Millennium Research Institute 作:信楽焼のたぬき
これが成長
話をしよう。
俺は現在、キヴォトス上空、高度約1200mを亜音速で巡航している。
目標は、アビドス砂漠の“
優秀な助手兼友人曰く、その素材はEN兵装の発熱はおろか、コーラル兵装のコーラル侵食にも耐えうるという。*1
素晴らしい…!
欲しい。喉から手が出るほど欲しい。そして早く新しい武器を作りたい。
故に、俺は奴を最速で狩ることにした。
(
心の中でそう念じることで、俺はスーツに干渉し、自在に武装を切り替える事ができる。
――――――WEAPONS――――――
R-ARM UNIT:SG-027 ZIMMERMAN
L-ARM UNIT:PB-033M ASHMEAD
R-BACK UNIT:EARSHOT
L-BACK UNIT:BML-G2/P03MLT-06
―――――――――――――――――
―――EXPANTION―――
ASSAULT ARMOR
――――――――――――
…随分と大味だが、まあいい。当てればいいのだろう。
それに、チャージパイルの一閃は全てを解決する。
そのうちガンにも効くようになるだろう。
火力にモノを言わせるこのアセンで、俺は再び夢を掴むのだ!
しかし、エアから聞いた話は衝撃だった。
技研都市だと思っていたものが、まさか本当に技研都市だったとは。
しかも記録からして、アイビスの火によって焼き払われたことは想像に難くない。
やはり技研は狂人の集まりであり、技研都市は罪人の墓標である。どの世界でも変わらないとは、不憫なことだ。
それに、俺の正体まで知ることができたとは。
俺の体は、かつての技研のリーダーであった男子生徒、黒羽ワタル
彼の遺体は、アイビスの火、技研滅亡に際して跡形もなく消えてしまっている、と考えるのが自然だろう。あれだけの規模の災禍だ。少なくとも、五体満足で残っていることは万に一つもないだろう。故に、この体が
また、彼も俺と同じく『交信』が可能だった人間であった。見てくれもそっくりなのだから、エアが俺をオリジナルと誤認したのは不可抗力であったのだろう。
…まるで、ナガイ教授とサム・ドルマヤンを足して2で割ったような…
それに、"レイヴン”と呼ばれていたのも偶然にしては…
"黒羽”でカラス、それに加えて"ワタル”で『渡り鴉』か。
いや、一応筋は通っているな。
そうして色々と考えながら飛行を続け、気づけば砂漠地帯を飛んでいた。
このまま直進すれば、間もなく交戦区域に突入する。
時間にも余裕がある。思ったより、アサルトブーストの推力が大きかったのか?
カタログスペックを更新せねば。
…む?
いや、ちょっと待て、様子がおかしい。
(エア、作戦区域まであと何kmだ? ここからでも視認できる砂嵐が発生している。)
"少々お待ちを…。出ました。作戦区域まで、直線距離であと50kmです。”
"…そしてどうやら、例のヘビは随分とせっかちだったようです。”
(何?)
"既に『
「…了解」
"目標を補足しました。あれが今回の標的、『
「…思ったよりでかいな。」
"対象は、頭部への衝撃に弱いはずです。着実に攻撃を当て…”
"ッ!? 待ってください、地表に極微弱な生体反応!”
Boom!
俺が放ったEARSHOTの一撃は、寸分違わずに奴の頭部に吸い込まれていった。
激しい爆発音が響き渡り、ビナーは地に倒れ伏す。
意識外からの攻撃だったからだろうか、一撃で
…ACSとかいう概念ってあるのか?
