TS不死吸血鬼の異世界旅行記   作:Revak

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第12話

 

 その日の夜。ちょっと豪華な晩飯を食べディと月華の翼の一行は仲を少し深めた。

 

 そうして次の日。ダンジョンに突入することになった。

 

 

 バベルの塔前で一行は最終確認をしていた。

 

 装備品の手入れは充分か。上級バッグ(グレーター・バッグ)の容量は充分か。いざという時のためのポーションは大丈夫か。

 それらの確認を終え、一行はバベルの塔の中に入った。

 

(おぉ)

 

 中は広い。駅のようになっている。組合員が何人か立っている。

 

 組合員に証を見せることで通行許可が出て中に入れる。ディは己の影から証を出して組合員に見せて通った。

 

 少し進むと其処は大きな螺旋階段だ。下へ降りる構造になっている。

 一行は話しながら階段を降りていく。

 

「今日はディさんの力を確認するためにも上層……五層で活動しようと思う」

「私が居ればもっと奥まで行けると思うが?」

「まずは連携が出来ないとだめです。僕たちはまだ二十層にも行けてないギルドですから」

 

 月華の翼の平均レベルは十六だ。

 十九層ボスのゴリアテの推奨レベルは二十となっている為まだ挑むわけにはいかない。

 

 階段を五分ほど降りると其処には門がある。石性だが開いている。

 この門は魔法道具(マジックアイテム)で簡単に開いたり閉じたりできる。ダンジョンからモンスターが湧いて出てこないようにするための門だ。

 

 門を潜るとそこは洞窟だ。

 

(なんか懐かしいな)

 

 ダンジョンの中の石壁はとげとげしく、どこかディが生まれた洞窟を彷彿とさせた。

 

 少し進むと分かれ道になり、適当に一行は進む。

 少し待つとモンスターの足音がする。

 

「まずは私が行こう」

「お願いします」

 

 向こう側から歩いてきたのはコボルト三体だ。

 狼の頭とゴブリンの体を持つモンスターだ。レベルは二。

 

 ディは右手から血の刃を生成。刃渡り九十センチの刃だ。

 それを持って瞬時にコボルトまで接近。全て両断した。

 

「ん」

 

 斬り飛ばしたコボルトの死体が瞬時に消えた。

 そして残ったのは結晶が三つ。

 

「これは……」

「驚きました? ダンジョンで死んだ者はこうしてドロップアイテム……結晶に変わるんです」

「へぇ。面白いね」

「でしょう?」

 

 カズトは落ちたドロップアイテムの一つを拾う。

 そしてアイテムとしてドロップアイテムを使用する。

 

「使うとこうしてアイテムが出てくるんです」

 

 出てきたのは金の粒だ。五センチほどの金の粒であった。

 

「ダンジョンで死んだものは人間でもモンスターでも例外なくドロップアイテムに変わる。ここで死ぬのは勘弁願いたいわね」

 

 そうエルザが言った。

 

「気を付けて進もう」

 

 

 こうして一行はダンジョンを進んでいった。

 

 

 

 ■

 

 ダンジョンで得たドロップアイテムを組合に持って行くことで換金される。

 月華の翼ではまとめてドロップアイテムを売却し得た金を六人で割っていた。今はディが居るので七人で割っている。

 余った金はギルドの共有資産となる。そこから使用人の給料などを出している。

 

 ──一週間が経った。ディを入れた戦いにも慣れてきた。

 というか、ディが強すぎる。レベル百は伊達ではないのだ。更に五年間で戦いの経験を多少は積んでいる。同格との戦いこそ経験してないがそれでもそれなりに強い。

 そして月華の翼はレベルの低いミーナとイラリアのレベリングに来ていた。

 

 第十六層は暗い平原だ。木が所々にぽつぽつと生えている。

 出現するモンスターはホブゴブリン。二メートルほどの背を持つゴブリンの上位種。知性が高い。緑色の皮膚をしている。レベル十。

 オーク。豚の頭に肥満体系の体。豚の蹄に人の手を持つモンスター。頭は悪い。レベル十二。

 トロール。だらけ切った顔に紫色の皮膚をしているモンスター。炎と酸以外の攻撃は再生する。頭部を破壊すれば絶命する。上位個体の場合はその限りではない。レベル十四。

 リトルドラゴン。小さいドラゴン。薄茶色の五メートルほどの大きさの蜥蜴に酷似したドラゴン。ファイヤブレスの能力を持つ。レベル二十。

 

