「私はカイザーコーポレーションの理事を務めている者だ。そして君たちアビドス高校が借金をしている相手でもある」
カイザーは改めて、アビドスの生徒へ自己紹介をした。
アビドスがPMCへ不法侵入していること、アビドスの土地を買った理由などもつらつらと話し、しまいには金利すら上げさせられてしまった。
「っ、そんな……!!」
「だから言っただろう。口の利き方には気をつけろと。……借金に対する保証金も持ってこさせよう。一週間以内に、我々に3億を委託してもらおうか」
「嘘!?利子でもいっぱいいっぱいだったのに……」
「……みんな、引き下がろう。ここでいくら言い合いをしても、受理になるのは私たちだよ」
「ホシノ先輩……」
「……おや?君は……ああ、少し前に会ったかな、副生徒会長殿」
「……」
「警戒されているな。……まあいい。今からでも立ち去ってくれるのなら、今回は見逃してやろう」
「……くそっ」
そんな悪役のような台詞を吐き捨て、対策委員会は撤退を余儀なくされた。
・・・・・
戻ってきた対策委員会の怒りをホシノが宥め、解散とした後のこと。先生とホシノは2人きりで話をしていた。
「今は黒服って呼んでる」
”黒服……はは、あの時に会ったきりかな”
「え、先生も……?」
”うん。私は会いに来たって言われてね。ゲマトリアっていう組織に所属しないかって……スカウトされた。勿論断ったよ”
「そっか。……破格の取引だし、今はそれ以外方法が思いつかない。……でも、諦めるつもりはないよ」
”そのつもりならよかった。……ホシノ、黒服はそれ以外になにか言ってなかった?”
「え?……あー……あ、言ってた言ってた!ケンジャク?と先生がなんとかーって」
”ケンジャク……羂索?”
「ま、気をつけておいたほうがいいだろうね。そろそろ帰ったほうがいいと思うよ」
”うん、それじゃあ”
「ばいばーい、また明日」
その翌日、小鳥遊ホシノは失踪した。
・・・・・
「黒服、ホルスはどうだい?」
「ええ、もう契約は交わしました。明日には此方に来るそうですよ」
「む、そうか。あまり見つかりたくはないからね、私はもう行くことにするよ」
「クックック……羂索さん、貴方も生きにくそうですね」
「息がしづらいのは昔からさ。あの世界では、私は心の底から笑えなかった……それだけだよ、黒服」
「そうですか……」
「ああそうだ。ゴルコンダとデカルコマニーに連絡を入れておいてくれ。近い内に会いたいんだ」
「了解しました、連絡しておきますね。……いい話を期待しております」
この世界線の先生たちの間で羂索の名が出たのは、この話が初めてです。ちなみに夏油は裏で呪霊調伏したり、ゲマトリアと会合したり、各学園の生徒会と話をしたり、先生の業務を手伝ったりしています。結界術を使って時間の流れを歪ませているので、先生よりかは睡眠を取れています。時折ヒナも一緒に寝てます。お陰でヒナの過労が少しづつ取れ始めました。おめでとうヒナ