そして、本来ならスタッガーした敵に対しては、一秒でも早く追撃を入れに行くのが定石なのだが…
「どこだ!? クソッ、砂嵐で視界が…!」
先刻、エアが見つけた『極微弱な生体反応』。それすなわち、周辺に瀕死の人間がいる、ということだ。
俺はスキャンをフル稼働させ、そして
「見つけたぞ…!」
(
――――――――EXPANTION――――――――
ASSAULT ARMOR → PULSE PROTECTION
――――――――――――――――――――――
「展開」
俺ともう一人を包み込むように、球状のパルス防壁が姿を現す。
これでしばらくの安全が確保された。
「あ…た…、だ、れ…?」
「喋らないほうがいい。敵じゃないから安心しろ。」
横たわっていた、緑色の髪の少女が声を上げる。
…驚いたな、このありさまでまだ息があるのか。
「…わた…の、なま……ユ、メ…って、いう…の…」
「アビ、ドス…せいと、かいちょ…」
「…ゆい、ごんを…」
「おい、気をしっかりもて。諦めるつもりか?」
何を血迷ったか、目の前の少女はあろうことか『遺言』などとのたまった。
「わた…の、せい…、こうは…めい、わく…」
「…おね、がい。」
「ホシ、ノ…ちゃ…、よろ、し…く…」
「…ごめ、ん、ね…」
そして、彼女の頭上にあった光の環が消え…生体反応が消失した。
"…『
「…仕方ない。弔い合戦と洒落込もうか。」
"今です、レイヴン!”
ズガァンッ!
再び俺のEARSHOTでスタッガーしたビナーの頭部に、俺は今度こそチャージパイルを叩き込んだ。
「…仇はとったぞ。」
そして、ビナーは地面に倒れ、動かなくなる。
考えてみれば、この世界に生まれて、初めて骨のある戦いをした気がする。
途中でチャージビームみたいなやつをくらったときは、さすがに死を覚悟した。
だがこのスーツ、なんとリペアキットなる自己回復機能もついていた。機体はもちろん、傷ついた俺の体まで直せる優れものだ。
…いったいどういう原理で直しているんだろうか。
"…敵機、反応停止。今のうちに、目当ての物を回収してしまいましょう。”
ビナーの装甲、その剥がれかけの部分に手をかけ、力任せに引っ張る。すると、簡単に装甲板を剥がすことができた。
…まるでモン○ンだなこれ。
なんて思いながらベリベリと剥がしていると、
"ッ! 高エネルギー反応! 離れて下さい!”
「…再起動か。伊達に『預言者』なんて大層な呼び方されてないってことか。」
ビナーが突然動き出し、砂をまき散らしながら地面に潜っていった。
そして、そんなことに気を取られていたせいで、
「…ユメ先輩…?」
後ろから近づく神秘に、気づかなかった。
攻撃予兆のアラートが鳴り響く。
「なっ!?」
完全に意識外からの攻撃だったが、振り向きざまにクイックブーストで回避する。
が、振り向いたのがよくなかった。
「グゥッ」
どうやら、相手の武器はショットガンだったらしい。
左目を、持っていかれた。
「リペア、キット…」
だが、傷はリペアキットで直せるから問題ない。
と思っていたのだが…
「…効かない、だと?」
得られた結果は、出血が多少緩やかになった程度。
このままでは失血死する出血量に内心慄いていると、
「…ユメ先輩を殺したのは、お前か」
ピンク髪、オッドアイの少女が、その手に持ったショットガンをこちらに向けていた。
「…そうではない、と言ったら?」
「状況証拠からして、お前以外ありえない。ここで死んでもらう。」
「聞く耳を持たないとは、このことだな。」
(
――――――――EXPANTION――――――――
PULSE PROTECTION → ASSAULT ARMOR
――――――――――――――――――――――
「悪いが…それは聞けないな。」
「このレイヴンには、キヴォトスで為すべきことがある。」
「こんなところで、死んでいる暇はないのだよ。」
(アサルトアーマー、展開)
「なっ!?」
唐突に襲い掛かって来た衝撃に顔を顰める少女。
彼女の視界から外れた、その一瞬の隙を逃さず、
俺はアサルトブーストで離脱した。
「…まさか、ビナーを単独で撃破するとは。」
「しかも、彼が身にまとうパワードスーツに、操る武装群…」
「そのどれもが、私たちの知る技術体系と全く異なる。」
「なるほど…ククッ、俄然興味が湧いてきました。」
こじらせホシノちゃんの完成です かわいいね
フロムはきっとこういうことする(偏見)
EN兵装作れてないのにアサルトアーマーとか使えている理由は
機体のおまけでついていた初期装備だからです
そしてチート要素、「リアルタイムでのアセンブル変更」
一応、コア拡張機能はクールタイム中は変更できない縛りが存在します