TS不死吸血鬼の異世界旅行記   作:Revak

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第9話

 

 野営地のキャンプに戻りディは将軍のいるテントに入った。

 空を飛んできたので時刻は昼前である。

 中に入るとアベンタスは顔を明るくし問いかけてきた。

 

「戻ったか。どうだった?」

「簡単に落としてきたよ。敵は皆殺しにしてきた。後処理はロイに任せたけどいいかな?」

「構わないとも。グロッグ砦を落としたとなれば次はフロストハロウだ。三日後攻め落とそう」

「わかった。それまでの間は?」

「たっぷりと英気を養ってくれ。君がこの戦の要なのだから」

「わかった……娯楽用の本などはあるかい?」

「少しならある。兵士に聞くと良い」

「わかった。そうさせてもらう」

 

 そうしてディはフロストハロウ攻略まで本を読むことにした。

 

 

 

 

 三日が経った。その間ディは兵士と文字の読み書きの練習をしていた。

 理由は単純で、普通に文字が読めなかったのである。

 ディが聞いた限りでは言葉は知性ある存在ならば言霊の加護によって通じるが読めたり書けたりはしないらしい。

 未知の言語で読み書きするには一から学ぶか魔法道具(マジックアイテム)を装備するしかない。

 勉強は順調だ。ディの体は脳みそも優秀なようで■■だったころの頭脳とは段違いですらすらと学ぶことが出来た。

 

 

 ディたち帝国軍三百はフロストハロウ前の雪原に来ていた。

 先頭にはアベンタスが立ち、隣にはディが立っている。

 ディは変わらずドレス姿で帝国軍の鎧を着ていないが文句は言われてないからいいだろとディは気にしてなかった。

 

「これから帝国の威信を取り戻す戦いを始める! みなついて来い! 帝国の為に! 帝国軍の為に!」

 

 突撃ー! と帝国軍は進み始めた。

 少し進むと幾つかバリケードが見えてくる。

 木を幾つか使ったとげとげしいバリケードだ。

 ちまちま壊していると相手に準備する時間を与えてしまう。

 

「私が壊そう」

 

 ディは右手を突き出した。

 血の砲弾を射出。バリケードが一瞬で壊れた。

 そのまま砲弾を放つことで残るバリケードも破壊。

 血の砲弾が邪魔じゃないか、と思われるがディの血は時間経過で勝手に消えるため邪魔にはならない。

 

 バリケードを壊すとうじゃうじゃとフロストハロウに駐在していたストームダガーの兵士たちが沸いて出てくる。

 

「臆するな! 進め!」

 

 アベンタスがそう叫び帝国軍とストームダガーが衝突する。

 ディも右手から血の刃を生成し斬りかかる。

 相手が防御に使った盾事両断。体が真っ二つに斬られる。

 

 そのままディがばっさばっさと斬り倒していく。

 その傷跡を抉る様に帝国軍人たちが突き進む。

 

 そうすると守りが一切なくなり、フロストハロウの街中が見えてくる。

 

「アベンタス。どうする?」

「首長の館まで行こう。首長を拘束する」

「わかった」

 

 そのままディとアベンタスは警戒をしながらフロストハロウの街中を歩く。

 ディはこの街を歩くのは二度目だがやはり寂れているなと思いながら歩く。

 

 ストームダガーの兵士ともフロストハロウの衛兵とも会うことなく首長の屋敷に到達する。

 ディがドアを開け中に入る。中の広間の奥、玉座には首長が座っていた。

 

「帝国軍め!」

 

 首長の隣に立っていた男が両手斧を持ってディの襲い掛かる。

 ディはすぱっと首を跳ね飛ばした。

 

「こ、降参だ! 従う!」

 

 首長は椅子から立ち上がりそう両手を挙げた。

 

「拘束はさせてもらう」

 

 アベンタスは手かせを取り出し首長の両手にはめた。

 

「これでフロストハロウを攻め落とせた。今日からは帝国側の首長にこの地を収めてもらうぞ」

「わ、わかった……人質として人道的に扱ってくれることを祈ろう」

 

