動の一環で、アルンガル村を探しにきた次第にあった。
そんな中、手探りが厳しいと感じた少女らは、一度キャンプにまで戻ることにする。
「おや、皆さん。お早いお戻りですね。収穫があった、という顔ではありませんが」
「どうにも迷っちゃって。もう一度ここで立て直して、輝が暮れる前にもう一度探索をしたくて」
「おいら、足が疲れたから、癒しの泉に浸けるだぁよ~」
少女たちがキャンプと呼んでいる場所。そこには一人の老人がいる。
名前はルダロ。この森に一番近い集落に住んでいる老人で、連邦から来た『巨凰の羽』のメンバーへ、道案内や森で過ごす際のアドバイスなど、様々なことを受け持ってくれている人だ。
また、キャンプにある『ネロの泉』という泉に浸かれば疲労が回復できるし、流石にストレイルは必要だけど、ルダロもある程度の物資を取引してくれる。森に近いところに住んでいるだけあって、魔物素材から道具を作り出すスキルに長けているらしかった。
反面、戦闘はあまりしたくない様子で、背負っている弓も使われなくなって久しい様子が見られる。ジゼルたちもキャンプの方へ魔物を逃がさないことだけは極力注意を払っていた。
さて、少女らは改めて方角を確認し、地図と照らし合わせ、そしてずーっと泉に足をつけているギウスを引っ張り出して、気合を入れ直す。
「よーし、今日最後の探索にぃっ、しゅっぱーつ!」
「おー!! だぁよ」
「……疑問。毎回これやらないといけないのですか?」
「当然だぁよ。アライバルズも『巨凰の羽』に入ったからにはやらないとダメだぁよ」
「パパとママの代からやってたことらしいから、大丈夫よ!」
「……絶望。何がどう大丈夫なのですか……」
そんな感じで、また森の中へ足を踏み入れる──。
***
いやー。世代、ですねェ。
「……性懲りもなく、というかまだこの近辺をうろついているから何事かと思ったが……一応、そういうアフターケアはするのだな、貴様」
「はて。なんのことでしょうか」
「たわけ。巨凰の君……ルフトライゼのやつもいないこの地に貴様が固執する理由など無いだろう。それをこうも……何か確信があるかのように待ち続けたのは、あの子らがこの地に帰ってくることを知っていたからに他なるまい」
「買いかぶり過ぎですよ。私は星詠みでも夢見でもないので、そこまでは読めません。ただ、そうだったらいいな、と思って待ち続けただけです」
いつもそうだ。「──ですよね?」狙いは耐久勝負。しかも今回は世代交代を挟んでの狙いだったし、その火種は他国へ流れちゃったもんだから、可能性は薄かった。
けど、インスタントを決めた後だったのと、「美味しい気配」が色濃く残っていたから、別の時代に行く予定をキャンセルし、この地に45年も留まり続けたわけだ。
モルダロットは普通の人族なので、老人のすがたにちゃんとなっている。まぁネイファンと会った時点で実は42歳とかだったから、驚きの87歳という、平均寿命50歳の世界ではとんでもなく長生き扱いになっている可能性もありけり。別に70歳でも長寿扱いでござい。
「ちなみに私本当に知らないのですが、アルンガル村ってまだあるんですか?」
「我も知らぬ。ヒトの営みの盛衰は激しすぎてついていけぬ。ワーラスたちが来なくなって久しいのは、単純に親世代になったからだとは思うが……」
「ああいえ、ワーラス、ヌニェス、キースの三人は連邦へ行きましたよ。それは知っています」
「なにっ。村の戦士になると謳っていなかったか?」
「恐らくネイファンが冒険者時代の話をしたんじゃないですかね。時期的にその辺の噛み合いな気がします」
「ならば……長らくアルンガル村は戦士不在だったのか。であれば無くなっていても不思議ではないな……」
「私もそれ以上のことは知らないですから、ですねぇ、としか」
長生きのお供は『ベルヌアヴァスの涅滝』ことネロくん。一応雌らしいのでネロちゃんではある。
別に五六時中一緒にいたわけではないけど、時々様子を──涅滝の、ではなくネイファンらの血筋or弟子の──見に来ていたから、もうすっかり友達である。おっと尾でべちべちするのはやめなさい。物資が濡れてしまうでしょう。
いやぁでも感慨深いよ。何気に老人「──ですよね?」は初だし。
……とはいえ、ジゼルちゃんたちが如何にして薄目にこやかな強キャラに出会うのか、という問題は実はまだ残っていてェ。
「ああそうだ、これ聞きたかったのですが、もしかして世界じゅうにいるんですか、あなたのように『
「それは、当然であろう。大抵が我と同じく人目につかぬ所で密やかに暮らしているから有名にならぬだけで、それなりの数はいるはずだぞ」
「やはり体色が黒いことが判断要素ですか?」
「いや……大抵は黒くなるし、黒いと『
「思ったより不思議生物なんですね」
「貴様に言われたくはないな……」
いやあの、俺でも普通の代謝構造で体色や髪色を自在に変える、っていうのは無理ですよ?
