少女は記憶を胸に   作:クロケル

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遭遇?

しばらく階段を降りると少し広めの部屋に着く、まるで実験室のようだ。

懐中電灯を照らすと大きなロボットが中央に鎮座している。

 

遠目から見ると私達の2何倍もの大きさで

その巨大な体に見合うような装甲があるが、

特に目を引くのは背中についている、ミサイルだろう。

 

それなりの大きさのミサイルが発射できそうな

様子を見ると何かと戦うために

作られたのであろうことが分かる。

 

近づかないように部屋の壁際を移動しようとしていると突然、照明が付き、

この部屋にあったのであろうスピーカーから話かけてくる。

『お前の知恵を見せてみろ』

 

突然ついた照明で混乱していると

中央に鎮座していたロボットが動き出す。

 

ロボットについていたのであろうミサイルをこちらに飛ばしてくる。

急いで回避したがもともといた場所においてあった机は粉々になっていた。

 

いくらヘイローがあるからとはいえ、何発もくらえば致命傷になりかねない。

急いで銃のリロードをすませて目の前のロボットを見る。

話しかけてきた謎の存在はひとまず置いておこう、安全な場所で考えるべきことだ。

 

ひとまず三発ほど銃弾を撃つ。

運よく壊れてくれないかと思っていたが

あのロボットにはあまり有効ではなかったようだ。

 

こちらの攻撃を気にも留めてないのかこちらへ進んできて単純なパンチを繰り出す。

ただのパンチといえどその巨体から繰り出されるパンチは致命的だろう。

現に部屋の地面をへこませている。

 

この廃墟はいっそのこと諦めるべきだろうか、

何かがありそうとはいえ、死んでしまったら無意味だ。

あまり準備を整えられていない今、撤退を考えるべきだ。

 

みんなを守ることができなくなってしまう。

逃げながら撤退するようにしよう。

 

そんなことを考えながらロボットを誘導してロボットを入口から離す。

ロボットが誘導に乗って入口から離れる。

 

その隙をついて、出ようと入口へ走る。

『逃げるというのは、知恵かもしれないが、それではダメだ』

またアナウンスの声が聞こえると入口の前が崩落した。

 

すこし奥をみるとドローンが入り口付近を爆破したのがわかる。

やられた、入口を封鎖されてしまった。このロボットを破壊しないと助からない。

 

入口の前のがれきをどかすのは時間がかかる。

ロボットから逃げながらするより、ロボットを処理してからやるのが安全だろう。

 

ロボットに向き合うとミサイルをこちらに撃っていた。

まずい、回避が間に合わない。

 

着弾する。痛みが体に走る。

ギリギリ致命傷にならないように回避はできたが、

そう何度も繰り返し回避し続けられるとは限らない。

 

だが、どうする、戦闘をやる準備を万全にしてきていない。

手元にあるのは弾薬がそれなりに、手榴弾が残りすこし、

リュックサックを持っているが背中に背負っている以上

すこし立ち止まらなければ使うことはできない。

 

…いや、焦っていて忘れていたがそもそもあれはロボットだ、

どこにあるかはわからないがコアを破壊できたらとまるんじゃないか?

 

街中にいる住民と違ってヘイローを持っているわけじゃないのだから

プログラムで動くようにされているはずだ。

道中ドローンを撃ち落としたときもコアを撃っているのだ、半ば無意識とはいえ。

 

そのためにやらなければいけないことはコアの位置の推定か…?

人型の場合は心臓のあたりにコアを置くことが多い。

それはロボットを作るのは人間だからだ。自身の体に似た形を作りやすい傾向にある。

 

では今戦っているロボットの作成者はだれだろうか?

