Archive No.1! 〜透き通った青き世界で少女達は指輪を巡り争う〜 作:虎武士
今回のサブタイはゲキレンジャーのジャン語から抜粋しました。
因みにヘルメット団の役割をモリス軍団が一部補い、強化型モリスを出してみました。
「う、う〜〜ん…?」
暗闇の中、
視界に映ったのは部屋の見慣れた天井──ではなく、何処かも分からぬ荷台の中。
異常な光景に彼女は起き上がり、これまでの経緯が想起されていく。
自由登校日の中で行きつけのラーメン屋──"
来店するお客様に笑顔を振り撒きつつ、注文を確認してこの店の店主──二足歩行で動く柴犬の様な外見でセリカ含む従業員やお客様からは
茹でた麺を網で水を切り、煮込んだスープが入った器に入れてトッピング、それを従業員達が運んでお客様達に届ける。
大将は厳格だが時には優しい一面を持ち、セリカにもぶっきらぼうだが笑顔を見せている。
そんな男気溢れる彼の腕前に惚れ込み、セリカはバイトとして雇用された。
まだバイトとして日が浅いも、彼女は楽しく続けていた。
そんな中、新たに来たお客様に笑顔を振り撒くが、来店したお客様が見知った顔触れだった為に驚愕。
アヤネとノノミにホシノ、先日指輪の戦士となったシロコ、
何故此処が分かったのかと思い自分を追い回していた先生に侮蔑の視線を投げ掛けるが、ホシノが情報を共有して全員揃って訪れたらしい。
一番知られたくない面々に暴露されて恥じるセリカ、大将から「お客として来たんだから注文を受けてやれ」と促され、泣く泣く受ける。
全員がラーメンを注文していき、美味しく頂いていった(注文する際先生がシロコとノノミから隣に座るか問われた時はヒヤヒヤした)。
先生達が御満悦して金を支払って帰っていき、陽も落ちてバイトも上がろうとした……その際に大将から声を掛けられた。
「あ……そういやセリカ、これ。バイト代と思って受け取ってくれ」
体毛で覆われた手に置かれているのは、金の装飾を施した指輪。
「た、大将…!? これ、何処で…!」
「少し前に仕込みの際に店の中で拾ったんだよ。最初はお客さんの誰かの落とし物だと思って取っておいたんだが、お前と同じ学校に通う銀髪の嬢ちゃんがこれと似た物を嵌めていたのを思い出してな」
まさか見られていたとは思わなかった。年を重ねているのに妙に目敏い大将だが、その慧眼に驚かざる他ないセリカ。
「店の中で何で落ちていたかは分からねえが、もしものお守りとしてお
「は、はい……あ、ありがとう御座います」
この指輪はオシャレとは程遠い代物なんだけど…。そう言葉を紡ぎたかったセリカだったが、大将の善意を無下に出来ず仕方なく承諾するのだった。
学生寮へと向かいつつ受け取った指輪を眺める中、セリカは柴関での出来事を思い出していた。
昨日の今日で訪れた先生に彼女は心を許しておらず、壁を作っている。
見事に馴れ馴れしく先生面して自分達に干渉してきて、セリカをとってそれは煩わしく感じた。
大人は信用するものじゃない筈だ。なのにシロコ達は彼に懐いていて、既に信頼を築いている。
余所者が図々しく自分達に干渉する姿は面白くなく、無意識に怒りを募らせるばかりだ。
余所者と言えば先生もそうだが、もっと気に食わないのはあのテガソードなる神の存在。
自身の持つこれやシロコが所有する物を含めた数十個の指輪を誤ってキヴォトス中にばら撒いた上、指輪を巡った戦いを引き起こすなどどうかしている。
