ストーンフェル〇
に変えました。
「えーと、まずはこの世界について色々聞きたいんですがいいですか?」
「それでしたらまずはミシェル様のお屋敷まで行くのがよろしいかと。そこには書庫もあるので知識は得られるはずです」
「……ならそこでお願いします」
「ではミシェル様が居る街ストーンフェルまで行きましょう。方角はあちらです……私についてきてください」
「わかりました」
「先ほども申し上げましたが私に敬語は不要です」
「じゃあ、わかった」
「はい。行きましょう」
なんかノリが合わないなぁとディは感じながらも走り出した。
ディは吸血鬼の中の最高位。神祖の吸血鬼だ。
その力で配下にしたブルートはその一段階したの始祖の吸血鬼になる。
吸血鬼、真祖の吸血鬼、始祖の吸血鬼、神祖の吸血鬼の四段階だ。
ブルートは己の主について考える。
森から出てきた謎の美人。名前のない絶世の美女。
だが感じられる力は圧倒的。世界最強と言われても納得できる威圧感を持つ。
これほどの御方の手足となって動けることに甘い幸福感を抱くと同時にこの御方を守らねばならないとも思う。
今、ディとブルートが居る大陸ラモトラのノースファング地方は内乱中だ。
この大陸を統一している帝国に対し元からこのノースファングを統治してきたストームタガーが反乱を起こしたのだ。
といってもすべてのストームダガーの民が反乱に参戦したわけじゃない。ノースファングの内の八つのホールドのうち四つのホールドが内乱に参戦した。
ストーンフェルは内乱に参戦していない中立地帯になる。そのためある程度は安全といっていいだろう。
更に戦士ギルドの本拠地もあるため治安もいい。
二人は走る。
始祖となったブルートはレベルが上がっている。
レベルとはこの世界における絶対的な指針だ。
強さを表す数値でありレベル差が十以上ある相手には何があっても勝てないぐらいの差が生まれる。
ディ・フランケリヒのレベルは百でブルートのレベルは八十になる。
そのため能力値、ステータスにも大きな差がありブルートの全力疾走よりもディの軽い走りの方が圧倒的に速度が上だ。
そのためディは気合で速度を落としてブルートに着いて行っていった。
(うーん。キャラ設定考えないといけないな)
ディは考える。
今の自分は始まりの吸血鬼らしき存在になっているとふんわりとだがディは理解できている。
そのためにそれに相応しい振る舞いをしなければならないという事も少しはわかっている。
となるとロールプレイになり、設定を考えないといけない。
(敬語はなしで……あれだな。運命がタイトルの漫画のキャラパクるか)
良しそれでいこうとふわっふわな設定を固めた。
そうして走ること十分。目的地が見えてきた。
「あそこがストーンフェルです。ここからは歩きましょう」
「わかった」
ブルートは主であるディの雰囲気が変わったことに気づいた。
だが良い変化だと思い口出しはしなかった。
辿り着いた街、ストーンフェルは小高い丘に街がある。
町全体を囲うように石の壁がある。五メートルほどの壁だ。
城門は木製であり、馬車が一台と折れる程度の大きさしかない。
城壁の外には馬屋があり横を通って城門へと進む。ディが馬屋の店主にすごい目で見られた。
ディも流石に気づきやっぱこの格好あかんかったかとパンツ丸見えスタイルを少し後悔した。
だが後悔してももう遅い。ディとブルートの二人は城門前に着いた。
城門前には衛兵が二人いる。どちらも腰に剣を差している。
顔は古フェイスでわからないが体はチェインメイルの鎧だ。
「あ、あんたは……!」
衛兵の片方が目を見開いた。兜に隠れているので目ではわからないが。
「ああ。悪いがすぐ通してくれ。すぐに向かわなければならない」
「わ、わかった」
そういうと検査を素通りし門を開いた。
門を開いて中に入る。
(おぉ……)
そこはまさしく中世っぽい街並みだった。
入ってすぐ右手は鍛冶屋。斜め左には酒場がある。
大通りをブルートは通りディはそれに着いて行く。
少し歩くと広間に辿り着き、そこにはいくつかの屋台が出ていた。
そして──屋台の店主も来ていた客も通っていただけの者も。
全員がディに注目する。
(やっぱパンツ丸出しはあかんかったわ!)
