投稿されるとしても後になってしまいます、本当に申し訳ありません。
Re:廃墟探索
大量に来る依頼を、送られてきた順番に、少しずつ対処をしている。
そして今は、アロナに依頼を読み上げてもらいながら、書類を捌く。
『えーっと、次の依頼はミレニアムのゲーム開発部からですね!』
ミレニアム、キヴォトスの3大学園のうちの一つ。
そして、このシャーレに来る時に助けてくれた、ユウカの母校でもある。
『廃部になりそうなので、先生に助けて欲しいそうです!』
……なるほど、どういった事情かわからないが
ゲーム開発部という部活が廃部になりそうだから私に助けを求めてきたらしい。
ひとまず今日中に片付けないといけない書類を終えた私は、
シッテムの箱を手に取り、ミレニアムへと向かうことにした。
列車に揺られ、ミレニアムまでやってきたが、ゲーム開発部のいる建物はどこだろうか。
そんなことを考えながら歩き始めると、前方に見知った人影がある。ユウカだ。
“こんにちは、ユウカ”
後ろから声をかけると、少し驚いた様子でこちらを見る。
「こんにちは先生、今日はどんな用事できたのかしら?」
“実はゲーム開発部に用事があって……”
「それなら私と同じね、ついてきてちょうだい、案内するわ」
私の挨拶に反応して、こちらを向いていたユウカは先程の方向に歩き始めた。
少し歩き、とある建物に入り部屋まで連れてきてもらう。
「この部屋がゲーム開発部の部室よ」
“教えてくれてありがとうユウカ”
そう伝え、部屋の扉を開ける。
部屋の中を見るようとすると、ゲームのコントローラーがこちらに勢いよくこちらに……
「あっ!目を開けたよ!」
「はぁ、あなた達ね…」
どうやら気絶していた私は、目が覚めると正座をさせられていた
少女の、ピンクのような赤のような色のカチューシャをつけたほうの子が勢いよく向かってくる。
「すみません…姉が……」
申し訳なさそうな表情をこちらに向ける、同じく正座をさせられていた
緑色のカチューシャを付けている子がこちらに謝罪をしてくる。
「彼はシャーレから来てくれた大人です、あなた達の連絡を受けてね」
「分かってるよ!」
勢いよく向かってきてくれていた子がユウカに向かって元気に返事をしている。
その後ろで謝罪をしてくれていた子が頷いている。
"…えっと、自己紹介してくれると嬉しいなぁって……"
「そうだった!私はシナリオライターをしているモモイ!こっちは妹のミドリ!よろしくね!」
「ミドリです。イラストレーターをやっています。よろしくおねがいしますね」
モモイとミドリ、よし覚えた。
「ここにはいないけど企画周りをしてるユズもいるよ!」
ユズ、という生徒は予定が合わなかったからか、今はいないようだ。
後であいさつができたらいいなぁと考えつつ話そうとするモモイを見る。
「よし、先生も来たしさっそく廃墟に向かうよ!」
"どういう状況なのか詳しく教えてほしいな…"
困惑している私をよそに廃墟?に行こうとするモモイをユウカが止める。
「ゲーム開発部は廃部になる予定なのよ…それをなんとかしようとして先生を頼ったのね……」
「規定人数に足りるか、実績を出せばいいんだけどね」
廃部の危機を迎えていることは依頼を知った時に書いてあったが、
どうやら存続の要件を満たしていないようだ。
「そのまま何か月もたっているし…いろいろ問題行動を起こしてるわよね?」
「廃部になっても文句は言えないわよ」
「実績はあるよ!」
「クソゲーランキング1位をそんなに誇っていいわけ…?」
何度目かもわからない深いため息をついてユウカは続ける。
「何度もいうけど、きっちり功績や成果を証明しなさい」
「コンテストだってあるでしょう」
ぐぅと言わんばかりの正論を突き付けられたモモイとミドリは返す言葉がないようだ。
「早くこの部屋のガラクタを片付けて頂戴」
「結果を示せばいいんでしょ!方法は思いついてるし!」
"それが、廃墟に行くこと…?"
