それではどうぞ
「この馬鹿輝!なぜ部屋の鍵をあけっぱにしたんだ!!」
「仕方ないでしょ!!すぐに終わる予定だったんだから!!」
「お兄ちゃん!!口論はいいから!」「…早く走って、追いつかれる」
今、俺たち四人は全力で走っている。
因みに俺は今、女になっている。
後ろから追っかけてくるのは__
「キンちゃんのばかぁあああ!!!」
星伽 白雪(ほとぎ しらゆき)が刀を振り回しながら追いかけてくるのである
事の発端はこうである
「ねぇー、お兄ちゃん!」
「うわ!…いきなり耳元で叫ばないでくれよ」
自分の寮で寛いでいると鈴が俺呼ぶ
「お兄ちゃんの体質ならきっと女性にも変身できるよね!」
「…お前、俺を何だと思ってるんだ」
一先ずここで説明しておこう
俺の体質はなりたいものになるといったものだ
判りやすくいうと武器にあった体に組み替えるといった感じだ
普通、自分の体にあった武器を使うのがセオリーなんだが俺はこの体質のおかげで大体の武器が使える
その際に体のつくりが大きく変わるため、端から見れば変身したように見えると言った所だ。 因みに性格も変わる
だがこの体質にも欠点があって…、体を組み替える際に自分でイメージを立てないと使えないのだ
つまり使いたい武器を使っている人の体つき、筋肉のつき方、身長など細かな詳細が必要になるのだ
挙句に一度、組み替えると短くても一日はその姿のままである
そして俺がこの体質になったのは武偵中に入る前からだ
なぜこんな体質になったのかは判らなくて医者に行っても首を振られるばかりだったがいまではそれなりに役に立つ体質だと思っている。不憫なものだが
ここまでが俺の体質とこの体質になった説明だ、理解できたかな?
「なんでも出来るお兄ちゃんだよ!」
妹の回答に俺はため息しか出なかった
「じゃあ、何でも出来るとして、なぜ女にならなきゃならん」
「そのほうがもし女性限定の依頼が来ても一緒に行けるでしょ!」
もっともらしい理由をつけているが要するに女になってみて欲しいのか
「お前の言いたいことはわかった、だが断る」
「ええ!!何でよ~」
頬を膨らませブーブー言ってくる
「第一にそんな依頼は来ない、もし来たとしても自分たちでどうにかしろ」
「第二にもし変身したとして俺に一日女で居ろっていうのか」
それに変身するにはそれなりの詳細がいると鈴に向かい言うと
「詳細なら私のデータを使えば良いよ!それにお兄ちゃんなら女になっても可愛いから大丈夫!」
という暴論を突きつけてきた。そこに
「…私もあんちゃんが女の子になるのみたい」
といつの間にかいた蘭まで言ってくる
このまま言い争っても無意味か、ならば
「よし、ならやってやるが今回だけだ。いいな?」
「やった!」「…スッ(カメラの用意」
おいそこ準備するな
「それじゃあ、私たちのデータ持って来るね!」
「早くしてくれよ、俺はゆっくりしたいんだから」
そういって妹たちは小部屋に入っていた
因みに部屋割りはキンジと俺、鈴と蘭になった
まぁ、当たり前なんだがな
「それじゃあはい!」
「なぜ鈴のだけではなく蘭のまで持ってくるんだ」
渡されたのは二枚の身体測定の結果用紙だ
「お兄ちゃんには私たちの平均値に変身してもらいます!」
「ふぁ!?」
何を言い出すんだこの馬鹿妹はと言おうと思ったとき
「やってくれないとお姉ちゃんのデータでやってもらうよ!」
「ごめんなさい、平均値でやらせてもらいます」
即座に土下座の体制に入る
姉さんだけは苦手なんだ、あの人の姿なんてしたら…と考えるだけで背筋が凍る
そして二人のデータを見比べて平均を出す
「…体重は52.5か…身長は158と…ほかに必要なのはっと」
後は筋力、握力、脚力、バスト、ヒップ、ウエスト辺りか
え?最後の三つ?一応だ一応。女になるなんて初めてだし必要かどうかは知らんがとって置こう
「よし、こんだけあれば大丈夫だろう」
そして部屋着を脱ぎ、肌着だけになる。
「「………(期待のまなざし」」
やりづらい…がやるしかないか
深く深呼吸をして、眼を閉じ頭の中で先ほどのデータを強く思い浮かべる
それを頭のなかで構成し、自分に転写する…眼を開けるとそこには
「はぁ!!??」
ガラスに映ったのは小柄で白髪の少女、心なしか声も女子中学生と聞き間違えるほどだ
「お兄ちゃん…」「…これは」
妹たちが何か言いたげな視線が背中に刺さる
「お前ら…、これって…」
恐る恐る振り返ると__
「「可愛い!!」」
を一言目に飛びついてくる妹たち
「ば、馬鹿やめろ!」
「すごーい!完全に女の子だ!幼女だよこれ!」
鈴の興奮した声が響く
「…あんちゃんの幼女姿、これは素晴らしい」
蘭に至ってはもう何を言っているのかわからない
そして服を剥ぎ取られた
「おいっ!?服を脱がすな!!」
必死に抵抗するも手は空しく空を切るばかり…
そしてズボンと上が肌着だけになったところで玄関が開き
「ただいまー、今帰った…ぞ…」
キンジが帰ってきた
「キンジ!!助けて!!」
一先ずキンジのほうに走り妹達の魔の手から逃げる
「あ、キンくん!お帰り!」「キーくんおかえりー」
「…これはどういう状況なんだ」
「あいつらが俺の服を剥ぎ取るんだ!」
テンパっているため、今の現状しか話せない俺にキンジは
「落ち着け、お前が輝で良いのか?」
俺の姿を見て軽く顔を赤くするキンジ
「そうだよ!助けてよ!」
キンジの背中にしがみつき妹たちから逃げる俺に対して
「あ、おいあまり引っ張るな…!?」
それに耐え切れず倒れてくるキンジ
とそこに思はぬ来訪者
「キンちゃん、今見えますか?」
と扉を開け中を覗く白雪と目が合う
今、白雪から見て俺たちはキンジが幼い少女を押し倒しているように見えたのだろう
「…白雪?」「星伽さん?」「え、白雪ちゃん来たの?」「…ゆっきー、おひさ」
(右からキンジ、輝、鈴、蘭)
一同が白雪を見る中、その白雪は__
「……か」
「白雪…?」
「きんちゃんの…ばかあああああ!!」
いきなり刀を抜き襲い掛かってきた!
「は、星伽さん!落ち着いて!」
「輝!今は逃げるぞ!こうなったら押さえられない!」
とベランダへ飛び出し、そこから飛び降りる
「え!?ちょ、キンジ!?」
妹たちも先に逃げたようで置いてけぼり状態の俺に対し、白雪は
「この泥棒猫!!」
切りかかってきた
「星伽さん!!落ち着いて!!」
と叫ぶも効果なし、なので服を回収しキンジと同じようにベランダから飛び出す
ベランダにワイヤーを引っ掛け壁伝いに下りると
「こっちだ!輝!」
したで待っていてくれたキンジのほうへ走りその後、妹たちと合流し今の現状に至る
ということなんだが正直なんで星伽さんが怒っているのか判らないのが現状である
そして俺は断言した
「もう絶対に女にはならないからな!!」
それから四時間後ようやく白雪の追っ手を振り切り帰宅した
まだ幼女の姿のままだが布団に入ることにした
こうして輝の休日は潰されていくのであった…
上手く掛けぬ(泣)