序盤からずっと利用するような施設経営者だけど強キャラに薄目にこやかで見られながら名前を呼ばれて最後に「ですよね?」で締め括られる存在になりたい 作:ブ雨堰ド
巨大な樹木。樹幹周囲約90athl、推定樹高300athl。
中空に浮いた……正確にはエーテルに包まれるようにして存在するそれを取り囲んで、十二の席に光が灯っている。
時計回りに、『不死』、『全開』、『財宝』、『観察者』、『業運』、『到達』、『解体』、『四毒』、『最小限』、『蓋然』、『薄明』、『別界』。
そう、ここはかの【マギスケイオス】が本拠地。招待状が無ければ訪れることもできず、外側から観測することのできない特殊位相空間。
「──急報じゃ」
声が響く。荘厳な声だ。年老いた枯れ木のような、年月を帯びた岩石のような声。
「『四毒』の姿が見えんくなった。迷い家の怪に巻き込まれてしまったようじゃな」
「いうほど急報か? 迷い家のやつは、大した害は齎さんだろう。歴史における試練、厄難。その直前に現れては人を取り込み、益を齎して立ち去る物の怪。今までの歴史を見てきても、あれはそういう類の化生、という認識だが」
「むぅ……身内の姿が追えんくなったら心配じゃし急報じゃろ」
「来るとわかっている災厄の前に情報なしで放り出しておいて良く言いますよね」
「ぐほぁっ!?」
拭い去られる。荘厳な声は、ただの世話焼きお爺さんの声に変わった。
続く数人の男女の声にも焦りの色は見られない。
「ウォラランは魔族なんだし、そうそう危ないことないでしょー」
「種族差別?」
「差別っていうか区別だって。『薄明』ちゃんも精霊なのに
「……理解」
年若い者もいるのだろう。俄かに騒がしくなったその場所。
「どっちみち……紫輝歴513年? なんて昔にはここにいるメンバーは干渉できないって。行けるのはおじーちゃんと『薄明』ちゃんくらい? あ、あたしもだけどネ☆」
「生まれていない者も多いからな。下手に干渉したとあれば、存在構成が危ぶまれる可能性もある」
「いや、じゃから、あくまで急報で」
「知っているのに手出しができないってことにしかならないから、急報にする意味がないってことだにょん」
未だ幼ささえ残る少女の発言に論破され、二の句が継げなくなる老人。荘厳さなど欠片も無かった。
「もういいか? 俺はカジノで忙しいんだ。元の時代に帰らせてもらうぞ」
「こう……ある一点を境に人が変わったようになった姿をまじまじと見せつけられると、転換点というのは本当にあるんだなぁ、って思うよね……」
「『業運』の研究は続けているんだ、良いだろう」
「ああうん、引き留めたわけじゃなかったんだ。お金稼ぎ頑張って~」
急報だというからなんだなんだと集まったメンバーがぽつぽつと消えていく。
この空間から席を外せば、彼らは元の時代へ戻る。この空間が時間軸から切り離された場所なれば。
「しかし、迷い家ですか。懐かしいですね。私も子供の頃に巻き込まれたことがあります。あの騒動が迷い家だったと知ったのは、随分と後ですが」
「エリスフィアは近付きたくないわ。あそこ、
「解体する前提で話すのやめない?」
彼らの知識は時空を超越している。ただし、ここで得た知識やまだ起きていない話を知ってしまった時は、ここを出る時に
時波へ余計な波紋は立てない設計になっているのだ。
「しかし……まだまだ慣れませんね、ここには」
「慣れるのは追々でいーと思うよー? あたし、おじーちゃん、『薄明』ちゃんはここ長いけど、まだ知らない部屋あったりするし。勝手に増えてるパターンもあるけど」
「そんなものですかね。……さて、私もそろそろ失礼しましょう。アルピニストとして、登らねばならない山がたくさんありますから」
また退席者が増える。