「知り合いに、紫輝歴540年生まれの若い『
「いや若いというか、貴様生まれていないものを……それも440年も未来に生まれるものを若いと表現するのか。色々おかしいぞ貴様」
「彼女もあなたのようになるのだとして、いつ頃なるのかとか、その変化は自分で気づけるのか、とか。勝手な親心が湧いてしまうのですよ」
「我も良くやるが、やはり歳を食った生物は皆他者の言葉を無視して我を通すようになるな」
「半ばツッコミ待ちです。ツッコミ率低いのでこの世界」
「高い世界を知らぬ。それと、五六時中ボケ倒していては、いずれ無視されるに終わるぞ」
「自己紹介ですか?」
「……まぁ、我は……『
へえ。……ホントゥニィ?
「……いつ頃変わるのか、という話だったが、個人差が大きいな。大抵は……本当の意味で人生に満足すると、自然と"こうなる"というのがわかって、自分から人里を離れ、こういう巣を作り、その中で変身するものだ」
「それと、これは推測ですが……あなた、実はまだヒトガタに戻れますよね。戻る手段を持っているというか」
「ム。……まぁ、そうだな。恐らくすべての『
「ああ、なるほどらしい気遣いですね」
まぁ、それなら大丈夫か。
キアステンはさ、一応色々……人間関係とか大事にするタイプだから、魔物になってもう一生、みたいなのはちょっちなぁとか思ってたんだけど。
仙獣が仙人に戻れない設定は、じゃあ玄妙仙人限定ということで。
「しかし……貴様、らしい、などと。涅月と馴れ馴れしすぎやしないか」
「あっちからフレンドリーにしてきているのですから、別に良いでしょう。何か霊聖視でもしているのですか?」
「そういうわけではない。我もアレの
「もしかして嫉妬ですか? ノクスルーナと仲がいいのはずるい、と?」
「……」
「おやまさか当たりだとは」
へー。良かったじゃん。慕われてんじゃん。
こいつらが涅月に帰るのがいつになるのか、ってのは知らんけど、システムとしては上手く行きそうじゃんね。
……ここでこいつを驚かせるためだけにノクスルーナを呼び出す、という展開もアリではあるが、あいつがいると「──ですよね?」の空気にならないので却下で。
シリアスもバランスもブレイクしていくからなぁ。
「……別の話題にせよ」
「そうですねぇ。では、どうしてあなた達『
「それは単純に、天体に階層が近付くからだろうな……。我らは涅月のデザインした生物であり、その血肉は緑月のデザインしたエルフなどとは違い、しっかりとこの世界に体裁の整えられた存在だ。ゆえに、その血肉を食らった生き物は、一時的であれ天体が直接デザインしたものと世界に誤認される」
なる、ほど?
赭地ナイズではありつつも涅月にフォーマットされたデータだから、それの一部を取り込むと下層フォルダから上に出てきて……それがそのまま存在の格に繋がる、と。
「しかし、物知りですね。そこまで長生きでもないでしょうに」
「フン。自らが希少な存在であると知っているのに、その希少性の理由を調べようともしないのであれば、それは怠慢だし、そのせいで被害や事件、果てには戦争にまで発展する可能性があるとなれば、危険性を調べ尽くすのは当然であろう」
「なんとも模範的な『
複数の気配。これは少年少女だ。……数は増えていないから、成果なしで帰ってきたのかな。
ま、彼女らも諦めるようなことはしないだろうし、気長にやっていこうじゃないの、ってね。
そこから約四か月がすぎた。
彼ら『巨凰の羽』は常にここにいるというわけではなく、時折連邦へ帰って情報収集やら冒険者としての他の依頼受諾やらをしているらしかった。
また、彼女の「パパ」と「ママ」がいるゼルパパムへも時折顔を出してるようなのだけど、如何せんゼルパパムにはまだ冒険者ギルドが無いから帰る頻度はそこまで高くないようである。
俺にも自分の生活を優先して、などと言ってきたけど、俺が何よりも優先するのはコレであるのだから是非も無し。
なお現地でのアイテム製作だけでなく、遺物鑑定まで担うようになっている老人さんであるので、着々と「主人公たちが序盤から利用する施設」になりつつあるのが得点高い。
──そうして、その日がやってくる。
