今更なからゴーストオブツシマをやったので書きました。
色々設定がガバガバかもしれませんがご了承ください。
百鬼夜行、北部自治区にて
幾人かの生徒と先生が食卓を囲んでいた。それはともに怪異の源を見つけようとやってきた百花繚乱の生徒たちと、突如現れた百花繚乱の委員長、アヤメと北部自治区の長、アザミである。端っこのほうには先ほど捕えられたシュロが縛られていた。
その場に、一つの影が忍び寄る。境井である。
境井は魔の類に敏感であった。黄昏を出た時より、すでにその穢らわしい匂いを感じ取っていた。
刹那、襖を突き破り、魔の気配に切り掛かる。
"危ない!アヤメ!"
「!」
アヤメはすぐに銃を手に取り、境井の刀を受け止めた。そして少しの押し合いの後、跳ね除けた。
「アヤメ!」
すぐに動いたのはナグサだった。境井に突っ込んだかと思うと、アヤメと引き離そうと蹴り飛ばした。
「ぐっ……!」
境井は受け身を取り、皆を睨む。アヤメは体勢を立て直すとゆっくりと歩きながら話す。
「いきなり誰?あなた」
「人に名を尋ねる前に、まずはお前が名乗ったらどうだ?その化けの皮を脱いでな」
「私は……アヤメだよ。化けの皮とか、意味わかんない」
境井は呆れたようにふんと鼻を鳴らし、疑いを持ちながらも一応太刀を収めた。アヤメから感じられた気配は弱くなり、何人もの人を相手にするのは分が悪い。
「まあいいだろう。俺は境井仁」
『境井?!』
名を名乗った瞬間、皆が目を見開いて驚く。
"……有名な人なの?"
「百鬼夜行に伝わる伝説ですの」
「ああ、私も聞いたことがある」
「昔、まだ百鬼夜行連合学院がなくて、いくつかの学校に別れていたころ、のさばっていた怪異を全て切り倒したって言う冥人の伝承」
"その冥人の名前が……"
「境井仁」
ナグサが眉間にしわを立てて境井を見つめる。形相はさほど変わらずとも、その怒りは見て取れた。
「いきなり現れて、アヤメに手を上げるなんて、どう言うつもり?」
「怪異の気配がしたから、切ったまで」
「……ふざけているの?」
境井の毅然とした態度に緊迫した空気が流れる。ナグサはトリガーに手をかけ、境井は親指でしまった太刀のつばを押す。
「撃つか?」
「返答次第では」
『……』
言葉も挟めぬような長き間ののち、アヤメが滑り込んできた。
「まあまあ二人とも落ち着いて!さ、味噌汁でものんで!」
アヤメが強張った笑みを浮かべて二人の間に入り、汁の入った茶碗を差し出す。
「あ、ありがとう」
「よかった!はい、境井さんも!」
「何?」
境井は困惑しながらも一応茶碗を受け取り、ナグサが飲むのを見てから自身も飲んだ。
「美味いな」
「でしょ?ほら、二人ともしまってしまって!」
アヤメの言葉に二人は少し睨み合った後、互いに武器を収めた。
新しく座布団を一枚ひいて、皆で円形に座る。
"それで、あなたは一体?"
「先ほども名乗ったが?」
冷静になったナグサが先生の質問に答える。
「境井仁、百鬼夜行で一般的な伝承よ」
"その伝説って、どんなの?"
「一応、覚えてる一節を言ってみるわ」
———♢———♢———♢———♢———♢———
昔、百鬼の地に物怪現る。
人々、勇ましく戦えども、物怪尽きることなく。
北の地に境井と言うものあり。侍として物怪と勇敢に戦えども、その果てなきに誉果つる。
闇討に毒、ありとあらゆる手をもって物怪の総領を討ち果たせば、人々、その恐ろしく強かな様を冥人と呼ぶ。
その後、冥人、冥の国へ参りければ、再び物怪現るときそこより現るとせん。
———♢———♢———♢———♢———♢———
「これが冥人伝承、百鬼夜行の人なら一度は耳にしたことがある」
"本当なの?"
「……ああ、多少差異はあるがな」
境井は伝承の内容に顰めっ面を浮かべたが、間違いというわけでもない。
"さっきアヤメに切りかかったのは?」
「俺は少しばかり、邪気に敏感でな。そこの女からそれを感じた」
「そんなわけない、アヤメに邪気なんて」
またナグサが不機嫌そうな顔になると、先生は慌てて話題をかえる。
"それじゃあ、冥の国って言うのは?"
「俺が物怪の総領を切った後、クズノハと言う女が声をかけてきてな」
『クズノハ?!』
またしてもみんなの声が揃う。境井は少し驚いた表情をする。
"あ、ごめん、続けて"
「……そいつが言うには、遠い未来に物怪が再び現れるので、そのために待っていてほしいと言うことだった。冥の国とは、冥人が住む場所、と言う意味だろう」
「待って、じゃああなた、黄昏にいたの?」
「黄昏、と言うのは聞いたことがないが、意味する所は同じだろうな」
衝撃の情報に、先生たちは少し後ろに下がって話し合う。
"これはチャンスじゃない?黄昏に案内して貰えば"
「そうですの!これでナグサ先輩の腕に近づけますの!」
「何言ってるの、どう考えても怪しい。いきなり伝説上の人物の名前を名乗るなんて、不審にも程があるわ」
キキョウが舞い上がる他のメンバーを抑える。いきなり現れて人に刃を向けたのだから、当然と言えば当然である。
レンゲは興味深そうに目を輝かせる。
「敵味方かどうかは置いておいても、本物かどうかは確かめたいな!」
「伝説の侍が生きてるなんて広まったら騒ぎになりますわね」
本物かどうか確かめる術は強さのみ、レンゲの内心を察したキキョウは考え込んだ。
「……しょうがない。やってみて」
「よし!境井さん!」
オッケーが出ると、レンゲは後ろを向いてご飯を食べている境井に話しかけた。
「何だ?」
「手合わせ願います!」
境井は米を飲み込むと、少し気だるそうに立ち上がった。彼女らの意向を理解していたのだろう。
「いいだろう、主人、庭を借りるぞ」
「え、ええ、構いませんが……」
アザミは困惑しながらも、試合の支度を始めた。
「よっし!先生、合図は頼んだぜ」
"私がやるの?"
腕前を試すべく、一対一の戦いが始まろうとしていた。
読んでくださりありがとうございます。
ゴーストオブツシマとっても面白いのでみんなも買おう(提案)