ぽんこつ美少女Vtuberと最強無職 ~元無敗王者を人気配信者が放っておいてくれない~   作:世嗣

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遅刻を許されよ―――。



ステラ・マギティックは楽しそう

 

 

 フィールドは草原。

 俺とステラは数メートルの距離を取って、お互いに武器を構えた。

 

「ルールはさっき説明した通り、今から一撃結殺の30試合の間に一本でもステラが俺から取れればそっちの勝ちだよ。スキルはアリ。必殺技は一旦ナシね。異論はない?」

「ない……けども」

 

 ステラは刀を手にしたまま、なんだか納得いかない顔をしていた。

 

「ほんとにボクとおんなじスキル構成で戦うの? お兄ちゃんこれ初見でしょ?」

「まあそうだけど、これくらいのスキルなら俺にも使えるよ」

「ボク、これでも一応カレイドコア最速でゴールドに上がったーって言われてはいるんだけど」

「そっか。なら、俺も本気で遊べそうで嬉しいよ」

「む……」

 

 にこりと笑って見せると、ステラが少しムッとしたように刀を構えた。

 

――――――

〇先生煽るねえ

〇俺たちのステラがどこまで先生とやれるか楽しみだ

〇がんばれ~!

――――――

 

NAME 『 ステラ・マギティック 』

武器 『 刀 』

武器スキル 『 魔法付与(雷) 』

 →武器に雷の魔法属性を付与する。命中時確率で相手にスタン効果を付与する。

パッシブスキル 『 自動回復 』 

 →HPバーが半分になった時一定時間HPが僅かずつ自動回復する。

アクションスキル 『 超反応(ソニックムーブ) 』

 →致命傷になりそうな攻撃を自動で回避する。クールタイム長。

必殺技 『 転身:雷光(スタイル:ケラウノス) 』

 →10秒間自身を雷にして移動し、攻撃することができる。制限時間が終わると、一定時間スピードが大幅に落ちる。

 

 先ほど見せて貰ったステラのアビリティ構成はこう。

 武器の刀に雷を纏わせ攻撃力に補正、スキルで継戦能力を高めることで隙が無くまとまった構成になっている。

 

 これならなるほど、そこらの初中級者では歯が立たないかもな。

 

「カレイドコア4期生『ステラ・マギティック』。ボクに負けたら、お兄ちゃんにはとんでもない買い物をしてもらおうかな?」

「カレイドコア5期生『ヒロ・セブンス』。ステラがVSの楽しさを知るために―――軽く、講義を始めようか」

 

 3、2、1。

 俺たちの間のカウントが減って、0になった瞬間ステラが駆けた。

 

「『プラズマエッジ』!」

 

 バチ、とステラの構えた刀から金色の電弧(アーク)が迸る。身体を沈み込ませつつ、抜刀の勢いそのままに俺を切りあげた。

 

「おっと」

「―――むっ」

 

 走る雷光。刀に電気を纏わせた斬撃。命中すれば容易く決着をつけたであろうその攻撃。しかし、その太刀筋はあまりに素直だ。

 俺はステラの攻撃の軌道上に俺自身の刀を置いて、僅かに傾けた。それだけでステラの攻撃は狙いの軌道から逸れていく。

 

 俺の身をかすめて、刀から放たれた雷が空に立ち上っていく。

 

 俺はそのまま手首の返しでステラの刀を弾いて、彼女の体勢を崩す。予想外の力が加わったことでステラの身体が泳ぎ、俺の目の前に無防備な彼女の首が晒される。

 

 まずはこれで一本―――そう思って刀を振り下ろした。

 

「む、むむっ、えいやっ!」

 

 うおっ、嘘だろ!?

 

――――――

〇出た!ステラの超絶回避!

〇スーちゃんこれがやれるからVS対人だと負けないんだよな

〇な、なにいまの……

〇その場でバク宙して先生の攻撃かわして、そのまま連続バク転して攻撃範囲から逃げるとかそういう殺陣だろ

〇そして流れるようにまた攻撃を仕掛けた!

〇がんばれ~!先生に勝って大金星や!