自分がシロコと同じように参加するような事になれば、彼女と争う事になる。
それは絶対にあり得ない、だけど指輪を手にした以上は覚悟しないといけない。
だったら契約しなければいいのだ。そう考えて指輪を制服のポケットに仕舞い込み、ありもしない雑念を振り払って早歩きで自宅を目指す。
『ガッツ!ウガッツ!』
『ベチャ!ベチャ!』
「!?こ、此奴等、確かモリスって奴等!」
その矢先、闇夜に紛れて厄災クラディスの私兵・モリスの軍勢がセリカを取り囲む様に現れる。
彼女を包囲するモリスも数多のスーパー戦隊が戦った組織の戦闘員の姿形を模している。
未来戦隊タイムレンジャーが戦ったロンダーズファミリーのゼニット。
バトルフィーバーJが戦った秘密結社エゴスのカットマン。
先日と同様にそれらのモリスがセリカを囲い、彼女に襲い掛かる。
セリカは銃を手にして銃撃しつつ距離を取るが、四方八方敵だらけな為に逃げ場が存在しない。
どうすれば考えていると距離を縮められていき、ウガッツの持つ銃剣によって背中を斬りつけられる。
「あ……!」
背中に伝わる激痛により意識が朦朧としていき、その場で昏倒した。
※
これまでの経緯がハッキリと脳裏に過り、セリカは荷台の外から漏れる光を覗き込む。
彼女の視界に飛び込んできたのは、砂煙が巻き上がる熱砂の砂漠。
微かに線路まで見えていて、此処がアビドスの郊外だと言う事を理解した。
「どうしよう……みんな、心配しているだろうな……」
連絡を取ろうにも端末は圏外、脱出出来たとしても手段が見つからない。
セリカは荷台の中で不安に押し潰され、その場で項垂れる。
連絡が取れないのもそうだが、彼女が最も恐れているのは皆からの信頼が失われる事だ。
皆からアビドスを去ったと誤解され、そのまま短い人生を終える。
そんな未来予想図が過ぎって両眼から涙が溢れ、嗚咽を上げてしまう。
マイペースなホシノや温厚で包容力溢れるノノミ、常に真面目で純真無垢のアヤネ、真顔で突拍子もない行動を取るシロコ。
そしてまだ知り合って日が浅いが外からやって来た神を名乗る人形に、自分なんかを気に掛けてくるキヴォトス唯一の大人。
皆に会いたい。悲しみの重圧に押し潰されそうになる彼女は心の中で吐露し、制服のポケットにしまっている指輪が呼応するかのように輝くが、悲しみに暮れる彼女はそれに気付かない。
すると轟音が響き渡り、トラックが激しく振動する。
「うわあああああ!?」
何が起きたのか分からず驚くセリカは荷台から投げ出され、砂地に顔にダイブする形で倒れた。
顔を勢いよく上げて付着した砂を片腕で拭い、状況を確認する為に周囲を見渡す。
よく見ると自分を運んでいたトラックが衝撃の影響か横転し、その周囲に操縦していたであろうベチャット(モリス)達が砂に上半身をダイブしていた。
そして追撃と言わんばかりに銃撃がトラックを襲い、エンジンに命中したのかモリス達を巻き込んで派手に爆発する。
セリカは何が起きているのか状況が掴めず困惑していると、空からドローンが飛来する。
《──セリカちゃん発見!生存確認しました!》
「あ、アヤネちゃん!?」
「此方も確認した、半泣きのセリカを発見」
「!?」
「なにぃー!うちの可愛いセリカちゃんが泣いてただとぉ!?そんなに寂しかったの?ママが悪かったわ、ごめんねー!」
