まぁR18ではないやろ……
「さて、今日からお前たちは私の配下だ」
ディは
この黒曜石で作ったように見える玉座は
隣にはマチアスが立っている。手には巻物を持っている。
広場にはほとんどの
「マチアス。これからの法を説明しろ」
「わかりました」
マチアスが一歩前に出て巻物を広げ読み上げ始める。
その内容は人間の国のルールと大して変わらない。今ある国家をベースにマチアスが作った法律だ。
マチアスはそこそこ頭がいい。といっても大賢者と呼ばれたりする程ではない。一般人よりは賢い程度だ。もちろんディより賢い。
「まずは文字も習得しなければならないな。勉学に励むように」
こうして
「それと、この森について把握している者はいるか?」
ディがそう
一人の魔術師の格好をした
「一、二年ほどまえこの外を探索しに出かけたことがあります」
「そうか。名は?」
「ロルフと言います。第三環魔法まで使える
「おお、優秀じゃないか」
第三環魔法が使えるという事は一国の宮廷魔術師として呼ばれても可笑しくないレベルの高さだ。
「それじゃあロルフ、この森を案内してもらおうか。まずはダークエルフを支配下に置こう」
「わかりました、フランケリヒ様」
「ああ、名前で呼んでくれ。その方が親しみが持ちやすいだろう?」
「わ、わかりました、ディ様」
「それじゃあ二週間後にまた来る。その時までに準備しておくように」
そうディは言うと玉座から降りて玉座を消し、転移魔法で不死城に帰るのだった。
■
「よし。準備は出来ているか?」
二週間後。再び
前のように多数の
「出来ています。それと、本当にダークエルフに会いに行くんですか?」
「そうだが……何か問題でも?」
「いえ。そういう訳では……ただ、その、ダークエルフに会うと驚くと思うので、覚悟だけはしててください」
「……わかった」
ロルフの微妙な顔に何かあるのだろうかと思いつつディは影から
レベル五十の一回り大きい影のように暗い馬だ。瞳は対照的に赤い。
「それじゃあ馬に乗っていくぞ。私の後ろに乗れ」
「わかりました」
ディが馬に飛び乗るとロルフも乗ってくる。
「腰をちゃんと掴めよ。落ちないように」
「わかりました」
そうディが言うとロルフは腰に抱き着く。
種族が違うのでそこに欲情はない。
「じゃあ、行くぞ」
沼地をかけていく。
森渡の
走って走って沼地をかけ、すぐ森に入っていった。
「ダークエルフの集落はどこだ?」
「南の方です!」
「わかった。南だな」
ナイトメアに念話で指示を出す。
召喚したモンスターとはテレパシーのようなもので指示を出すことが出来る。相手側からもある程度は送ることが出来る双方向の念話だ。
南の方へとナイトメアは走っていく。
木々がナイトメアを避けるように動いていく。これが森渡の
そうして走ること三十分。ナイトメアの足の速さもあって近くに着いた。
「ここら辺のはずです」
「そうか。ここからは速度を落とそう」
ディはそう言いナイトメアに指示を出し普通の馬の速さまで落とす。
馬の足音が森に響く。少し歩くとがさがさと音がした。
「ん」
ナイトメアの前に矢が撃たれた。外したのではなく意図的に撃たれたのだ。
「止まれ人間! この森に何の用だ!」
矢が来た方向をディが向くと其処には可憐な女が居た。
肌は黒く、耳は尖っている。そして露出が多い服を着ている。赤い髪に赤い瞳の女だ。
というか少し動けが乳首やら女性器が見えそうなぐらいには露出が多い女だ。
(ダークエルフは痴女なのか?)
ディは一瞬そう思うもストーンフェルの首長に仕えていたダークエルフはこんな格好じゃなかったなと思いなおす。
「私は北にある城の城主だ。この森を支配しようと思って、この地に来た」
「……我々を支配だと? 笑わせてくれる! お前のような者に誰が従うか!」
(まぁ、そう返すよな)
ディは当然の反応だとうんうんと頷く。
それじゃあ、とディはナイトメアから跳躍する。
女の背後に浮き手から血の刃を生成し首筋に置く。
「従わないならこの首はねとばそうか?」
「なっ……なんだと……」
女は冷や汗を流した。まるで動きが見えなかったのだ。
速度から見れば圧倒的に強いとこれでわかるだろう。
「くっ……殺せ」
「……殺さない。代わりに集落へ案内してもらうぞ」
ここで下手に殺したらダークエルフとの友好度が下がる。
もちろん最終的に戦争して死者を出すので誤差と言えるかもしれないが初手から殺してくる相手だと死なばもろともで抗ってくる可能性があるので初手は出来るだけ殺したくないのだ。
「……わかった。従おう」
女はあっけなくディに従った。
ディも血の刃を消す。
跳躍し二人はナイトメアの前に降りる。
「ここからは徒歩で来てくれ」
「わかった」
ロルフはナイトメアから降り、ディもナイトメアを送還する。
そうして少し歩く事でダークエルフの集落に着いた。
(……なんだ、この匂い)
ディは甘い匂いを感じた。
どこか女を思わせる匂いでいい匂いではある。
「上に跳ぶ。ロルフは跳べるか?」
「私が抱えよう」
ディがそう言いロルフを抱っこする。
そして跳躍。上に跳ぶ。
跳んだ先は橋だ。木で出来た橋である。手すりもちゃんとある。
着地するとディは抱っこを解除する。
「ありがとうございます」
「気にするな」
ディはそう言い集落を見渡す。
集落は広い。
木々はでかい。ジャングルの木ほどはあるだろう。
その木の中ほどで丸く膨らむことで家となっている。それら木の家を繋ぐように橋があり、木材で出来た広場も所々ある。
「は?」
ディはこの光景を見て顎を外した。
セックスしてる。
比喩ではない。男と女がセックスしている。
お互いに露出度の激しい衣服──もはや服とすら呼べない──を着用し性行為に励んでいる。
性行為してるのは一組や二組ではなく外にいる人間の殆どが性行為してる。中にはただ歩いてる者も居るが。
(この甘い匂い、性行為の匂いだったのか?)
