『ヘイレン』がこちらを見つめる、始めての邂逅のはずなのに、懐かしそうにこちらを見てくる…はずだった。ホシノを見ると、眼を見開き、恐れと怒りの入り交じった眼がこちらを見つける。何故?そんな悠長なことを考えれば、ヘイレンは再度翼を大きく広げると、
【KYOOOOOONN!!】
巨大な咆哮が耳をつんざく、次に顔を上げると、ヘイレンはおらず、オートマタのわずかな破片とガラス化した砂だけが残っていた。
“…とりあえず、帰ろうか。“「そうですね…」
私達は一旦校舎に戻ってから考えることにした。
「先輩!なんなんですかあの化物!?」「セリカちゃんは知りませんでしたっけ?」
帰って皆で話すも、やはり話題は借金からヘイレンへと移っていた。
“私はシャーレの資料でしか見てないけれど、あれは『ヘイレン』という怪獣らしいね。さっきみたいに火炎を吐いたり意味のわからない速度で飛んだりするらしいんだ。“「意味わかんないわよ!あんなデカいのがどう飛ぶのよ!?」“落ち着いて、セリカ…“
そんなことを話していると
「うへ~若い子達は元気だねぇ~おじさん腰ぬかしちゃったよ~少し寝てくるね~」「ホシノちゃん!この先輩が一緒に寝て上げようか~?」「大丈夫です、先輩。」「ひぃん」
「じゃあねぇー」 ガチャ
ホシノside
ヘイレンを見た時、久しぶりに見たなぐらいの呑気な感情でしかなかった。でも、目があった時思わず逃げ出したくなった。あの目は確かに感情を強くうかばせていた。驚き、恐怖、そして怒り。ああ、良く見ればわかった、パッと見ではわからない程だったけれど、確かにあの眼の周りにはあの時の傷跡が残っていた。大砲や数々の銃撃を食らっても生きているあの生き物ですらも、癒えなかったんだ、あのショットガンの攻撃は、大切な先輩の命を救い、感謝するべき相手に撃たれた眼の傷は、見づらい程には癒えても眼を凝らせば見付けられる傷だった。ヘイレンは見せつけてきたんだ。忘れるなと覚えていろとそう私の愚かな凶弾の傷を見せつけたのだ。
「ごめんなさい」
私はドアの向こう側に座って、動きたくなかった。
久しぶりのヘイレンside
お久しゅうございます。ヘイレンにございます。
寝てたら鼻先にグレネードが投げ込まれ、投げた奴を滅却したら、アドビス生徒と会いました。シロコチャンカワイイあとヘイロー無しの男がいたから、あれが恐らく先生であろうなぁ。イケメンウラヤマシイふと思ったがこちらは言葉を使えない以上、調査がなければ…ワシただのヤバい怪獣やんけ草w 草生えねぇよどうすんだよ最悪ユメパイを使って友好の意思を示せばいけるか?
