Archive No.1! 〜透き通った青き世界で少女達は指輪を巡り争う〜   作:虎武士

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ブルーアーカイブとゴジュウジャーのクロス小説を投稿します。

ゴジュウジャー及びユニバース戦士はブルアカキャラで、先生は非戦闘員です。

意外な人物が指輪持ち……と言う展開も執筆していきます。

それでは1話目をどうぞ!


序章
活動記録1:箱庭(キヴォトス)ナンバーワン


 嘗て、全ての世界を揺るがす大きな戦いがあった。

 

 スーパー戦隊と呼ばれる数多の戦士達が集い、"厄災"と呼ばれる存在に立ち向かった次元の狭間で起こった戦争。

 

 全ての戦隊のロボ達は死力を尽くして"厄災"に抗うも、"厄災"は強大で次々に敗れていった。

 

 そしてその戦争──後にユニバース大戦と呼称される戦争の唯一の勝者、巨神テガソード。

 

 "ロボの墓"で彼は深い眠りにつき、彼の力の宿った指輪が分散されてしまう。

 

 その指輪──センタイリングと呼称され、指輪を全て集めた者は願いが叶うと言う。

 

 指輪には数々のスーパー戦隊の力を宿しており、テガソードと契約した者にはその指輪の固有能力が覚醒される。

 

 指輪の力を持って変身(エンゲージ)を果たすと、その指輪の元となった戦士へと姿が変わる。

 

 その指輪の数々は分散され、ある世界の学園都市──キヴォトスへと落ちていった。

 

 キヴォトスの少女達は戦う──青き青春を謳歌する為、そして──願いを求めて。

 


 

 世界の中心的な位置で、その都市──キヴォトスは点在する。

 

 数千に及ぶ行政機関を統括し、管理を行っているのは連邦生徒会。

 

 その生徒会長が突如生徒達の前から姿を消し、行方不明となった。

 

 責任の重圧から逃れるべく雲隠れしたのか、何者かによって拐かされ謀殺されたのか、様々な可能性が考察される。

 

 だが連邦生徒会長の失踪によってサンクトゥムタワー及び生徒会の行政制御権が失われ、生徒会は混乱の渦中に陥った。

 

 だが、希望は完全に絶たれたわけではない。

 

 生徒会長が失踪以前に招いていた生徒会唯一の大人──"先生"、彼はキヴォトスの外から来た存在で、生徒会で設立された連邦捜査部"S.C.H.A.L.E(シャーレ)"の顧問で、調停役(フィクサー)を担う。

 

 S.C.H.A.L.E(シャーレ)は単なる部活動ではなく、超法規的機関。連邦組織であるが為、キヴォトスに存在する全ての学園の生徒達を制限なく加入させる事が可能であり、各学園の自治区で制約なしで戦闘活動を行う事も可能である。

 

 これだけの権限を持つ機関を連邦生徒会長が何故、立ち上げたのか、その意図は本人がいない以上掴めないが…。

 

 連邦生徒会の幹部にして首席行政官である黒髪の女性──七神(なながみ)リンが概要を話し、先生にS.C.H.A.L.E(シャーレ)の部室へ案内すると提案する。

 

 リンは後輩でもある部活の少女──由良木(ゆらき)モモカにヘリの手配を要請する、だがモモカ本人から思い掛けない報告を受ける事に。

 

 S.C.H.A.L.E(シャーレ)部室がある外郭地区で、矯正局を脱走した悪質な生徒達が暴動を起こし、現在は戦場と化しているとの事だ。

 

 生徒会に恨みを抱き、地域の不良達を扇動して街中で暴れ回っていて、巡航戦車まで持ち出しているらしい。

 

 しかもS.C.H.A.L.E(シャーレ)の部室を狙っている、という可能性まである事も示唆する発言までかます。

 

 お昼のデリバリーがあるから、と理由付けて切れる通信。リンの眉間に青筋が浮かび上がり、心なしか身体を震わせる。

 

「……大丈夫かい?」

 

「……だ、大丈夫です。少々問題が発生しましたが、大丈夫です」

 

 街中で戦闘と言う時点で少々で済まされる気がしないが、敢えて触れないでおく事にしよう。

 

 リンの目線は連邦生徒会長に各種の問題の為、訪れた来訪者達に向けられる。

 

 科学に力を入れている新興校、ミレニアムサイエンススクールのセミナー……早瀬(はやせ)ユウカ。

 

