ぽんこつ美少女Vtuberと最強無職 ~元無敗王者を人気配信者が放っておいてくれない~   作:世嗣

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顔合わせは大変

 

 

 

「ふー……今日はついにチーム顔合わせだな」

 

 なーちゃんとコラボして、ステラとコラボして、そんでもって今日は三人……『魔法学校組』と呼ばれているメンバーでのコラボになる。

 これは2週間後に行われる初心者中心のVS大会『ロウカクカップ』に出場するメンバーで、顔合わせを終えた俺はここから本格的に指導をしていくことになる。

 と言っても、既になーちゃんもステラも人柄はわかっているし、なーちゃんとステラはそもそも親友と言っていいくらいには仲良しだ。あまり心配はいらないだろう。

 

「ただ、これからどう指導していくのかは問われるだろうな……」

 

 『VSの元チャンピオン』としてデビューしたのだから、俺は彼女たちを強くできなければ存在価値はない。

 せっかくカレイドコアの一員としてデビューさせてもらえたのだから、俺も精いっぱい頑張らないとな。

 

「うっし。頑張ろう」

 

 VRデバイスを耳に引っ掛けて装着すると、俺はベッドの上に寝っ転がって目を閉じた。

 意識するだけでVR世界へのダイブは完了する。少しの浮遊感と共に俺の意識は現実を離れ、電脳の世界へと旅立った。

 

ゆっくりと目を開けると、俺は洋風の教室の黒板の前に立っていた。

 

「だから今度VSの練習も含めて二人でコラボしよーよ。お兄ちゃんに頼り切りよりは土日とかに二人で練習するのも楽しいと思うしさ」

「それはありかもだね。面白いところあったら切り抜いてshortとかにも……あ、ヒロくんだ」

「あ、お兄ちゃん! やっほー!」

「おまたせ、なーちゃん。それにステラ」

 

 俺がログインすると二人は既に教室の席に座っていて、これからの配信の予定について話していた。

 なーちゃんは背筋を伸ばして座っているのに対して、ステラの方はべたーっと机に寝そべりながら話していたあたり、二人の性格が見て取れた。

 

「遅かったね~お兄ちゃん。なんかあったの?」

 

 俺が二人に軽く手を挙げると、とことことステラが歩み寄って来た。

 

「山下さんと少し打ち合わせしてたんだ。今日から本格的にチーム練習だしね」

「山Pなんかボクらの心配してた?」

「いや、特には。なーちゃんもステラも良い配信者だから心配はしてないって言ってたよ」

「ほへー。ボクとなのちゃん信頼あるな~」

「ふっふっふ……山Pもいいこと言うね」

「まあなーちゃんに関しては上達するかどうか不安と冗談めかして言ってたけど」

「なぁんでぇー!?」

 

 ガーンと効果音が付きそうな顔で叫んだなーちゃん。

 まあなーちゃんもちまちま空き時間で練習してるから、魔法の取り回しが上手くなってはいるんだけど、他の人にはわからないしな。本番で日の目を見るのを期待しよう。

 

 

 

『【ヴァーチャル・スクエア】魔法学校組VS練習会。最初の講義を始めます【カレイドコア/ヒロ・セブンス/心重ななの/ステラ・マギティック】』

 

 

――――――

〇ついに初の魔法学校組コラボだ~~!

〇ヒロ先生とななーの、話してるだけでテンポ良かったからまた見れるのウレシイ

〇ステラともおもろかったしな

〇期待して待機中

〇ぽんこつ生徒と誘い受けマゾメスガキさん……

〇待機

〇ステラとななーのと先生で三窓視聴中

〇お、始まった

――――――

 

「あー、はい。配信始まったんで、声入れました。そっちは大丈夫?」

「ボクはおっけー!」

「私も大丈夫だよ。というか私とスーちゃんは配信開始のオープニングあるからそこらへんうまく調整できたりするんだよ」

「配信前オープニング……ああ、ななのさんが神社で盛大にスッ転んでるあれか……」

「言わなくていいからさ~。あそこのせいで私毎回待機中とかにぽんこつぽんこつ言われるんだよぉ……」

「あれかわい~よね。ボクもすき~」

 

――――――

〇ぽんこつかわいい

〇ぽんこつ待機は文化

〇ぽんこつありがとう

〇ななーの側のリスナーが先生のコメント欄にも!