雑談と世間話は彼らの興味を長くは引けないのだ。皆、自身の魔法に狂う者なれば。……一部カジノやら山登りやら、別のことに狂っている者もいるが。
そうして残ったのは、老人……『不死』、フラニー・ハニー・オーケストラと、『蓋然』の少女だけ。
「紫輝歴513年。ううん、515年は、竜の楔が取れた年、だよね」
「そうじゃな。この年を境に、世界各地で竜が出没するようになる」
「けど、魔竜に関してはいつ発生したのかわかっていない。……『四毒』にわざと少ない情報を与えて派遣したのは、それを調べさせるため、だけじゃないよね♪」
楽しげに言葉を発する少女。それに対し、老人は深いため息を吐いた。
「儂もまた、魔を追求する者よ。……紫輝歴666年。次の、その次の『
「同時代二連続の迷い家? めっずらしー、そんなことあるんだ。……それで、開花かぁ。何百年ぶりの仲間が生まれるってことだよねー?」
「ああ。
「『四毒』に開花してほしかった、って? またまたぁ~。おじーちゃん、見た目ほどの善人じゃないでしょ~?」
銀糸のような髪が零れる。ケラケラと笑う少女の目には、どす黒い深淵が渦巻いている。
「認めよう。──アスミカタ帝国は英雄の生まれ出でぬ土地。霊脈の死した土地なれば、英雄になり得る者を外部から送り込み、迷い家と引き合わせることで……人工的な英雄の生誕と、それに伴う歴史改変が起きぬかと期待しておる。【マギスケイオス】所属者が
「そのためのちょーどいい人材がウォラランだった、と。うひゃ~、彼が知ったらどーなっちゃうんだろ~」
「誹りは甘んじて受けるわい。すべては魔導の未来のためよ」
そう呟く老人の目もまた濁っている。世話好きのお爺ちゃんとはまさに『最小限』の言う言葉だが、果たしてそんな老人がどこにいるのか。
「楽しいなぁ、楽しいなぁ。……っていうか、羨ましいなぁ。あたしも迷い家、会ってみたいなぁ~」
「ならぬわい。あれに敢えて称号を与えるのなら、『解析』。目にした神羅万象を自身の掌中に収めてしまう怪物よ。儂の『不死』やお主の『蓋然』を解析されてしまえば、この世そのものが迷い家に遭いかねぬ」
「もう遭ってると思うケドー?」
「それでもじゃよ。あれが人間の範疇を出ないでいるうちは立つ波も少ない。迷い家の怪が真に物の怪となった時、世界には終焉が訪れておかしくないからの」
「──でもそれじゃ、楽しくない」
老人がハッと気付いた時には遅かった。
彼女の魔法によって行われるは、「戻る時代の書き換え」。
「待て、余計なことをするでない!」
「初めに余計なことをしちゃったのはぁ、おじーちゃんの方だよ♪」
消える。
残されたのは、老人一人だけ。
「……
そこにはもう焦りなどない。
どころか。
初めからそうなることが、わかっていたかのように。
「過去が意思を持って追いついてきた場合は……はたして、事故か、事件か」
その言葉だけを空気に残して、老人も姿を消した。
***
普段は甘味処『葵芙蓉』、呼び出しを受けた時はねずみ小僧よろしく情報を探ったり、味の全てを損なって滋養強壮だけを目的とした漆黒の球体『兵糧丸・
結局料理人三昧をしている気がする紫輝歴513年の年末である。
あと一年未満で合戦は起こる。その前に
「……無理だなぁ」
呟く。
わかりやすく数値化しよう。そうさな、カズラ君。彼の戦闘力が10だとする。そこに50,000の力を与える魔晶石武器で、50,010。これが彼の戦闘力だ。普段は魔晶石武器じゃない方を使っているみたいだから2,010くらいになるんだけど。
アルジオ君は武器無しで10,000くらい。カリアンは2くらい。カズラ君を見くびっているとかではなく、心情抜きに言うと、彼本体に特筆すべき点が無いのだ。