そう思い即座にドレスを作り直しパンツを隠すようにする。
だが視線はやまない。というかパンツに注目していたわけではない。
ディの圧倒的美貌に見惚れていたのだ。男女関係なく。
ディは圧倒的な美貌を持っている。ディ自身分身を見ることで自分は美人だとわかっていたがここまで見られるほどとは思ってもみない。
美しいだけじゃなくこの世界じゃ珍しいインナーカラーに左右で目の色が違うという特異性。注目を集めるのも無理はなかった。
そして何よりも集める理由はディが発する強者のオーラだ。
空腹なサーベルタイガーを前にしたような恐怖がディが近くにいるだけで生じる。生物としての圧倒的な格の違いを感じ取っているのだ。
ブルートは気づいたが流石は我が主と思い気にもせずディはまぁ見られてるけどええかで済ました。
街の中の階段を上っていく。
(でっか)
登って行って向かう先は宮殿だ。
木製の宮殿であり小さいビルほどの高さと商業施設並みの横の広さを持っている。
階段を上ってっていくと門がありそこには衛兵が居た。
「ぶ、ブルートさん?! 無事だったんですか?!」
衛兵はブルートの顔を見るなりそう叫んだ。
「ああ、こうしてぴんぴんしている。入ってもいいな」
「は、はい。大丈夫です。けど、お連れの方は?」
「私の命の恩人だ」
「わかりました。どうぞ中へ」
ブルートは門を開け中に入っていった。遅れてディも入る。
中は広間になっている。
中央にかがり火があり、左右には長机がある。
奥の中央には簡素な玉座があり、玉座には一人の男が座っていて玉座前には一人の少女が居た。
歩いて行くと足音が当然なって、足音に気づいた玉座に座っている男がブルートを見て信じられない顔をした。
それに気づいた泣いている少女も振り返り、ブルートの顔を見た。
瞬間、少女の顔がぱぁっと明るくなった。
「ブルート!!!」
そう叫びながら駆け出した。
ブルートは受け止める体制を見せ、少女──ミシェルを受け止めた。
「よかった、生きていたのね……本当に生きててよかった……!」
「はい。この御方、ディ様に生かしてもらいました」
そうブルートは微笑んだ。
「……ディ様?」
「はい。この御方です」
「……紹介されたディ・フランケリヒだ」
ディはできうる限り設定を遵守しようとロールプレイをした。
よろしくとは言わない。キャラ設定にあってないので。
「あなたが……ありがとう」
ミシェルは小さく頭を下げた。
ミシェルは金髪碧眼の美少女だ。
歳は十一歳でありまだ幼い。
白いワンピースを着用し様になっている。
本名はミシェル・グレート・ストーンフェルという。
三人は玉座へと近づいていく。
「ここからでも聞こえたぞ。あなたがうちの騎士を助けてくれたのか?」
そう玉座に座りながら問いかけるのはミシェルと同じ金髪碧眼の男だ。
歳は三十を超えた程度だろうが顔つきは修羅場を超えた男のそれだ。
この場の誰よりも豪華な服を着ているがディには服の価値がわからないのでわかってなかった。
頭には王冠にも見える金のサークレットを付けている。
「ああ。その通りだ」
「うちの騎士を助けてくれて感謝する。事情は聴いているか?」
「一刻も早く戻りたいとのことで聞いていない」
「そうか……まぁあまり吹聴するような話でもないが」
そういうとこのストーンフェルの首長グルフ・グレート・ストーンフェルは話し出した。
ようやくすると娘は反乱側の者たちに襲撃を受けたという事。
襲撃した理由は娘を人質に取って内乱を反乱側で参戦させるというものだ。
その襲撃者に対し戦ったのがブルートで孤軍奮闘の結果敵を壊滅させるも自身も腹を貫かれて生死を迷っていた。
そこに助けに来たのがディという訳だ。眷属にすることで助けたのだ。
「グルフ様。今の私はディ様のシモベとなっています」
(ちょ)
話が終わった途端ブルートが切り出してディは混乱した。
だがすぐにすぅーと精神が冷静になっていく。
「眷属? なんだ、それは」
「私から説明しよう」
そうディは一歩前に出た。
「私は吸血鬼でな。相手を自身に忠実な存在に作り替えることが出来る。そうでもしなければブルートは死んでいたのでやむなくそうした訳だ」
「……悪魔や天使に転化するのと似た感じか?」
「そう思ってくれればいい」
「そうか……まぁ、それはいいが、ディとやら。あんたは何をするつもりだ?」
「ふむ。暫くはこの街で仕事しながら暮らしていくつもりだ。私は遠いところから来たからこの辺りの地理や情勢をわかっていない。常識さえもね。だから暫くはここで暮らしながら仕事をするよ」
「……だったらうちに来ないか? あんたに相応しい仕事を用意しよう」
「いいだろう」
「よし、交渉成立だな。今日からディ、あんたはうちの身内だ。寛いでくれ」
こうしてディはストーンフェルという住まいを手に入れた。
「そうだ。この城について誰かに案内させようか」
「でしたら私が案内したく思います」
そうすっとブルートが身を乗り出した。
「いや、ブルートは暫くうちの娘といてくれ。娘がまた泣きそうな顔してる」
「……わかりました」
「じゃあ……イリレス。案内してやってくれ」
「わかったわ、首長」
