Millennium Research Institute 作:信楽焼のたぬき
一番書きたかったとこに突入する
話をしよう。
酷い耳鳴りが治まったかと思ったら、次は幻聴が聞こえるようになった。
どうやら、俺は興奮のあまり頭がイカれてしまったらしい。
"…幻聴ではありません、レイヴン。”
(心を読むんじゃない。お前のような幻聴があるか。)
"だから幻聴ではありませんと何度も…”
しかも、このように会話までできる始末だ。イマジナリーフレンドとは...友人がいなかった前世への当てつけか?
殺してやるぞ、ブルートゥ。
俺はどうも疲れているらしい。こんな日はさっさと寝るに限る。
"…覚えて、いないのですか?”
(何? まるで面識があるような口ぶりだな。)
"…あなたは、私と『交信』して存在を見出してくれた唯一の人です。どうして、忘れることができましょうか。”
(待て、耳鳴り、幻聴。そして『交信』…お前、名前は?)
"…私は、エア。あなたがかつて、『Cパルス変異波形』と呼んだ存在です。”
(そうか、成程…。そういうことか…!)
これで、俺が白髪と紅い眼であることの説明がつく。この二つは、エアのビジュアルイメージと一致する。
それに、あのパワードスーツの動力はコーラルだった。装着に際して、俺の体にコーラルが流れ込んだと考えれば、この現象も納得がいく。
"何を一人で納得しているのかわかりませんが…”
"レイヴン。私は、あなたの良き友人として…”
"『交信』でサポートすることを約束しましょう。”
(あぁ、是非お願いしよう。正直、一人はそろそろ限界だったのでね。)
"えぇ、これからよろしくお願いします。では、早速ですが…”
"EN兵装の素材集め、難航しているのでしょう?”
随分とタイムリーな悩みに触れてきたことに、俺は内心驚いた。
なるほど、こいつは優秀だな。サポート役、あるいはオペレーターとして申し分ない。
"あなたは、『預言者』と呼ばれる機械群を知っていますか?”
(あぁ、あのイロモノだろう。それがどうした)
"あれの表面部分の装甲は、あなたの設計するEN兵器の発熱…さらに、コーラルの共振、侵食にすら耐えられます。”
"今のあなたであれば、討伐できるでしょう。かつて技研の開発した、強化外骨格型アイビスシリーズ…IB-C00/NULL 108 の担い手である、あなたであれば。”
"最速を希望するのであれば、そうですね…『
"推定出現区域は、アビドス砂漠。ここからでしたら、アサルトブーストで4時間ほどあれば到着できます。”
"なお、推定出現時刻は、現在時刻より4時間5分後です。急ぎましょう、レイヴン。”
(それを早く言わんか!!)
心の中で激しい突っ込みを入れた俺は目的地へ向かうべく、件のスーツ―以後アセンブリ・スーツと呼称―を展開、装着し、ブースターを吹かして地上へと向かった。
道中、なんだかブサイクなMTがたくさんいたが、肩慣らしを兼ねてすべて薙ぎ払って進んだ。
そして地上に到達した俺は、眼下の廃墟を視界に収めながら、一気に上空へと翔け上がった。
"メインシステム、巡航モード起動。せっかくです、昔話でもしましょうか。”
一方そのころ、ミレニアムサイエンススクールの生徒会、通称セミナーの部室は、上を下への大騒ぎとなっていた。
『ウォッチポイント突破』…歴代のセミナー会長に、その言葉の意味が分からぬ者はいない。
さらに、監視・制圧を担う、『レイヴン』がブサイクと評価したロボット、通称アバンギャルド型MT全機の機体反応が消失していた…そう、全機である。
これが何を意味するのか。システムの誤作動ではなく、罪人たちの墓からの脱走者が出たということだ。
セミナーはこの事実を連邦生徒会に報告せず隠蔽し、秘密裏に処理することを決定した。
アバンギャルド型MTは、その形状こそ奇抜だが、性能は伊達ではない。
それをすべて撃滅する戦力など、正面から戦えばどんな損害が生じるか分かったものではない。
こうした経緯を経て、現在のC&Cの前身にあたる組織、特務部隊サブジェクト・ガードが設立された。
…そして、セミナーの努力も虚しく、既に彼女達以外にも、かの脱走者を観測した人間がいた。
「リオ、今の見ましたか!?」
「えぇ、こちらも観測したわ、ヒマリ。あの膨大なエネルギー、一体どうやって生み出しているのでしょう。」
「それよりも、あれが出現したのは“廃墟”でしたよね。あそこに、一体何があるのでしょう?」
「…セミナーのアーカイブになら、記録が残っているかもしれないわ。」
「なら、少し覗いてみましょうか♪」
セミナーにとって不幸だったのは、二人が超のつく、それもセミナーのセキュリティを突破できるような天才だったことだろう。
記録文書:ミレニアム調査技研
以前存在したとされる部活についての記録のようだ。
ある特定の生徒についても言及している。
ミレニアム調査技研という部活がある。
かつて、その狂気故に、歴史から抹消された部活が。
正式名称を、ミレニアム調査技術研究所。
ミレニアムサイエンススクール勃興期、学園で最初に創られたというその部活は、現在のエンジニア部の前身である“RaD”の頭目、カーラをもってして『研究に憑りつかれた狂人の集まり』と言われた。
彼らは次第にその規模を拡大し、学園の地下に独自の自治区を持つようになった。そして、そこに湧出していた新物質に魅了された。
やがて、その存在を危険視した当時のセミナーによって、地上への出入り口を封鎖・監視する建造物“
地上との繋がりを絶たれた彼らは、実質的な兵糧攻めに遭い、そこに追い打ちと言わんばかりに、件の新物質の“破綻”に起因する災害が起こり、そしてこの時技研の生徒は全滅した。
ミレニアムの廃墟は、その災害の余波によってできたものだと言われている。
そのミレニアム調査技研の部長を務めていたのが、白髪に紅い眼の男子生徒、黒羽ワタル。
彼はある時を境に、“レイヴン”と呼ばれるようになった。
対デカグラマトンって、アームズフォート相手にするようなモンでしょ?
行けるやろ(白目)
言い忘れてましたが、今は原作の二年前です
つまり、リオとヒマリはまだ高1というわけです