 "自由と混沌"をモットーに掲げるゲヘナ学園の治安維持組織、風紀委員会に属する火宮(ひのみや)チナツ。

 

 トリニティ総合学園の治安維持組織、正義実現委員会の副委員長で、キヴォトスの中でもトップクラスの実力を持つ剣先(けんざき)ツルギのストッパーを務める羽川(はねかわ)ハスミ。

 

 トリニティ総合学園の非公認部活、トリニティ自警団の一員で感情が貧しい生真面目気質の守月(もりづき)スズミ。

 

「丁度此処に、各学園を代表する()()()()()()()()()がいるので、私は心強いです」

 

「………え?」

 

「キヴォトスの正常化の為に、()()()()()()()皆さんの力が今、切実に必要です。もしもの事を考えて、指輪の力も行使して下さい」

 

 行きましょう、と告げてハイヒールを鳴らして歩き出すリン。

 

「……ちょ、ちょっと待って! ど、何処に行くのよ!?」

 

 一歩遅れてユウカが追っていき、ハスミとチナツとスズミ、そして先生も続く。

 


 

 D.U.外郭地区は既に戦場と化しており、彼方此方で爆音と破裂音、銃撃音が街中に木霊する。

 

 その惨状にユウカは「何で不良達と戦わないといけないの!?」と悪態を吐き、傍でチナツが「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻す為には、あの部室の奪還が必要ですから……」と正論を述べる。

 

「それは分かっているけど……」

 

 この後に及んで未だに言い淀むユウカに、容赦なく銃弾の雨が降り注ぐ。

 

 連中が扱う弾はHP(ホローポイント)弾、殺傷性はないものの、直撃するだけでも地味に痛みが走る。

 

 ハスミ曰く、先生を守りながらこの陣形を突破して部室の奪還をせねばならない。

 

 その為に目の前の一刻も早く突破する。彼女達は兎も角、先生はキヴォトスの外から来た存在(モノ)、銃弾を受ければ生命の危険に晒されるだろう。

 

「分かっているわ! ……先生、先生は戦場に出ないで下さい。私達が戦っている間、この安全な場所にいて下さいね!」

 

「必要とあれば指輪の力を行使する可能性が考えられます、どうか出来るだけ安全圏に」

 

 ユウカ達四人の指には指輪が嵌められている。金の装飾が施され、赤い仮面の戦士の絵柄が入っている。

 

 それが何を意味するのかは先生には理解し難い。しかし戦闘経験があるとはいえ、歳下のうら若き少女達が銃を手に戦場に身を投じる姿に歯痒さを覚える。

 

「分かった……戦闘には参加しない。だが、指揮は私に任せて欲しい」

 

「え…!? 戦術指揮をされるんですか!?」

 

 唯指を咥えているわけにいかない、先生はせめて戦術指揮で彼女達の手助けを提案する。

 

 その要請にユウカは同意した。チナツやハスミ、スズミも同意し、銃を構える。

 

「よし……! じゃあ、行ってみましょうか!」

 

 四人の少女は戦場へと参る。

 


 

 先生の指示は的確な判断であった。

 

 障害物を盾に銃撃をやり過ごし、向こう側が弾薬を尽きて弾倉(マガジン)を装填する間に攻め込む。

 

 敵が集まればスズミの手榴弾(スタングレネード)で吹き飛ばし、散弾の雨はユウカが前に出てスキルを発動して防ぎ、その間にチナツとハスミが畳み掛ける。

 

 普段はチームワークもバラバラで、互いに足を引っ張り合い、そもそも属する組織も異なるが、不思議とスムーズに不良達を調伏してみせた。

 

 ユウカ達四人は信じられない様子だった。大人である先生の指示があったからとはいえ、こんなにも順当に対処した事はあっただろうか?

