ホシノと夜のアビドス高校で話をしてから少し。
そろそろセリカの誘拐の日だろうか、私が知らないふりをするうちの一つ、
これをキッカケにセリカは先生を認めてくれる。
先生はセリカにたまたま出会い、ストーキングをする。
…ちょっとどうかと思うが、足をなめたりしたらしいことを考えるとまだマシだろう。
そしてストーキングをした結果、バイトに向かっていることを教えてもらう。
バイトに向っていって働いていたらしいセリカのもとに
対策委員会の面々と先生が向かい、紫関屋でラーメンを注文しに行く。
そして、セリカは誘拐される。
帰り道でわざわざ用意したらしい戦車を使ってまでセリカを誘拐しにくる。
私は一度ヘルメット団の拠点を完全に焼き討ちしたがそれでも彼女たちは諦めないだろう。
カイザーからの支援を受けてもう一度アビドス高校を襲撃しようとしている。
万が一に先生に何かが起こるか分からない以上、
アビドスから離れることはできないが少しでも調査をしておこう。
もしかしたら厄災を防ぐための情報が入手できるかもしれない。
結局、廃墟探索では有力な情報を入手することができなかった。
……少なくともsleipnerを入手できていたのだから無駄ではなかったと思いたい。
そうじゃなければ、無駄に厄災を防ぐための時間をつかってしまったことになってしまう。
そんなことを考えながら、拠点にしておいた建物から出る。
どこら辺に調査に向かおうか、遺跡の場所に目星を付け、向かい始める。
少し歩くと、セリカが目の前の道を走っていく。
その後ろを先生が追いかけているようだ。
今日が誘拐の日なのはあっていたらしい。
「ひゃあっ!?なんでついてくるの?」
アビドスはどこもかしこも砂漠だ、町にひとがいないところのほうが多いだろう。
そのせいか、はたまたいても気にも留めないのかもしれないが
それなりに遠い場所にいる私にも聞こえるようなおおきな声でセリカの驚いている声が聞こえる。
すこし隠れながら近づき、聞き耳を立てる。
"ついていけば、セリカがどこにいくかわかるから"
「何言ってるの!?あっちいって!ストーカーじゃない!!」
本当にそのとおりだ……
先生がすごい人だとは思うが、ところどころのセクハラはなんとかならないのだろうか。
「行先をいえばいいのね!?これからバイトに行くの!わかったらさっさと帰って!」
その言葉を聞いて納得したのか
"アルバイト、がんばってねセリカ"
「言われなくてもわかってるわよ!さっさと帰って!何度も言わせないでよ!」
その言葉を聞いて先生はセリカとは別方向へ向かっていった。
あるいてゆく先生の後ろ姿を見ながら、ようやく行ってくれた、とため息をついてアルバイトに向かっていった。
二人がどこかにいったのを確認して、遺跡のある方向へ向かっていった。
先ほどまで話をしていた交差路には、人がいなくなったあとの風だけが残っていた。
一日中、遺跡探索をしていたが、結局有益なものは見つからなかった。
まあ、わずか一日しか調査していないのだ、仕方がない。
何も得ることができず、仕方がないとはわかっているが、それでも肩を落とす。
何かしら、有益な情報があるとよかったのだが……
そんなことを考えながら拠点へと戻る。
道中、ヘルメット団が戦車を乗り回しているのを見てセリカに謝罪をしながら帰る。
…ごめんなさい。何とかできるはずなのに何もしなくて。
ごめんなさい。知らないふりをしてしまって。
罪悪感を感じながら拠点に戻り、明日以降の遺跡探索の予定を立てる。
次に私が行動する予定なのは、カイザーPMCとの戦いだ。
ホシノがシャーレに心の底から協力してくれるためには、一度黒服との契約に乗ってもらわないといけない。
できることならば黒服もカイザーPMCもさっさと潰してしまいたいが、
黒服は、妙なことをしてくる可能性があり、潰すのに失敗した挙句ホシノから手を引かず、
ホシノも先生を信用してくれなくなったら本末転倒だ。
ホシノは、黒服の契約に乗らなければならない。
そして、先生の覚悟を見て、黒服が手を引くのは必須だ。
そのためには、それまでの介入はするべきじゃないだろう。
ああ、私は本当に最低な人間だ。
自分を責めずにはいられない。
もっとも、他の人が知ったら大いに私を責めるだろうが。
結果としてみんなを救おうとしているとしても、苦痛を無視しているのにはかわりない。
アビドスの地形データをある程度確認し終え、
横たわる。眠りたくはないが、そろそろ十日近く、眠っていない。
眠らないにしても体を安静にしておくことで休めるだろう。
大丈夫、私はまだ、終われない、少しでも頑張らなきゃ。
明日以降の移動経路を考えながら、休養をとった。
アビドスの探索を続けて数日、おそらく先生は、セリカの救出をして便利屋の子たちと接触したくらいだろうか。
私は、というと廃墟の探索を繰り返している。
…しかし、残念なことに何らかの情報をえることはできていない。
厄災たる彼女の詳しいことはわからなかった。
シロコである、という情報は知っているが、あの時彼女は誘拐されただけで、
何も変化はしていなかった。シロコをどうこうしても解決しない可能性が高い。