――――――

 

「えい、やあっ!」

「お、っと、とと」

 

 びっくりしたな~。

 俺の攻撃はほとんど死角で見えていたとしても、視界の端にちょびっと刀の影が映っていたとかだっただろう。

 それに対してその場で曲芸じみた身体さばきでかわして、その後俺が面食らってる間に鋭い攻撃を畳みかけて来た。

 

 自分も身軽な方だと自負しているが、ステラは俺とは違う形で身軽だな。

 俺よりももっと直感的、本能的に身体(アバター)を動かすことができているように思える。

 理屈をつけて考えて動く俺とは違うタイプ。知り合いの中だとこれは―――。

 

「ロウカクさんに、似たタイプだな」

 

 本能型。超反応。反射が起きるほどリアルさを持つこの世界だからこそ可能な『VR適性』という才能の暴力。

 これは確かに始めたてだと敵がいなくて、結構つまんないかもな~。

 

「お兄ちゃん、手が、止まってるんじゃないっ!?」

「はは、ステラが上手いからな。どう攻めたもんか考えてた」

「よく言うよ! 涼しい顔でボクの攻撃全部弾いてるのにさ!」

 

 ぎぃん、と俺とステラの刀が弾け、一度距離を取った俺たちの間で火花が散った。

 

 なんとなく、この数週間今のVtuberを見て来て、彼ら彼女らにとっては『ヴァーチャル・スクエア』は一つの選択肢でしかないと、俺は思った。

 もちろん今一番アクティブユーザーが多いゲームではあるが、ゲームはそれしかないわけではないし、配信にだっていろいろな形がある。

 

 王道RPGをやってもいいし、FPSをやってもいいし、ホラゲーをやっても、のんびり整地するような配信をしていてもいいだろう。

 なーちゃんやステラが定期的にやってるみたいにASMR配信?とやらもリスナーさんは喜んでくれるだろう。

 

 ヴァーチャル・スクエアは数多あるゲームの一つであり、触ってみてあまりにもサクッと勝てたから「これあんまりおもしろくない?」って思ってしまうステラみたいな人がいてもいい。

 

 でも、俺はこのヴァーチャル・スクエアというゲームは良いゲームだと思う。

 制限と自由度。ただ純粋な腕を比べるのではなく、発想次第でいくらでもジャイアントキリングだってできる。

 この電脳の世界で、俺たちは何でもできる。

 

 だから、せめて俺が関わった人には「このゲームって面白いんだ」って思って欲しい。

 

「そのためにはまず――――一旦、コテンパンに負けて貰おうかな」

「―――っ!」

 

 俺が刀を構えると、ステラがその構えに驚いたように目を見開いた。

 

 ええと、技の名前は確か。

 

「『プラズマエッジ』、だったかな?」

 

 バヂリ、と俺の刀から金色の電弧(アーク)が迸る。先ほどのステラと同じように踏み込み、ステラと同じように敵の急所を狙って切りあげた。

 

「ボクの技パクって、ボクを倒せると思わないでよね!」

 

 だが、ステラはそれに当然のように反応する。VRネイティブと言われる彼女ら世代の超人的な反射神経を使って、俺の斬撃を身をよじって回避してみせる。

 そして先ほどステラの攻撃を俺がかわしたときの映像をもう一度再生したかのように、攻撃がスカった俺の刀から雷が空へと立ち昇る。

 

 にっと得意げにステラが俺に笑ったが――――ふっと、その笑みが一瞬で陰った。

 

「え、これかわしたはずの雷が上空で()()()()―――」

「忘れるなよステラ。武器スキルは『魔法付与』だ。刀の攻撃判定であるうちは、こうして軌道だっていじれる」

「かわせな―――」

 

――――――

〇やばぁっ!

〇はへ~、魔法付与ってめっちゃ強いやん。これだけ使おうぜ

〇こんだけ近接戦闘しながらリアルタイムで攻撃先の雷操ってるのかよ

〇ひなたが言ってたみたいにマジで頭の回転早いんだな

〇おおステラかわした!さすがや!

〇これアクションスキルの超反応来た!構築勝ち!

