魔都精兵の性奴隷【貞操観念逆転】   作:耳野笑

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第1話 ベルと優希

 こんばんは、ベルです。魔防隊三番組組長をやっています。

 

 突然ですが、ベルはオナニー中毒者です。

 

 プライベートの時間は、ずっとスマホでエロ画像やエロ動画を検索して抜いています。

 

 今も、ひとり自室のベッドの上、ピク○ブや○ックスで抜けそうな画像を探しているところです。

 

 魔都には、男の子がいません。桃の力の恩恵を受けられるのは女性だけであり、したがって魔防隊の組員は女性だけです。

 

 すごく、溜まります。

 

 男が、ほしいです。

 

 男の身体に触りたいです。

 

 男と肉欲に溺れたいです。

 

 とにかく、ベルの頭の中は性欲で埋め尽くされています。

 

 もちろん、恋人はいません。男友達もいません。こんなにも男を欲しているのに、この欲望が満たされることはありません。

 

 だから、毎日エロ画像やエロ動画で抜いています。ベルは、オナニー中毒者なのです。

 

 けど、魔防隊を辞めて魔都を出ようという気もありません。

 

 魔防隊にいることで、ベルは人に認めてもらえます。それに、ベルが現世に戻ったところで、男性と仲良くなって恋人になることが難しすぎます。

 

 男性を前にすると、おどおどして、しどろもどろになって、上手く話せません。だって、男の子と話すの、緊張するじゃないですか。

 

 だから、魔都にいようと現世にいようと、ベルは男を手に入れることができません。

 

 つらい。

 

 男とエロいことがしたい。

 

 あぁ……ヤりたいなぁ……。

 

 ベル……処女のまま死ぬのかなあ……。

 

 悲しくなってきた。オナニーをして、すべてを忘れよう。現実から目を逸らそう。

 

 *

 

「七番組に男性組員が入隊することになったわ。私もまだ会ったことはないけどね」

 

「え?」

 

 恋ちゃんがベルの部屋へやってきて、ふたりで何気ない雑談をしていたところ、突然そう言い出しました。

 

「七番組からの報告によると、先日、魔都に男性が迷い込み、京香がこれを救出。その際、京香の力である『無窮の鎖(スレイブ)』で彼を奴隷としたところ、敵を一撃で倒す程の力を発揮したそうよ」

 

「に、人間を奴隷に……」

 

 羽前組長の桃の力は聞いたことがある。対象となる生命体を奴隷として使役する力。けれど、人間にも使えるなんて……。しかも、それが男性って……。

 

「京香は彼の戦闘能力を有用と判断し、入隊させたという経緯ね。今は七番組本拠地で家事雑事を担当しつつ、任務に当たっているそうよ」

 

 え? ということは、七番組には男性が入隊していて、しかも一緒に暮らしているってことに……? え、なにそれ、羨ましい。許せない。ずるい。

 

 いや、その男性がどんな人かにもよるけど。高齢かもしれないし、若くても彼女いるかもしれないし。

 

「その男性組員が、明日の組長会議に同席するそうよ」

 

「え、明日?」

 

 恋ちゃんは頷き、ベルを見ながら微笑む。

 

「楽しみね」

 

「え、まぁ……」

 

 ベルは何とも言えず、微妙な返事をするしかない。

 

「なによ、浮かない顔ね」

 

「ベルには、あんまり関係ないような……」

 

 どんな人か分からないし、仮に若くて可愛い男子でも、ベルがお近づきになれるとは思えないので……。

 

 というか、若くて可愛い男子だったら、一緒に暮らす七番組組員たちが羨ましすぎて、ベルは憤死してしまう。悔しくて夜も眠れなくなる。そして朝までオナニーをしてしまう。

 

「とにかく、明日の組長会議には男性組員が同席する、という報告よ」

 

「わ、分かりました」

 

 どんな人なのかなあ、男性組員って。

 

 *

 

 俺――和倉優希は七番組組員だ。

 

 突然だが、俺は奴隷だ。

 

 京香さんや朱々ちゃん、日万凛の奴隷となって戦った後『ご奉仕』をしなければならない。

 

 このご奉仕は、主人が潜在的に望んでいることをさせられる。京香さんの場合はキスだったり、朱々ちゃんの場合はマッサージだったり、日万凛の場合は下着を見せることだったりする。

 

 ご奉仕の時、俺の体は勝手に動いてしまう。俺の意思とは関係なく、だ。

 

 必ずといっていいほど、ご奉仕は性的な内容だ。みんなは女性なので、そういう欲望を持っているのは自然なことだ。

 

 俺がご奉仕をする時、みんなは喜び、嬉しそうにしている。

 

 でも、正直、恥ずかしいとは思う。男として、体を見せたり触らせたりするのは、毎回顔から火が出そうになる。

 

 それでも、魔防隊の役に立てるなら、俺は組員として務めを果たすつもりだ。

 

「優希、明日の組長会議だが、総組長とは目を合わせないように」

 

「えっ、はい」

 

 京香さんから、そう忠告された。

 

 総組長、怖い人なのかな。というか、他の組長も勢揃いするんだよな。緊張してきた……。

 

 **1

 

 ベルは会議場のイスに座り、他の組長たちの到着を待っています。組長会議の開始までは、まだ時間の余裕があります。

 

 すると、向かい側に座る夜雲さんが――。

 

「どんな人なんだろうね、男性組員って。可愛い子だといいね、ベルたん」

 

 といいながら、怪しげな笑みを浮かべています。ベルは苦笑いしながら「はぁ……そうですね……」と返しておきました。

 

 その時――扉が開かれ、羽前組長が入室してきました。その後ろには、もう一人。

 

「――」

 

 天使でした。黒髪で、(いとけな)い顔立ち。小動物のようで守ってあげたくなる、可愛い男子でした。

 

 うわかわいっ。

 

 うわっ。

 

 うわ~~~~~~~~~~~~~!