「オイオイオイオイ、草ばっか樹ばっかじゃねーか。こんなところに村なんてほんとにあんのかよ」
「ぷっ、ガルナさん、この辺りにきた当初の私みたいなこと言ってる」
「イヤイヤイヤイヤ誰だってこのリアクションになる、っつーの。……っと、ここがキャンプか?」
「え? あ、も~、ルダロさん、また先に待っててくれたの? 到着してから呼びに行くから良いって言ったのに……」
「大丈夫かぁルダロの爺さん。最近暑いでなぁ、老骨には堪えア痛ァ!?」
「失礼。気遣いは良いことですが、その言動は失礼です」
パーティ『巨凰の羽』のメンバーに加え──薄目で、明らかに強者でなオーラを持つ女性。
こーれは。
「初めまして、ですね。私はこのキャンプでガイド兼アイテム製作や鑑定をしております、ルダロ、という者です」
「……ふぅん。ルダロ……ね」
「なに、その反応?」
「お爺さんさ、今何歳なん? あとその背負ってる弓ちょっと見せてくんない?」
「失礼。ガルナ、あなたの腕はわかっていますが、初対面ですよ」
「わかってる。わかった上で聞いてんの」
「ふむ。数え間違いでないのなら、今年で87歳になりますよ」
「は、はちじゅう!? ……実は魔族だったりする? ハーフ精霊とか?」
「いえいえ、普通の人族です。健康に気を遣っていればこれくらい生きられるのですよ」
ちなみにだけど、この世界における平均寿命の計算に乳幼児の死は含まれていない。
成人後からの死亡が計算の基であるため、平均寿命50歳は竜災・魔物との戦い、栄養失調や餓死、病死が対象になっている。
つまりはそれだけ死にやすい世界なわけだけど、竜災から逃れ、栄養管理に気を遣っていれば、60歳くらいまでなら割とみんな生きている。70はご長寿だし80、90はとんでもない、っていうのは変わらないんだけど。
とはいえ異種族も多い世界だから、人族なのに150年生きました! って言ったらまず先に「過去に他種族が混じったんじゃないかなぁ」ってなるんだけどね。
「それで、弓でしたか。はい、どうぞ」
「……やっぱり。弓自体も扱えはするんだろーけど、本業はその鞘に隠してる直剣の方じゃんね。……んで、ルダロ、か」
「なになに、どーしちゃったのよガルナさん」
「アンタらは、こいつに何してもらってんの?」
「さっきも言った通り、ここで採れた魔物素材を武器にしてもらうとか、掘り当てた遺物を鑑定してもらう、とかだぁよ」
「補足。私達の戦い方についての追加指導もたまにやっていただいていますね」
「あとは色々相談に乗ってもらったりとか? 人生経験豊かって感じで、とっても参考になるのよ、ルダロの話は」
ガルナ、と呼ばれている強キャラの人は……俺を正眼に置いて、ぽつりと語り始める。
「……八十年近く前、連邦を
「ああ……士官学校で一瞬習ったような、だぁなぁ」
「呆気。紫輝歴24年、元ヴァグス公国エヌアリア皇室付近にて発生した
「さっすがアライバルズ、良く知ってんね。つーかお前らも冒険者なら知っとけよとは思うけど、まぁいいや。……そう、その時の英雄……『ヴァグスの輝ける風』と呼ばれていたそいつは、紫輝歴50年頃に突然の失踪を果たすまで、多くの冒険者の世話をし、踏み出せずにいた一歩のための背押しをしていたことでも有名だった。お前らの知っているところで言うと、『剛柱使い』イゥロスさんとか、『雷教官』ゴルネオさん、変わりどころなら『狂言ジャグリング』のやつなんかもそうだったはずだ」
「え、イゥロスさんが?」
「ゴルネオさんにはそれはもうお世話になっただぁよ……」
「驚愕。あの常に人を食ったような発言をし、飄々としている、という言葉の代名詞にも近い『狂言ジャグリング』にそのような方がいたのですね」
えー、それでは、お久しぶりにご唱和ください。
キ。
「長く揺らめく銀砂のような髪と瞳。上手く隠しちゃいるけど、恐ろしいほどに大きく圧倒的な強者の気配。霊魂を縛り付けられるかのような声、ってのも聞いたことがあったけど、意識して優しい声にされてたらわかんないわな。『ヴァグスの輝ける風』、モルダロット。──で、合ってんよな? 爺さん」
キター!!!
