少女は記憶を胸に   作:クロケル

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アビドス対策委員会
アビドスへ


先生がシャーレに赴任して少しした。

近くの建物から先生の様子をみると業務に忙殺されていることがわかる。

まあ、未来の私が手伝ってちょうど終業時刻をすこしすぎるくらいだったのだ

先生一人で終わるか、といわれたら無理だろう。

 

次に向かうアビドス自治区はビナーによって砂漠化してしまっている。

それによって問題があったりするのだが……。

先生がある程度解決してくれる。少なくとも未来の記憶ではそうだった。

 

私が知っているのは借金のことと、

ホシノがユメ先輩という今は亡き先輩にとらわれてるということ。

他にも様々な問題があるがそこが一番大きな問題だろう。

 

私が改変してしまって、先生をみんなが信頼しなかったらダメだから変えなかった。

私はもう罪を犯したのだ。知っていて、なんとかなる可能性があるのに何もしなかった。

心の中でどうしようもない私個人が満足するだけの最低の謝罪をしながら先生の出発を見守る。

 

私はしっかりと砂漠を探索する用意をしてついていくつもりだが

先生は調べただけの地図で飲み物も食べ物もほとんど持たずに出発する。

そこでシロコに助けられる。といった流れだったはずだ。そこからアビドスの物語が始まる。

 

そんなことを考えながら入口を観察する。

…来た、先生が支援物資を持って出発した。

観察をしていた屋上から飛び降りて先生についていく準備をする。

仮面を用意し、黒色のローブを被り、先生についていく。

 

 

 

列車に乗り、アビドスへ向かう。

駅を通り過ぎるたびに乗っている人が一人、また一人と減っていく。

窓の外の砂が少しずつ増える。窓の外の砂が一面に広がったと思うと列車はとまる。

 

先生から隠れながらひっそりと列車を降りる。

照りつける日差しを浴びながら先生の後をつける。

先生はこれから何日か彷徨った後、シロコに発見される。

それから、アビドス高校へ向かう。

 

確認しておいてなんだが、

もっとちゃんと調べるべきじゃないだろうか?

未来でもアビドスからの連絡を大した準備もせずに

出発しそうになっていたため、荷物を準備するよう

伝えて行かせたが、連絡を受けて後から向かうと

支援物資だけを持っているところをシロコに発見された挙句

セクハラまでしたという話を聞いてひどく呆れたのを思い出す。

 

思えば、あの時から先生の支援依頼についていくようになったのか。

それまでは、私が事務仕事を片付けている間に

先生が支援に向かう、という風にしていた。

 

そんなことを考えながら先生についていく。

あぁ、また道間違えてる……

こんなんだから遭難することになるんじゃなかろうか。

 

 

 

 

 

あれから何日か時間がたった。

最初の方は地図が古いことに気づいていなかった

先生だが、途中で気づいたのか、地図をあまり見なくなった。

 

私は、というと先生が道を間違えているのを

観察しながら後をつけて、先生が休憩している間に、

鍵があいたままの住居で拠点探しをしていた。

……何度か見失いかけたのはここだけの秘密だ。

 

先生が倒れて、シロコが見つけられなかった

ときのことを考え、救助する準備は整えてある。

 

……そんなことを考えると先生が倒れてしまった。

少し様子を見ていると自転車がとおりかかる。

シロコだ。無事先生を見つけてくれたらしい。

 

安堵しているとシロコが差し出した水筒に

直接口をつけて先生が水を飲む。

顔を少し赤面させたシロコは先生に事情を聞いている。

 

少し説明された後、事情を理解したシロコの

自転車に乗せてもらってアビドスの方向へ向かって行った。

 

先生が向かって行ったことを確認して、

私も近くの拠点候補地に移動していった。

不法占拠になってしまうのは仕方ない。

心のなかでお邪魔しますと言いながら建物の中に入った。

 

 

 

 

───時は少し遡る。

「えっと……大丈夫?」

アビドスへ来て数日、行き方を確認して

支援物資を持って来たのは良いものの、地図が古かったようで道に迷ってしまった。

 

アロナも、何度もすみませんと謝っていた。

が、大丈夫だろうと高をくくってしばらく。

街の中で迷ってしまい、ついには倒れてしまった。

 

そんな時に、目の前の少女が助けてくれた。

差し出されたスポーツドリンクを飲み。返す。

"助けてくれてありがとう"

「大丈夫、ところでどうしてこんなところに?」

よく見ると通学中なのだろう彼女を見て

ここにきた目的を思い出す。

 

"アビドス高校へ行きたくて……"

「ん、それなら私に任せて」

そう言って、彼女が乗っている自転車の後ろに

座るようにジェスチャーされる。

 

「乗って、私はアビドス高校の生徒、一緒に行こう?」

"ありがとう、乗せて貰うね"

運良く彼女にであえてよかった。

危うく、干からびて死んでしまうところだったから。

「汗かいてるから、あまり引っ付かないでほしい……」

"いい匂いだから、大丈夫だよ"

『先生、さすがにセクハラですよ!』

 

……後ろに乗っているため顔は見えないが、

わずかに見える耳はほのかに赤くなっていた。

アロナの言うとおりだ。

助けてくれた生徒にセクハラをしてしまう先生……

明らかに事案である。

シロコに謝罪をしながら、アビドス高校へ向かう。

 