そういうとダークエルフの女が一歩前に出た。
美しい女だ。ディには劣るが充分美人といえる容姿をしている。
エルフらしく長身で百八十はあるだろう。黒い肌に尖った耳、赤い髪と瞳を持っている。
ダークエルフという種族だ。千年の寿命を持ち炎に対する耐性を生まれつき持っている種族である。
「ついてきて」
「わかった」
そう短く返しディはイリレスに着いて行く。
広間、訓練場、地下牢、宿舎と案内された。
最終的に宿舎に併設された食堂に案内された。
時刻は夜の五時。この世界では晩飯の時間である。
食堂には多数の衛兵と騎士が居る。
衛兵と騎士は役職が違う。
街を守るのが衛兵で首長を守るのが騎士だ。
格好からして違い騎士は
またレベルも違う。騎士はレベル十以上あるが衛兵はレベル五程度の強さしかない。
ただ首長の側近であるイリレスはレベル二十と非常に高いレベルを誇っている。
純戦士のクラス構成をしている。
食堂は広い。
長い木の机が幾つかある。椅子には何十人か衛兵と騎士が座って食事をしている。
そして全員、食堂のおばちゃん含め全員の視線がディに集中していた。
その視線にイリレスは嫉妬心を抱かなかった。そういう次元の美しさではないのだ。
「ここで食事をとりましょう」
「わかった」
カウンターに行き食事を出してもらう。
店のように好きな料理を出してもらえるわけがなく決まった料理しか出ない。
出された料理はパンとじゃがいもとにんじんとウィンナーが入ったスープだ。
ファンタジーらしい料理にディはワクワクとした。
椅子に座って「いただきます」と食事を始めた。
イリレスは見たことない行為に何かの宗教的行為だろうかと疑問を抱いたが気にしないことにした。
(うまい)
異世界の食事という事で内心おいしくないのではと思っていたがとんだ杞憂で普通に美味い。
もしゃもしゃと食事を進める。
(うーん。やっぱみられるな)
自分の食事法が異世界だとおかしいのだろうかと思いながら食事を進める。
だがそんなことはなく美人は何をしても美人なのだと思われながら見られているだけだ。
食事を終え、ディは与えられた自室に向かった。
(──寝れん)
ベッドに横になりながらディは思った。
与えられた自室は一人部屋だ。
といっても今は同室の者がいないだけで二人部屋である。ベッドが二つある。
ベッド二つにチェスト二つ、机が二つに椅子が二つという簡素な部屋だ。
簡素なベッドに横になりながらディは眠れないと目を開けた。
洞窟に居た頃は眠気なんてものがなかったし疲労もしなかったので不眠不休で歩き続けていた。
なので横になれば眠れるだろうと思っていたが全然眠れない。
(……散歩でもいくか)
仕方がないとディは窓から身を乗り出し背中から血の翼を形成。空へ飛びあがった。
ストーンフェルの上空を飛んで行き、宮殿の屋根の上に止まった。
「おお、綺麗だ」
ディは暗視能力を持つ。光が一切入らぬ暗闇だろうと真昼間のように見通すことが出来る。
夜の夜景を楽しめないのは残念だがこれはこれでいいものだとと思う。
地上を見れば寝静まったストーンフェルの街が見える。
歩いてるのは松明を手にした衛兵たちだけで一般市民は家にいる。
(うーん。俺って結局なんなんだろうな)
闇から生まれた己だが一体何なのかと疑問を抱く。
前世の記憶とでもいうべきものがあるので強固な自我を持てているが、それ以外、この体に関してはわからないことが多い。
今のところわかるのは血を操れるのと再生できることぐらいだ。
なんで言葉が通じてるかもわからないし、とディは考える。
(……こういう時、瞑想すれば何かわかったりしないかな)
よっこいせ、とディは胡坐をかいて瞑想のポーズをとった。
そして己の内側に意識を向け──己の能力を把握した。
クリティカルヒット無効。精神作用無効。飲食不要。毒・病気・睡眠・麻痺・即死無効、肉体ペナルティ無効。
酸素不要。能力値ダメージ無効。エナジードレイン無効。負属性での回復。暗視。
聖属性に対する脆弱性。炎に対する脆弱性。
不死。
血操作。眷属創造。眷属招来。吸血鬼支配。精神操作の魔眼。霧化。蝙蝠化
影に入る能力。影の中に物資無限収納。生命探知。隠密補助。
(……ふし、不死かぁ)
体が再生したり血が飛ばせることから薄々察しては居たが不死とは驚いたものである。
ただ完全な不老不死ではない。心の底から強く死にたいと思えば死ねるのだ。それ以外の方法では絶対に死なないが。
さてどうしようかな、とディは月を見上げた。
主人公のAI絵(chatGPT作)いりますか?
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いる
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いらない
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さっさと本編かけカス
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作品投稿しすぎじゃボケ