――――――

 

 攻撃をかわして油断したステラだったが、雷が命中する直前でステラのアバターが彼女の意志とは別に回避行動をとった。

 アクションスキル『超反応(ソニックムーブ)』の効果だ。ステラが戦闘不能になるダメージを受けると判断したシステムが、自動的に彼女を今の攻撃の命中しない方向に移動したのだ。

 

 ステラが露骨にほっとしたような表情を見せ――――そこで、目の前に俺の刃が置いてあることに気が付いた。

 

「え?」

「悪いが、これで詰みだよステラ」

 

 半ば自動的なシステムの回避行動は止まらない。俺が勢いよく刀を振りぬく方向にそのままやって来たステラは、あえなく真っ二つにされてしまった。

 

――――――

〇え?

〇はい?

〇超反応、でてたよね……?

〇なんで当たったんだ?

――――――

 

「ほい、まずは一勝」

 

 刀を軽く振ってから納刀すると、アバターが再生成されたステラが俺のもとに走り寄って来た。

 小柄なステラは俺の胸元辺りにしがみつくように、興奮したように俺を見上げてくる。

 

「ね、ねえ! なんで最後ボク攻撃当たっちゃったの!? アクションスキルでボク回避してたんだよ!?」

「超反応だよね? あれは致命傷になりそうな攻撃を回避するってスキルだろう? だから、それは戻って来た雷の攻撃の方に使()()()()んだよ」

「使わせた……?」

「そ」

 

 アクションスキル『超反応(ソニックムーブ)』は、致命傷になりそうな攻撃を自動で回避するというもの。あまりに汎用性が高いため、クールタイムが長めに設定されており、そうぽんぽんと発動できるものではない。

 なので、俺はそれを『どう使わせるか』という点でこの戦いを組み立てた。

 

 まずは雷の斬撃。ステラの意識をこちらに割かせ、一度かわしたと思わせる。その上で不意を突いて雷を操作、背後からステラを攻撃し、超反応を使わせた。

 あとは簡単だ。超反応の回避行動の挙動を見極めて、俺はその軌道上に刀を置いておくだけでいい。

一度アクションスキルが始まればシステムに動かされたステラの身体はもう操作できない。そのまま黙っていても俺に斬られに来てくれる、というわけだ。

 

「……とまあ、こういう感じ。わかった?」

「は、はへー……」

 

――――――

〇??????

〇何言ってるのこの人?

〇アクションスキルの挙動を見極めるって何?

〇なんか前期8位のあぶらも似たようなこと言ってたな。超反応は動きがわかりやすくて狩りやすいみたいな

〇いやおかしいだろ……

――――――

 

「すごいね、お兄ちゃん」

「ステラより少しだけ経験があるだけだよ。それより―――」

 

 俺は胸元のステラを引っぺがすと、目線を揃えて微笑んだ。

 

「まだやる? 残り29本あるけど」

「―――やる! 当たり前だよ! 次は負けないよ!」

 

 むん、と拳を握るステラ。けれど、悪いが俺はもうステラには負けない自信があった。

 

「ほい一本」

「―――にゅやー! パンチは卑怯!」

「勝てばいいんだよ勝てば」

 

 純粋な剣技の勝負を仕掛けてきたステラに対して、俺はゼロ距離で拳の連打を叩き込んだ。

 

「プラズマ――――」

「プラズマエッジ」

「ボクの技をボクより早く出すの反則!」

「だって、なあ?」

「はーんーそーくー!」

 

 ステラが雷を絡めて戦ってきた時は、純粋に魔法の操作の練度で叩きつぶした。

 

――――――

〇お、大人げない……

〇完全に妹をスマブラでいじめる兄

〇先生いい笑顔すぎる

〇ステラ良い泣き顔すぎる

――――――

 

 そうして、29戦を終えたころ、ステラは頬を膨らませていじけてしまった。

 

「お兄ちゃんのいじわる……」

「ごめんて」

 

 俺がステラの隣に腰かけると、ステラはいじけたままで呟いた。

 

「お兄ちゃんの戦い方、ボクと同じスキルなのにちょっと違った」

 

 そこに気が付いたか。偉いぞ。

 俺は反射的に頭を撫でてやりそうになって、それを直前でひっこめて咳払いをした。

 