(腐☆腐☆俺の計画は楽な巣で生徒と先生のイチャイチャを見ることだったのだよ。怪獣が暴れると思ったお前の顔はお笑いだったぜ☆)
しかし、どうしたものか、俺に友好な生徒と言えば巣穴を根城にしたヘルメット団とワンチャンユメパイぐらいしかいないのが現状だ。このままでは先生の敵側に回って総力戦で処されてしまう。
「ヘイレーンちっせえけど肉いるかぁ~?」
ふむ、不良達もカァイイところがあるじゃないか。是非ともいただこう。あぁそういえば、
(あの糞ホルスビビってて愉快やったなぁww)
ヘイレンの中の人の性格はかなり終わっているのであった。
先生side
「それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます。本日は先生もいらっしゃるので、いつもより真面目な会議ができると思うのですが……」
「ん、銀行を“シロコ?“ん…」
「あのヘイレンってのはいったい…」
「と、とにかく定例会議を始めます!」
「本日の議題は私たちにとって非常に重要な問題……学校の負債をどう返済するかについて、具体的な方法を議論します。」
「じゃあ私が!」
「はい、1年の黒見さん。お願いします」
「あのさ、まず苗字で呼ぶのやめない?ぎこちないんだけど」
「せ、セリカちゃん……でも、せっかく会議だし……」
「いいじゃ〜んおカタ〜い感じで。それに今日先生がいるんだし。」
「いやまぁ、それでいいなら別にいいんだけどさ……まあとにかく、対策委員会の会計担当としては現在我が校の財政状況は破産の寸前としかいいようがないわ!」
「このままじゃ廃校だよ!みんなわかってるよね?」
「うん、まあねー。」
「ふふん、これよ!街で配ってたチラシ!」
「これは……!?」
「ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金……?」
「そう!これでガッポガッポ稼ごうよ!」
“………“
「……何よ先生。何か言いたいことでもあるの?」
“セリカ、それは多分詐偽だよ。“
「へ?」
きっとセリカにはそういうところがあるんだろう、うん。
「あ、ではアイドル活動なんてどうでしょう~」
「ん、銀行を襲う。」
“ヘイレンを観光資源にするのはどう?“
「皆さんふざけてるんですか!?これじゃあ廃校
まっしぐらです!」
私の案もそこまで非道いものだっただろうか…マッハ10で飛ぶ生き物は珍しいなんてものではないと思うのだが…
一一一一一
「いやぁ~、悪かったってば、アヤネちゃーん。ラーメンおごってあげるからさ。怒らないで、ね?」
「怒ってません」
「はい、お口拭いて。はい、よくできましたねー☆」
「赤ちゃんじゃありませんからっ」
花の女子高生の微笑ましい様子を見ていると
「あのぅ……」
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
「……こ、ここで一番安いメニューっておいくらですか?」
「一番安いのは……580円の柴関ラーメンです!看板メニューなんで、美味しいですよ!」
「ありがとうございます!」
その後、今度は四人の生徒が入ってきた。
「えへっやっと見つかった、六百円以下のメニュー!」
「ふふふっ‼何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ!」
「そ、そうでしたか、さすがはアル様何でもご存知ですね……」
キング・クリムゾン
「え?」
「私達が頼んだのって特盛じゃない…」
彼女等四人の目の前におかれたのはタワー盛りレベルの超特盛ラーメンだった。
「こ、こんなの食べるお金、ないですよう……」
「いやいや、これで合ってますって。五百八十円の柴関ラーメン並ですよね、大将?」
「ああ、ちょっと手元が狂って量が増えちまったんだ。気にしないでくれ」
“ちょっと…?“
きっと大将は飛んだお人好しなんだろう、でも気持ちはわかるあんなお腹をすかしてお金がない子達が来たら、私もそうするだろうから。
キング・クリムゾン
今、襲撃を受けたと聞いて、急いで来てみると、
「ラーメン無料で特盛にしてあげたのに!この恩知らず!」
「あはははッその件はありがと。でも、それはそれ、これはこれ。こっちも依頼でさ~」
昨日の貧困少女達が攻めてきていた。
“恩知らずには少しだけ痛い目を見てもらおう”
“ホシノ、一気に突っ込んで。ノノミは、ホシノが下がった瞬間一斉掃射。シロコとセリカは、遮蔽物に隠れた相手を”
私もシッテムの箱を使って指示を出す。
そして、戦闘が始まる…はずだった。
【KYOOOOOONN!!】
次の瞬間、勢い良く『ヘイレン』が空に現れる。
「また!?」
「ヘイレン…!」
「またアイツだ!」「こっちくんな!」「帰ぇれ!」
「な、なんですって~!?」
“何をするつもりなんだ...?“
戦況は一気に混乱に包まれる。そんな中、次に元凶たるヘイレンがとった行動は…!
KYOEE…??
明らかに困惑した声を上げると、こちらを見て、あちらを見て、空中で妙に人間臭いコミカルな動きで悩んだ末、
空へと再び飛んでいった…が、その後、カイザーの傭兵に火球を落とし、戦闘不能にして、今度こそ何処かへ帰っていった。
「な、なんですって~!!」
戦闘は、気まずくなって終了した。
ヘイレン めんご
先生 宇宙猫
カイザー いい加減不憫
アルちゃん な、なんですって~!?