 

 可愛い~~~~~~~~~~~~!

 

 ベルはつい、彼の方を凝視してしまいます。

 

 すると、彼がこちらを見て、目が合いました。

 

 慌てて目を逸らします。

 

 やばっ、ジロジロ見てたのバレたかな。

 

 そして、全組長が集合し、組長会議が始まりました。早速、彼の話題になり、羽前組長が彼を紹介しました。

 

 名前は、和倉優希さん。現在は七番組で家事雑事も務めながら組員として働いている、とのことでした。

 

 正直、七番組が羨ましすぎます。今から組長降格して七番組に平組員として移籍したいです。

 

 組長会議中なのに、和倉さんの方へ目が行ってしまう。見ようとしてる訳じゃないけど、つい目が行ってしまいます。

 

 可愛いなあ。

 

 というか、本当に魔都に男の子がいる……。いいなあ……。ベルも和倉さんと仲良くなりたいなあ……。

 

 すると、再び目が合いました。

 

 ベルは目を逸らします。

 

 やばい、見すぎだ。流石にバレてる、よね。

 

 キモいと思われてたらヤダなあ。

 

 はぁ……。あんな可愛い子とエロいことしたいなあ……。

 

 **2

 

 俺は京香さんに続き、会議場へと入った。何人かの組長がイスに座っている。みんな、すごいオーラがあった。

 

 総組長の方を見ないように気を付けつつ、他の組長たちの方を窺う。その時――。

 

 斜向かいの席に座る組長を見た瞬間、時が止まった。

 

 夏の空のような、爽やかな水色の髪。オパールのような輝きを閉じ込めた琥珀色の瞳。

 

 彼女の周囲だけが、神秘的な空気を帯びているようにすら感じられる。

 

 うわぁ……綺麗な人だ……。

 

 彼女と、目が合った。

 

 すると、彼女はさっと目を逸らしてしまった。

 

 う、なんかショックだ。

 

 まもなく組長会議が始まった。しかし、俺はあまり話の内容を覚えていない。とにかく、斜向かいの綺麗な組長ばかり見てしまった。

 

 俺が彼女を凝視しているせいで、何度か目が合った。

 

 流石に見すぎかな。

 

 でも、ほんとに綺麗だなあ、あの人……名前なんていうんだろう……恋人いるのかな……。

 

 組長会議終了後――俺は帰路の途中で、京香さんに訊いてみることにした。

 

「あの、京香さんから見て左斜め前に座っていた、水色の髪の組長、お名前はなんていうんですか?」

 

「月夜野ベル組長。三番組の組長だ」

 

「恋人がいるかどうか分かりますか?」

 

「は???????????????」

 

「うわこわっ」

 

 京香さんは目を見開き、額に青筋を浮かべ、鬼のような形相で俺を見てくる。すごい威圧感だった。

 

「いま、なんと言った?」

 

「月夜野組長に恋人はいるのか、とお聞きしました……」

 

「何故そんなことを訊くんだ?」

 

「綺麗な人だなあ、と思って」

 

 京香さんの頬が引き攣る。やばい、怒りに油を注いでしまったかもしれない。

 

「優希は、ああいう女が好みなのか?」

 

「正直に言っても怒りませんか?」

 

「ああ」

 

「めちゃくちゃタイプです」

 

 京香さんは、この世の終わりを目の当たりにしたかのように、愕然とした面持ちを浮かべる。そして、力なく項垂れてしまう。

 

「そ、そんな……私にも春がやってきたと思ったのに……」

 

「なんかごめんなさい」

 

「いいさ……プライベートまでは口出ししない。応援するよ……」

 

 京香さんは、悄然としながらそういってくれた。良い人だなあ……。

 

「ありがとうございます、京香さん」

 

「いや、大切な部下だからな、当然のことだ。それと、ベルに恋人がいるかは知らない。すまないな」

 

 俺は東の空を仰ぐ。あっちの方角には、三番組本拠地があるはずだ。

 

 月夜野組長……恋人いるのかなあ……。お近づきになりたいなあ……。

 

 **3

 

 ベルは自室のベッドの上で、じっと考える。

 

 七番組本拠地には、和倉さんが住んでいる。他の女組員たちと共に。

 

 きっと、一緒にご飯を食べたりしているんだろう。羨ましい。

 

 きっと、一緒に訓練して、体が触れ合うようなこともあるんだろう。羨ましい。

 

 家事雑事を担当しているらしいし、和倉さんに下着とかも洗ってもらっているのかもしれない。羨ましい。

 

 羨ましい。羨ましい。羨ましい。

 

 あ~~~~~~~~~~~~~!

 

 あんな可愛い男の子と一回セックスしてみたいな~!

 

 まあ、ベルじゃ到底無理だけど!!!

 

 悲しくなってきた……泣きそう……。

 

 はぁ……オナニーしよう……。

*1
ベル視点

*2
優希視点

*3
ベル視点

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