 こうしてフロストハロウは攻め落とされたのだった。

 

 

 

 

 ■

 

 二か月が過ぎた。

 その二か月でディは残るストームダガーの領地マレグレトを攻め落とし、ルステークを守る砦も攻め落とした。

 その途中途中暇なのでディはこの大陸の文字を学習し終えていた。

 時間があればストーンフェルに戻ったりし食事を楽しんだりして過ごした。

 結果、ついにストームダガーを殲滅する最終決戦が始まろうとしてた。

 

 

 ルステーク前の雪原に帝国軍人三千が集まっていた。

 

「これより反逆者アルノル・ウルフ・ストームダガーを討伐する! そのためには帝国軍人諸君の力が必要だ! だが恐れることはない! 我々には英雄がついている! 更に屈強な諸君ならばストームダガーの軟弱者ども相手に苦戦することはないだろう! だが、猫がネズミに噛まれないように気をつけろ! 行くぞ! 帝国の為に、帝国軍の為に! ──突撃!!!」

 

 そうして帝国軍は突撃を始めた。

 それをディは翼を生やし滞空し空から見ていた。

 これは帝国軍の戦いであってディの戦いではない。そのためにディが突撃して全部解決するのは駄目だという事でディは空から戦場を見ることになっていた。

 だが敵首領であるアルノルはディが討伐する予定だ。アルノルのレベルは三十と将軍に匹敵するレベルの為念のためディが殺すことになっている。

 

 

(うーん、暇だ)

 

 ディは空で胡坐をかくという器用なことをしながら戦場を眺める。

 戦場は帝国軍が圧倒的に優勢だ。

 何せストームダガーの兵士はストーンフェルの戦いでほとんど死に、残ったのもディが淡々と狩っていったのだ。まともな兵力は残っていない。

 ディは戦場に香る血の臭いに酔いそうになりながら観戦を続ける。

 

 二十分ほど経つと都市内に入った帝国軍がついに宮殿前に到着した。

 

 ディは空から宮殿前に降りる。

 翼を消しアベンタスの顔を見る。

 

「よし、行こう」

「ああ」

 

 宮殿の扉を開けて中に入る。

 

 中の広間を通り玉座に進む。

 

 玉座に座るのはアルノル・ウルフ・ストームダガーただ一人。たった一人王者は座っていた。

 

「アルノル、終わりの時だ。反逆者としてお前の首を帝都の壁に飾ってやる」

「……そうなるだろう。だが、いいのか、帝国よ。そのような化け物を使ってしまって」

 

 じろり、とアルノルはディを見た。その目には恐れが多大にあった。

 

「私を化け物呼びか。間違ってはないけど、悲しい物があるね」

「……人を食らうものを化け物と呼んで何が悪い」

「人食いとは、ふふ、人間だって人間を食い物にするだろう? 私とそれ、何が違うんだい?」

 

「──御託はいい。今降伏し拘束されるか今首を跳ね飛ばされるか、選べ」

「無論、最後の時まであがき続けよう」

 

 アルノルはそういうと玉座から降りて片手斧を構えた。

 

「いくぞ、化け物!」

「──来い、人間」

 

 勝負は一瞬で着いた。

 瞬く間もなくディの血の刃がアルノルの首を跳ね飛ばすことで勝利となった。

 あっけない幕切れであった。

 

「これで終わりか?」

「ああ、終わりだ。次はアルマテーナだな」

 

 はぁ、とアベンタスはため息を吐いた。

 この戦争の次はアルマテーナとの戦争が控えている。正直アルノルの反乱はアルマテーナとの戦争が控えてる中実に面倒な物だった。

 

「首を持って行こう」

「わかった」

 

 ディが首を持って歩く。

 宮殿から出るとそこには帝国軍人たちが待機していた。

 

「我々の勝利だ!」

 

 ディが首を掲げ勝利を示した。

主人公のAI絵(chatGPT作)いりますか?

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