まともな電力設備もないのに電気をつけたり、

ロボットを動かしてることを考えると人間ではなさそうだ。

…手詰まりだ。ロボットのコアが壊れやすい場所にないはずなのだから。

 

攻撃に使ったりする手や歩いているときに破損の恐れがある足も省いていいだろう。

ただそこから先を絞り込むことができない。

 

回避をしながら戦っているがどんどん足場が悪くなり

回避をしにくくなってしまう。さっさとプログラムの保管場所をあてるしかない。

 

…ひとまず爆薬で足を片方でも破壊しよう。

そうしなければほぼ無限のように射出されるミサイルに加えて、

パンチの回避にあまり思考を割かないで済む。

 

残っていた爆薬をすべてポイントに設置して、そこにあのロボットを誘導する。

 

踏めば片足が吹き飛ぶだろう。

そうすれば動きが変わりコアの位置の予測をしやすくなる。

優先的に守ろうとする場所がコアの位置のはずだ。

 

ひとまず手榴弾を設置するポイントは決めたのでそこに向かって移動する。

途中でがれきを盾にして移動しながら隠れる。

 

ポイントについたので急いでリュックサックを開いてリュックに入れたあった手榴弾も含めて全部下に配置しトラップを用意する。

 

そして誘導してポイントの位置へ行かせる。パンチを繰り出そうとしているのか

こちらに近づこうとしているのだ誘導は簡単だ。

少し離れてミサイルをよけながら着実にこちらに誘導する。

 

もうすぐロボットがトラップを踏む。

これで最低でも片足を破壊できる。

 

ロボットはこちらに近づいてくる。この調子ならトラップを踏むはず……

そうすれば……。

 

ロボットの動きを観察する。

ミサイルを撃つのを停止し、こちらにパンチを……。

 

まずい、踏む前提でトラップを組んでいたがパンチをしてくる可能性を考えていなかった。

焦っているとはいえ、考えていなさすぎだろう。

 

自分自身を責めるがそんなことをしていてもどうしようもない。

ロボットを破壊する方法を考え直さないと。

 

パンチをさせにくくしただけで十分効果的だ。

 

もう一度観察しようとロボットのほうに視線を向ける。

動かなくなり、無機質な声が響く。

『爆破シーケンスを実行します』

 

…もしかして腕にコアを設置していたのか?

いや、そんなことを考えている場合じゃない

片腕を破壊した影響なのか、爆破シーケンスを実行されてしまった。

急いで逃げないと……。

 

『すばらしい、お前は知恵を証明しえなかったが。私の完全性の証明の役には立った』

どこからか聞こえてくるアナウンスをしているヤツは上機嫌そうだ。

「誰?せめて名前を……」

正体を探ろうとするため質問をする。

 

が、地面が崩落する。おもっていたより爆破範囲が広かった。

逃げようとしてもどうしようもない、落下してゆく中その声は語る。

『報酬として名乗りを上げよう私はデカグラマトン。絶対者である』

 

デカグラマトン、預言者を作ったAI

なんでそんなやつがこんなことをしたのだろうか。

 

崩落する床にあらがえないまま、落ちていく。

 

 

 

 

 

「生きてる……?」

危うくロボットの自爆によって落ちた床のせいで死ぬところだった。

上を見上げると月が直接見える。

 

どうやらこの建物の基礎が壊れたせいか上の階層も含めて壊れたらしい。

 

周りを見渡すと建物だった瓦礫が散乱していて自爆したロボットの残骸と一緒に転がっている。

非常用の出口だろうか、階段が上に向かってのびている。

 

あれを使えば外に出られるだろう。

月影に照らされて、変わったくぼみが見える。

 

くぼみを調べる。残念ながら手榴弾はそこを尽きたため

何かがあるとわかっても確認できるとは限らないのだが。

 

くぼみを押してみる。

すると中にあったのであろう金庫がでてきた。

 

開けられるのか確認しようと触ってみたが

引くところを触ってみると開く。

ロックをかけるというよりはとられないように隠すのが目的だったのだろうか。

 

中を見てみるとルービックキューブのような箱だった。

取り出してみても少し重たい程度で特別な機能があるように感じない。

金庫に一緒に入っていた作成記録を読んでみる。

 

…読んでみた結果わかるのは名もなき神々の信奉者?が

先生のもっていたシッテムの箱に対抗できるように作成しようとしたらしかった。

もっともシッテムの箱には届かなかったようだが。

 

おそらくこれは使えるのだろう。

残念ながら私はうまく扱うことができないが…使える人はきっといるだろう。

これはいい収穫だ。扱える人の手に渡ればそれなりに使えるに違いない。

 

名前も記録されていない研究資料と箱を手に取る。

しかし誰に渡すべきだろうか?