 これらがこの第十六から第十八階層に出現するモンスターだ。

 

 ミーナとイラリアのレベルは十二と月華の翼の中で一番低い。ここでレベリングする。

 

 この世界でレベルを上げる方法は二つ。

 一つは習得している職業、もしくは習得したい職業らしい行動をすること。

 剣士になりたければ剣を使って訓練、実践をすること。そこから短剣使いや大剣使いになりたく場その武器を使って戦う事だ。

 呪文詠唱者(スペル・キャスター)なら魔法の勉強や魔法を何度も使うなどだ。

 ただレベルの上がりやすさとして実践を経由した方がレベルは上がりやすい。といっても個々人によるが。

 

 もう一つは種族を変えることだ。

 ディの眷属創造がそれになる。レベル十程度のブルートがいきなり七十になったのだ。これは例外にもほどがあるが基本種族を変えるとレベルがプラス五されると思っていい。

 

 ミーナとイラリアのレベルアップの為、しばらくはディという超級の戦力が居るために第十六層での稼ぎに尽力することとなった。

 

「お、来たな」

 

 カズトがそういうと向こう側からモンスターの群れがやってきた。

 現れたのはオーク二体にホブゴブリン四体だ。

 

「じゃあ、行くぞ」

<筋力値上昇>(パワーアップ)<俊敏値上昇>(アジリティアップ)

<聖の加護>(ホーリーブレッシング)

 

 イラリアとミーナがバフ魔法を唱えカズトにかけていく。

 全体に付与する<魔法集団化・(マスマジック)は習得していないししていたとしても魔力が足りない。<魔法集団化・(マスマジック)はかける対象が増えるほど消費魔力が増える。

 こうして魔法を唱えるだけでも経験値が入るし、戦闘に参加するだけでも経験値が入る。

 

 カズトが二刀流でばっさばっさとモンスターたちを斬り飛ばして行った。

 

「どんどん来るな」

 

 その戦闘音を聞いてきたのか周囲のモンスターたちも寄ってくる。

 

<魔法矢>(マジックアロー)

 

 イラリアが魔法を唱える。

 この魔法は自分の使える環分魔法の矢が飛ぶという物だ。

 光球が二つ生まれ真っすぐと飛んで行く。この魔法は絶対命中の特性があるため回避はされない。

 

 走ってきたホブゴブリンの頭に命中。運が悪かったのかそのまま頭がはじけ飛んで絶命した。クリティカルヒットである。

 

「どんどん行こう」

 

 この後めちゃくちゃモンスター狩った。

 

 

 

 ■

 

 

 三十分ほど経った頃。ぽつりとイラリアが呟いた。

 

「あ、レベル上がった。第三環魔法もう使えるよ」

「マジか!」

 

 呪文詠唱者(スペル・キャスター)がレベルアップすると新たに自分の系統の魔法が三種選択肢に現れどれを習得するか選べる。

 魔法の習得はそれだけでなく他の呪文詠唱者(スペル・キャスター)が作った呪文書を消費することで習得も出来る。オリジナルスペルの場合もそう言った習得方法になる。

 

「火力として<火炎球>(ファイヤーボール)選択したわよ」

「いいね、範囲攻撃魔法だ!」

「私もレベルアップしました。<生命の雫>(ライフドロップ)を習得しましたわ」

 

 <生命の雫>(ライフドロップ)は骨折程度なら治せる治癒魔法だ。流石に失った腕が生えたりはしないがそれでも強力な回復魔法である。

 

「よし、このままどんどん行くぞ!」

 

 カズトが剣を掲げた。

 

「……悪いけど魔力尽き欠けてるからこれ以上戦うのは危ないわよ」

「私も魔力切れしそうです……」

 

「あ、はい。帰還します」

 

 安全のために一行は退却するのだった。

 





【挿絵表示】


いるっぽいので挿絵投稿です。

主人公のAI絵(chatGPT作)いりますか?

  • いる
  • いらない
  • さっさと本編かけカス
  • 作品投稿しすぎじゃボケ
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