――――――

 

「あ、またぽんこつって言われてる。あーもーそういうこと言う人はきらいで~す。心重参拝客とは名乗らせませ~ん」

「すげえ、千年血戦篇の卍解くらい問答無用に心重参拝客の名前が奪われてる」

「あー、お兄ちゃん良いのいいの。なのちゃんの「きらいです」は参拝客さんたちにはご褒美だからさ。参拝客さんたちよかったね~」

「そうなんだ……俺にはわからない世界だ……」

 

――――――

〇助かる

〇きらい助かる

〇やっぱこれだね

〇BLEACHなっつ~

〇どうやって応援すればいいんだ!

――――――

 

「こほん。とりあえずあいさつしちゃおうか。名前順で私、スーちゃん、ヒロくんの順番でいい?」

「か行のこころえ、さ行のステラ、は行のヒロか。いいよ」

「ん? でも待って。ボクのマギティックとお兄ちゃんのセブンスを考えると、この場合名前順だとボクの前にお兄ちゃんになるのでは……?」

「スーちゃん、些事はいいんだよ」

「些事かなぁ」

「じゃがいも8割のコロッケの中の引き肉が牛肉か豚肉くらい些事だよ」

「まあ……それは些事かもな……」

「なんかなのちゃんのよくわからない例えがお兄ちゃんにだけ伝わってる!」

 

――――――

〇ww

〇確かに

〇ななーのよくわからないお料理例えシリーズ

〇メンチカツが好き

〇コロッケはジャガイモ食べるもんだから

――――――

 

「では気を取り直しまして。やっほー! こんなの~! 『カレイドコア』の心重ななの~~~~、ですっ!」

 

――――――

〇こんなの~

〇かわいい~

〇昨日親友と先生を同時に寝取られた人だ

――――――

 

「あ、はい。そうで~す。なんか昨日配信終わってXを見たら親友と先生が兄妹になって腰を抜かしてた人で~す」

「なってないからね?」

「え~、ボクのお兄ちゃんでしょぉ~?」

「そういう呼び名を受け入れただけで兄になったわけではないから」

「ヒロくん、知ってるかもしれないけど生徒に手を出したら犯罪だよ?」

「知ってるからね!?」

 

――――――

〇ななーの辛辣で草

〇既にかなり仲良しで良い

〇ステラのメスガキ仕草、キく

――――――

 

「あはは! じゃあ次はボクだね! う~! 今日は右から登場! ステラだよ~!」

 

――――――

〇ステラのあいさつ可愛いな

〇右から出てきた。今日はいいことがある

――――――

 

「じゃあ次はお兄ちゃんね!」

「はい。では、みなさんこんばんは。『カレイドコア』のヒロ・セブンスです。みなさん今日もよろしくお願いしますね」

 

――――――

〇やったー!

〇いつも通り丁寧なあいさつ

〇うーんまだ一般人

――――――

 

「まだ一般人って……俺は常に一般人ですよ」

「いやいやお兄ちゃんが一般人なわけないじゃん! ね、ななーの?」

「ふふ、そうだねえ。ヒロくんが一般人って言うの、催眠術かけられたキン肉マンが『空に浮かべ』って言われたらなんかふわーっと浮き始めたあのシーンくらい無理があると思うよ」

「例えに出す作品古っ! いや、俺にはわかるけど……いや、あのレベルではないでしょ?」

「何の話してるのふたり?」

 

――――――

〇おいて行かれるスーちゃん

〇先生かなり古い作品知ってるよな……

〇まあ00~20年代の作品は70年代にめっちゃリメイクされたり再放送したりしたからな。知ってる子は知ってるやろ

〇何年たっても名作は名作

――――――

 

「古い名作、かな。ステラのおじいちゃんたち世代くらいの……」

「昭和後期から平成、令和初期にかけては一気にサブカル文化が醸成した時代だから、結構現代まで残ってるミームとかネタがあるんだよ」

「ふぅん。てことは二人で話してるボクのよくわかんない言葉ってその時代のネタなんだね。なんか楽しそうでいいね」

「ウッ」

「ウッ」

 

――――――

〇ウッ

〇ウッ

〇大量破壊兵器?