ミレニアムでどうこうできるものでもないだろう、おそらくオーパーツなのだから、

 

どちらかと言うとオーパーツ関係のところだろうか?

心あたりは正直ない、最悪使うのを諦めるしかないだろう。

それでも役に立つことを信じて、ひとまずもっておくことにして出口へと向かう。

 

 

 

 

 

探索を終えて駅に戻る。

今日の探索はこれで終わりにしよう。

 

これ以上、続行することはできない。

移動するのに使う手榴弾もなくなってしまったし、弾薬も補充しておきたい。

 

「すみません。今日の電車は終わってしまっていて……」

「なるほど、わかりました。また明日来ます。」

そういって駅から出る。

近くのホテルを探して泊まろう。

安全だとは言え、ベットで休みたい。

 

翌朝、拠点に戻り、情報の整理をしておく。

デカグラマトンに関する情報と箱を拾えたことは収穫だ。

ひとまず鞄を大きくするのと、手榴弾の数を増やそう。

 

それから、どうしてロボットに対して介入をするデカグラマトンは

わざわざ私に対してロボットを仕掛けてきたのだろうか。

知恵の証明、という話をしていたがどうしてそんな話をしていたのだろうか。

 

私はデカグラマトンのことをあまり知らない、

せいぜい先生が呼ばれていったらシッテムの箱をハッキングしようとして

デカグラマトンは負けて自害した、ということだけだ。

 

今現在デカグラマトンが存在していることは確定している。

なら廃墟のどこかの自販機にいるだろう。

 

あのようなロボットがそう、何体もいるとは信じたくないが

可能性としては0ではない、少しでも破壊しておきたいし、デカグラマトンを倒せたら完璧だ。

 

 

 

 

───廃墟探索から、しばらくたった。

廃墟をいろいろ巡ったが、結局デカグラマトンを破壊することはできていない。

 

デカグラマトンがいるであろう、防衛する機械が多い場所を探してたがそんなものは見つからなかった。

ひとまずはあきらめて先生を守るのを優先することにした。

 

どうせシッテムの箱にアクセスしたら自害するなら放置しておこう。

襲ってくるロボットなら私は破壊できるから先生に被害が行く可能性は低い。

 

それから戦闘力がそれなりに上がった。

どういうわけだか分からないが、未来よりも強くなっているように感じる。

 

いまなら万全なミカやホシノに勝つことはできないが、負けないようにすることができるはず。

きっといまならあの日襲われたロボットを即座に…とはいかなくても鎮圧できるだろう。

 

拠点の整理をした後、片付ける。

これからは先生の護衛を最優先にするため、シャーレの近くにいることになるだろう。

そのためにはここの拠点だと不便だ。

 

シャーレの近くのブラックマーケットの建物に

部屋を借りたからそこに荷物を移動させる準備をする。

 

荷物をまとめて拠点にしていた廃墟をでる。

これからやるべきなのは先生の支援だ。

 

厄災を防ぐ方法がわからなくても、

先生を守れたら、先生はきっとみんなを救ってくれる。

それなら先生を守るのが最優先だろう。

 

私はまだ、仲良かったみんなとは無関係の他人だ、

これから話すことを最小限にしておかないと距離感がおかしい人になり、恐怖を与えてしまう、それは気をつけなければ。

 

今はまだあったことのない先生。あなたを何が何でも守ります。

だからどうかみんなを救ってあげてください。

 

私みたいな悪い子ではきっとできないことだから。

先生のような、大人じゃないと……

未来を知っているだけの私でもできないことを。

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