少しの間、自転車に乗り、やたらと暑い風を感じながらシロコと交流を深める。

どうやら最近、頻繁にヘルメット団に襲撃されているらしい。

アヤネから手紙が届いて支援をしに来たことをシロコに話すと嬉しそうな様子を見せた。

物資は減る一方で、どんどん困窮していたらしい。

そんな話をしていると、どうやらついたらしい。

 

中に入り、自己紹介をしようとすると、

話に聞いていた、ヘルメット団が襲撃に来たようだ。

校舎の窓から見ると、総勢5人では対処が難しそうな人数に見える。

 

どうやら眠っていたらしいホシノを起こして襲撃に対処する。

途中ヒヤリとする場面はあったものの、ヘルメット団は撤退していった。

 

その後、自己紹介をしてもらい、余裕があるうちに逆に襲撃してしまおう、とのことだった。

確かに物資に余裕があるうちに壊滅させてしまえば襲撃に来ることはなくなる。

そんなこんなで襲撃に向かうことになったのだった。

 

 

 

 

 

先生がアビドスの子たちと襲撃を退けている様子を見ながら準備をする。

私はこれから、ヘルメット団の本拠地を襲撃する。

先生とアビドスの子たちが話し合い、ヘルメット団の本拠地の掃討をしようとする。

 

できることならば、アビドスへの襲撃をしている最中に、私が襲撃する予定だったのだが、

未来の私は、このとき書類仕事をしていたらしい。

そのため、場所を知らない。

襲撃した部隊が撤退している後をつける。

すっかり、後を付けるのが上手くなってしまった。日ごろから先生の後を付けるようにしてるからだろう。

 

襲撃を行っていた部隊が拠点に戻っていったところを確認して、

襲撃を行うための準備を手っ取り早く整え、襲撃を開始する。

 

ひとまず入口を爆薬で吹き飛ばし中に入る。

「!襲撃が来たぞ」

「おい、さっき襲撃にいったやつはさっさと逃げろ、変な奴が襲撃に来たぞ」

「バリケードを立てろ!少しでも時間を稼ぐぞ」

 

拠点になっていたであろう建物はヘルメット団の悲鳴が響く。

「ごめんね。君たちがアビドスを襲撃する依頼を受けてるからどいてもらうよ」

「アビドスからの刺客か!クソ、今まで反撃がなかったはずなのに」

バリケードはとうに壊れ、次から次へとヘルメット団が抵抗するが……

 

ヘリアは気に留めることはなく、近づいてスナイパーライフルを撃ち。

気絶させて、を繰り返し続ける。何度か繰り返し、弾薬庫などの物資を破壊する。

あらかた破壊し終えた後だろうか、破壊して入ってきた入口に影ができる。

 

「君は……何をしてるのかな?」

小鳥遊ホシノ、キヴォトスの中にいる数多くの強者の一人。

そんな少女が、私に銃を向けている。

襲撃を仕掛けることは知ってたがまさか当日だとは思ってなかった。

 

『ホシノ先輩、一人で前進しすぎないようにしてください!』

「そうだよ、前に一人で前進しすぎないでっ……」

後からついてきたのであろう他のアビドス生徒とオペレートしているアヤネがドローン越しに私をみている。

 

"グリム…って呼べばいいのかな?どうしてこんなところに?"

「うへぇ、先生はこの子のこと知ってるの~?」

銃をこちらに向けたまま、ホシノは先生に話しかける。

 

"そうだね、シャーレに向かうときに助けてもらったよ"

「…先生、私はただ邪魔だったから来ただけ。これでいい?」

そう伝えると納得したのかどうかはわからないが先生が口を開く。

 

"そうなんだ、ありがとう"

「……別にいい、帰りたいから、道開けてくれない?」

どういうことなのか困惑しているようで、アビドスの生徒はどうしたものか、といったような感じだ。

 

銃口をむけたままホシノは続ける。

「返答次第で道は開けてあげる。聞かせてほしい、どうしてアビドスに来たの?」

…伝えるべきだろうか。厄災について。

もし、嘘になったらそれに越したことはないだろう。

 

「…いいよ。私は厄災が来るのを防ぐため、調査に来た」

そういうと呆気にとられたのかホシノ達は呆けている。

「そんなの信じられるわけないじゃない!ホシノ先輩、きっと嘘ついてるわよ!」

 

セリカが私の発言を否定してくる。

それはそうだ。自身の世界が滅ぶといわれはいそうですか、というわけにはいかないだろう。

ただ何かを理解したのかホシノは銃口を下げる。

 

「…嘘は、ついてるようにみえないな~おじさん」

「はぁ?そんなわけないじゃない」

「何かあったらおじさんが責任を取るから、ここは道を開けてあげてほしいなぁ〜」

"厄災が本当に来るかはわからないけど、グリムは嘘をついてないように見えるな"

"…だから、ここは私の顔に免じて、通してあげてほしいな"

 

先生とホシノに説得されたのかセリカもシロコもノノミも銃口を下げて道を開けてくれた。

「…ありがとう」

そういいながら入口の方へ進む。ホシノの横を通り抜けるときに紙をこっそり渡される。

 

紙を渡したことを先生もほかのアビドスのみんなも気づいていない。

ヘルメット団の拠点だった建物を出て紙を開く。

 

あの一瞬の間に書いたからだろうか、

字が読みにくいが、最低限の情報は読み取れる。

 

夜11時、アビドス高校に

といった内容だった。おそらく来てほしいのだろう。

 

拠点にもどり時間が経つのを待つ。

時間は電力が通っている建物があったから持ってきておいた充電器で充電して時間になるのを待つ。

 

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