TS不死吸血鬼の異世界旅行記   作:Revak

11 / 37
ダンジョン編。五話ぐらいで終わります


第二章ダンジョン編
第11話


 

 飛ぶこと十分。目的地の帝国の首都ガーナスバルクに到着した。

 巨大な城壁に囲まれた都市だ。街の中心には白銀の塔が建っている。

 雲の上まで伸びている塔であり上るのに丸一日かかりそうな塔である。

 

 門前にディは着地する。

 

 空から降ってきたディに門兵たちは驚くもすぐさま冷静に対処する。

 

「あ、あんた、何者なんだ?」

 

 近づいてきたディに衛兵がそう尋ねた。

 

「私はディ・フランケリヒ。ストーンフェルの従士をしている」

「……あ、あんたがあの内乱を鎮めたっていうあの?」

「本物か?」

「嘘のように美しいと聞く。それそのままの容姿だ。本当じゃないのか?」

 

 などと衛兵たちは話し合う。

 

「通っていいかい?」

 

 ディは少し胸を強調しながら問いかけた。

 その姿に衛兵たちは鼻の下を伸ばす。顔より大きいデカパイに欲情しない男は少数派だ。

 

「ど、どうぞ」

 

 胸をガン見しながら衛兵はそう答えた。

 どうも、とディは返すと門を通って中に入った。

 

(意外と発展してんな)

 

 ディはノースファングの各地方の首都を見て回ったことがある。

 だが、その都市どれよりもこの首都ガーナスバルクは発展している。

 家は石造りのしっかしりた物ばかりで街道は整備されている。裏路地だって整備されているのだ。

 

 そして衛兵が巡回し治安も維持している。

 

 ディはじろじろと周囲の人間──主に男──から見られながら目的地を探す。

 向かう先はこの都市にしかない迷宮管理組合だ。

 そこに登録することでこのバベルの塔の迷宮、ダンジョンに潜ることが許可される。

 

 

 この世界に唯一あるダンジョンに名は特にない。

 性質としては完全な異世界になっている。

 現状判明している五十層の内訳はこうだ。

 一から十層は石の洞窟だ。出現するモンスターはゴブリンやコボルトのみ。

 

 十一から十五層は石壁で出来た迷宮区。地図がないとまず迷うだろう。

 出現モンスターはスケルトンやゾンビなどのアンデッドから上でも湧いたモンスターなどだ。

 

 十六から十八層は木がぽつぽつとある平原。出現するモンスターはオークや巨人、ホブコブリンにトロールなどだ。

 実質的なボスモンスターとしてリトルドラゴンが出現する。

 

 十九層はボス部屋であり出現するモンスターは一体のみ。名はゴリアテという五メートルほどの体躯を持つ巨人だ。

 ハウリングの特殊能力(スキル)を持つモンスターでありレベル二十の者たちが最低六人のパーティを組むことで討伐できるだろう。

 

 二十層はセーフエリアとなっており敵性モンスターは出現しない。

 天井にはクリスタルがびっしりと詰まっており地上の日照時間と連動し光ったり光を無くす。

 この階層には各種族が集まりラヴィラという街をつくっている。

 この階層のみで暮らすことも可能なぐらいには発展している街である。

 

 

 ディは一人大通りを歩いて組合に向かう。

 

 組合に辿り着いた。四階建ての大きな建物である。

 横に大きく市役所をどこか思わせる作りとなっている。

 扉はなく門があるだけだ。潜って中に入る。

 

 中はまたも市役所的なつくりであり酒場などは併設されていない。

 

 ディは受付に進む。

 

「よ、ようこそ組合へ。依頼ですか?」

 

 対応したのはハーフエルフの女だ。

 

 この世界人間種同士では異種族であっても子が出来る。

 人間とエルフ、ドワーフとエルフの間でも子供が出来る。

 ハーフエルフは通常のエルフの半分の寿命、五百年の寿命と美貌を持つ種族だ。

 

「いいえ。組合に登録しに来た」

 