〇め、名作なんだよ……

〇ステラさんもドラゴンボール履修しませんか、遊びやすいゲームも完全版アニメもあるよ……

〇老人しにまくってて草

――――――

 

「二人がうずくまっちゃった……」

「そ、そうか……ステラは再放送にもひっかかってない世代か……」

「くっ、スーちゃんの頃は『アルリバ』が小学生に大流行したからね……私とかとはかなり隔絶した差があったりするんだよ……」

「なんか、ご、ごめんね……?」

 

――――――

〇ジェネギャは人を殺せる

〇アルリバなっつ~

〇2070年代オリジナル作品では最大のヒットだったな、アルリバ

〇自分も超世代だな~

――――――

 

 その後、ステラが俺たちをジェネレーションギャップで殺しつくした波が収まった後、まずは軽いVSの講義を始めることにした。

 

「ということで、これからVSの練習方針を二人に伝えます」

「オー!」

「お願いしまーす!」

 

 ステラとなーちゃんが拳を挙げてくれたので、「ありがとう」と言って黒板の前に立った。

 

「大会は2週間後。だけど、二人には普段の配信や学業もあって毎日みっちり練習もできないから、二人には『自分のスキルの使い方』をしっかり固めて貰おうかなって思います」

「スキルの使い方?」

「そう」

 

 こてん、となーちゃんが首を傾げた。

 

「VR戦闘での立ち回りとかは、どうしても細かい話になるし、一気に詰め込んでも応用が難しいと思うからね。その点スキルだと、上達も実感しやすいし」

「必殺技はいいの?」

「必殺技は初見殺しができるからね。ある程度練度が低くても、かなり戦えると思うよ」

 

――――――

〇確かに~

〇ななーのとかはスキルまだ完全に決まってないしなぁ

〇悪くなさそう

――――――

 

「特にステラなんかは正直戦闘の立ち回りに大きな問題は見受けられないしね」

「へへーん、褒められちゃった~」

「でも、その分ステラもスキル構成は見直してもいいと思うぞ。ちょっと無駄があると思うし」

「? なんか問題あった?」

 

――――――

〇昨日の先生とステラのコラボでもかなり使えてたと思うけど

〇テンプレだしなぁ

〇流行の丸さがある気がするけど

――――――

 

「いや、ステラってVRネイティブで元々すごい回避上手いんだからアクションスキルの『超回避』はいらないんじゃないかな。正直防御面はPSでカバーできてるよ」

「そうだったんだ……」

「そうだったんですよ。ステラの回避技術って、今の段階でもプラチナランクくらいなら通用すると思うしね」

 

――――――

〇あー……

〇た、確かに!

〇昨日もめっちゃ先生の攻撃ぬるぬる避けてたもんなぁ

――――――

 

「俺の感覚では今のステラに必要なのは突破力かな。丸い構築にし過ぎて、ちょっと攻撃面に不安が残ってたからね」

「痛いところを突くなぁ」

「スーちゃん、割と攻撃はまっすぐ行って刀を振り下ろす!に全力だもんね」

「げ、なのちゃんにもバレてる」

「特に今回の大会ルールの『チーム戦』では、三人のビルドをどう組み合わせるかってのが大事だからね」

 

 俺は教卓の前で、目の前の二人の生徒に問いかける。

 

「ステラはチーム戦のルールは覚えてる?」

「ええと……」

 

 ステラが目線を俺から逸らして、指同士を突き合わせる。これは覚えてなさそうだ。

俺は今度は隣に座るなーちゃんに目を向けた。

 

「ななのさんは?」

「言えるし、一応運営さんに通達されたルールとかまとめて今配信画面に出せるけど、だそっか?」

「おお、それは助かるな。じゃあ頼んでいいかな?」

「りょうかい~」

 

 俺が頼むとなーちゃんが半透明のウインドウを黒板に投影してくれた。

 そこには俺が山下さんから聞いていたようなルールがわかりやすく、箇条書きで並んでいた。

 

 『ロウカクカップ』

・ヴァーチャル・スクエアによる8チームのバトルロイヤル

・招待選手(ゴールドランク以下)の二人は、一人だけコーチとなるプレイヤーをチームに引き入れても良い

・スキル、必殺技に制限はなし

・チームで脱落者が出た場合は、チームで一度だけ蘇生が可能

 

「って、感じだよ。スーちゃんも思い出せた?」

「そっかそっか。ありがとなのちゃん!」

 

――――――

〇ななーのが有能……妙だな?