…私としても、あいつら以外に、危害を加えたくはない。
確信があるならまだしも、そうではない可能性があるのなら、
手を下したくないのが、本音だ。
それに関係がないシロコからしたらとんだとばっちりだろう。
あいつらだけは、殺す。私の身をもって殺しきる。
もっとも、今回の世界では厄災がおこるとは限らないのだが……
何も対処ができていないうえ、対策委員会の様子を遠目から見る限りは、あまり変化していないようだ。
そう考えると、エデン条約のミサイルも含めたさまざまな事件と、厄災がおこるのは必然なのだろう。
あの時の廃墟で拾ったオーパーツ。
ルービックキューブのような見た目で、なぜか空中に浮遊する、不可思議なオーパーツ。
先生のシッテムの箱を目指した、オーパーツの一つ。
もし、これを使えるのならば、先生の負傷を防げるかもしれない。
あの時……いや、考えたくない。やめよう。やだ。
───少なくとも、未然に防ぐのはほぼ不可能だ。
運よく、起きないことを祈るしかない。発生原因もわからないのだから、対処は絶望的だ。
それに、時間が足りない。キヴォトスには多くの廃墟や、遺跡がある。
全ての調査をして、未然に防ぐ、というのはあまりにも手が足りない。
わかってはいたことだが、デカグラマトンを破壊もできず、
何の情報も入手できていない以上、切り替えるべきだ。
それならば、先生を助けて、より多くの人をシャーレに集め、
厄災を先生が対処してくれることを願うしかない。
先生なら、きっと何とかしてくれるはずだ。
そんなことを考えながら、ブラックマーケットへ向かう。目的は、銃弾と爆薬などの補充だ。
足取りがばれにくいブラックマーケットで購入しておかないと、
買った場所が万が一ばれた時に追跡されやすくなってしまう。
なにせ、ブラックマーケットは生徒証の提示を要求されない。
ブラックマーケットではない場所で購入すると、生徒証に記録され。
ワイルドハント側も把握することができてしまう。
目撃情報は防ぎようがないが、さすがにキヴォトス全土に指名手配レベルで
目撃情報を求められているわけではない。
そのため、監視カメラなどをすべて見るわけではないのだから、大丈夫なハズだ。
まあ、過ごしているときに寮監査隊を見かけた覚えはないのだから、
あまり手が回っていないのだろうが……寮監査隊は無能ではない。
情報があれば、すぐにでも人員を派遣して、連れ戻しに来るだろう。それは困る。
そんなこんなで普段はシャーレの近くの道からブラックマーケットに向かっているのだが、
生憎、先生はアビドスに泊まり込みだ。
先生と同様泊まり込んでいる私もアビドスからほとんど動けていない。
探索のときに、思っているよりも銃弾を使いすぎてしまった。
さすがに補充をしないと、探索が困難だと判断して、ブラックマーケットにやってきたのだが……
「ここが、ブラックマーケットですね〜!」
どういう訳か、場違いなくらい、陽陽としたアビドスのみんなと先生がいる。
"あまり離れないようにね"
「わかってるわよ!」
仲よさげに歩いている姿は、カモですと自己紹介しているようなものなのだが……
気にも留めずに楽しげに歩いている。
どうしてこうも、巡り合わせが悪いのだろうか。
未来の私は、カイザーPMCへの襲撃の時に向かってきただけ
なので、正確な予定を知らなかったのがこうも仇になるか。
仕方ない、遠回りをして帰ることにするか。
先生についていかなかった未来の私を少し恨みながら、
道を変えようと歩き始めると、体に衝撃が走る。
「うわぁ!ごめんなさい!」
顔をあげると目の前にトリニティの生徒特有の羽のある子。
そして、平凡を自称するアウトローの一人。阿慈谷ヒフミがそこにいた。
ブラックマーケットで何回か話したことがあるため、知り合いではあるのだが……
いや、今肝心なことは、ヒフミにぶつかられた、ということだ。
未来の私が聞いた先生の話だと、ヒフミはアビドスの子達に助けを求めてきたはずだ。
助けを求めてきた、というのなら、誰かに追いかけられていたと考えるのが自然で……
「おい、そいつを寄越せ、お前の後ろに隠れてる奴だ」
私の後ろに素早く隠れたヒフミを指差しながら追跡してきたのであろうスケバンは語る。
周りをあまり見ることができないが、それなりに目立っていることは確実だろう。
そんなことを思いながらここを切り抜ける方法を考える。
ここでヒフミを素直に引き渡しても、ついでと言わんばかりにこちらも襲われるだろう。
撃退するのは容易だ。
しかし、ヒフミと先生との縁を繋がないとエデン条約の時に困るかもしれない。
彼女が先生と知り合っていないと、どんな影響があるかわからない。
───そう考えると、やるべき行動は一つだろう。
後ろで縮こまっているヒフミを軽く引っ張り、先生たちの元へ走る。
先程まで話していた、スケバンの子達を後ろに走る。
腕の中でヒフミが困惑している様子がわかる。が、ひとまずはこのままでいいだろう。
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