リュオンは……通常状態なら1,900くらいかな。アルジオ君があの歳で抜きんでて、そしてずば抜けて強い。つーかレスベンスト冒険隊がバグ。
アルカは、なりふり構わなければ多分20,000くらいは行く。
さて、そうして考えた時、ここのサムラーイたちの戦闘力は、トップでも20を超えるか超えないかくらいしかいない。ほとんどは5~15くらいだ。歩兵が隊の100%ってわけじゃないからね。
概算、魔竜の戦闘力は50,000くらい。ピンキリだから全部が全部じゃないけど、戦闘力50,000を超えてないとこれの討伐は厳しいということ。
俺の料理のバフはガン盛りしても1000倍くらいにしかならない。トップ一人を30まで鍛えてバフで30,000にして、残りの雑兵をなんとか加算して……それでようやく、だ。
忍者側もほとんど戦力は変わらない。魔法を使えるからポジショニング的な戦闘力の妙はあるけど、誤差レベル。
なるほど英雄の生まれない土地だ。芸術全振りだったハンラムより兵が弱い。
国盗りをしたところで征武乱禍の大蛇を討滅できず、疲弊したところを忍者に食われて終わり、という未来絵図しか描けない。忍者とは実力が見事に拮抗しているから、未来視でどんな未来を見たってトントンになる。
……一度死んで出直してくる、という手は、まぁ、使う気はない。そこまで労をかけるほど俺はこの国へ情を割いていない。
挑戦するに足る事実だとは言ったが……ううん。
「……あんた、そうしてると本当に忍びみたいだね」
「ん?」
下に来ていた津吊から声がかかる。瞑想している相手に声をかけるとは何事か。
まぁ悩んでいたので一回思考をカットして、オクネンスギのてっぺんから落ち、音も振動も無く着地する。
ルヴグ村と緯度が近いから植生が似てるんだよな。
「何か用か?」
「仕事さ。御殿から定道様の姿が消えた。以前発見した
「お前だけで問題なかろう。俺だけでも良いが」
「なんでも忍者たちは『用心棒先生』を雇ったらしいからね。万一を考えて、だってさ」
……用心棒先生、ね。
基本排他的なこの国の人間がそんなものを雇うとは考え難いが……確かにちょいときな臭いな。
「良いだろう。初の共同任務と行こうか。忍びの男前に惚れ込んで隙を晒すなよ『隙間風』」
「はぁ……これだから。くだらない冗談を言っている暇があったら仕事しなよ『山津波』」
では。
「定道様、近頃侍めの動きが妙にございます。
「……なんだ、好みの
「定道様、敵は侍ですぞ。またどんな奸計を講じているか……」
「ふん、今の例えは物の例えだが、あながち間違ってもいなかろう。そなたらは今相手にされていないのだ。脅威ではないと思われているのだろうな」
「なんと……! 侍如きが我らを軽んじるなど、あってはなりませぬ!」
声を荒げているのは、この城、というか愁牙衆のトップの爺さん。
その爺さんと話しているのが定道様。つまり葦三方帝国のトップだ。ちょんまげであるとかおしろいをしているとかはない。……バカの方に引っ張られ過ぎか?
「そなたら、最近過激さが足りぬのではないか? 侍の領地へ侵入することも減ったであろう。子供を攫って毒蛙漬けにして送り返すとか、市井の水に汚水を混ぜるとか、なぜしない」
「それはっ……非武装の民を攻撃することは、忍びの沽券に関わりまする。我らが侍より卑怯なことに手を染めるわけには……」
「ならばこの先も甘く見られたままであろうな。……合戦を仕掛けたにもかかわらず無視される、という結果にするでないぞ? そうなった場合、そなたら忍びとの取り決めは白紙に戻ると思え」
「……承知、いたしました」
成程なぁ。定道的には忍者だの侍だの、どうでもいいんだろうな。
それがしっかり起きるように合戦期間を伸ばして……そのための交渉として片一方とだけ仲良くし、取引をする。ここにいるのはただの付き合いか?