〇ぽんこつが嘘みたい

〇こういう時はちゃんとしてるのがななーののいいところ

〇見なよ、俺のななのを……

〇ゲームするときあんなにポンコツなのに

――――――

 

「誰がぽんこつだって~?」

 

――――――

〇ステラじゃね?

〇俺しーらね

〇圧かけ助かる~

――――――

 

「あれれ? ななーのでもこれなんかおかしくない?」

「どうしたのスーちゃん急にコナンくんみたいなこと言いだして」

「……?」

「あ、なんでもないです。続けてください」

「あ、うん。ええとね……」

 

 なーちゃんが出したルールを読みながらふんふんと頷いていたステラが何かに気づいたらしく、眉を寄せて「むむむ」と唸る。

 

「だってこれってお兄ちゃんみたいなコーチさんたちが無双しちゃわない? だってチームの一つにロウカクさんがコーチのチームもあるんでしょ?」

「た、確かに……! ロウカクさんみたいな現役チャンピオンに出会ったらいきなり詰まない!?」

「はは、そこらへんはちゃんと対策されてるみたいだよ」

「と、いうと?」

「使えるスキルが少ないんだ。ななのさんたちは三つだけど、コーチ枠のスキルは二つまで。武器スキルか、パッシブか、アクションか、どれかは外していくって感じかな」

 

――――――

〇なるほどな~~

〇流石にそこらへんはちゃんとバランスとってあるか

〇いきなりフルパワーロウカクに出会って詰むことはないわけだ

〇新人大会でベテランが無双したら流石につまらんか

――――――

 

「てことはお兄ちゃんもスキルは二つなんだね。どんな構成にするかもう決めてるの?」

「俺は二人に合わせるつもりかな。チーム戦はそこらへんの意志統率が大事だし」

「いしとーそつ……」

「みんなで同じ目的に向かって動くってことだよね、ヒロくん」

「そうそう。ちゃんとリーダーがそこの方針をちゃんと作れてると、動きやすさも変わるからね」

 

――――――

〇かなりちゃんとした講義だなぁ

〇流石初代チャンピオンは違う

〇アクシア戦術を生み出した人なだけある

〇てことは今回もアクシア戦術で行くのかな?

〇リーダーが意志統率役やるならそうなんじゃない?

――――――

 

 俺のコメント欄にばーっと『アクシア戦術』というワードが流れていく。

 どうやらそれはなーちゃんやステラの配信も同じだったようで、二人は揃って首を傾げた。

 

「アクシア戦術?」

「……って、なに? 私たちにも何か関係あるやつ?」

「ああ、俺とひなたとミヤコが考えたやつな。ちょうどいいし二人も説明しておくよ」

 

 今のチーム戦環境について調べた時もまだ有用っぽくてちょっと嬉しかったんだよな。

 

「ざっくりいうと『アタッカー』『遊撃』『司令塔』に役割を分担するって言う戦い方かな」

「FPSでのIGLとか、アタッカーとか、そういやつ?」

「お、ステラ詳しいな。そうそう。その認識で構わないよ」

「やたっ! ななーの、ボクの勝ち!」

「べ、別に戦ってないから! ……でも、その役割分担って普通じゃない? 他のゲームとかでも普通にやってる人たちもいたんじゃないの?」

「ななのさんもいいところ突くなぁ」

 

 そうだ。のちに『アクシア戦術』と言われる戦術の基本は特別なことをしていない。

 司令塔が指示をし、アタッカーがそれに従って相手を倒し、それのフォローを遊撃が行う。何ら特別なところはない。

 

 ただ、俺たちが行ったのはその役割ごとの細かいスキルの割り振りだった。

 

 アタッカーの俺は地上戦を意識した『一番強い相手にきちんと勝ち切る』構築を。

 遊撃のひなたは飛行魔法戦を意識した『汎用性が高くアタッカーの苦手な相手を引き受ける』構築を。

 司令塔のミヤコは遠距離の撃ち合いを意識した『アタッカーと遊撃の能力をサポートし、継戦能力を高める』構築を。

 