ドローンからアヤネの声が聞こえてきたと思えば、今度はシロコとホシノ、ノノミと先生(勿論テガソード入り鞄を携帯)が駆け寄る。
自分を助けに来てくれた事もあるが、頬に伝った雫を拭い頬を赤くして慌ててセリカは否定。
シロコ達は話を聞かずに慰めてくるがセリカは反論、その微笑ましい光景に先生は「よかった、安心したよ……」と安堵の表情を浮かべる。
「せ、先生まで!?どうやって此処まで来たの?」
「拐われたお姫様を助けるのは、勇者の役目だからね」
爽やかな笑顔で口にする先生、それを聞いてセリカはみるみる頬を赤く染めて「バッカじゃないの!?」と怒号を上げる。
お姫様呼びが恥ずかしかったのか彼女は捲し立て、先生はタジタジになる。
その光景が面白くないのか、シロコ達(モニター越しのアヤネ込み)は冷めた目を彼に向ける。
「先生〜〜、今のはクサいんじゃないかな〜」
「えっ」
「そんな事を男の人から言われちゃうとどんな女の子でもトキメイちゃいますよ⭐︎」
「そ、そうなのかい?」
「ん……私が言うのも何だけど、先生は女心を学ぶべき」
《右に同じくです》
冷めた視線を向けられて先生はたじろぎ、鞄から顔を出してテガソードも呆れている様に思える。
《……やはりあの店内に指輪があったのか。お前達が食事を嗜んでいる中、妙に気配を感じていたが》
「やっぱり彼奴等の狙いは指輪……偶然が重なってセリカの手に渡ったから、強行手段でセリカを拐って誰も知らない場所で始末した後に奪うつもりだったんだろうね」
昨夜アヤネが彼女の部屋を訪れて様子を見に来たが、鍵が掛かっていたのでスペアキーで開錠して入ったものの、部屋はもぬけの殻。
しかし彼女の性格上、夜遊びなどあり得ないと確信した為、アヤネはすぐに先生に連絡を取り次いだ。
先生はすぐに連邦生徒会が管理するセントラルネットワークにアクセスし、セリカの持つ端末に接続──現在地を特定して急行。
……だがいざ来てみればカタカタヘルメット団の仕業だと思い込んで来てみたら、実際に彼女を拐ったのは連中ではなくクラディスのモリス軍団。
だがどちらかにせよ誘拐事件を起こしたのは事実、さっさと討伐しなければいけない。
「ようこそ、愚かなアビドス高等学校のお嬢さん方、
不意に紡がれた声に驚き、聞こえた方向へ向かって振り返る一同。黒煙に紛れてゴートンが数十体のモリスを率いて姿を見せる。
「誰でしょうか?」
「山羊の被り物?それにしても変な格好だね〜」
「皆、見た目に騙されちゃダメ。此奴から……とても嫌な匂いがする」
《貴様……厄災の手の者か》
シロコとテガソードはゴートンが放つ邪悪な気配を察知し、険しい表情を浮かべる。
「お初にお目に掛かります。私の名はゴートン、クラディスの末端で"虚飾"と呼ばれる者です」
ゴートンは礼儀正しくお辞儀する。
「君が主犯かい…?」
「そうとも言えるでしょう。我等が怨敵の恩恵を受け、それに従順する者は誰一人生かしてはおけませんからね。何とも忌々しい事か、其方のお嬢さんは破滅の指輪の所有者とはね」
「破滅の指輪……これの事?」
シロコはゴジュウウルフの指輪を見せる、ゴートンはまるで親の仇を見るかの様に彼女を見据える。
「ええ……我等にとってそれは忌々しい存在、いえ、テガソードに関する物全てが憎たらしい。かのユニバース大戦と称される戦で我々は敗れ、私を含めた少数の者達は敗走を余儀なくされました」
先生達はそれを黙って聞く事にした。
