十代好きの私が天上院明日香に転生したのはいいけど、この世界のカードパワーが明らかにインフレしている!   作:スパークリング

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Turn-2 「E・HERO」

「まずはこのカードだ! オレのフィールドにモンスターが存在しないとき、ライフポイントを半分払ってこの魔法カードを発動できる! 『ヒーローアライブ』! デッキからレベル4以下の『E・HERO』1体を特殊召喚する! どうだ、先生!」

 

 遅刻ギリギリの滑り込みという、あまり見ていていい気分のしない行為をした受験生を見せしめにするべく、最高責任者であるクロノス・デ・メディチが仕組んだ最後の実技試験。

 

 受験問題としてあまりにも不適切な難題を前にして、元気に第一打目を切り出した目の前の少年を見たクロノスは、少年――遊城十代の評価を改めていた。

 

(このワタクシの盤面を前にして諦めないトーハ、思ったよりも骨がありそうなノーネ)

 

 ライフポイントを半分も失うリスキーな返し札である『ヒーローアライブ』から入った。ということは自分が作り上げたこの盤面を返す、という意思表示に他ならない。失敗したり中途半端な展開で終わってしまえばライフポイント2000点などあってないようなものだからだ。

 

 そして、この第一手で遊城十代のデッキが割れた。

 

 

 つまり妨害のあてどころに目途がついた、ということだ。

 

 

(フム……ここに『古代の機械竜(アンティーク・ギアドラゴン)』の効果を使ってあげてもいいノーネ(・・・・・・・・・・・・)

 

 本来ならばまだ待つべきところなのは分かっているが、教育者としてのクロノスがここに妨害を使えと訴えかけてくる。

 

 相手はまだ中学3年生。しかも割と本気で心を折りにかかって展開したはずなのに、臆せず攻めてくるガッツがある。見るからに生意気そうで子供っぽいのは鼻につくが、デュエリストの持つべきマインドとしては既に合格点。

 

 ――手心を加えてやってもいい。

 

 そう、クロノスが思いかけるも……。

 

「フン、好きにするといいノーネ」

 

 スルーした。

 

 後ろすぎる受験番号が筆記試験での散々な結果を物語っている上に、遅刻していないとはいえ……電車が遅れて仕方がなかったとはいえ、ギリギリはギリギリなのだ。それなのにもかかわらず、悪びれもなくへらへらしてデュエルを楽しんでいる様子の十代に対して、エリート至高主義のクロノスのプライドが許すことが出来なかった。言うなれば、もともとマイナスだった評価が0に戻っただけなのだ。

 

 それにこのデュエルは見せしめでもある。

 規律を破れば容赦しないという新入生になるであろう受験生と、観戦目的で来た中等部からの新入生に知らしめるものでもあるのだ。

 

 とはいえきっかけが、このドロップアウト・ボーイにムカついたから、という己の感情十割でこのデュエルを仕組んだ事実に変わりはないのだが、それを誰もが納得できる建前で覆い隠すというちゃっかりしている手腕は、さすがヨーロッパの貴族の末裔といったところだろう。

 

「それなら、来い! 『E・HEROブレイズマン』! 攻撃表示だ!

 ブレイズマンは召喚・特殊召喚に成功したとき、デッキから『融合』のカード1枚を手札に加える!」

 

「――甘いノーネ! ワタクシは手札から罠カード、

 

 聖王の粉砕(ドミナス・パージ)』を発動するノーネ! 」

 

「げっ!?」

 

 だから容赦はしない。

 持てる全力を用いて徹底的にこの少年の心を折りに行く。

 普段の指導では絶対に使うことはない、見せていなかった妨害札を使ってでも。

 

「このカードは、アナタのフィールドにモンスターが存在する場合、このデュエル中、闇・水・炎属性モンスターの効果をワタクシが一切発動できなくなるデメリットを背負う事と引き換えに手札から発動することができるノーネ!

 デッキからカードを手札に加える効果を無効にするノーネ! 『融合』なんてもの、手札に加えさせたりはしなイーノデス!」

 

 『アンティーク・ギア』モンスターは1体だけ闇属性で他はすべて地属性。しかもその唯一の闇属性モンスターをクロノスはあまり積極的に出さない上に、仮に出したとしても『聖王の粉砕(ドミナス・パージ)』の影響を受けないため、ほぼノーリスクで使える手札誘発なのだ。

 展開の中でセットすることが禁じられる『アンティーク・ギア』デッキにおいて、先攻でも後攻でも有効に使うことができる見えない罠が十代の逆転への第一打を無慈悲に潰した。

 

 『ヒーローアライブ』の発動で十代の使うデッキが『HERO』デッキだと割れた以上、クロノスが警戒すべきは『融合』か、それと同じ効果を持つ派生カードのみ。『融合』にまつわるカードのみに焦点を当てて妨害を使うのが最も効果的であるということは、実技担当最高責任者のクロノスならば当然のように知っている。

 

 ――これで折れたノーネ?