 地上戦に強い俺、空中戦で無二の強さを誇るひなた、そしてそんな俺たちを適切な場所に配置し戦況を操作するミヤコ。

 そのために強みを特化させたアビリティ構成は大会優勝後高く評価され、その後多くのチームが『アクシア(おれたち)』の構築を真似するようになった。

 

「へえ~。すごいね、ヒロくん」

「うん! 当時も他のジャンルからきた熟練者とか居たんでしょ!? なのに高校生で優勝しちゃうなんてさ」

「はは、当時はまだ環境分析がされ切ってなかったから、俺たちの戦術がメタゲームに上手く刺さったって言うのもあるだろうけどね」

 

――――――

〇はえ~~

〇こういう話聞くと当時の映像とか見たくなるなぁ

〇残ってるかな~

〇VS公式のふっるい動画漁ればありそう

〇探してみるか

――――――

 

「アクシア戦術かぁ。ボクたちにもそれができるかなぁ。ボク、自分がみゃーちゃんみたいにはできるとは思えないや」

「ミヤコ先輩とひなた先輩みたいには、ちょっと恐れ多いかもね……」

「ああ、いやいや、そんな厳密に『アクシア』みたいにならなくたってさ」

「でも、ヒロくんが勝った戦術なんでしょ?」

「確かに俺はアクシアというチームのおかげで勝った。でも、俺たちは『魔法学校組』だろ?」

 

 二人が少し不安そうな顔をしていたので俺は教卓の前で少し微笑んで見せた。

 

「俺は全国大会で勝てたのは俺たちの戦術が優れていたからではなく、もっと大事なことが俺たちの中で共通してあったからだと思っているよ」

「共通して」

「あったこと?」

 

 またもや二人がこてん、と一緒に首を傾げた。

 俺はその仕草に思わずくすっと笑ってしまってから、教壇から降りて二人と目線を合わせた。

 

「『仲間のことを信じて、同じ目的に沿って動く』。これが誰よりも徹底できたから、俺たちは誰よりも強かった。俺はそう思っている」

 

 そうだ。チーム『アクシア』が最後ロウカクさんに勝った時、俺たちの心は一つだった。

 みんな同じ夢を見て、同じところへ走っていた。

 俺たちは誰よりも強い思いで繋がれていた『仲間』だった……少なくとも、俺はそう信じている。

 

「仲間を信じて、かぁ。それなら、ボクらにもできそうだね」

「んふふ、そだねー。私、スーちゃんの腕もヒロくんの強さもちょー信じてるので!」

 

 にこーっとステラがひまわりみたいに笑って、なーちゃんもふっと花がほころぶように微笑んだ。

 この分なら、きっとこの子たちも上手くやれるんじゃないか、そう思えた。

 

「……あ、でもボクたちも司令塔とか遊撃とかの役割決めなきゃなんだよね」

「そうだね……ええと、スーちゃんは……」

「言っておくけど、ボク司令塔とか無理だよ……? ななーのできる……?」

「ええっ!? い、いやぁ~、私まだまだへたっぴというか……あ、でもヒロくんが頑張れって言うならやるけど……」

 

――――――

〇こーれ無理ですね

〇天然あほのこステラとぽんこつななーのでは……

〇wwwwww

〇残酷だけど、これ現実なのよね

――――――

 

 ……ふふっ。

 

「そうだね。今回は俺が司令塔をやるよ。二人よりは俺の方が適性あるだろうし」

「ああっ、ヒロくんがなんか遠い目に! が、頑張るから! ね、スーちゃん!」

「も、もちろんだよ! ボクらお兄ちゃんの手となり足となって見せるよ! だからいくらでもボコボコにしていいからね!」

「スーちゃん、なんでボコボコにされるのそんな嬉しそうなの……?」

 

――――――

〇不安すぎる……

〇先生、頑張って面倒見てください

〇マゾメスガキ出てますよ

〇ななーの、どこまで上達できるかな……

〇魔法学校組、前途多難だね

〇がんばれ~

――――――

 

 

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