 ディがそういうと受付嬢は少し驚いた顔をした。

 

「わ、わかりました。こちらに名前を書いてください」

 

 そうすっと書類を出す。

 ディはすらすらと名を書き込む。この世界の文字も習得済みの為問題なく書ける。

 書いて渡すと「ありがとうございます」と登録処理がすむ。

 受付嬢は名前を見るとまた驚いた表情をした。

 この五年でディの名はこの首都にも届いている。名を知らぬ者はモグリと言っていいだろう。

 

「これが貴女が迷宮に入ることを認める証になります。迷宮に入るときはこれを出してくださいね」

「わかった」

 

 渡されたのは木で出来た証だ。

 これを持っていれば誰でもダンジョンに入ることが出来る。特にランクとかはない。

 

「当組合一同、ディさんの活躍を祈っています」

「ありがとう」

 

 さて、取りあえず暫くの宿でも探すか、とディが受付を離れると声をかける者が居た。

 

「ディ・フランケリヒさん、ですよね? よかったら僕と少し話をしませんか?」

 

 そう話しかけたのは若い男だ。

 骨格は男だがどこか女にも見える容姿をしている男だ。俗にいう男の娘に近い。黒髪黒目である。

 だからと言って少女の格好をしている訳ではなく冒険者らしい服装をしている。

 ただ服とは言ったが魔法道具(マジックアイテム)であり鎧に近い防御魔法が込められている。

 背中には黒い県と白い剣の二つを背負っている。

 

「あなたは?」

「僕はカズトと言います。ギルド月華の翼のギルドマスターをしています」

「……ギルド?」

「ああ、貴女は外から来たから知りませんよね。この街では迷宮組合に登録した者同士が作った組織をギルドって呼んでます。僕はそのリーダーってことです」

「なるほど」

 

 ゲームのギルドと殆ど同じだな、とディは思ったが口にはしなかった。

 

「それで話なんですけど……よかったら僕のギルドに加入しませんか? ギルドに加入すればパーティを組んでのダンジョン攻略や先駆者から情報を得られる。メリットとしては充分だと思うけど」

「……その分デメリットもあるのが常だろう? 組織となればしがらみも多いだろうしね」

「……それはそうですけど、それはどこに行っても同じだと思います。僕のギルドならそう言った不便は出来うる限り排除できると思います」

 

 カズトがそう勧誘を続ける。

 それに割って入ってくる者が現れた。

 二メートルほどの身長を持つ大男だ。身の丈ほどの大剣を背負っている。

 男はカズトの肩を掴むと「抜け駆けはいけねぇなぁ!」と叫んだ。

 

「よう、あんたノースファングの内乱を鎮めた英雄、ディ・フランケリヒだろ? その容姿、間違ってるはずがねぇ。どうだ? ここはいっちょ俺らのギルドに入るってのは。俺が居るギルド強撃の牙に来いよ。あんたほどの強者ならすぐ副ルマスになれるし、なんならギルマスと決闘して勝てば今日からあんたがギルマスだ!」

 

 そう男はでかい声で叫んだ。

 それにつられて他の者たち──冒険者たちもディに寄ってきた。

 

「あんた、あの英雄だって? ならうちのギルドに来てくれよ!」

「お前のような弱小ギルドじゃ話にならんだろ。どうだ、うちに来てくれ」

「いやいやお前も似たり寄ったりだろ。俺のギルドこそふさわしい」

「嫌々俺だって──」「いやうちこそが──」

 

 などと冒険者たちは口々にいい話始めた。

 ディは鬱陶しくなる。だが<威圧>などの特殊能力(スキル)を習得していない現状では蹴散らす方法がない。

 

「まずはカズトさんのギルドを見学します。他のギルドは気が向いたらという事で」

 

 そう言いディはカズトの手を握りすたこらさっさと組合を出ていった。

 

 

 ■

 

「ご、強引ですね」

 

 外に出たディとカズトは少し歩くことで手を離した。

 

「すまないね。こうでもしないと勧誘をずっと受け続けることになったろうから」

 