 

 勢いでデュエルしている節がある少年にとってさぞ、今の妨害は冷や水をかけられたようなものだっただろう。

 

 結局見えていた要求値はそのままに初動を潰されたようなものだし、見えないところからの妨害という恐怖も味わわせた。

 出鼻を挫かれて計算が狂いまくっているに違いないし、残りの3枚のクロノスの手札に潜んでいるかもしれない見えない罠に怯えていても無理はない。

 ここで心が折れても誰も責め立てはしない。

 

 ……が。

 

 

「だったら『E・HEROソリッドマン』を召喚!」

「!」

 

 十代は、折れない。

 それどころか勢いが増している。

 

「ソリッドマンが通常召喚されたとき、手札からレベル4以下の『HERO』を1体特殊召喚できる! 来い! 『E・HEROプリズマー』!

 そしてオレのエクストラデッキの『E・HEROフレイム・ウィングマン』を見せ、その融合素材の『E・HEROフェザーマン』を墓地に送ってプリズマーの効果を発動! このターン、プリズマーはフェザーマンとして扱う!

 

 ……続いて、

 

 魔法カード『融合』を発動! 」

 

(!? 『融合』はすでに引いていたノーネ!?)

 

「さぁどうだ! 先生!」

 

「そんなものを通すわけにはいかなイーノデス!

 デッキから『古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)』を墓地に送ることで『古代の機械竜(アンティーク・ギアドラゴン)』の効果を発動するノーネ!

 『融合』の効果を無効にしまスーノ!」

 

 素引きの『融合』には面食らったが、それでもプレイングにブレはない。

 マストカウンターである『融合』に対してクロノスは妨害を当てた。『融合』のカードがその効果を発揮することなく消えていく。

 

「まぁそうなるよなぁ……」

 

「流石にもう、『融合』のカードはないノーネ? 降参するノーネ?」

 

「――いいや、まだだ!

 

 オレは魔法カード『三戦の才』を発動!

 

 このカードはオレのメインフェイズに相手が効果モンスターの効果を使っていた場合、3つある効果の中からひとつを選択して発動できる!

 

 オレはカードを2枚ドローする効果を使うぜ!」

 

「! 往生際が悪いノーネ……!」

 

「最高の褒め言葉として受け取っておくぜ!」

 

 まだ諦めない様子の十代に眉を顰めるも、クロノスは内心で胸を撫でおろしていた。『三戦の才』の効果の選択を十代が誤ったからだ。

 

 『三戦の才』にはエンドフェイズまでモンスターのコントロールを奪取する効果があった。これで二回攻撃することができる『古代の機械超巨人(アンティーク・ギア・メガトン・ゴーレム)』を奪っていればそれでよかったのだ。『三戦の才』は魔法カードなのだから『古代の機械競闘(アンティーク・ギアデュエル)』を気にする必要もない。なにも一か八かのドローに望みを託すような真似をせずとも、手っ取り早く勝ちを拾うことができたのだ。

 

(所詮はドロップアウト・ボーイ。『融合』を使うことにとらわれすぎてベストな選択をすることができなかったノーネ。

 

 ……尤も。

 

 仮にワタクシの『古代の機械超巨人(アンティーク・ギア・メガトン・ゴーレム)』を奪ったとしても、ワタクシに勝つことはできませんでしターガネ)

 

 クロノスは3枚ある手札の内の1枚――『速攻のかかし』のカードをちらりと見てほくそ笑む。

 

 『速攻のかかし』があれば直接攻撃を無効にした挙句に、そのターンのバトルフェイズを強制終了することができる。『アンティーク・ギア』モンスターが戦闘時に封じるのは魔法・罠カードだけでモンスター効果は通用するから、『古代の機械竜(アンティーク・ギアドラゴン)』を戦闘破壊してからの直接攻撃時に効果を使えばもう攻撃することは叶わなくなる。

 

 メインフェイズ2で『古代の機械超巨人(アンティーク・ギア・メガトン・ゴーレム)』を処理できるのならば希望は繋がるだろうが、残されたたった1枚の手札がこの状況を打開できる解決札のようには思えない。おそらくそのままターンエンドで『古代の機械超巨人(アンティーク・ギア・メガトン・ゴーレム)』のコントロールはクロノスのもとに戻っていただろう。

 

 しかしそれは十代がその効果を選択していればの話。実際に選ばれたのは2枚ドローだった。こればっかりは流石のクロノスも防ぎようがない。せいぜい変なカードを引かれないように祈るのみだ。

 

「頼むぜ、オレのデッキ!