 

 否──互いに顔を合わせると嫌悪を露わにしていた。普段の仕事もそうであるが、()()()()()()()であっても彼女達はライバル同士……相容れない間柄の筈だが、何故か心が妙に温まる心地にあった。

 

 この調子ならば戦闘を速やかに終わらせそうだ、と確信を抱きつつも前進する一同。S.C.H.A.L.E(シャーレ)の部室も目前に差し掛かった時、リンからの報告で首謀者が判明した。

 

 狐坂(きつねざか)ワカモ──百鬼夜行連合学院で停学中の生徒で、矯正局を脱走して不良達を扇動している危険人物。

 

 映像データから見ると和装を纏った狐の面を被った少女で、詳細を聞くだけでもかなりの前科を持っているとされるだろう。

 

「…! 騒動の中心人物を発見! 対処します!」

 

 戦闘の最中、ハスミが件の人物を特定。件の彼女──ワカモは妖艶に微笑み、余裕綽々とした様子で此方を見ている。

 

「うふふ……指輪に選ばれた連邦生徒会の子犬達が現れましたか、お可愛いらしいこと」

 

 面で表情こそ見えないが、ワカモからは殺意を感じる。そして彼女の右手の指には、ユウカ達と同じく指輪が嵌められている。

 

 これが何を意味するかは分からずとも、先生は彼女達の銃撃戦を遮蔽物の影から見つめる。

 

(わたくし)は此処まで……後は任せます」

 

 結果は数もあってユウカ達の勝利。だがワカモは笑みを浮かべ、後方へと後退していった。

 

 正面では敗北しても戦略ではワカモ側の勝利、ユウカは追い討ちを掛けようとするが、ハスミに目的を見失うなと嗜められる。

 

 不良達を無力化していき、建物の入口まで迫った。

 

 後一息と迫った瞬間、彼女達の耳に重量感のある走行音が聞こえてきた。

 

「気を付けて下さい…! 巡航戦車です…!」

 

 チナツが声を上げる。重々しい走行音と共に、三台の戦車が彼女達の前に姿を露見する。

 

 ハスミ曰く、トリニティ総合学園にも配備されているクルセイダー1型。恐らく不法に流通された物をPMC(民間軍事会社)に流れ込み、それを不良達が買い取ったとユウカは推測する。

 

 しかもそれが三台も投入してくるとなると、キヴォトスの生徒であるユウカ達でも骨が折れると先生の顔から冷汗が流れる。

 

 主砲から放たれる徹甲弾はアスファルトを吹き飛ばし、パラパラと遮蔽物として落下する。

 

 その威力にユウカ達は冷汗が流れ、一刻も早く対応するべきだと知覚する。

 

 あれを止められる術があるとすれば、()()()()に授けられた力しかない。

 

 今がその時だと確信し、四人は左手に青い刀身を持つ銀色のガントレットを嵌め、右手に嵌めた指輪を手にする。

 

「これを使う時が来たようですね」

 

「まさか貴女達も指輪持ちだったとは…」

 

「あまり気が進みませんが、やるしかないでしょう」

 

「いくわよ!」

 

『エンゲージ!!』

 

 指輪の絵柄を回転させ、ガントレットの中心に指輪を装填。

 

《センタイリング!》

 

 威厳ある声音がガントレットから発せられ、独特のリズムが流れる。

 

 四人はリズムに合わせてテンポ良く手拍子とダンスを披露、先生は彼女達の息の合った仕草に引き込まれる様に見惚れる。

 

 そしてダンスとリズムが終わると、四人の姿が赤いスーツを纏う戦士へと変わる。

 

《キラメイジャー!》

 

 ユウカは魔進戦隊キラメイジャーのキラメイレッド。

 

《ギンガマン!》

 

 ハスミは聖獣戦隊ギンガマンのギンガレッド。

 

《ジェットマン!》

 

 チナツは鳥人戦隊ジェットマンのレッドホーク。

 

《マスクマン!》

 

 そしてスズミは光戦隊マスクマンのレッドマスク。

 

 それぞれの姿へと変身した。

 


 

「な…っ!?」

 

 愕然。

 

 先生は赤いスーツの戦士の姿へと変身を遂げたユウカ達に目を見開き、言葉を掛けられなかった。

 

 不良生徒達も言葉を失い、その内の一人が指を指して声を発した。

 

「な……なんだよ、あれ…!?」

 

「トリニティやゲヘナの連中が、特撮ヒーローみたいなのになりやがった…?」

 

 頬を軽く抓っても夢ではないと知覚し、架空の存在である戦士が威風堂々と巡航戦車の前に立っている。

 

 忌々しいキヴォトスの生徒達が変身し、その姿は原典(オリジナル)と遜色変わりない勇姿。

 

「さて、可及的速やかに破壊しましょう」

 

「ええ、そうね!」

 