「ルダロが……まさか、そんな英雄、だったなんて」
「じゃあもしかしてとんでもなく強いだか!?」
「……まぁ、私の来歴は確かにそんな感じですけど、流石にもう無理ですよ。ギウスの言う通り老骨と言いますか、戦闘はもう滅多に行っていなくて。ただ、冒険者時代の知識なんかは渡せますからね、指導はできるのです」
DELICIOUS──……。
インスタント「──ですよね?」からの45年待ってからの王道「──ですよね?」。
若干戦闘力の話だったけど、指導力部分もPUしてくれたのは大きい。ナイスだよガルナちゃん。
「茫然。というか、ジゼルは知っているべきです。仮に本当にモルダロットなのであれば」
「私? なんで?」
「補足。有名な話でしょう。『翼灼』は『輝風』に敗北し、冒険者をやめ、ゼルパパムへ流れ着いた、と。そう言われているじゃないですか」
それは濡れ衣ッピねぇ。
「……いや、パパは家では『翼灼』! って感じじゃなくて、ナハハハハオレは風、風のようにドワッホドンガラガッシャン、からのママが何をしているネイファン、今日の夕飯をそなただけなくすぞ、みたいな感じだから」
「彼もいい歳でしょうに、まだそんな感じなんですね」
「パパの歳を感じたことは無いかも。確かに。……若い頃からああだったんだ」
……さて。
美味しい「──ですよね?」も貰ったし、そこまで関係性があるわけでもないし。
今回は別に死ななくてもいいだろう。……ここは、そうだ。
「そうだ、ガルナさん。……で、よろしかったでしょうか」
「ああ、そうだよ。ガルナ・モルテンシュタイン。それが私の名前」
「私のことを知っているのなら、『ベルヌアヴァスの涅滝』という魔物についてもご存知ありませんか?」
「知ってるよ。真っ黒な竜モドキって言われてた魔蛇だろ? 最近は、っていうかここ五十年近く目撃例が無いから、何かの暗喩なんじゃないかって言われることも多いみたいだけど」
「ええ、その『ベルヌアヴァスの涅滝』が今この泉にいましてね」
「え」
「私がずっとここにいたのは、『ベルヌアヴァスの涅滝』の監視……というか、お世話をしていたからなんですよ」
「あまり適当なことを言うと食い殺すぞ貴様」
ざばぁ、と上体を泉から出してくる涅滝。
「ね、可愛いでしょう?」
「……しゃ、喋った?」
「仙実国には"長くを生きた仙人はやがて仙獣に姿を変える"という伝説があります。彼女はそれらしくて」
「オイ、我の秘密をそうペラペラと喋るな」
「ってことは、元人間、なの? 人族……っぽくはないけど」
「特殊な人間だったみたいです。だから喋れますし、人族文化もわかります。ただ、この姿のまま人間の国にいると、要らぬ誤解を与えて討伐対象になりかねない、というのはわかってくださいますか?」
「ああ……容易に想像がつくだぁよ」
「驚愕。ギウスがそんな言葉を使う日が来るとは」
「私もそろそろ歳でして。次ここを離れたら、もう遠路は厳しいかも知れないのです。だから、涅滝のお世話をあなた達若い世代に任せたいな、と」
ざ、ばぁん、と尾で泉の水をかけてくる涅滝。全て結界で防ぎ、泉に返して。
「これからもアルンガル村を探すから、そのついででいいなら、勿論」
「……余計な世話だ、ニンゲンども。この者のたわごとを真に受けるな」
「この通り口ではツンケンしていますが、基本的に人族に優しいので。アルンガル村の子供達とも遊んであげていたんですよ、彼女」
「雌、っていうか、女の子なんだぁなぁ」
「思慮。ヒトの形から魔物のカタチになる、ですか。……成程」
「私はこのパーティに常駐するわけじゃないからあれだけど、数年おきで良かったら、ギルドの連中とかと一緒に様子を見に来ることはできるよ。あ、でもこういうのってあんまり広めない方が良いかも。そういう喧騒が面倒で隠居した感じに聞こえたし」
「ほう。……ガルナ・モルテンシュタインと言ったか。良い目をしているな」
「うぇ、な、なんか気に入られた?」
というわけで。
円満失踪と行こう。
「それじゃ、そういうことで。私は人生最後の旅にでも出るつもりです」
「そうなんだ。……四か月の間だけだったけど、お世話になりました。また旅路の中で交わることがあったら、よろしくね、ルダロ」
「おいらたちの中じゃずーっとルダロの爺さんだからなー」
「握手。伝説の立会人になれたことを喜ばしく思います。敬意と友情を込めて、握手を」
最後まで律義だったアライバルズと握手をして。
「ネロ。俗世を断つのは実際問題あなたの勝手ですが……あなた自身が思っているより、あなたは誰かの輪の中にいる方が向いていると思いますよ」
「……フン。大きなお世話だ。……さらばだ。貴様に言う言葉としては間違っているように思うが……達者でな」
「あなたこそ。それでは」
魔力を操り、一瞬の暴風を呼び込む。
その風に誰もが目を瞑った──直後。
皆が目を開けた頃には、ひらりはらりと落ちる葉が一枚。
人影など、どこにもなくなっていましたとさ。
~ 今更Topic ~
nED = Neutral END
gED = Generation END
bED = Blinkered END