解決する方法は想像がつかないが、話を聞く限り時間があまりなさそうだ。
そうならば、廃墟にすぐ行こうとすることを考えると、廃墟になにか解決策があるのだろう。
「そのとおりだよ!」
「そしてミレニアムプライスに出すつもりなんだ」
「そうテイルズサガクロニクル2をね!」
自信満々な様子のモモイとは対照的に落ち着いているミドリをよそに、ユウカが説明してくれる。
「先生は聞きなじみがないかもしれませんが、ミレニアムプライスはミレニアム最大級のコンテストです」
「その通り!そこで受賞すれば実績は十分だよね」
「…そうね、まあこの際そのことは一旦おいておきましょう」
「それよりも問題は廃墟に行こうとしていることね」
どうして廃墟に行くと解決できるのかはわからないが、まあ解決できるのだろう。
しかし、廃墟には問題があるように聞こえる。
「先生は知らないわよね」
「もともと廃墟は連邦生徒会が出入りを禁止してた場所なのよ」
なるほど…?連邦生徒会が禁止する、ということはそれなりに危険な場所なのだろう。
「基本的に誰も入ったりしないようにしているのだけど…」
"だけど…?"
事情はともかく、危険な場所にいかなければならないのなら、私が助けてあげるようにしたい。
「少し前から不審な人影が出入りするようになった上、調査をしたら破壊された跡があったのよ」
「連邦生徒会も管理できなくなっちゃったし…だから立ち入りはセミナーで厳しく制限されてるわ」
「もっとも制限され始めたのはすごく最近のことだけどね」
ユウカの説明によると廃墟はどうも何かが起こっているらしい。
横にいる驚いている様子のモモイを見ると今初めて知ったようだ。
「そ、そんなぁ」
"どうにか入ることはできないの?"
ユウカは何かを思いついたように提案をしてくれる。
「…まあ、入る方法自体はあるわ」
「どんな方法なんですか?」
ミドリが聞くとどこからか取り出したデバイスを私に手渡してくる。
「これでデータを取ってきてほしいのよ」
よく見てみると、カメラがついたドローンのようだ。
「360度カメラのついたドローンよ、調査を進めようと思っていたからお願いするわ」
「映像はセミナーで厳重に管理するから安心しておきなさい」
"ありがとうユウカ!"
機転を利かせてくれたユウカに感謝を伝えて、モモイとミドリを連れて廃墟へと向かった。
しばらく歩くと廃墟がぽつぽつと見え始める。
管理をしているゲートを開けてもらい、廃墟群の中へと入る。
「これが廃墟……」
「まるでゾンビゲームの町みたいだね!」
"気を付けてね"
周りを見渡すとところどころボロボロになっている建物が多くあり
窓は割れ、壁は崩れ、廃墟という名にふさわしいかった。
「先生、ドローンを起動しておいてね」
"それで…どこにあるか知ってるの?なんとかする方法ってやつは"
あっ…と声を漏らしたモモイにミドリがため息をついている。
「だ、大丈夫すぐにG.Bibleを見つけられるはず…!」
「どこからその自信がでてくるのお姉ちゃん」
そんな話をしながら歩いているとロボットが歩き回り始める。
"隠れて!"
何かを警備しているように見える。
「な、なんでロボットが歩き回ってるの?」
隠れながらコソコソとモモイが聞いてくる。
"連邦生徒会が禁止してたくらいなんだからロボットが脅威なんじゃ…"
「で、でもG.Bibleを見つけてすぐに帰ろう!」
G.Bibleというのはモモイ曰く、伝説のゲーム開発者が作った
最高のゲームを作れる方法らしい。
様子を見ているとロボットがどこかに離れていく。
その様子をみて、移動を再開する。
「そもそもなんでお姉ちゃんはG.Bibleが廃墟にあることを知ってるの?」
「ヴェリタスに調べてもらった座標がここだった!」
はぁともう一度ため息をつくミドリに突っかかるモモイ。
「大丈夫だってば!早く探そ…」
出発しようと前をみたモモイの前に先ほどまで巡回をしていたロボットが銃を向けている。
「ま、まずいよお姉ちゃん!囲まれてる!」
"あっちに逃げよう!"
