TS不死吸血鬼の異世界旅行記   作:Revak

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第16話

 

 鑑定に一週間かかった。

 それにより多種多様な魔法道具(マジックアイテム)をディは手にすることが出来た。

 

 探知阻害の指輪。あらゆる探知系特殊能力(スキル)や魔法を無効化する。

 窃盗無効の指輪。窃盗系の能力を無効化する。

 身体能力上昇の指輪。物理攻撃力や移動速度を上昇させる。

 時間干渉無効の指輪。時間停止や時間鈍化を無効化する。

 行動阻害無効の指輪。拘束や泥沼などの行動を阻害するものを無効化する。

 言語理解の指輪。魔法言語などを除きだいたいの言葉を読み書きできるようになる指輪。

 

 それらの指輪をディは自分が装備する用の分、両手合わせて十個分貰い残りは全て換金した。

 その額驚異の三十億セラ。圧倒的金持ちである。

 

 ディはその金を使って一軒家を購入することにした。

 ラマカスの道場近くの家である。

 

 

 ディは今、家の見学に来ていた。

 

「どうでしょうか?」

 

 不動産の男がニコニコしながらディに話しかけた。

 ディはじっくりと家を見て回る。

 

 風呂場、トイレ、台所。それらを見て回る。

 一軒家としてみれば少し大きい部類だろう。部屋も二階に三つもある。

 一階にリビングと台所、洋室が二つある。

 

「うん。いいね。ここを買おう」

「ありがとうございます!」

 

 男は笑顔で言った。

 

「それじゃあ、早速購入手続きをしようか」

「はい。一度店まで戻りましょうか」

 

 こうしてディは新しい家を手に入れた。

 

 

 

 ディは一人ガーナスバルクを歩く。目的地は決まっている。

 家から少し歩く事で目的地にたどり着いた。

 

「ここか」

 

 隠されてないんだな、とディは店を見て思った。

 着いた先は三階建ての建物であり横に広い。

 

 中に入る。そこには受付が居た。

 受付嬢に話しかける。

 

「奴隷を見たいのだが」

 

 ディがここに来た理由は単純だ。奴隷を買いに来たのである。

 家の家事をするのに人がいると思ったのだ。家政婦を雇うことも考えたが一生モノと考えると奴隷の方が安いかと思ったのだ。あとは単純にディが奴隷を買いたかったのもある。

 ディは奴隷制に異を唱えるほど正義感がある訳じゃない。

 

「何用の奴隷をお探しでしょうか?」

「家事用の奴隷を探している」

「家事用ですね。こちらへどうぞ」

 

 受付嬢が立ち上がって店の奥へ案内される。

 そこには檻がいくつもあり檻の中に奴隷が居る。

 

(男ばっかだな)

 

 女の奴隷は少なかった。

 

 この世界、奴隷にもクラスの恩恵が与えられる。

 職業に就くにはその職業に相応しい行動をするなどが就職条件の為奴隷として働く事でも奴隷の職業を得られてしまう。

 この世界の奴隷は三種類だ。

 借金などで売られた者。犯罪を犯して奴隷にされた者。親のどちらか、あるいは両方が奴隷だった者だ。

 基本一度奴隷にされた者は生涯奴隷となる。所有権を仮に放棄されたとしても奴隷の地位からは変わらない。

 有り得るとしたら皇帝が奴隷の働きを近々に認めた場合などだけだ。

 

「若くて力があるのがいいんだ」

「でしたらこちらはどうでしょう」

 

 受付嬢はある男を見せた。

 ぼろの布を纏った男だ。顔つきは悪くない。

 黒髪黒目の男で左目の下に傷がある。歳は二十といったところだろう。

 

「この奴隷はまだ若く家事技能にもたけています。炊事選択なんでもござれです」

「ふぅん」

 

 ディは鑑定系の特殊能力(スキル)や魔法を持たない。見るだけで相手の力などわからない。

 

「いくら?」

「十二万セラになります」

「ふぅん……じゃあ買おうか」

「ありがとうございます。こちらへどうぞ」

 

 受付嬢が檻から奴隷を出し別室へ案内された。

 

「こちらの書類にサインを」

「わかった」

 

 ディは書類に名前を書く。

 これでこの奴隷はディの物になった。

 

「この奴隷の名は?」

「六番でございます」

 

(それは名というのか?)

 

 ディはそう思ったが言わないでおいた。

 

「それじゃあ、これで」

 

 ディは影から現金一万セラ紙幣を十二枚取り出し、支払いを済ませた。

 

「ありがとうございます」

 

 こうしてディは奴隷を手に入れた。

 

 

 ディは六番を連れて街を歩く。

 奴隷を連れている人間は珍しくもないため注目を本来受けないはずだがディほどの美人が奴隷を連れていると注目を浴びる。

 奴隷には何をしてもいい。性処理の道具にしてもいいし、殴ってサンドバッグにしてもいい。

 ディにそんな気はない。だが奴隷の扱いなど古今東西あまりいい物ではない。

 

 六番も自分は何をされるのだろうか、と恐怖を感じながら着いて行った。

 

「ここが家だ」

 

 ディが六番を連れて行った先はそこそこ大きい家だった。

 壁と床は石、屋根は木で出来た家だ。

 

 中に入る。

 

「ここが今日から君の家でもある。一階のこの部屋以外の好きなところを自室にしていい」

「わかりました」

「基本は家事炊事をしてもらう。朝飯と晩飯だけ用意してもらえればいい。昼飯は外で食べるから、自分の分は作るか買ってくれ」

「わかりました」

「それと風呂には毎日入る。私が帰ったら入れ始めてくれ」

「わかりました。奥様はどんな仕事をしているので?」

「今は仕事してないよ。だけど明日から道場に通うつもりだから、毎日家を空けることになる」

「わかりました、奥様」

 

 こうしてディの二人暮らしが始まった。

 

 

 

 

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