「具体的には、何か思いついているのか?」
「そうですな……確か花紋三姉妹の末の娘は、大した力も無いのに単独行動を好んでいたはず。あれを攫い、首だけにして送り返す、というのは如何か。ああ、肉体も
「はっはっは! 良い、良いではないか! そうそう、それでこそ忍びだろう! 余はそういうそなたらの方が好きだぞ!」
「……はい。ですがその……忍びの誇りは……。……いえ、何事にもございませぬ」
そういう力関係ねぇ。……その下卑た発想には大して何も思わんけどさ。
この爺さんはこの爺さんで……卑しい存在に落ちるのは良しとしてないのか。なら、侍と忍者の混成部隊での征武乱禍の大蛇退治という未来はあり得るのやもしれないな。
そのためにはこの男が死ぬ必要があるが。
「──柳老中、そのお話、そこまでにしておいたらぁ?」
「む──何者だ。そなた、どの身分にて言葉を吐く。打ち首に遭いたいのか?」
「あ、いえ、定道様! この方は外国の用心棒先生でして、この国の作法がまだ……。銀先生、その、今は大切な話をしていまして」
──なんだ?
肌の粟立ち。……この感覚は、司書の男の
「その大切なお話がぁ、二匹の鼠さんに聞かれちゃってるかもよ、って話なんだけどなぁ?」
「なに!? ──まさか! く、定道様、失礼! 土遁・揺らし笠松!」
爺さんから放たれた微かな音の波のようなものが天守閣全体を駆け巡る。
……なるほどエコーロケーションか。面白い忍術(魔法)だ。俺も津吊もバレたな。
「曲者二つ! く、定道様、お守りいたします!」
「片っぽはただのネズミちゃんだけどぉ、もう片っぽはちょーっと強いネズミちゃんだねぇ? 柳老中、御殿様は、早く逃げた方がいいかもぉ~」
……丁度いい、か?
正直この国での「──ですよね?」は難しいんじゃないかと思い始めていたところだ。なんせ強キャラがいないからな。
だからここで相打ちに死んでも……まぁ、思うところはあるけど、良い。雛は勝手に飛び立つと前回で学んでいるから。
「撤退するよ。あれは危険だ」
「俺がやろう。お前は逃げろ。なに、元より半死人──」
「馬鹿言ってないで、逃げる! 末番でもなんでも、御庭番に入ったんなら生きて情報を持ち帰ることが第一! あんたがどんな目的で御庭番に入ったのかなんて知らないけど、始めたことはやり遂げな! たとえ志半ばに終わってもね!」
……。
ふん。
確かに、そうだ。そういえば忘れていたな、初心。
俺の夢は基本的に低い確率でしか起こり得ないこと。それを早々に起こらないと見切って諦めては天運に見放される。
ずっとずっと、そうだっただろう。
「金言だな。礼を言おう」
「はいはい、わかったから──」
「──
凍る。冷たくない氷が、天板から津吊を貫こうとしていた槍……鎖付きの槍のようなものを凍らせ、止めた。
ヒューラーすら止めたその氷。しかし、中で、槍ががたがたと動きだす。
込められている魔力もそうだが、この槍の材質自体見たことのないものだ。忍者が雇った用心棒。用心棒というだけはある。
「逃げるぞ、津吊。物の怪の類だ。仲間を庇って死ぬのならともかく、化け物の糧になって死ぬつもりはない。火遁、──
砲撃魔法にて天守閣に大穴を開け、津吊をぶん投げる。俺がまた自己犠牲をしたとでも思ったのだろう、必死な形相を見せる彼女のもとへすぐに追いつき、彼女を姫抱きにした状態で空を蹴る。
その、真下。あのままの角度であれば俺達が落ちていっていた場所へ、極大になった槍の先端が突き出てきた。
「な、ァ──!?」