 

 2枚、ドロー……っ!

 

 …………。……来た!

 

 魔法カード『融合』発動! 」

 

「ンナァ!?」

 

 ――貫通されたノーネ!? しかもよりにもよって『融合』を引き当てるとは!?

 

 さっきまでの余裕な表情からは一変、とたんに雲行きが怪しくなりクロノスは冷や汗をかく。

 

(なんていう豪運なノーネ……!)

 

 一度のみならず二度までも阻止したはずの『融合』を結局通すことになってしまった。しかも手札に加わるかどうか保証できない細い線を見事に通されてだ。

 

(このドロップアウト・ボーイ……遊城十代、と言ったノーネ? デュエルの神様とやらが存在するのならば、間違いなく彼は愛されているノーネ)

 

「もうなにもないみたいだな先生!

 

 ソリッドマンとフェザーマン扱いのプリズマー! 地と光、属性が異なる2体の『HERO』を融合!

 

 ――現れろ!

 

 『E・HEROサンライザー』!

 

 特殊召喚されたサンライザーの効果発動!

 デッキから『ミラクル・フュージョン』を手札に!

 さらに魔法カードの効果でフィールドから墓地に送られたソリッドマンの効果発動!

 ソリッドマン以外のオレの墓地の『HERO』1体を守備表示で特殊召喚する!

 

 蘇れ、プリズマー!」

 

(わかってはいまシータガ、一気にモンスターが並び始めたノーネ……!)

 

「特殊召喚しなおしたプリズマーの効果! 再びフレイム・ウィングマンを見せて今度は『E・HEROバーストレディ』を墓地に送って、バーストレディ扱いになる!

 

 そして魔法カード『ミラクル・フュージョン』発動!

 

 オレのフィールド、墓地のモンスターを融合素材にして、『E・HERO』を融合召喚する!

 墓地のフェザーマンとバーストレディ! 風と炎、属性が異なる2体の『E・HERO』を融合!

 

 ――現れろ!

 

 『E・HEROフレイム・ウィングマン-フレイム・シュート』!

 

 フレイム・シュートは特殊召喚に成功した場合、デッキか墓地から『フェイバリット』カード1枚を手札に加えられる!

 装備魔法『フェイバリット・ヒーロー』を手札に加える!

 そして、フレイム・シュートのもうひとつの効果を発動!

 

 融合素材に通常モンスターを使っていた場合、このカードを生贄に、デッキかエクストラデッキから通常召喚できないレベル7以下の『E・HERO』を1体、召喚条件を無視して特殊召喚できる!

 

 来い! マイフェイバリット!

 

 

 『E・HEROフレイム・ウィングマン』!!

 

 

 そして『フェイバリット・ヒーロー』を発動!

 レベル5以上の『E・HERO』のフレイム・ウィングマンに装備する!」

 

「――このタイミングしかないノーネ!

 

 手札より罠カードを発動!

 

 命王の螺旋(ドミナス・スパイラル)』!! 」

 

 だが自らもまた、デュエルの神様とやらにそこそこ愛されていると自負しているクロノスもさらなる妨害を繰り出した。

 

「このカードは相手プレイヤーが手札か墓地のモンスターの効果を使ったターン中、手札から発動することができるノーネ」

 

「! オレは墓地に送られたソリッドマンの効果を使っている!」

 

「その通り、条件はクリアしているノーネ。相手フィールドのモンスター1体を、手札かエクストラデッキに戻すノーネ! エクストラデッキに戻るノーネ! フレイム・ウィングマン(ユアフェイバリット)!」

 

 クロノスの背後に緑色の風が渦巻き、フレイム・ウィングマンへと向かっていく。

 

 クロノスの残り手札3枚の内訳は『速攻のかかし』『命王の螺旋(ドミナス・スパイラル)』、そして『古代の機械暗黒巨人(アンティーク・ギアダークゴーレム)』でサーチしてきた『古代の機械箱(アンティーク・ギアボックス)』だった。

 初動として使ったカードたちも含め、先攻でも後攻でも最強クラスの初期手札がクロノスの手の中に舞い降りていたのだ。まるで世界がクロノスに勝利させようと後押しするかのように。

 

(勉強として、このデュエルは大人しく負けておくノーネ!)