――――――

〇今先生ステラの頭撫でそうになってたな

〇ステラは妹力が高すぎると話題に

〇気持ちはわかるよ

〇俺らもかなり妹見る気持ちだもんな

〇ミヤコとかもデレデレだし……

――――――

 

 勘違いですよ、リスナーさん方。

 

 こほん。

 

「ステラ、俺とステラの戦い方、どのへんが違った?」

「んー。一番は、魔法の使い方かなぁ。ボクのはあくまでも武器の攻撃力を上げるのと、射程の補助に使ってるんだけど、お兄ちゃんはもっと自由というか……」

「そうだね。魔法武器は、純粋な魔法よりは直感的に扱えてしまう武器だ。だからこそ、初心者におすすめだと言われるし、これを擦ってるだけで勝ててしまうところがある。でも……」

「でも?」

 

 こてん、とステラが首を傾げたので、俺に微笑みと共に言ってあげた。

 

「ステラはまだまだ、へったくそだね」

 

――――――

〇先生??????

〇急に生徒を罵倒するドS教師現る

〇許されてええんか、こんなのが!

〇ギャップヤバ

――――――

 

 コメント欄のスピードが速くなる中、ステラはぽかーんとしたように俺を見ていた。

 

「ボク、へた? 全然強くない?」

「うん。まだまだだ。そりゃ初心者の中では悪くないと思うけど、ロウカクさんの大会に持って行くには、まだまだ教えたいことが山ほどあるからな~」

「そ、っかぁ。ボク。まだまだへたくそなんだぁ」

 

 ステラがなんだか、嬉しそうに頬を緩めた。

 

「ボク、VRゲームはちょっと得意なんだ。でも、得意だからこそつまんない時もあって……。でも、お兄ちゃんと戦うのは、楽しかった。こう、越えられない壁!って感じでさ!」

「はは、ぺーぺーの初心者のステラには負けないよ」

「えへへ、そっかぁ」

 

――――――

〇なんかこの子罵倒されて喜んでる……?

〇先生と生徒にしては倒錯プレイすぎない?

〇ステラ、嘘だよね

〇いけない扉が開いてる!

――――――

 

「いつか、ボクもお兄ちゃんに勝てるかな?」

「勝てるようになれるよ。それができるのがVSのいいところだ」

「え~~? 今のところは全然届きそうにないよー?」

「なら、必殺技を使って戦ってみる? 今までは使えないシステムにしてたけど、使ってみたら案外大したことないって思うと思うぞ」

 

 俺はウインドウをいじって必殺技を解禁すると、ついでに必殺技のゲージがスター時点でマックスになる状態にしておく。

 

「んじゃあ、ステラ。試合が始まったらすぐにお互い必殺技を使い合おう」

「ん、わかった」

 

 こくりと頷いてステラが武器を構えた。俺も同じように武器を構え。空中に浮かぶカウントが0になるのを待った。

 

 3、2、1、そして0。

 

「『転身:雷光(スタイル:ケラウノス)!』」

転身:雷こ(スタイル:ケラウノ)―――ぬわーーーっ!」

 

 俺たちが互いに必殺技を発動し――――ようとして、俺だけが制御できずにアバターがあらぬ方向にぶっ飛んでいった。

 

「お、お兄ちゃん!?!??!」

 

――――――

〇先生が空中で謎の軌道を!?

〇全然雷に変身したのを操作できてないですよ!??!

〇嘘だよな、先生

〇へっ、綺麗な花火だ

〇あ、制限時間終わって落ちてきた

――――――

 

「う、ぐおお……やっぱアバター変化系は俺は上手く使えないな……」

 

 10秒後、必殺技の制限時間が来て落ちて来た俺は、設定どおり大幅なデメリットを受けて地面でぴくぴくと震えることになった。

 

「……えいっ」

 

 そして、そんな俺を刀でぷすっとステラが刺して試合が決着した。

 

「や、やったー! ボクの勝ち! ……で、いいんだよね?」

 

――――――

〇初勝利おめでとう!

〇おめでとうでいいのか?