「何者かは知らぬが、まともに相手をする意味はないだろう。地を行くより空を駆けた方が早い。このまま行くぞ」
「……ちなみにこれ、どうやって走ってんの?」
「水遁の応用だ。凍る前の気を足元に生成し、それを蹴って跳んでいる。練気と併用することは難しいが、覚えたいのであれば教えるぞ」
「ああ……あんな化け物と戦うなら、必要そうだ。あとで御庭番全員に教えてよ」
「よかろう」
俺の悪い癖だよな、と思う。
なんか前もこの気付きを……ちゃんと待たないとチャンスはやってこない、ってのを痛感した気がするのに、すっかり忘れていた。
諦めが早いんだよな、基本的に。明確にそれっぽいやつがいる時なら十年でも二十年でも待てるけど、可能性がゼロに近いと一瞬でやる気を失くす。
可能性がゼロではないのなら、待つべきだ。
どうせ時間は無限にあるのだから。
大本営に帰ってきてすぐ、子細を
その他、子供を攫う不埒な輩がいないかどうかの警戒も強めるとのこと。
「しかし、なんだいね。あそこまでの外道だ。俺が暗殺してくる、って手もありそうだが」
「それでは合戦が早まるだけだ。"大蜥蜴の早贄"が多少早まったところで効力は薄まらないだろう」
そうかなぁ。俺が竜なら「まだ腹ペコのピークじゃねーんだよなー」ってときは立食パーティー見送るくらいはしそうだけど。
早めに起こしちゃって、英気を養ってから征武乱禍の大蛇退治、のがよくね?
「それで、忍びの城に出た用心棒というのは」
「ああ……俺ですら肌の粟立つ感じがあったよ。ありゃ極上だね。用心棒の名もわかる」
「……そんな未来は見ていない。……冥津神の瞳でも見通せぬ者、ということか」
へえ?
それは……ちょい、興味あるかも。
この世界の神は割合ちゃんと神だ。力が強いだけの魔物って感じはしない。人語を解するから、とかじゃなく、ちゃんと人智を超えたところにいる感じがある。
マー【マギスケイオス】なんてものまでいるんだ。おかしな力を有しているやつがいたっておかしくないが……。
ちと、作為性を感じるな。
「
「……ん。ああ、なんだ」
「御殿へ潜入してきてほしい。私の読みが正しければ、定道様は征武乱禍の大蛇をどこかで飼いならしている可能性が高いのだ」
「飼いならされていたら、なんだ。予め殺しておく、と?」
「もし薬物などで鎮静されているのならば、機を早めてでも討滅を行うべきだろう」
「無理だな。どれほど自我を奪われていたとしても、竜になる前の大蛇でさえ暴れたらこの国を亡ぼすに足る力を有している。あんたは気にせず練兵に努めな。微かでも強くするに越したことは無いんだから」
せめて戦闘力30くらいのやつが一人できればうんと楽になる。もう一人できれば1000倍バフで60,000だ。疑似的なレスベンスト冒険隊のメンバー二人、って考えたら相当強いだろう。
「突き進みなよ、
「……近道は、寄り道か?」
「ああ。そこを通ることができるのは一人だけ。後に続くあんたの部下たちは、壁と後続に挟まれて潰されちまうよ」
「そうか。……そうだな。だが、潜入は……やはりしてきてほしい。征武乱禍の大蛇が今どこにいるのかだけでも掴んでほしいのだ」
「承ってやるが、国外にいる可能性はないのか?」
「いや、十二分にある。この瞳を以てしても、かの大蛇がどこより湧き出でたのかはわからぬのだ。……苦労をかけるが」
「御庭番ってのはそういうもんさ。……出立はこちらに任せてもらうよ。俺には茶屋があるんでね」
さて、仕事だ。
"用心棒先生"は忍びの城にいるだろうから出てこないだろうけど、「生きて帰って情報を持ち帰る」を達成するために、万全でいこうかね。