 

 クロノスはもう、遊城十代のことを認めていた。

 

 臆せず果敢に攻めて、本来ならば自重して使うことがない手札誘発トラップを二回も使わせ、全ての妨害を吐き出させたのだ。『三戦の才』の効果選択のミスがあったとはいえ文句なしに合格点。教育者としてのクロノスの高いプライドを見事に上回って見せた。

 筆記試験の結果や今回のギリギリ受験の件から所属するのは最下層の寮(オシリス・レッド)になるだろうが、それでも十代を受け入れてやろうと思えたのだ。

 

 だが、それはそれ。

 

 今度はデュエリストとしての高いプライドから、なんとしてでもこの小生意気なデュエルに愛された少年(ドロップアウト・ボーイ)に敗北を味わわせ、実技担当最高責任者の威厳を見せつけてやろうという欲が出た。

 このデュエルは見せしめ、というご立派な建前のもと、容赦なく貪欲に、生粋の負けず嫌い(デュエリスト)であるクロノスは十代の勝利を摘み取りにかかる。

 

 ……が。

 

 突如、警報のごとくけたたましいアラーム音と、赤いサイレンの光がデュエルフィールド全体に駆け巡った。

 

「!? こ、この現象は……っ!」

 

「手札からトラップは……先生だけの特権じゃないぜ……!

 

 オレはライフを半分払って手札からカウンタートラップ発動!

 

 

 『レッド・リブート』!! 」

 

 

 赤い光が緑光の風の渦をかき消し、1枚のカードに戻してクロノスのフィールドにセットし沈黙させた。

 

 

「そ、そんなバカな……!

 

 そのカードはっ!

 

 そのカードだけはありえないノーネッ!

 

 そんなカードを持っているのならッ

 『聖王の粉砕(ドミナス・パージ)』に対して発動していなければおかしいはずなノーネ!

 あの時スルーしてここまで温存させておく理由なんてないノーネ!

 

 それがどうして

 

 今になって……

 

 ……っ!

 

 ま、まさかっ!? 」

 

 

「へへっ。

 

 ああ、そうさ引いたんだ……。

 

 『三戦の才』で『融合』と一緒にな! 」

 

 

「なっ、なな……っ!」

 

 クロノスは驚愕のあまり、言葉を失う。

 

 自分がミスと断じた『三戦の才』の効果選択が……まさにこのデュエルの行く末を決める分岐点だった。

 

 もし、コントロール奪取を選択していたなら、敗北していたのは十代の方だった。残りの手札1枚が罠カード『攻撃の無力化』だったからだ。

 冷静に、リスクを取らず、目先の勝利だけを追求していた先に待っていたのは見せかけの勝利(『速攻のかかし』)の罠。クロノスの重量モンスターを処理しきれず、かといって受け止めることすら許されずに敗北していたのだ。

 

 しかし十代は、勢いもあったのだろうが、直感で瞬時に勝負を仕掛けた2枚ドロー(ギャンブル)で掴み取ったのだ。逆転に繋がる最強の鉾(『融合』)最強の盾(『レッド・リブート』)の2枚のカードを。

 

「先生、『レッド・リブート』の効果で、デッキから罠カードを1枚セットできるぜ。このターンはもう罠カードを使えないけどな」

 

「……わかっているノーネ。デッキから『古代の機械蘇生(アンティーク・ギアリボーン)』をセットするノーネ」

 

 もう、このデュエルの結果は見えている。が、クロノスは最後まで処理を続けた。

 デュエリストとしての高いプライドがここでデュエルを放棄することを許さなかったし、このままなにもせずにこのデュエルの結末を受け入れるというのも癪に障る。さらにいうならば、ここまでやっておいてしくじった際には、容赦なく次のターンで逆転して、二度とアカデミアの門を叩くことができないようにするための最後の意地と抵抗でもあった。

 

「それじゃあ『フェイバリット・ヒーロー』の効果を解決!

 

 フレイム・ウィングマンに装備し……このままバトルだ!