「別の次元を彷徨い続け、その果てに行き着いた世界がこのキヴォトス。そして我等はその放浪の最中、破滅の指輪を含めた数多の指輪がこの世界にばら撒かれた事を知り、かの者達の後ろ盾を得てテガソードやそれに関わる者全てを根絶やしにし、指輪を全て封印する。何れ
「じゃあ……カタカタヘルメット団に戦力を貸し与えたのも」
「キヴォトスを取り巻く状況を利用するのも悪くない一手ですからね。大して期待はしていませんが、指輪の所在を確認するには丁度いい
薄気味悪く笑みを浮かべるゴートン、彼を含めたクラディス残党の目的に息を呑む。
後ろ盾が何なのかは不明だが、キヴォトス破滅を望みその一助を促す彼等を放ってはおけないのは理解出来る。
「さて……前置きは此処までにし、
ゴートンは片手を天に掲げる。彼の掌に禍々しいドス黒いエネルギーが集まり、それはやがて塊となって凝縮される。
「これは死したモリス達の怨念が集まった憎悪の塊。怨念を掻き集め、それを混沌に混ざり合わせる事で新たなモリスを生成するのです。──さあ、新たなモリスよ、その力を大いに振るいなさい」
怨念の塊はアビドスの面々の前に移動し、その場で変動が起こりやがて異形の姿へと形成された。
黄金色の仮面に黒い
《あれは……!》
「テガソード……あれが何なのか知っているの?」
《あれは指輪の力の元となった戦士達が戦った数多の敵、その者達が送り込んだ刺客だ》
《ええ!? そ、それじゃあ…!》
「怨念の塊……つまり嘗てスーパー戦隊が戦った敵を模したって事かな?」
先生はそう推察し、目の前の異形を見て判断した。
モリスの怨念の塊は嘗てスーパー戦隊が戦った敵組織の刺客を模した姿になり、それは
この異形の名は黄金仮面──スーパー戦隊の原点、秘密戦隊ゴレンジャーが戦った黒十字党が送り込んだ仮面怪人の一体。
更に付け加えるとスーパー戦隊が最初に戦った敵でもある。
しかもモリスである為に明確な自我などなく、クラディスに従順する人形そのもの。
「さあ……モリスの皆さん、我等の力を彼女達に思い知らせて上げなさい」
その言葉に黄金仮面、モリス達は戦闘態勢に入って突撃してくる。
「うひゃー」
「いっぱい来ましたね〜」
「先生、セリカをお願い」
「分かった…! セリカ、此方へ」
「きゃっ!?」
セリカの手を引いて安全圏に避難する先生を尻目に、三人も目の前の軍勢に突撃する。
「エンゲージ!」
《クラップ・ユア・ハンズ!》
《ゴジュウウルフ!》
走る中でゴジュウウルフに変身し、黄金仮面の振り下ろした大鎌を金のテガソードで防ぐシロコ。
ホシノとノノミはそれぞれショットガンとガトリング砲を構えて発泡し、まともに直撃を受けて倒れるモリス達。
しかし数が多い為にモリス達は次々と押し寄せ、幾ら撃ち込んでもキリがない。
一方でゴジュウウルフ(シロコ)は鎌を振るってくる黄金仮面に防戦一方であり、攻撃しようにも見事に躱されていく。
機敏に鎌を振るい、その攻撃を慌てて躱すゴジュウウルフ(シロコ)はまだ契約して戦闘経験が浅く、戦闘スキルが粗削りで付け入る隙が多い。
「くっ…!うあ!?」
黄金仮面の投げた鎌を避けるも、鎌はブーメランの要領で戻ってきてゴジュウウルフ(シロコ)の背中を切りつける。
「シロコ!」
「シロコ先輩!」
バランスを崩した彼女に向けて黄金仮面は鎌を振るい、容赦なくゴジュウウルフ(シロコ)の身体を切りつける。
