三日が経った。
その間。ディは特にやることがないため他の衛兵について回って街の見回りをしたりした。
事件と呼べるのは二日目の酔っぱらいの喧嘩ぐらいでディがその場に出るだけで場は収まったため力を振るってすらいない。
そして今日。ディは宮殿の会議室に来ていた。
会議室には見たことのない人間が二人居た。
グルフ、イリレス、そして見たことない鎧を纏った人間と仕立ての良い服を着た男の四人が居る。
中央の机にはストーンフェルと周辺が描かれた地図が置いてある。
「よく来たな、ディ。紹介しよう。うちの執政のロベールと帝国から来たアベンタス将軍だ」
「よろしく頼む」
ディは小さく頭を下げた。
「それで、だ。うちの斥候が敵を見てきたんだが……数は五千はいるらしい」
首長のその台詞にディ以外が驚いた。
その数にディはたかが五千かいと思ったがこの時代から考えると恐ろしい物がある。
街の人口もせいぜい一万を超える程度で首都ガーナスバルクで二十万程度だ。その平均人口一万から見たら人口の半分の軍とは驚異的なのである。
ストーンフェル全体の兵力も八百程度だ。
「帝国からも軍を出すが二千が限度だ。これは今動かせる数がそれだけしかないというだけでこの地への援軍を絞っている訳ではないと理解してほしい」
「そうか……」
併せて二千八百という約倍の差がある。
正面切って戦えば負けるのは必然だろう。ならば正面切らず戦えばいい。
「私が殲滅してこようか?」
そうディは提案した。
何を言ってるんだこいつは、という目を執政のロベールとアベンタスがした。
だがイリレスとグルフはそれがあったか、という表情をした。
「……だが一人だと殲滅力が足らないんじゃないか?」
「範囲攻撃のすき……能力を持っているから問題ない。数も私一人で用意できるからな」
「……首長。この女の戯言を本気にしているのか?」
アベンタスがそう問いかけた。
「彼女のいう事は本当だ。彼女はレベル百はある」
その言葉にロベールとアベンタスは顎を外した。
「レベル百?! 神々の領域じゃないか!」
神のレベルは百だと知られている。これは神が実際に言ったからだ。
つまりディは神に匹敵する超越者だという事になる。
「ああ。だから私一人で問題ない」
そうディは微笑んだ。
■
五日後。ディは一人昼間の草原に立っていた。
ディの視力十二で見える先には五千の人間の軍勢が居る。
そうして待っていると相手側もディを視認し始める。
ここからだ、とディは気合を入れた。
「さぁ、行くよ」
ディは
己の影から眷属たちが呼び出される。
体長二十メートルの巨大な狼。真っ黒い影のようにも見えるがひとみは赤い。
巨大な蝙蝠。三十メートルはある。こちらも影のように暗い。
超音波による範囲攻撃の
五十メートルという圧倒的巨体。ゴリラに翼を生やし爪を付けた外見をしている。こちらも黒い。
グレーター・ガーゴイル。レベルは七十。
それら数十体の怪物がアルノルの軍勢に襲い掛かった。
ガーゴイルがその手で人を握りつぶし。蜘蛛が捕食し。蝙蝠の超音波でばらばらに破壊される。
戦士たちは逃げ惑うも移動速度が段違い。逃げることなど許されない。
狼に食われ、蜘蛛に切り刻まれ戦士たちは躯となっていく。
(うーん芳醇な香り)
飛び散る血の匂いを感じディはいい匂いだと思いながら配下に蹂躙させるのであった。
ディは空に飛びあがる。
化け物たちが軍を蹂躙する。
一体一体が国を滅ぼしてもお釣りがくるレベルの化け物たちだ。レベル七十とは国一つ滅ぼせる怪物である。
それらが統率された動きで包囲殲滅するように動いているのだ。レベル十や十五が最大値のアルノルの軍勢に勝てる道理などなかった。
だが、すべてを殺し尽くすことは不可能だ。逃げ出す者がいる。
ディは空からそう言った者たちに対し
ディは血を操れる。それは自分の血だけではない。
半径百キロ圏内のレベル六十以下の血がある存在全ての血を問答無用で操れるのだ。
といっても正確な操作は視認できる範囲でないといけない。
というか正直この力だけで軍勢を撃退できたがしなかった。理由は単純だ。
ある程度は逃がしてディの恐怖を知らしめるためだ。
だから逃がす必要があると同時に逃がしすぎてもいけない。逃がしすぎるとやっぱあいつ大したことないわ、と思われるからだ。
さぁここからが大変だぞ、とディは気合を入れた。
「逃げろ! 逃げるのだ! どこか遠くへ! 奴らのいない地へ!」
ルステーク首長アルノル・ウルフ・ストームダガーはそう叫んだ。
馬の上から叫びながら己も逃げる。ストームダガーの者たちはそう言われるまでもなく逃げ出していた。
(何なのだ! 奴はいったいなんなのだ!)
そう叫ぶも現実は厳しい。ガーゴイルが、蜘蛛が。襲い掛かってくる。
それらに対する抵抗手段を持たないアルノルはとっさに馬から飛び降りた。
次の瞬間馬はひき肉になって死んだ。
「クソ!」
馬に乗るより自分で走った方が速いがそれでも馬に乗ればスタミナという問題が無くなる。
仕方ないので自分で走る。アルノルはレベル三十はあるのだ。
そのレベルだからこそわかる。この怪物たちの強さが。
有り得ない。人の世界に居ていいわけがない。神話の中の怪物クラスだ。
「くそったれ!」
そう叫びながら自分が生き残るためにアルノルは必至で──漏らしながらも必死の形相で逃げ出したのだった。
■
「ば、化け物……」
その蹂躙される様をアベンタスは見ていた。
帝国が有する
それを使えばディが怪物を召喚使役し己も蹂躙するさまが実によく見える。
なるほど確かにレベル百だ。これほどの強さの怪物ならば納得するしかない。
なんでこんな怪物が突如湧いたのか気になるが気にしている暇はない。これはある意味世界の危機にもなる。
この力を持って世界を蹂躙する側になったら──そう思うと気が気でない。大陸最強でさえレベル五十しかないのだ。この軍勢に打ち勝てるとは到底思えなかった。
その怯えようは周りにいた兵士たちにも伝わる。というか位置的にはぎりぎり兵士たちも化け物の背が見えた。
帝国軍とストーンフェルの混成軍、ディと眷属、ストームダガーという位置だ。
「……どうすればよいのだ……」
アベンタスは一人、頭を抱えたくなった。
主人公のAI絵(chatGPT作)いりますか?
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いる
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いらない
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さっさと本編かけカス
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作品投稿しすぎじゃボケ