金の為にTS魔法少女になったんだけど妹だけにはバレたく無い   作:あいうえお

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当たり前の日常

 

「おかえりー」

 

『ただいま』

 

いつも通り変わらない家、さっさと作ったご飯。そして黙って美味しそうに食べる妹を見ながら食べる何気ない会話。

 

『あぁ、幸せだなぁ』

 

そう呟くと、妹が溜息をつく。

 

「バイト入れすぎじゃない?外食とか贅沢しなきゃ、何とかやっていけるから無理して働かなくても良いよ?私だってもうすぐバイト出来る様になるしさ」

 

『別に、家の金じゃないよ。遊ぶ金が欲しいだけだから気にしなくて結構』

 

妹の優しさが嬉しいけど、俺には少し辛くてそう返した。金は無限に掛かる。妹は、来年高校生になる。制服代に交通費、教科書代。それからetcと何かと金は必要になる。俺が稼げなきゃ、誰も恵んでくれはしない。気持ちだけしか、皆渡せないのだから。

 

『それに元気だから大丈夫。明日もバイトあるから先風呂入って寝るわ。おやすみ』

 

長く喋ればボロが出そうなので、夕食を済ませてその場を後にした。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

『さて、寝るか』

 

ベッドに横たわり、スマホをポチポチと動かす。動画サイトを開けば、配信者が色々な動画をあげているのが見てとれた。ゲーム実況、ネタ動画。グルメ動画。配信。ASMR、歌ってみた。その中にひっそりと混ざっているのが。

 

『魔法少女ってワケ』

 

突然だが、俺こと依知川楓(イチカワカエデ)は魔法少女である。とは言っても、俺は戦わないタイプの魔法少女である。一応、敵はいるみたいなんだけど。俺は戦力外を受けてる為、詳しくは知らない。

 

俺のメインの仕事は配信だ。どうやら、変身後の俺は見た目がかなり良いらしくそこに目をつけたボスが俺を客寄せパンダにしたらしい。それに、魔法少女と言っても、やる事はそこらへんの配信者と何も変わらない。

 

外ロケをやったり、ゲーム実況したり。歌を歌ってみたりと色々やってる。ボス曰く、『戦闘しか知らない魔法少女が仲間のお陰で段々平和ボケしていくの良いよね』との事である。良く分からないが、俺的にはお金が貰えるのなら何でも良い。

 

それに、俺の声と魔法は配信向きみたいで。配信する度に人が増えて行くのは何か嬉しい。成し遂げてる感と言うか、なんかやってる感があって凄い良い。

 

だからこそ、妹には絶対にバレないようにしないといけない。俺が魔法少女の格好して配信しているなんてバレたら、兄としての威厳が消えるのは確定だ。絶対に阻止しないと。

 

にしても、あの時駅前のティッシュ受け取ってて良かったわ。それのお陰でこうやって金稼ぐ事が出来てるし。魔法少女の格好も最初はかなり恥ずかしかったけど、今はちょっと恥ずかしいレベルだし。これからも頑張ろう。取り敢えず、妹が高校卒業するぐらいまでは。

 

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