周りに多くのロボットに囲まれているように見えるが敵が比較的少なくなっている場所が見える。
"突破するよ!"
「わかった!」
二人とも銃を手に持ち、突破の準備は万端なようだ。
最短経路で最低限のロボットとドローンを破壊してもらい、駆け抜ける。
「あ、危なかった……」
「それで……この建物は何?」
“さあ……?”
なんとか包囲を突破して、建物に入る。
どういうわけか、先ほどのロボットたちの追手は来ていないようだ。
見渡すといかにも廃墟といった様子で、逃げてきた入り口以外にほとんど移動できそうにない。
「ひとまず入って見よう!」
と元気に言って歩こうとするモモイについていく。
少し歩くとすぐに行き止まりにたどり着く。
"行き止まりみたいだね"
「うーん、お姉ちゃん本当にこんなところにそのG.Bible?ってやつがあるの?」
「きっとあるよ!」
モモイの言っているG.Bibleというのがわざわざ廃墟にあるとはあまり思えないが、
諦めたくないのならできるだけ助けてあげるべきなのだろうが……
『才羽モモイ、資格がありません』
「え?え?どういうこと?なんで私の名前を?」
どこからか聞こえてくる電子音声はモモイの名前を読み上げながら
資格というものの確認をしているらしい。
『才羽ミドリ、資格がありません』
「私の名前も知ってるみたい……」
『先生……』
資格がありませんと続くかと思っていたが、何かの確認をしているのか、
沈黙がすこしだけ起こる。
『資格を確認、入出許可を付与』
どうやら私に資格があるらしい…?どうしてあるのかはわからないが
ともかく中に入ることができてよかった。
『下部の扉を解放します』
…下部?横とかでなく?
「下はただの床じゃ……」
ガチャンと機械音が建物に響く。
「お、落ちる~」
体が落ちていく、咄嗟にミドリとモモイの下敷きになるように体を動かす。
遠くから走ってくる音が聞こえる音が徐々に近づいてきている。
何が来ているのだろうと思いながら落ちていく。
下にはクッションのような柔らかい素材が敷かれており、思っていたよりは痛くなかった。
問題はなぜか発生している煙によって周りが見えにくいことだ。
"大丈夫?モモイもミドリも"
「せ、先生は大丈夫?」
ミドリが心配してくれているが私は大丈夫だ。
煙の中で動くのはあまり得策ではないだろうから、
ミドリとモモイと固まっていると少しずつ煙が晴れていく。
どうやら広い大広間につながっていたようで、
中央には……。
「お、女の子…!?」
「どうしてこんなところに……?」
精巧なマネキンのようにも見える少女はまるで眠っているようだ。
「名前は…AL-1S?アリスって読めばいいのかな?」
「普通にAL-1Sって読むと思うよお姉ちゃん」
そもそも廃墟になんでこんなところがあるのだろうか。
「とりあえず服でも着せてあげよう!」
「運よく私が持ってなかったらどうするつもりだったのお姉ちゃん…」
できるだけ見ないように周辺を見ていたのだが、どこからか電子音が聞こえる。
そう、まるで起動音のような……
「状況を確認…難航」
「説明を要求します」
起動したと思われる少女はこちらに質問をしてくる。
…もし、何かがあったらだめだ。私が矢面に立とう。
"君は誰かな?"
そう聞くと目の前の少女?は停止した後に
「本機の自我、記憶、並びにデータはすべて消失しています」
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