正確には違う。媚薬の匂いだ。
といってもダークエルフにしか効果がないのでディは当然ロルフにも効果が無い。
「これはなんだ?」
「何って……あぁ。お前たちよそ者は知らんか。我らはセックスをコミュニケーションの一環としている」
「……えぇ」
ディは思わず空を仰ぎたくなった。
そんなディたちに近づく若いダークエルフの女が二人。人間から見てもまだ若い女だ。
「ロルフ君だー! またセックスしに来たの?」
「おいロルフ。お前前に来た時もダークエルフとセックスしてたのか」
「……まぁ、その、はい」
ロルフは言いづらそうにしながら頷いた。
「そこの女の人も一緒にどう?」
「こ、断る……まだ捨てる気はない」
ポツリとディは呟いた。
ディは何気機会が無いのでまだ処女のままである。
膜を破ってもない。自慰行為自体は興味津々なので何度かしてるが。
「すまないが、今の俺はこの人の御付きなんだ。している暇はない」
「えー」
「じゃあまた今度ねー」
女たちはそういうとどこかに去っていった。
「……まぁいい。長の元まで案内しろ」
ディは性におおらかだなぁ、と遠い目をしながら女に言う。
「……長に危害を加えるのか?」
「今はしない。今のところは友好的に出たいからな」
「……その言葉、信じるからな。こっちだ」
ディたちは女を先頭に着いて行った。
ダークエルフはおおらかな種族である。
大本を辿れば魔導に落ちたエルフであり、魔に落ちたという事は闇に染まったということである。
虐殺、麻薬、セックスの三種に落ち切ったエルフがダークエルフとなった。
それを哀れに思った愛の女神ラマルがダークエルフの前に降り立った。
『せめてするならセックスだけにしましょう』──と。
その神託によりダークエルフは性行為ばかりする種族となった。
男女問わず性行為するし、ダークエルフに結婚という概念はない。
子供を妊娠した場合集落単位で産み育てる。誰が父親かなんて考えない。興味も抱かない。
種族の垣根を越えて性行為もする。なんならアンデッドとする者さえいるのだ。
ディたちはセックスばっかしている者たちを尻目に進む。
途中何度かセックスに誘われたがディとロルフは普通に断り、案内人の女は名残惜しそうにしながら断った。
そうして少し進むとひときわ大きい家に着く。
女がノックすることで女が出てくる。
「あら? アンリちゃん。どうしたの?」
「長、外から来た者が貴女に会いたいと……」
出てきた女は美女だ。
赤い髪に赤い瞳。体つきは端的に言ってエロい。
ディに匹敵する胸の大きさと尻の大きさを誇る。腰は細い。安産型の尻をしている。
そして全裸だが胸はロケットのように突き出ている。この世界の住人はクーパー靱帯が強く胸が垂れることはほぼない。
「初めまして、長。私はディ・フランケリヒ。お前たちを支配しに来た」
「あらあら。じゃあ中に入ってください。お茶を入れるので」
「……わかった」
ディたちは中に入る。
中は居間となっている。テーブルがあるし椅子が四つある。
キッチンも兼ねている。洗い場やコンロは
手際よく長は紅茶を用意する。
そして座る。
「それで、私たちを支配するとのことですが、まず貴女の種族は?」
「……吸血鬼という。聞いたことあるか?」
「んー、聞いたことないわね……異形種?」
「異形種だ。寿命はない」
「あらそう。ならいいわ。わたしたちを支配して大丈夫です」
その台詞にディは少し目を丸くした。
「長! いいのですか! 戦わずこんなものの支配下に下って!」
「あら。この人私たちを一秒もかからず皆殺しに出来るぐらい強いわよ。従う方が得だわ」
「な、なんですと?」
「……事実だ。といって流石に一分ぐらいはかかるかもしれんが」
ディは一応肯定しておく。
「でしょう? 長い物には巻かれろ。それに私たちもそろそろ新しい刺激が欲しかったころよ」
そう長は微笑んだ。
「それじゃあ、ディ様。私たちダークエルフをよろしくね」
「……わかった」
こうして平和的にダークエルフを支配下に置いたのだった。