 ギンガレッド(ハスミ)の言葉にキラメイレッド(ユウカ)が同意、四人は戦車に向けて駆け出す。

 

「炎の……たてがみ!!」

 

「キラメイシュート!」

 

 ギンガレッド(ハスミ)の放つ炎とキラメイレッド(ユウカ)の射撃が右方の戦車に命中、戦車は瞬く間に爆散。

 

「……!?」

 

 先程まで可憐な美少女達が戦隊モノのヒーローに変身した上、力で戦車をあっという間に粉砕する姿に先生は絶句。

 

 夢ではないのかと思い、頬を軽く指で抓ってみる。頬に小さな痛みが走り、目前で起こっている光景は現実だと思い知らされる。

 

 あれは何なのかと先生はリンに問う。

 

《あれはセンタイリング。嘗て此処とは違う世界で凡ゆる悪と戦った正義の戦士、スーパー戦隊と呼ばれる者達の力が宿った指輪です》

 

「スーパー戦隊…?」

 

《はい。書籍に記された一説によると、嘗て此処とは別の世界で大きな戦いがあったそうです。その世界でスーパー戦隊は"厄災"と呼ばれる存在と戦っていました。ですが"厄災"は彼等が戦った敵よりずっと手強く、次々に彼等は敗れていきました》

 

 "厄災"がどの位の存在かは先生には分からないが、聞くだけで緊張感を帯びてゴクリと唾を飲み、食道を通過する。

 

《ですがその時、"彼"が現れました。彼の名はテガソード──大きな戦い──ユニバース大戦の最終局面にて降臨した"神"とも言うべき存在、そしてかの大戦の唯一の勝者。彼はスーパー戦隊から力を託され、その結集した力を持って"厄災"は滅びました。しかし──その代償としてスーパー戦隊の力は分散され、指輪──センタイリングとなったのです》

 

 言葉にもならない結末に先生は言葉を発せず、唯々リンの話に耳を傾ける。

 

 目前ではレッドホーク(チナツ)がジェットウィングで滞空してバードブラスターで上空から狙撃、戦車の砲弾を回避しつつレッドマスク(スズミ)が銀のテガソードで装甲を切りつける。

 

《全ての戦隊の力が宿る指輪を見て何を思ったのか、テガソードはある催しを提案しました。指輪を持つ者同士が争う戦う指輪を賭けたバトルロイヤル──指輪争奪戦を。テガソードと契約した者達はそれぞれの願いを叶えるべく、競い合うのが運命(さだめ)。全ての指輪を集めた者には自分の願いを叶える権限が与えられると言われています》

 

 なんだか◯ラゴン◯ールみたいだなと思うがそれまでの過程は全く異なる、願いを叶える為だけに生徒達が競い合うとは何とも歪だろう。

 

 そんな過酷な契約を突き付けるテガソードに物申したい所ではあるが、その真意を問い質す術は現時点で不可能に近い。

 

「マスキーブレード!」

 

「ブリンガーソード、飛行斬り!」

 

「星獣剣、炎一閃!」

 

「キラメイソード!」

 

 そして最後の戦車に四人の同時攻撃が決まり、火を吹き出すと同時に爆散。

 

 不良達も戦闘の意思はなく、四人は変身を解除していく。

 

「終わりました、先生」

 

「嗚呼……私もリンから指輪やテガソードの事、その他諸々と説明を受けたよ」

 

「そうですか……」

 

「まあ確かにあの姿を見せてしまった以上、説明の必要がありますね」

 

「流石首席行政官、手間が省けて助かったわ」

 

 指輪を持つ者としてか、四人それぞれ鋭い視線を向けている。

 

「それで皆……君達はどんな願いを叶えようと」

 

「幾ら先生のお願いであっても、それはお答え出来かねます」

 

「女の子から秘密を聞き出そうだなんて、デリカシーが欠けてますよ?」

 

「場合によっては軽蔑し、拘束させて頂きます」

 

「最低ですね」

 

 敵視していた四人は先生に侮蔑の視線を向け、視線を向けられた先生は「す、すまない」と頭を下げる。

 

 ともあれ五人は速やかに目的を遂行すべく、S.C.H.A.L.E(シャーレ)部室へと足を運んでいく。

 

 そしてこの先に起こる邂逅(であい)で、キヴォトス全体が指輪を巡る争いの渦中である事を先生は思い知る事に…。

 

 続く

 

 

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