 ディはそう謝るも本心から謝ってはいない。

 

「それで、君のギルドはどこだい?」

「え、うちに来てくれるんですか?」

「さっき言ったろう? 見学……というか体験入隊みないなことならしてあげてもいいよ」

「正直うちより大きいギルドはありますけど……うちは六人しかいないギルドですし、他の大手ギルドのフロンティア・ブレイカーズやラストダイブの方がいいんじゃ?」

 

 カズトが上げた二つのギルドはこの首都の二代ギルドとして名をはしているギルドだ。

 人数も二十人以上いるし、フロンティア・ブレイカーズは五十人の構成人がいる。

 

「……正直大手にはいく気がなくてね。私長命種だから、下手したらのっとりみたいなことになりかねないから」

「ああ、なるほど……」

 

 よく聞く話であった。

 下手に組織にエルフなどの長生きな種族を入れると気付いたら上の立場が全員エルフで埋まってたなんてのはよくある失敗談として知られてられている。

 というかアルマテーナがそうだった。元は人の国だったが気づいたらエルフに乗っ取られていた。

 

「それじゃあ、月華の翼に案内しますね」

「よろしくね」

 

 ディはカズトに連れられガーナスバルクを歩く。

 やはりというか注目を受ける。

 

 二十分ほど歩くことで目的地に着いた。

 

「大きいね」

 

 着いた先はそこそこの大きさの屋敷だった。

 前を向いたコの字型の屋敷である。白い館だ。庭もある。

 

 鉄柵の門を開けて中に入る。

 庭を歩いて屋敷に着き、門を開けて中に入る。

 

「あ、おかえりー」

 

 入って早々そう声をかけられた。

 声をかけたのは褐色の肌の少女だ。

 

 この者はアマゾネスという南方に住まう種族の者だ。人間種である。

 

 今更だがこの世界には大きく分けて三種の種族が居る。

 

 人間を基本とし人型から大きく逸脱しない者を人間種と呼ぶ。

 次が亜人種だ。人からケモミミが生えていたり猫が人型になった者などを亜人種と呼ぶ。

 最後が異形種だ。腕が四つだったり岩が人型になっているなどの人間要素がない、あるいは極端に薄いか寿命がない種族を異形種と呼ぶ。

 

 アマゾネスは人間種に分類される種族である。

 

 褐色の肌に黒い髪に赤い瞳。容姿は整っていると言えるがディには及ばない。

 アマゾネスは基本容姿は美しく、肉感的──というか性的魅力にあふれている。要するに胸とケツがでかい。

 だがこの少女はそこまで大きくないため成長途中かこれで成熟した珍しいタイプだと思われる。

 身長は百五十五センチ。

 

「リュカナ、ちょうどいいところに。体験入隊しに来たディ・フランケリヒさんだ」

「紹介されたディだ。よろしく」

「……内乱を鎮めた英雄の紅姫さん? なんでうちに?」

「ギルドマスターの人柄に惹かれてね」

「そ、そっか。うちのギルマスそんなにいい人だったのか……ど、どうもよろしく」

 

 取りあえずお互いに小さく頭を下げた。

 

「まずうちを軽く案内するよ。ついてきて」

「わかった」

 

 そうしてディは一通り屋敷を案内される。

 

「ここがキッチン。基本食事は雇っている料理人が作ってくれるから、勝手に冷蔵庫を開けて食事を作るのはやめてね。事前に言うか食材は自分で買ってくること」

 

 案内されたのはキッチンだ。そこそこ広い。

 冷蔵庫とコンロがある。

 冷蔵庫とは魔法道具(マジックアイテム)である。冷却の魔法と<保存>(キープ)という魔法を合わせた魔法道具(マジックアイテム)だ。

 食材を年単位で保存することが可能である。

 コンロも魔法道具(マジックアイテム)でありある程度火力を調整することが出来る。

 

「ここが風呂。悪いけど風呂場は男女共有だから、ね」

「別に気にしないからいいよ」

 