 

 そしてこのタイミングで『フェイバリット・ヒーロー』の効果発動! 手札・デッキからフィールド魔法カード1枚を発動できる!

 

 ――仕上げだぜ!

 

 ヒーローにはヒーローに相応しい、戦う舞台ってもんがあるのさ!

 

 発動! フィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』! 」

 

 

 殺風景だったデュエルフィールドに夜の帳が降り、聳え立つ摩天楼の街並みに照らされた月の光が十代のヒーローたちに降り注ぎ、この場に浮いているクロノスのアンティークモンスターたちに影を落とす。

 

「さぁ、これで舞台が整った!

 

 『フェイバリット・ヒーロー』が装備されているモンスターは、オレのフィールドゾーンにカードがある時、もともとの守備力分の数値を攻撃力に加算し、相手の効果の対象にならなくする!

 

 これによってフレイム・ウィングマンの攻撃力は1200ポイントアップ!」

 

 E・HEROフレイム・ウィングマン

 攻撃力:2100 → 3300

 

「さらにサンライザーはオレのフィールドのモンスターの属性ひとつにつき、オレのモンスターの攻撃力を200ポイントアップさせる効果がある!

 

 オレのフィールドには炎・光・風属性の三種類のモンスターがいる! よって、600ポイントアップだ!」

 

 E・HEROフレイム・ウィングマン

 攻撃力:3300 → 3900

 

「バトル!

 

 フレイム・ウィングマンで『古代の機械竜(アンティーク・ギアドラゴン)』に攻撃! フレイム・シュートッ!

 

 そしてこの攻撃宣言時にサンライザーの効果発動! 先生のフィールドのカード――『古代の機械競闘(アンティーク・ギアデュエル)』を破壊する!」

 

 

 ――やるなら徹底的に。悪くないノーネ。

 

 ――ただひとつ、ケチを付けるとするならば……ドラゴンよりもメガトン・ゴーレムを先に攻撃していた方が、ほんの少しとはいえ打点が伸びていたノーネ。そこは要チェックしなければいけませンーノ。

 

 

「『古代の機械竜(アンティーク・ギアドラゴン)』撃破! そしてフレイム・ウィングマンの効果発動!

 戦闘でモンスターを破壊したとき、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!

 

 『古代の機械竜(アンティーク・ギアドラゴン)』の攻撃力、500ポイントのダメージだ!」

 

「ぐぅ……!」

 

 クロノス

 LP:4000 → 3500

 

「さらに『フェイバリット・ヒーロー』の最後の効果発動! 装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したとき、このカードを墓地に送って、装備していたモンスターをもう一度だけ続けて攻撃させることができる!」

 

 E・HEROフレイム・ウィングマン

 攻撃力:3900 → 2700

 

「行け、フレイム・ウィングマン! 今度は『古代の機械超巨人(アンティーク・ギア・メガトン・ゴーレム)』に攻撃だ!

 

 そしてこの時、スカイスクレイパーの効果発動!

 

 自身の攻撃力よりも高い攻撃力を持つモンスターに攻撃した『E・HERO』の攻撃力は、ダメージ計算の間だけ1000ポイントアップする!

 

 よって、フレイム・ウィングマンの攻撃力は3700だ!

 

 行け、フレイム・ウィングマン!

 

 スカイスクレイパー・シュート!! 」

 

「ぬぅう……!」

 

 クロノス

 LP:3500 → 3100

 

 摩天楼の頂上から自ら炎を纏い、まるで一発の弾丸のようにメガトン・ゴーレムに突貫したフレイム・ウィングマンはメガトン・ゴーレムを貫通し、スクラップに仕立て上げる。

 

 ……しかし、まだ終わらない。

 

「これでととめだ! フレイム・ウィングマンの効果発動!

 

 戦闘で破壊した『古代の機械超巨人(アンティーク・ギア・メガトン・ゴーレム)』の元々の攻撃力……、

 

 3300ポイントのダメージを受けてもらうぜ! 」

 

 破壊されたメガトン・ゴーレムの体が、従わせていたクロノスに向かって崩れ落ち、クロノスがその下敷きになったことで決着となった。

 

 クロノス

 LP:3100 → 0

 

 

「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ!!」

 

 

 わずか2ターン、されど密度の濃い最後の実技試験の結末は、まさかのジャイアントキリング。

 

 受験番号110番の遊城十代が、最高責任者のクロノス・デ・メディチを制して、幕を引いたのであった。

 

 

 

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