〇なんか勝手に死んでた

――――――

 

 その後、アバターが再構成された俺が戻ってくるとステラはくすくすと笑っていた。

 

「お兄ちゃんにもできないことがあるんだね」

「アバター変化させる系の必殺技は、ちょっと自分から離れすぎてて、上手く制御できないんだ、俺」

「ボクは全然いけるよ?」

「それが今の若い子たちの凄いところだよなぁ」

 

 俺が今の環境を調べるにあたり、一番驚いたのはアバター変化系の必殺技が主流の一つになっていたことだった。

 5年前にも今のステラのようなアバターを変化させるような必殺技は存在した。

 だが、いくらヴァーチャル・スクエアと言えどもあまりに人間の常識から離れた変身は、制御が難しく、あまり主流とはならなかった。

 

 だが、5年の時間が経ち一部の熟練プレイヤーや、ステラのようなVRネイティブ世代は見事にこうしたアバター変化系の必殺技を使いこなしていた。

 

 これは間違いなく、俺にはできずステラにしかない強みである。

 

「確かに俺は今はステラより強いよ。でも、それが全てじゃない。こうしてステラにしかできないことがあって、それをうまく使うことで俺に勝つことだってできる。それって、すごくワクワクしないか?」

「ワクワク……」

「そう。このゲームはいくらでもステラの可能性を試せる。しかも、多様な戦い方をするプレイヤーがいる中でだ」

 

 ステラが自分の手に目を落とす。先ほど、俺の自爆とはいえ必殺技を使って俺から一本を取ったその手を。

 ふるふるとステラが身を震わせていたので、俺はその肩をぽんっと叩いた。

 

「VSは簡単じゃない。だから面白いだろ、ステラ?」

「ふふ、うん! おもしろいよ、VS!」

 

 ひまわりのように眩しい笑顔。たぶん、俺の最初のステラの講義としては及第点を取れただろう。

 

――――――

〇イイハナシダナー

〇ステラがVS楽しいって言ってくれて嬉しい

〇流石先生だ

〇ステラこれからもがんばれ~

――――――

 

 そろそろいい時間だな。配信を締める頃合いかな。

 

「こほん。とりあえず、そろそろいい時間ですね。今日の練習はここまでにしましょうか」

「あ、その前に待ってよお兄ちゃん」

 

 ん?

 

「ボク、一応お兄ちゃんに勝ったんだけどさっき話してた何でも買ってくれるって約束、忘れてないよね」

「……」

 

――――――

〇逃がさないぞという圧

〇あっ(察し)

〇先生、これ忘れてましたね

――――――

 

「え、ええと……」

「ふっふっふー、何買ってもらっちゃおうかな~。何でもって、何でもってことだよね?」

「ええと、俺まだ金欠で、お手柔らかにしていただけると……」

「え~、約束破るのぉ?」

「い、いやそういうわけじゃ……」

 

 汗を流す俺に「うそうそ!」とステラが笑った。

 

「買い物はいいから今度もまたさっきみたいにまたボクと全力で戦ってよ! ボク、さっきみたいにお兄ちゃんにボコボコにされるの、癖になりそうだよぉ~」

「言い方言い方言い方! なんか俺がとんでもない鬼畜教師みたいに見えるんだけど!?」

「へたくそなボクを指導出来て楽しいでしょ~?」

「いや、それは、その、ステラにやる気を出させるために、ちょっと煽ったというか、いやその、全体的に違くて」

 

――――――

〇なんかスーちゃんいけない扉開いてない?

〇誘い受けマゾメスガキステラ!?

〇ファンアートが加速してしまう

〇先生、これあなたが生み出したんだから面倒見てくださいよ

〇ステラ、嘘だよな?

――――――

 

「お兄ちゃん、これからもよろしくね!」

「いや、お兄ちゃんは今日だけって話では……」

「何でも買ってくれる約束蒸し返すのと、お兄ちゃん呼び継続、どっちがいい~?」

 

 にまーっとステラが俺を見上げてくる。

 

「ああ、もう仕方ないな……もういいよ、それで……」

「やたっ! よろしくねお兄ちゃん!」

 

――――――

〇ちょっろ……

〇もしもしカレイドコア運営?

〇もしもし学園長?おたくのお孫さんが教師になつきすぎてますよ?

――――――

 

 やめてね……。

 

 

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