鎌の先端の刃が赤いスーツを切りつけ、ゴジュウウルフ(シロコ)の口から声なき叫び声が木霊して砂地を転がる。
「あう!?」
「きゃあ…!」
モリスの軍勢を相手取るホシノとノノミも劣勢に追い込まれ、頭部を殴られたり、鳩尾を殴られたりとリンチを受ける。
「ホシノ先輩!ノノミ先輩!」
「幾ら変身が出来るシロコがいるとはいえ、数が多過ぎる…!」
「フフフフフ……まさに多勢に無勢ですねえ、アビドスの皆さん。特と目に沁みなさいテガソード、貴方が契約した小娘とその仲間が無様に散りゆく有り様を」
歪んだ笑みを浮かべてゴートンは彼女達を嘲笑し、それぞれを品定めするように一瞥する。
上から自分達を見下す彼に怒りを覚え殴りたくなる衝動に駆られるも、自身が無力な人間であるが為に拳を振るわせる先生。
「このままじゃ先輩達が……」
セリカも先生と同じ気持ちな為に指を咥えて、見事にボコボコにされるゴジュウウルフ(シロコ)達を黙って見る事しか出来ないのかと悔しむ。
自分にも力があれば……とポケットから指輪を取り出し、テガソードに視線を向けるセリカ。
「テガソード……指輪と契約すればシロコ先輩と同じ力を得られるのよね…?」
《そうだ……願いを望めば契約し、指輪の戦士となる》
「セ、セリカ…? ま、まさか…!?」
先生は驚きを隠し切れず、彼女が何を為そうとするかを察した。
「だったら! 願いを言うわ、テガソード! 私は皆と一緒にいたい! 必ずアビドス高校を復興させ、いなくなった皆を呼び戻す! それが私の願いでもあり、戦う意味よ! だから、力を寄越しなさいよ!」
怒りを含んだ決死の叫び声が砂漠に木霊し、ゴジュウウルフ(シロコ)達は勿論、ゴートンの耳に届いていた。
ゴートンが呆れ、ゴジュウウルフ(シロコ)達がそれを見つめる中、テガソードが《……契約成立だ》と発する。
巨神の眼が輝き、左手首に銀のテガソードが顕現し嵌められる。
シロコと同様の装い、そしてその得物にセリカは見惚れる。
「うへ〜〜!?」
「も、もしかしてセリカちゃんも!?」
《黒見セリカ……これでお前も指輪の契約者、己の願いの為に戦え!!》
セリカは立ち上がり、先生とテガソードの前に出る。
「使い方はシロコ先輩のを見てもう分かっている……エンゲージ!」
《センタイリング!》
指輪の絵柄を回転させ、そのまま中心に装填。奏でられるBGMに合わせてテンポ良く
そして青い刀身で輪を描き、彼女の身体は虎を彷彿とさせるオーラに包まれる。
《ゲキレンジャー!》
彼女の姿は
「凄い……力が全身から漲ってくる」
ゲキレッド(セリカ)は自身の身に起きた変化に戸惑うも、拳を握り返してその反応を確かめる。
「
しなやかにポージングを行って名乗り、モリス軍団に突撃するゲキレッド(セリカ)。
「はああ!やああ!たあ!」
銀のテガソードを振るいながら体術でモリス軍団を圧倒していくゲキレッド(セリカ)、習ったわけでもないのに拳法家の如く目の前の敵を一蹴する。
「す、凄い事になっていますねセリカちゃん」
「誘拐された怒りを含んでいるかもね〜」
「ん……私も負けていられないかな」
モリス軍団を圧倒する彼女の勇姿に負担を掛けるわけにいかず、三人も果敢に挑む。
ホシノとノノミが銃を乱射してモリス軍団の足元を狙い撃ち、向こうが激痛で転がっている隙にゴジュウウルフ(シロコ)とゲキレッド(セリカ)が畳み掛ける。
「ゲキワザ!