 ディは裸を男に見られても気にしないどころか興奮するタチの女だ。

 何せ美女の体を見せびらかしたくてたまらないのである。自分で作ったMMDモデルを公開したい欲とでもいえばいいのだろうか。

 

 案内された風呂場は広い。三十人は入っても余裕があるだろう。

 

「ここが君の部屋になる」

 

 最後に案内されたのは自室だ。

 ベッドと机と椅子、クローゼットがある以外は何もない部屋であった。

 ベッドは硬い。

 

「ここが食堂。食事は朝の七時に用意される。うちで休日としている土日は昼の十二時に用意されるけどそれ以外の平日は用意されないから気を付けて」

 

 この世界にも月火水木金土日がある。一年は三百六十五日でうるう年もある。

 これはこの世界を創造した神が日付設定下手に弄るとこんがらがるなと面倒だから地球とセットにすんべかと弄ったからであった。

 

「ほかに案内するところは……広間かな」

「ありがとう。じゃあ、他の団員に挨拶をしようかな」

「そうだね。今ならみんな広間にいるかな」

 

 広間に移動する。

 広間は広い。暖炉があるが火はついてない。今は七月なので暖かいどころか少し熱いのだ。

 ただし冷房はある。魔法道具(マジックアイテム)だ。

 

 広間には先ほどあいさつしたリュカナと四人の男女が居た。

 

 二人は暖炉前にソファに座っており、残る二人はテーブルに座ってチェスをしている。

 

「ようこそ、ようこそ新人。マルコはサポーターのマルコだ。よろしく」

 

(猫だ)

 

 ソファに座っている片方が手を挙げた。バステルという種族の者だ。

 バステルは二足歩行する猫の姿をした亜人種だ。寿命は百二十年ほどで戦士向けの種族でもある。

 生まれた時の月齢で姿が変わるという珍しい種族特性を持っている。

 

 マルコはアメリカンショートヘアーという分類の猫であった。身長は百七十五センチほど。

 斥候系のクラス構成をしている。

 

「あんたがあの紅姫か。私はイラリア。呪文詠唱者(スペル・キャスター)だ」

 

 もう一人のソファに座っている者が声を上げた。呪文詠唱者(スペル・キャスター)とは魔法を使う者の総称だ。

 魔法には環という位がある。第一環魔法から第十環魔法であり更に上の無環魔法もあると言われている。

 第一勘魔法を使うのが一般的な呪文詠唱者(スペル・キャスター)。第二環魔法は大成した呪文詠唱者(スペル・キャスター)。第三環は宮廷魔術師級だ。第四環は英雄級である。

 

 イラリアは第二環魔法まで使える呪文詠唱者(スペル・キャスター)だ。

 金髪に赤目の優れた容姿の女だ。頭部からは山羊の角が生え背中からは蝙蝠の翼が生えている。

 ヴァルグという種族の女だ。寿命は人間と大差ないが魔法能力にたけた種族である。

 呪文詠唱者(スペル・キャスター)らしくローブをかぶっている。身長は百六十センチ

 

「ミーナです。信仰形呪文詠唱者(スペル・キャスター)で信じる神は大地と自然の女神ネイカです。第二環魔法まで使えます」

 

 チェスをしている片方が声を上げた。ミーナは銀髪碧眼の女だ。白い聖女服を着ている。身長は百五十五センチほど。

 容姿は整っている部類だが髪は手入れされていないのかぼさぼさである。

 

「貴女が噂の……私は副団長のエルザよ。よろしくね」

 

 そういうのは白い服を着た女だ。

 体つきはすらっとしているが胸は少しばかり大きい。ディには当然到底及ばないが。

 ロングの茶髪に茶色い目をしている。身長は百六十八センチ。

 

「自己紹介は必要ないみたいだが、ディ・フランケリヒだ。よろしく頼むよ」

 

 こうしてディの冒険者生活が始まる。

主人公のAI絵(chatGPT作)いりますか?

  • いる
  • いらない
  • さっさと本編かけカス
  • 作品投稿しすぎじゃボケ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。