「はああああ!」
ゲキレッド(セリカ)が放つ赤い虎……ゲキビーストの一体、ゲキタイガーを模した気弾が炸裂、もがいている間にゴジュウウルフ(シロコ)が金のテガソードを振るって切りつけ、モリス軍団は爆散する。
息の合ったコンビネーションでモリス軍団の数を確実に減らし、最早残すは黄金仮面のみ。
「流石だねセリカ」
「シロコ先輩こそ! ……って、まだあの死神野郎が残ってたわね」
黄金仮面は大鎌を振るっていくが、ゲキレッド(セリカ)が銀のテガソードで斬撃を防いで受け流す。
彼女は大鎌を蹴飛ばして跳躍、銀のテガソードを振るって真っ二つにへし折った。
動揺を隠せない黄金仮面にゴジュウウルフ(シロコ)が迫る。
「これで終わり」
《フィニッシュフィンガー・ウルフ!》
「やああああああ!!」
格闘ゲームを彷彿とさせる連続コンボを叩き込んでいき、最後は金のテガソードによる斬撃で胴体を切り裂く。
黄金仮面はその連続攻撃に耐えられず、その場で倒れ伏すと同時に爆散。
爆炎を背景に片腕を上げて人差し指を天に指す。
「やったああああ!!」
「やりましたね!シロコちゃん、セリカちゃん!」
「大勝利だねえ〜」
変身を解いた二人をホシノとノノミが労い、同時に互いに抱擁していく。
その姿を先生は温かく見守り、通信越しにアヤネが報告。
《先生……あのゴートンと呼ばれた怪物、いつの間にか姿を消しています》
「そうか……まあでも、今は勝利を喜び合うとしよう」
《……そうだな》
テガソードも勝利を分かち合うシロコ達を見て、小さく笑った気がした。
その後、学校に戻った五人をアヤネが出迎え、彼女はある報告を五人に伝える。
前回の戦闘中に散らばった戦車の残骸を回収及び確認した所、キヴォトスでは使用禁止されている違法機種だと判明。
つまり厄災とは別に、ヘルメット団は自分達では入手出来ない武器を保有している事を示している。
部品の流通ルートを洗い出せば、ヘルメット団が取引している存在を探し出せる上、何故連中が執拗に学校を狙うその目的が明らかになるかも知れない。
因みにセリカは指輪を使った反動か、満足に寝られなかったお陰で眠りに落ち、保健室送りとなった。
兎に角、アビドス廃校対策委員会はその部品の流通経路を調べる事になった。
誰もが寝静まった真夜中、とある高層ビルのオフィス。
「……チンピラ如きではあの程度が限界か。主力戦車まで送り出したと言うのにこのザマとは」
オフィスに設置されたモニターに映るのはシロコ達とカタカタヘルメット団(+モリス軍団)の戦闘、彼女達の知らぬ間にオフィスに鎮座するその人物はその戦闘をモニタリングしていた。
大して期待してなかったものの、無様な敗北を繰り返すカタカタヘルメット団を罵り、咥えている葉巻から紫煙を吹かす。
指輪の力を持つ連中が相手ではヘルメット団程度では手に負えない、そう判断してその人物は
《──はい、どんな事でも解決します。便利屋68です》
「仕事を頼みたい、便利屋。その腕と指輪の力を見込んで」
スーツを纏うロボットの様なその人物……大企業カイザーコーポレーションの理事は不気味に笑みを浮かべる。
※
真夜中の路地裏で、カタカタヘルメット団員は走る。
背後から迫る銃撃から必死になって逃げるも、相手の方が格段に上。
その銃撃の直撃を受け、ヘルメット団員はその場で倒れ伏す。
「あーあー、此方は終わったよー」
「此方も制圧完了だ、ボス」
「う……うう、何者だ、貴様等…!?」
不良らしく仲間と夜遊びをしていたと言うのに突然の襲撃、何がどうなっているのか分からず逃げ惑いつつ反抗したが、自分を除いて全滅。
突如として襲ってきた四人組の内の一人──ボスと呼ばれた女子生徒はハイヒールを鳴らしながらヘルメット団員に近付き、彼女の顎を掴む。
「うあああ……ま、まさかアビドスの!? よ、よくも我々を…!」
「はあ……こんな不潔で変な匂いがする場所がアジトだなんて、貴女達も冴えないわね」
女子生徒は憐む様な眼差しを向け、労働からの解放──平たく言えば
ヘルメット団員はそれに反論するが、彼女の右手に顕現した
「貴様等は、いったい……」
そう言い残して倒れ伏し、四人組の周囲にはヘルメット団員達の倒れ伏す姿があった。
「──私達は便利屋
既に意識のないヘルメット団にそう名乗る彼女の名は
そして彼女の薬指には――金の装飾のある猛禽類を彷彿とさせる緑色の指輪が嵌められていた。
続く
はい、本作のゴジュウイーグルはアルちゃんです。
次回はゴジュウジャー同士のバトルを投稿します。
強化型モリスは歴代戦隊の怪人と専ら変わりない姿形ですので、これから歴代戦隊怪人のモリスをわんさか登場させます。